EeePC 901-X に Snow Leopard をインストールする夢も落ち着いてきたので、覚えているうちにまとめておこうと思います。

尚、私もあちこちの情報を摘みながらやってるので、事実と反する部分があるかもしれませんが、その辺は夢の世界の話ということで大目に見てください。

そもそも、ネットブックへの Snow Leopard のインストールも既に旬を過ぎたネタで、かつ EeePC 901 もHacintoshの素体としてはマイナーのようなので、この記事を参考にする人がそんなに多いとは思えませんけどね。

とりあえず、いってみましょう。

 

◎素体としての EeePC 901

Hacintoshの素体というかネットブック全体として言えることかもしれませんが、初代EeePCが登場したときに私はその低価格もさることながらコンパクトさに惹かれました。しかしネットブックも人気が出てきて市民権を得るようになると10インチ液晶搭載モデルが主流になってきました(今は更に大きくなって12インチ液晶搭載のCULVノートが主流?)。Hacintoshの世界でもDellのInspiron Mini 10やhpのMini 100が素体に用いられることが多く、それらの機種の手順をよく見かけます。10インチでも十分コンパクトかもしれませんが、店頭で8.9インチの機種と比べるとやはり大きい印象を受けます。液晶が大きくなって解像度が上がるならまだしも、大半の機種は10インチになっても解像度は1024×600のままです。言葉は悪いですがこれじゃただデカいだけです。「よりコンパクトなMacBookを持ち歩きたい!」という欲求を満たすには、EeePC 901やInspiron Mini 9のような8.9インチ液晶搭載機種こそインパクトがあるのではないか、と思います。まあ、インパクトという点ではVAIO Pには適わないですけどね。事例は見たことがないですが、新型 LOOX Uオンキヨーの BXにSnow Leopardが入ればそれは凄いインパクトでしょう。でもね、インパクトと実用のバランスを兼ね備えるのは、

[tegaki]やはり8.9型液晶搭載機だ[/tegaki]

と、独断で言っておきます。

まあ、私の場合追加投資も出来ないのでEeePC 901でやるしかないんですけどね(汗)。私のEeePC 901 はSSDを、
ショート側基板 = 32GB BUFFALO SHD-DI9M32G
ロング側基板 = 16GB SUPER TALENT FPM16GRSE

に換装済みで、無線LANもAirMac互換の物と入れ替えています。メモリは最大の2GBにしています。

 

◎Snow LeopardのインストールにはインテルMacが必須?

昨年の5月頃にLeopardのインストールを断念した私は、どうせならSnow Leopardのインストールの手順が確立されるまで待とうと思っていました。で、ThinkPad X200sの購入でその機会が訪れました。しかし、調べていくと、ネットブックにSnow Leopardをインストールするには既にインテルMacが手元にある事が前提として書かれた手順が多いことが判りました。Snow LeopardのインストールDVDをインテルMacを使ってUSBメモリやSDカード等に復元してからネットブックへのインストール用のファイルを追加して、インストール用のメディアを作るやり方が主流のようでした。これは困りました。家に既にMacintoshは一台もありません。仮に残ってたとしても当然インテルMacではありません。知人にインテルMacを借りて作業するという手もありますが、この行為自体が限りなく黒に近いグレーなので、そんなのに巻き込むわけにもいきません(FUSIONのときに巻き込んだ気もしますが)。どうしたものか、と悩んで思いついたのが、一旦LeopardをEeePCにインストールし、その後インストール用メディアを作る方法でした。

 

◎Mac OS X 10.5.7 on EeePC 901

EeePCにインストールするLeopardのイメージを選びます。昨年5月に挑戦したときはKalywayの種を使いました。しかし、このときは何やらハードに問題があるみたいなエラーメッセージが出て挫折。なので、今回はiDeneb 1.5.1を使いました。
iDeneb 1.5.1のISOイメージさえ見つけられれば作業は特に問題ないと思います。ISOをDVDに焼いて、DVDから起動。ポイントはこのときに起動オプションとして

”Graphics Mode”=”1024×600×32”

を入力することです。
参考サイト:
  ・未来は自分で作るもの。 ≫ MAC100%

これをしておかないとインストール時にダイアログが画面からはみ出したりするそうです。インストーラーが起動したらディスクユーティリティでパーティショニングしてインストール開始。オプションは日本語関係とEeePC関係のみチェックを入れればOK。これでインストールは拍子抜けする程あっさり完了。昨年5月に失敗したのは何だったんだ?まあ当時は外付け光学ドライブを持ってなくて、Buffaloの外付けハードディスクの仮想CDドライブ機能使って挑戦しましたからね。今回はこの日の為に(?)買った外付けブルーレイドライブが大活躍してくれました。

結局iDenebのLeopardはインストールメディアの作成にしか使ってないので余り長くいじってないのですが、無線LANは普通に使えて音も出ていました。解像度も1024×600になってました。スリープは試していません。

 

◎Mac OS X 10.6.2 on EeePC 901

さて、いよいよ本命のSnow Leopardのインストールです。

参考サイト:
  ・とむむの日々○○ MacOSX 10.6.2は、Atom をサポートせず・・・ だが、回避可能!
  ・No.2142 EeePC 900Aは雪豹の夢を見るか? – ~或いは非凡な日々~
  
用意したもの:
  ・iDeneb1.5.1を使って Mac OS X 10.5.7 をインストールした EeePC 901-X
  ・Snow LeopardのリテールDVD
  ・外付けブルーレイディスクドライブ
  ・80GBの外付けハードディスクドライブ(8GB以上のUSBメモリやSDカードでも可)
  ・NetbookBootMaker 0.8.3
  ・NetBookInstaller 0.8.3
  ・Mac OS X v10.6.2 統合アップデート (MacOSXUpdCombo10.6.2.dmg)
  
基本的な手順は「とむむの日々○○」さんが判り易くまとまっていると思います。

まずLeopardの入ったEeePC 901でディスクユーティリティを起動して、外付けハードディスクをパーティショニングします。
基本的に1パーティションで、フォーマット形式は「Mac OS拡張(ジャーナリング)」を選びます。
オプションについては「とむむの日々○○」さんでは「マスター・ブート・レコード」と書かれていますが「或いは非凡な日々」さんでは「GUIDパーティションテーブル」と書かれています。実はこの辺よく見てなかったので(汗)私はあまり考え無しに「GUIDパーティションテーブル」を選びました。

パーティションが出来たら同じくディスクユーティリティの復元を使って、Snow LeopardのリテールDVDの中身を外付けハードディスクにコピーします。

コピーが終わったらNetbookBootMaker 0.8.3を起動して、対象に外付けハードディスクを選んでPrepare Boot Deviceを実行します。「或いは非凡な日々」さんでは「Chameleonを用意してインストール…」と書かれていますが、意識してChameleonをインストールしなくてもNetbookBootMaker 0.8.3を適用するだけで全ての準備は整います。

これでSnow Leopardインストール用外付けハードディスクの完成です。

続いて外付けハードディスクからEeePC 901を起動します。Snow Leopardのインストーラが起動するので、ディスクユーティリティを使って今度はEeePC の内蔵SSDをパーティショニングします。先ほどと同じように1パーティションで「Mac OS拡張(ジャーナリング)」形式でフォーマットし、オプションは今度は間違いなく「GUIDパーティションテーブル」です。私はロング側の16GBの方にインストールすることにしました。マスタ/スレーブの関係でショート側から起動できるのかとかよく判りませんが(多分出来るはず)iLife’09を入れてしまうと容量が5GB前後になるので、ショート側の32GBにインストールした方が良かったかもしれません。ロング側を選んだのはこっちの方が速いSSDなのでちょっとでも動きが速くなるかな、と思ったからです。

内蔵SSDのパーティショニングが終わったら、そのパーティションにSnow Leopardをインストールします。カスタマイズからインストールする項目を選択しますが、必須項目以外は全部チェックを外しても大丈夫のようです。プリンタとかはむしろ外すべきという記述も見ました。私はX11だけチェックを入れました。

インストールは順調に進んでいたのですが、残り10分の時点でそこから進まなくなりました。「とむむの日々○○」さんの手順にはそんなことは書いてありません。一晩放っておいても進展がないので諦めて強制的に電源を落として、外付けハードディスクを外してから再起動しましたが、内蔵SSDからは起動してくれませんでしたorz 何かしくじったかな、と思い込んでいたのですが、この時点で「或いは非凡な日々」さんの手順を発見しました。

Inspiron miniシリーズでは問題ないのかもしれませんが、EeePCシリーズではインストールは正常に終了しないようです。あと、再起動もこの時点ではインストールした内蔵SSDから起動するのではなく、インストール用の外付けハードディスクから起動する必要があるのです。これはこの時点では内蔵SSDにはChameleonがインストールされていないためだと思います。「とむむの日々○○」さんではこの辺りに触れられていないので、Inspiron miniシリーズとEeePCシリーズでは挙動が違うのかもしれません。

インストールが進まなくなった時点で強制的に電源を落とした後、もう一度インストール用の外付けハードディスクから起動します。起動中にスペースキーを押すと、起動パーティションとして外付けハードディスクか先ほどインストールした内蔵SSDかを選べますので、内蔵SSDを選んで起動します。

これでSnow Leopardのウェルカム画面が現れます。あとは指示に従って必要情報を入力すればインストールは完了です。

この後NetBookInstaller 0.8.3を起動して、インストールしたパーティションに対して適用します。これで次回以降は内蔵のSSDから起動できるようになります。NetBookInstaller 0.8.3のチェック項目のうち

Generate a system specific dsdt.aml file

にチェックを入れると私の環境では処理が終わらなかった(今度は一晩ではなく2時間くらいしか放置してないので辛抱が足りなかっただけかもしれません)のでこのチェックは外しました。

順番が前後しますが、Mac OS X v10.6.2 統合アップデートを適用する場合はNetBookInstaller 0.8.3を適用する前にしましょう。10.6.2はプロセッサがATOMだと動かないようになっているらしいのですが、NetBookInstaller 0.8.3はその規制にも対応しています。もし、NetBookInstaller 0.8.3適用後にMac OS X v10.6.2 統合アップデートを適用してしまった場合は、もう一度NetBookInstaller 0.8.3を適用しましょう(上書きイメージ)。

Mac OS X v10.6.2 統合アップデートはソフトウェアアップデートではなく、ファイルをダウンロードして行います。すると再起動するかどうかを訊いてくるので、再起動する前にNetBookInstaller 0.8.3を適用すればOKです。

さて、ここまで書いておいて何ですが、インテルMacを用意しなくても、NetbookBootMaker 0.8.3の代わりにNetBookCD 0.8.3を使うことで、Snow LeopardのリテールDVDだけでインストールが出来るかもしれません(爆)。NetBookCD 0.8.3のイメージを焼いたCDで一旦起動した後、CDをSnow LeopardのリテールDVDと入れ替えてインストールを継続するやり方らしいですが、私は試していません。手元にインテルMacが無くて、一旦Leopardをインストールするのが面倒だ、という方は「NetBookCD 0.8.3」で検索すればもっと詳しいやり方がでてくるかもしれませんよ。

 

◎インストール後の問題

インストール直後から、画面の解像度は1024×600で無線LANも使えていますが幾つか問題もあります。

・音が出ない
 → VoodooHDA.kextを入れて解決

・スリープ復帰後に画面が真っ暗
 → Fn+F4で画面は点くがいちいち面倒なので、DSDTエディットを使って該当箇所を修正してリコンパイルで解決

・キーボードの「¥」がボリュームアップに割り当てられている
 → OSx86jpで配布されている、ApplePS2Keyboard.kextで解決
   やり方は2chのスレを参考にしました。

NetbookInstallerの中身(Contents/Resources/SupportFiles/machine/General/Extensionsの中にあるApplePS2Controller.kextの中身を開いて、ApplePS2keyboard.kextを差し替えしてから、NetbookInstallerで上書きすれば使えるようになりました。

・シャットダウンしても電源が落ちない?(時間がかかっていただけかも)
 → OpenHaltRestart.kextで解決

・「このMacについて」でプロセッサ名が?
 → AboutThisMac.pkgをインストールで解決
 
・スリープ復帰時に外部メディアが強制的に取り出された状態になる
 → USBメモリは問題ないが、SDカードは確かに怒られる
   DSDTエディットを使って該当箇所を修正すれば回避できるそうだが修正箇所の特定に至っていない
 
他には、SpeedStepが有効になるらしいのでVoodooPowerMini.kextを入れています。有線LANも使えない可能性があるそうですが検証してません。あと電源ボタンを押したときに、シャットダウンか再起動がスリープかを尋ねるダイアログが出るようにDSDTエディットを使って該当箇所を修正してます。

こんな感じですね。思ったよりも快適に使えています。前にも書きましたが、これを何に使うかですね(爆)。ここまでしてそれで満足、ハイ終わり、というのも寂しい話ですし何とか有効利用したいのですが、夢は夢のままそっとしておくのが吉なのかもしれません。