FinePix Z700EXR レビュー

そろそろ返却期限が迫ってきたので(汗)FinePix Z700EXRのレビューをします。

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みんぽすさんにお借りして以来「今日の猫」では基本的にFinePix Z700EXRを使ってきました。

その都度気付いたことは書いてきたのですが、その上での感想は、意欲的な機能が色々と盛り込まれ、写真も致命的な失敗写真が少なく平均点以上の写真が手軽に撮れるが、煮詰めが甘い部分が散見し、現時点ではこれからの可能性に期待を抱かせるカメラに留まっている、というところでしょうか。私の使い方では貸出でなく、このカメラを実際に買っていたら後悔していたと思います。

基本的には良いカメラだと思います。EXR AUTOモードにしておけばシーンや画質を最適な組み合わせで選んでくれて手軽にキレイな写真が撮れます。タッチ操作や充実した再生機能、ペットモードの搭載もより広い層に受けが良いでしょう。気軽に写真を撮りたい方に勧めてハズレの無いカメラだと思います。

その中にあって個人的に気になった点を挙げます。
　

・カメラの起動が遅い
せっかく電源とレンズカバーが連動しているのにこれでは軽快に撮れません（特に野良猫撮影）。

・モードによってよって使えない機能がある
例えば、EXR AUTOモードではフィルムシミュレーションにベルビアが選べなくて、逆にオートモードだと基本的に高解像度優先固定になってダイナミックレンジ優先や高感度低ノイズは選べません。機能的な制約は色々あると思いますがフィルムシミュレーションはどのモードでも全て選べるようにして欲しかったところ。

・マニュアルモードでないと変更できない設定がある
上の続きでもありますが、露出補正、ホワイトバランス、AFモードはマニュアルモードでないと変更できません。これは想定される購入者層やこのカメラの性格を考えるとやむを得ないと思うのですが、せめて中央固定のAFくらいはどのモードでも選べるようにして欲しかったところ。まあ、その対策の一環としてタッチショットがあるのかもしれませんが。AFポジションを指定したかったので後半はタッチショットを多用しましたが、タッチショットはタッチした瞬間に合焦→撮影となるので軽快に撮れる反面、ミスタッチするとメイン被写体がピンぼけになる恐れもあります。猫撮りにはこの操作が適していると思いました。

・タッチ操作のユーザインターフェースが惜しい
FinePix Z700EXRのタッチ操作はレビューとか見てても概ね好評（特に再生時）なのですが、ちょっと惜しいと思うこともあります。設定の変更で選択肢が現れたときに、その選択肢を直接タッチできなくて、上下矢印で選択、OKで確定、というパターンが多いです。モードの切り替えなんかは直接そのアイコンをタッチするので混在すると、どうも直感的操作に結びつかない部分があります。これもカメラの性格上仕方がないのかもしれませんが、タッチ操作の割には「確認」動作が多いように思います。タッチ操作のデジカメが増えていけばこの辺もこなれていくでしょう。

・ペットの顔検出も惜しい
Optio I-10、RICOH CX3と並んでウリのペット自動検出機能ですが、野良猫に使う分には正直微妙でした。認識はまあまあしてくれるのですが、合焦までにワンテンポ待たされるので結局正面から撮れないケースもありました。オートシャッターもあるのですがやはり同様にワンテンポずれてしまうことが多かったです。何よりオートシャッターは一枚撮るごとに設定が元に戻るので使いにくいです（これはセルフタイマーも同じ。この辺は個人の好みかもしれませんが）。とりあえずこの春に三機種登場したペットの顔検出もこれから色々な機種に搭載されてブラッシュアップされていくことでしょう。

あと、ウリの一つの充実した再生機能ですが、私は「今日の猫」を撮ってる関係上毎日写真はパソコンに移すのであまり恩恵を受けませんでした。世の中にはずっと写真をためておいてSDカードの容量がいっぱいになったらカードを換える人も居るらしいので、そういう人には非常に便利な機能だと思います。

その他、広角端が35mm判換算で35mmスタートなのは昨今のカメラとしては若干寂しいという声も聞かれますが、私はあまり気になりませんでした。GX200を使っていて広角24mmをやや持て余していたせいかもしれません(汗)。アスペクト比に4:3と16:9しか無かったのもちょっと寂しいですね。1:1とは言いませんが、せめて3:2は入れて欲しかったところです。

そのGX200との比較写真を掲載しておきます。比較に適さない写真でごめんなさい。