h4350 の最大の特徴はビルトインキーボードでしょう。このキーボードがあるおかげで、快適な文字入力が可能になります。

しかし、全てのシチュエーションでキーボードを使える訳ではないですし、私自身、未だキーボードに完全には慣れていません(これは慣れるべきなんでしょうけど)。そこで、従来通りのペンでの入力も重要になってくるはずです。

ペンでの入力となれば、個人的には、Palm での Graffiti + POBox が一番効率が良かったと思います。h1920 でも当初 ComPOBox乙 を使っていましたが、ソフトキーボードからの入力に馴染めず、結局日本語手書き認識を使っていました。PocketPC の日本語手書き認識も思っていたよりは使えるのですが、日本語の手書きというのも画数等の問題で快適とは言えません。Decuma Japanese が使えればもう少し印象が変わったかもしれませんが、残念ながら対応機種になっていません。

さて、本題での h4350 での日本語入力ですが、キーボード使用時は前回の書いた通り PQBox です。これは問題ありません。ペン使用時ですが、まず日本語手書き認識は使えません。当たり前ですね。Decuma Japanese も対応機種に入ってません。PQBox + ソフトキーボードも ComPOBox乙 と同じ理由でイマイチです。そこで、Web 上を色々探したところ、PQBox と Block Recognizer を連携する方法を見つけました。

Block Recognizer は Palm の Graffiti とほぼ同じ機能を持つ SIP で、英語版 PocketPC にのみ採用されています。私は h4350 を手にするまで、PocketPC にこんなのがあるのを全く知りませんでした(^^;。少し使ってみると確かに Graffiti 文字がほとんどそのまま使えます。これは便利、ということでこれに決定です。

PQBox と Block Recognizer の組み合わせにも問題が無いわけではありません。まず PQBox というか PokcetPC 版 POBox の問題ですが、子音だけでは予測変換を開始してくれません。例えば「摩擦」と変換したい場合、Palm 版だと”m”と入力した時点で変換候補が現れます。しかし、PocketPC 版だと”ma”と入力しなければなりません。ストロークが一つ増えるわけです。

続いて SIP の問題。キーボードで PQBox を使う分は SIP を使う必要はないので、下図のような状態になります。

PQBox

しかし、この状態だと Block Recognizer の SIP を表示したときに隠れてしまいます。この状態でも連携できるのですが、変換候補が見えません。これを解消するために、PQBox でもソフトキーボードを使うように設定しておきます。すると Block Recognizer の SIP と重なることはありません(下図)。

Block Recognizer

ただし、この場合普段から下図のような状態になってしまいます。

Soft Keybord

せっかくのキーボード付きデバイスですので普段は一番最初の図のように画面を広く使いたいのですが、いちいち設定を切り替えるのも面倒なので、今はこの状態にしています。キーボードの有無をワンタッチで変えられれば良いのですが…。この方法は私が知らないだけで実はあるのかもしれません。

あと、PQBox を使っていると「さいすけ」のように上手く入力できないアプリも出てきます。そして、PQBox 最大の弱点は辞書が貧弱な事です。これは自作する以上やむを得ないことで、むしろ自分で鍛えた辞書ならより計量でよりヒット率の高い辞書を作ることも可能なので一概にマイナスとは言えません。ここで問題なのは h4350 が英語版デバイスだということです。日本語版デバイスなら、PQBox で変換できなかった単語は標準の日本語入力で変換した後辞書に登録するという手が使えます。こうして辞書も鍛えられていくわけです。しかし、PQBox しか日本語入力の手段が無い英語版デバイスだと、変換できない単語はそのままなのです。これは PC 上で登録してやるか、辞典等からコピペしてくるしかありません。返す返す、h1920 で使っていた辞書が失われたのが悔やまれます。

そういうことも踏まえて、日本語入力には素直に ATOK Pocket を使うべきかな、と思い始めています。

今回参考にさせていただいたサイト
「Mobile-Diary」→「PocketPCでGraffiti?