SHINO's SketchBook
SHINOのときどき絵日記
 

2014年06月30日

  ■春から夏、やがて冬(歌野晶午)

春から夏、やがて冬
なんか自炊の取り込み本チェック読みばかりで疲れたのでちょっとサボり。
久しぶりに活字だけの本を本のまま読みました。
電子書籍も全然嫌じゃないけど、紙のページを捲るのもやっぱいいね(笑)

「葉桜」ばかりが取り沙汰されて、この作品も同じような煽りが帯がついてましたが
「葉桜」とは全然違った作品。出来の善し悪しというより私の好みでは大差ないですが。

ああいう形での真相は不要だった気がしますね。
主要登場人物の行動には悪意はなく、寧ろ善意で行動しているし、
一見、それで救われた人物がいるかのように見えるけれど、
それは決して救いではないし、別の角度から見れば残酷なだけの結末としか言えない。
それとも、そう思うのは私が第三者の視点でしか見えていないからで
あの結末に救いは存在したのか。私には判りません。
知らなければそれは現実ではないし、
騙されていても、思い込みでも、それが真実と思うなら
その当人にとってはそれが唯一の真実なのだから。
一生吐き続けられる嘘ならばその嘘は嘘ではなくなるのかもしれませんし。
所詮すべての真実が見えている人間など存在しないというのが現実なのだから。

末永ますみは頭がいいのか悪いのか。
私には表面的に見えていた彼女とその後の決断と行動のギャップが大きすぎて
そこが嘘くさかったです。

2014年03月31日

  ■14年3月の自炊

今月は少ない上にItsumi嬢の本しかやってません。
Itsumi嬢半月後に引っ越し予定なので、荷物を減らすために大急ぎで自炊。
いや、他人の本は辛いわ。実はまだ確認と修正が完全には終わってません。
自分の本でも読みたいときに読むワケじゃない読み方は辛いのに他人の本は尚更だよ。

・中原アヤ
『HANADA 全2』『ひみつきち』『ラブ★コン 全17』『ラブ★コン TWO』
「ラブ★コン」は久しぶりに全部読み返して面白かったです。
ま、読んでも辛くないと思ったヤツから自炊したわけですが。

・椎名軽穂
『青いふたり』『CRAZY FOR YOU 全6』
「君に届け」の椎名さんです。

・小畑友紀
『僕等がいた 全16』
好きな作品だけど読むのはしんどい。

・咲坂伊緒
『ストロボ・エッジ 全10』
コレは名作。

・横山真由美
『私立!美人坂女子高校 全3』
この辺りから以下かなり辛い。
藤村真理以外は多分初読。
ギャル系漫画が多かった。

・槙ようこ
『ソラソラ』『あたしはバンビ 全3』

・藤村真理
『1/2ハート』

・大橋夕華
『ノスタルジック ブルース』

・山川あいじ
『ナマケモノと春』

・小藤まつ
『願ったり、叶ったり。』『ピンクちょーだい』

・児島美帆子
『恋のカケラ』『告白ごっこ』『ウチらのホントのところ』『スティンガー・ガール 01』

・衛藤ヒロユキ
『魔法陣グルグル 全16』
そしてラストがコレですがな。
まだチェック途中ですけど。
もう頭の中キタキタオヤジとサッパリ妖精でウンザリ(苦笑)

そんな感じでボチボチと。
因みにItsumi嬢は嫁入りではない。
単なる1人暮らし。しかも我が家から激近。

2014年02月28日

  ■14年2月の自炊

1月は乙女ゲーに時間を費やしていたので自炊はお休みしてました。
って、今もゲームしてるんで自炊は滞りがちなんですけど(笑)
ま、数年計画でのんびりやります。
自炊したコミック本は一応全部読み返してる状態なので
その時間も結構掛かるし、読みたいときに読みたい本を読んでいるのではなく
義務的に読んでいることになるのでちょっとしんどいし、
出来るだけ読みたい本から処理していく方向でやってます。

いくえみ綾
『TORCH SONG ECOLOGY 全3』
完結したので最終巻を読む前にサクッといきました(笑)
なんか小汚い感じの男が表紙だったので最初は購入を躊躇してたんですが
やっぱいくえみさんはイイです。
人間弱いときも強いときもあって不完全なのが完成形だと思わせてくれる作品が多いです。

穂積
『式の前日』
「このマンガが凄い」かなんかの上位だったんでしたっけ?
「あずさ2号で再会」が好きです。

香川祐美
『グラスガーデン』『さよならの7月』『春の扉』『ウルトラマリンの瞬間』『夏に花束』
『遠く西に日はおちて』『なのなのなにぬ 全2』『螺旋階段をのぼって 全3』
「螺旋階段をのぼって」は氷室冴子さんが原作。
古いんだから当然ですけど、懐かしい匂いのする短編集群。

谷川史子
『ホームメイド ~2』
これ続きでないの?中途半端に終わってしまっています。
谷川さんはレンタルで読んだ「おひとりさま物語」が好きです。
ま、どれも好きなんですけど、手元には全然ないという(笑)

米沢りか
『地図はいらない ~2』
これも多分途中で終わってるよね。大阪弁のイケメンハーフが好きだったんですけど。

香魚子
『さよなら私たち』『隣の彼方』『もう卵は殺さない』
最初は表紙買い。カラーが凄く好きです。
ちょっとシュールな内容もわりと好きです。

わかつきめぐみ
『不協和音ラプソディ』『月は東に日は西に 全2』『ぱすてると~ん通信 全2』『トライアングル・プレイス』
『So What ? 全6』『グレイテストな私達 全2』『黄昏時鼎談』『ご近所の博物誌』『言の葉遊学』
『ゆきのはなふる』『ソコツネ・ポルカ』『そらのひかり』『シシ12か月』『言の葉遊学・ご近所の博物誌』
『やにゃか さんぽ』『もっと やにゃか さんぽ』『夏藤さんちは今日もお天気』『きんぎんすなご』
『夏目家の妙な人々』『ローズ・ガーデン』
わかつきさんの本を切るのは結構勇気が必要でした。
でも早く電子化したかったのもわかつきさん。
もう初期の単行本が黄ばんで劣化して読むのが辛かったから。
今回久々に全部読めてシアワセ♪

渡辺多恵子
『たて・よこ・ななめプリズム'80』『ぼくたちの空色』『ファミリー! 全11』『聖14グラフィティ 全2』
『はじめちゃんが一番! 全15』『ジョセフへの追想』『雨に似ている』『We are』
『胸の金色』『もうひとつの9月』
「風光る」は途中で買うのを止めて処分しちゃったんですけど、まだ続いてますね~。
もう35巻くらい?すごいな。新撰組の話じゃなければ買い続けてたかもしれないと思うと…(笑)
やっぱ「ファミリー!」が名作ですが、「はじめちゃんが一番!」も好きです。
おまけのその後を読みたくてイラスト集も買ってしまったくらい…。
イラスト集のその後だけでも電子化して一緒にまとめておきたいなー(微妙に面倒)

ゲームは何やってるかって今更「パズドラ」なんですけど(笑)
一昨年の夏に妹に「面白いで」って言われてもスルーして、
去年の年末にチビがタブレット入手早々始めたときもスルーしてたのに…
今月の初めになんかむしゃくしゃしてつい落としてしまったら
直後に二周年記念イベントが始まって毎日魔法石とかタマドラとかくれるから
ついついズルズルと…。現実逃避だよ、わかってるんだよ、でも
4か月も前に始めたチビのランクを半月で追い抜いてしまいました(笑)
いや、チビが「にゃんこ大戦争」の方にはまってて
「パズドラ」は適当にやってたせいだけど。
流石にチビが無課金でやってるのに私が課金するわけもいかず、
ちまちまと無課金で遊んでます。やっと序盤が終わった辺り。
でも私はコレ今のタイミングで始めたのでよかったと思う。
もうコラボ物とか手に入らなくて当然のものがあるので、逆にあきらめがつくというか、
初期に始めてて、図鑑コンプ可能な状態なら課金しまくってコンプ目指したかも…。
コレクター魂を揺さぶられない時期でよかったです。いや、ホント(笑)
しかし、royさんとかぁこが語ってたときは「ふーん」くらいにしか思ってなかったけど
ホント、子供って凄いよね。あのスルスル具合が。
私がプレイしてるのを覗き込んで鼻で笑うのがむかつきます。

2014年01月08日

  ■貴族探偵(麻耶雄嵩)

貴族探偵
『職業=貴族 趣味=探偵』
権力行使で強引に捜査に割り込み事件を解決する貴族の連作短編集。
流石の麻耶雄嵩、探偵=推理する人ではない辺り。
運転手や執事、メイドは「黒執事」を思わせるビジュアルイメージ。
クラシカルが新しい。事件の内容もいきなり1話目に糸で鍵を吊して密室を作ろうとするという…。
トリック自体は目新しい物はないのに、ロジカルに解決されていく手際に見惚れる。
「こうもり」のミステリの原則を逆手に取った錯誤トリックは秀逸。
毎回、癖のある内容で、読み終えたらやっぱり、流石麻耶雄嵩と思ってしまう。
残念ながら万人向けとは思えない。

2013年12月22日

  ■Another(綾辻行人)

Another
文庫化されてすぐ買ってるのに何故2年も温存させておくのか。
すっかり旬も過ぎてしまいましたが、やっと読みました。
コミックもアニメも実写も観ていません。
ラノベ風で読み易かったです。ミステリっぽいホラーでしたが
謎解きは確信こそホラー要素主体であったものの
ロジカルに推理出来る内容だったかと思います。
ホラーなので超常現象に深く突っ込まず、
「そういうものなんだ」と納得して「Anotherは誰?」ということだけに注目して読めば
かなり面白かったと思います。
なんとなく小野不由美っぽかった。やはり感性が似てるんですかね?
しかし、これを映像化したのは凄いと思いました。(観てないけど)

2013年12月20日

  ■戦力外捜査官(似鳥鶏)

戦力外捜査官 姫デカ・海月千波
一見女子高生にしか見えないキャリア警部の海月とおもり役で武闘派の設楽巡査コンビシリーズ1作目。
2人の掛け合いは漫才みたいで面白いのでコメディー要素大。
ちょこちょこ絡んできて事件解決に一役買うオタク不良少年工藤君もイイ味出してる。
完全にコメディの設定なのに、事件内容はシリアス。
幼女殺害事件の被疑者少年自殺の話と、海月&設楽コンビの追う連続放火魔事件が平行して描かれ、
最後にリンクして両方の事件の真実が見えてくるのでどちらの事件も気になってサクサク読める。

なんかドラマ化するらしいですけど、どうもそっちは別物っぽい感じ。
武井咲とTAKAHIROなんですが、私のイメージでは有村架純と高橋努。(勿論独断と偏見)

2013年12月19日

  ■お召し上がりは容疑者から(似鳥鶏)

パティシエの秘密推理 お召し上がりは容疑者から
元警部現パティシエの安楽椅子探偵モノ。連作短編集。
仲良し兄弟で共同経営の喫茶店を舞台に美味しそうなお茶とお菓子の蘊蓄付き。
似鳥作品では一番好きかも。
事件を持ち込んでくる後輩警察官は最初クセがありすぎて引き気味だったけど
読んでる内に慣れてきた。ブラコン兄弟もリアルだと引くと思うけど(笑)
フィクションで頭脳明晰イケメンだと微笑ましい。
4つの事件、それぞれに違和感なく巻き込まれていく描写と
どの事件も結末の切なさとそれを救うスイーツの描写が絶妙。

個人的であったり、社会的であったり、難しい問題をテーマに巧くまとめられていると思う。
理性と感情は別というか、正論だけが答えではないというか、むしろ答えはないというか。
特にラストの話は兄弟の子供の頃のエピソードと併せて本当に難しい問題だと思う。
他人事なら日和るだろう。でも当事者になったらどうなんだ?と。
自分の最愛の人間を殺した犯人に対しても
死刑反対運動だの犯罪者の人権擁護だの出来るのか?っつー話。
出来る人もいるんだろうとは思うけどね。私は無理だな。

2013年12月18日

  ■狂う(西澤保彦)

狂う
探偵役の警察官が同じ作品の「猟死の果て」改め「殺す」と同じ装丁で
この作品も「彼女はもういない」を改題での文庫化ですが、原題の方がよかった気がします。
確かに狂う話ではありますが、ミステリなんて犯人側の描写は全て狂ってるようなもんですし。

私より先に読んでいたmasatsu氏に「面白かった?どんな話?」と訊いたら
「結末がよかった。エロ系」という答えが返ってきていて、
確かに結末は(意外という意味で)よかったけどエロ系というよりはグロ系。

犯人のトラウマだとか、環境だとか、
色々要因はあるといえばそれまでだけど
動機に対して、この斜め上を行く犯罪は一体何なんだ。
なんか必然性に欠けるような気がします。
# 狂気に必然は元々ないと言ってしまえばそれまで

小学生時代のエピソードからして、常軌を逸しているとまでは言わずとも
普通の反応ではない感じなので、そこも犯罪に走る伏線になるのかもだけど、
友人達との会話部分が凄く普通なので、その対比が薄ら寒いです。
# いや、どういうのが普通かと言われても困るけど

誰も幸せになれない悲惨な結末の暗く澱んだ話でした。
ま、西澤作品は皆、暗く澱んでるけど。

2013年12月17日

  ■飲めば都(北村薫)

飲めば都
編集者小酒井都ちゃんの飲酒記録。
へべれけとはこういうことを言うのだ。

それぞれのエピソードは「ちょっといい話」だったりするんですが、
私は主人公の都ちゃんが好きになれなかったので、全体的にはイマイチでした。
恋愛に対する姿勢も、友人に対する姿勢も、お酒の飲み方も、
どれもこれも共感出来なかったのですよ。残念ながら。
都ちゃんに限らず、登場人物の誰も好きになれなかったのが残念ですね。
私の狭量さの現れにしか思えなくて。ま、私は本当に狭量なので仕方ないっす。

2013年12月13日

  ■13・12月の自炊

もう12月も半ばなので、そろそろ掃除も始めなきゃなんないし、年賀状も書かなきゃだし、
今年の自炊は終了です。でも2月にスキャナを買ってから小説937冊。漫画636冊、
結構頑張ったんじゃないかと思います。先は長いけどね ┐(´д`)┌

高橋留美子
『うる星やつら 全34』『人魚シリーズ 全3』

「らんま1/2」でも「犬夜叉」でもなく「うる星やつら」(笑)
実は「らんま」は未読です。「めぞん一刻」も未読です。
「犬夜叉」はレンタルで読みました。

冨樫義博
『狼なんて怖くない!!』『てんで性悪キューピッド 全3』『レベルE 全3』『幽遊白書 全19』

冨樫サンはまだ大物の「HUNTER×HUNTER」が残ってます。
私は「幽遊白書」の方が好きですけど。やっぱ飛影ちゃんラヴなので。

篠原健太
『SKET DANCE 全32』

よっちんのお陰で原作まで買いましたとも(笑)
でもアニメ終了後の話もいい話でした。
スイッチ関連の話は何度読んでも泣けます。

masatsu氏のブログ見てる人は知ってると思いますが、
今月はやっと書籍ビューワ用のタブレットを買ったので
チビ用に少年漫画中心でいってみました。
彼等は今のところ「寄生獣」と「SKET DANCE」しか読んでませんが。
私はずっとiPhoneでスキャン後のチェックをしてたので、
画面が大きくなってラクになりました。

ipad mini retina
私用のはipad mini Retina 64GB。masatsu氏とは色違い。

nexus7(2012)
チビ用はNexus7(2012)32GB。アウトレットで安かったとはいえ3台はしんどい。
ええ、クリスマスですよ。クリプレの前渡しね。高いおもちゃだよ。
因みにItsumi嬢も同じモノを持ってますが、彼女は自腹。

比較
ipad miniとNexus7。やっぱりipad miniの方が横に広いですね。
カバーが純正じゃなくて、安物なのでよけいにデカく見える~。
純正のカバー欲しかったけど、高すぎでしょ、アレは。手が出なかったよ (ノД`)シクシク
Nexus7は2012ですが、充分綺麗に見えます。チビにはコレでも贅沢なくらいだ。

2013年11月30日

  ■13・11月の自炊

東城和実
『きみが見ていた千の雪』『禁区』『いつか冷たい夜に』『死線』『元気だしてね』『君は僕の太陽だ 全2』
『晴れたらねっ』『人生はいろいろだ』『LINK』『青春のためいき』『MORNING MOON』『若者のモラル』『異形の影』

これだけ東城和実を持っていて、『黒いチューリップ』シリーズは持っていないという…。
ラブコメ有り、シリアス有り、ホラーもSFもサスペンスもあり、引き出し沢山な漫画家さん。
でもシリーズ物が皆中途半端に終わってるのは…(´・ω・`)

中野純子
『IMOSEな関係 全2』『on the way home』『乙女アルバム』『君を攫いたい』『僕のたからもの 全4』『アタシに愛を!』

なんというか、ちょっとアウトロー的な恋愛が描かれてるなーと思います。いや、もしかしたらリアルなのかもしれないけど…。
『IMOSEな関係』が凄く好きなんですが、これも結果的にお互い愛情があったとはいえ、いきなり性行為から始まった関係だし、
『アタシに愛を!』なんて真実の愛っぽく描かれてますが、実際やってることは不道徳の極みですからね。
ちょっとずれたら悪趣味になる内容。事実『ちさXポン』はワタシ的には悪趣味でした。

安孫子三和
『天使の降る日』『真夜中をすぎても 全3』『みかん・絵日記 全14』『みかん・絵日記 特別編 全3』

真夜中のポーセットが可愛くて可愛くて(笑)みかんも好きですが、特別編になってからは何か説教臭くなってしまって残念。

立原あゆみ
『悪い男たち 全2』『風家族 全3』

立原あゆみはその昔ファンクラブに入ってたくらい好きだったのに、気付いたら手元にはこれだけしかありませんでした。
『麦ちゃんのヰタ・セクスアリス』が凄く好きだったんですけどね。なんで処分しちゃったんだろ。
『青空いっぱいのらくがき』リアルタイムで読んでましたからね(笑)なつかしい。

いくえみ綾
『ボクとあそぼうか!』『スターダスト3年め』『街と人のロマンス』『彼の手も声も 全4』『みつめていたい 全2』
『バイ・アンド・バイ』『朝がくる度』『いくえみ綾 THE BEST 全2』『君の歌がある 全3』『オススメボーイフレンド』
『かの人や月 全3』『爛爛』『エンゲージ』『以心伝心のお月さん』『POPS 全2』『I LOVE HER 全3』
『愛があればいーのだ』『子供の庭』『いくえみ綾・読みきり傑作選 全2』『私がいてもいなくても 全2』『ハニバニ!』
『バラ色の明日 全6』『カズン 全3』『いとしのニーナ 全4』『潔く柔く 全13』『プリンシパル 全7』

いくえみさんはかなり初期の作品ですが『スターダスト3年め』と『街と人のロマンス』がめちゃくちゃ好きです。
一時、紡木たくさんの作品に酷似してきた時期に読まなくなってたので、手持ちは古本や文庫本が多かったです。
あなたのことはそれほど』と『トーチソング・エコロジー』も持ってますが、未完なのでまだ裁断してません。
一応、完結本(若しくは続刊が絶対出そうにない本)のみ電子化しようと思ってますが、予定は未定。

鈴木有布子
『旬-いまどき-』『罪と罰 全3』『丘の上のバンビーナ』『Bino!Bino!』『願いましては』『星河万山霊草紙 全2』『キャンディ 全2』

高校生男子との年の差恋愛モノから多様なファンタジー、百合物まで、多才な作家さん。
どれもこれも妙な設定を特殊扱いせず、自然にお話が進んでいく辺りが寧ろ淡泊に感じてしまうほど。

大谷博子
『星くず 全2』『由似へ… 全3』『由似、風のなかで 全3』

星くずシリーズ。1作目の「星くず」なんて38年前の作品ですがな(笑)
当然、今読んだらかなり古臭いですが、それでもやっぱり泣いてしまうのねん。
最新作の「由似、風のなかで」は単行本で3巻までですが、文庫化で二作追加されて完結してます。
文庫化で追加するのズルイ。仕方ないので中古の文庫下巻のみ買って三巻の後に追加しました(笑)電子化だから出来るワザ。

2013年11月26日

  ■ヒア・カムズ・ザ・サン(有川浩)

ヒア・カムズ・ザ・サン
まず、7行だけの粗筋があり、そこから起こされた話。
一部の設定と名前が同じで全く別の内容のparallelも収録。
二篇同時に読むと、後編の登場人物に対してどうしても違和感があり
物語がストレートに入ってこない気がする。
どちらもいい話なだけに、読後の強烈なフィクション臭さで白けてしまうのが残念。

二篇とも、こじれた人間関係を主人公が整える話。
ベタベタするような甘ったるいシーンは一切ないのに
それぞれの愛情がはっきりわかるのが凄い。

子供の言い分、「ああしてくれればこう出来るのに」
大人の対処。「全て一旦諦める」

2013年11月19日

  ■オー!ファーザー(伊坂幸太郎)

オー!ファーザー
4人の父親を持つ高校生・由紀夫が主人公の青春アクションコメディ(?)
息子が可愛くて仕方ない父親達と、
父親達が鬱陶しくて仕方ない息子の遣り取りが面白い。
DNA鑑定で事実を確認するのが怖くて出来ないファーザーズは可愛いし、
四股掛けといて「(他にも恋人がいるかどうか)訊かれなかったから言わなかっただけ」と
しれっと答えるお母さんも(・∀・)イイ!!
(二股掛けてるんじゃないかと問い詰められて「私は絶対二股は掛けてない」と言い切るあたり…)
それで赦されるキャラというだけでお母さんのステキさが伝わってくる感じ。
映像化されたら絶対楽しいと思うけど、自分の中のイメージが崩されるのはイヤかな。
誰もが見惚れるイケメン女好き葵さんは福山雅治で見てみたいです!(笑)

2013年10月31日

  ■13・10月後半の自炊

ちょっと本棚に余裕が出てきた。

和田尚子
『ハッピーエンドの一片』『片道切符』『途中下車』『時間旅行』『夜間飛行』『銀河列車』
『春色歩道』『初冬街路』『湾岸道路 全2』

片道切符シリーズです。
そんなに古いと思ってなかったけど、最終巻が2000年発行でした。
ドS男子好きはこのころから既に。

宮川匡代
『ふんわりふたりのラブポエム』『おれの胸で泣いてくれ』『女の子の赤い靴』『ガラスのオンロード』
『ワインライト』『海の季節はまだ遠い』『TOYボーイ』『18は夢の頃』『Passing Through』
『キャンドルにおねがい』『ファースト レッスン』『ここが愛のまん中 全5』『天使契約 全3』

宮川匡代はデビュー作からファンです。ずれたカツラのような妙な髪さえも愛おしい(笑)
中学生の頃、作品一作丸々模写した記憶もあるという…。
でも『ONE-愛になりたい-』の連載辺りからちょっと離れてしまいました。
長編はあんまり好きじゃないかも。『林檎と蜂蜜』はレンタルで読んでますが。

多田かおる
『イタズラなKiss 全23』

イタキス、最後まで読みたかったなー。
多田かおるも初期の頃から好きです。応援団シリーズ?『ピシッとせえよ!!ピシッと…!!…』とか。
書いてたら読みたくなった(笑)

伊藤ゆう
『まっ赤なキャベツ 全4』『39℃ショック 全3』『Dear 全2』

『39℃ショック 全3』もドS男子だな。そして略奪愛モノ。

高橋千鶴
『アリスにきっす』『わくわくファンタジア』『時の流れに泣かされて』

高橋千鶴は『GOOD MORNINGメグ』が好きでした。もう今はコクリコの人。

・美村あきの
『銀色の雨が好き』

この人は『セント=ブラウンの童話』と『チョコクッキーの贈り物』が印象深い。
こうして振り返ってみると結構処分してる本多いな~。勿体ない。今読みたい。

岩館真理子
『乙女坂戦争』『ふくれっつらのプリンセス』『ガラスの花束にして 全2』
『えんじぇる』『おいしい関係 全2』『週末のメニュー』

『チャイ夢』がないのが残念。90年代以降の作品は全然わからないかも。

おおの藻梨以
『メッセージ』『ストレンジ・オレンジ』『SORA』『心は孤独なマルレーネ』『トム・トム・ペンギン・キャフェ』
『服部さんはスプーン1杯のユウウツ』『TOM BOY 全2』『FLAPPERS 全4』『桃色鼠』
『Jack in the box』『うさぎこいし…』『くにたち物語 ~12』

『くにたち物語』の続きは雑誌に何作か描かれたはずなんですが、
きっともう単行本化されることはないんでしょうね…。モコが大人になるまで読みたかった。

桑田乃梨子
『おそろしくて言えない 全4』『月刊1年2組 全2』『君の瞳に三日月 全2』『ほとんど以上絶対未満』
『一陽来福』『1+1=0-いちたすいちはれい-』『犬神くんと森島さん』

『おそろしくて言えない』は名作だと思います。なんか見てたらイライラするけど嫌いになれない…
そんなキャラ描くのが巧すぎる~!

岩明均
『寄生獣 全10』

少女漫画に混じっていきなり(笑)環境汚染への警告的なお話だったのかもしれませんが、
「ミギーカワイイよ。カワイイよ、ミギー」しか考えずに読んでました。ジョーも好きです。
別に積極的に環境汚染を進めようとは思わないけど、エコロジーなんかもよくわかんないです。
そもそも『自然じゃない』という意味がわからん。所詮人間のやってることなのに自然じゃないと?
命は全て死に向かって進んでいくモノではないか。星の命とて同じではないか。
星が産んだ生命がゆるゆると星の命を蝕むのも自然なのではないかと。
いや、別に、そういう確固たる信念を持って生きているわけではない。ただ無理はしたくないだけ。

2013年10月16日

  ■13・10月前半の自炊

ちまちまと昔懐かしい少女漫画。

あさぎり夕
『あいつがHERO! 全2』『あしたからのHERO』『女の子の不・思・議』『女の子のホ・ン・キ』『イブのすべて』

古っ!(笑)いつの間にかBLの人になってしまっていたあさぎり夕さん。
HEROシリーズは多分一回手放して再入手したのだと思います。

ひかわきょうこ
『千津美と藤臣君 春を待つころ』『千津美と藤臣君 パステル気分』『千津美と藤臣君 銀色絵本』

藤臣くんが好きです。
超どんくさい女の子と硬派な男の子は昔、王道だった気がします。

酒井美羽
『あの娘におせっかい』『もういちど愛して』『ミルクタイムにささやいて 全7』
『初体験ボーイ 源之助センセーション!!! 全2』

ミミと州青さんシリーズ。
18歳で結婚して19歳で出産したという辺りが親近感ですが、
私は別にミミみたいに「若いのねぇ~」と驚かれたり、やっかまれたりすることはなかったような…。
きっと見た目が若くなかったからですね(笑)
寧ろ、今、子供が6人いるという事の方が驚かれる率が高い。
チビも「6人兄弟って言ったらビックリされた~♪」とクラス替えの度に楽しんでいる模様w

小椋冬美
『夢で逢えたら』

なんと小椋冬美さんは一冊しかありませんでした。
Mickey」とか「リップスティック・グラフィティ」とか持ってたんだけどな~。

松本美緒
『彼女の彼 全2』『拓也-YOKOHAMA二十歳前-』

ヤンキー漫画。でも何回読んでも泣く(笑)

有井伊奈
『素直なきみに逢えたら』『シュガータイム』

独白の多い漫画でした。今はもう描かれてないのかな?

足立恭子
『花いちもんめ』『空がいちばんたかい日』『遠い街であいましょう』

この方も今はもう描かれてないのかも。

川原和音
『幸せのかんづめ』『天晴』『君が好きだから!!』『無敵のLOVE POWER』『泣きたくなったら教えてね』
『修学旅行』『500マイル』『プラチナ・スノウ』

この人は「高校デビュー」が有名なのではないかと思いますが、
私は初期の作品の方が好きです。「先生!」の途中で挫折して売ってしまいました。

清原なつの
『花岡ちゃんの夏休み』『飛鳥昔語り』『3丁目のサテンドール』『真珠とり』『未来より愛をこめて』
『なけなしのラブストーリィ』『ゴジラサンド日和』『あざやかな瞬間』『群青の日々』
『アンドロイドは電気毛布の夢を見るか?』『ワンダフルライフ』

清原さんの絵は全然好きじゃないんですが、お話が好きです。
タイムトラベルシリーズが好き。

森本梢子
『ごくせん 全15』『ごくせん 完結編』

ドラマより原作の方が好き。
先日出た「高台家の人々 1」が面白いのでオススメです。

由羅カイリ
『アンジェリーク 全11』

(。・w・。 )何持ってんだか…。
これはランディラヴアンジェなので、ゼフェル様はロザリア贔屓。
ロザリア好きだけどね。

山田睦月
『ミッドナイト・ロンリー・モンスター』『THE GHOST OF MY LIFE』『オーダーメイド★パラダイス』

古い時代の洋物漫画の方です。原作付きが多いですね。

あとり硅子
『夏待ち』『ドッペルゲンガー』『光の庭』『四ッ谷渋谷入谷雑司ヶ谷!!』

この方は何年か前に亡くなられました。四ッ谷の続き読みたかったなー。

秋里和国
『花のO-ENステップ 全8』『それでも地球は回ってる 全5』『デッド・エンド』
『眠れる森の美男』『TOMOI』

初期の秋里さん。最近はどんな物を描かれているのか全然知りません。

赤石路代
『スパークリングストリート』『キャッチ30秒』『P.A. 全9』

こちらも古い赤石さん。「P.A. 」は今読んでもあんまり古くない。
携帯電話が出てこないのが時代を感じさせる程度。

2013年10月04日

  ■スキャンスナップ消耗品交換

自炊に使っているスキャナFUJITSU ScanSnap iX500 FI-IX500の消耗部品のローラーを交換しました。
FUJITSU ローラーセット(iX500用) FI-CX50R
FUJITSU ローラーセット(iX500用) FI-CX50R
ピックローラーとブレーキローラーのセット。

20万枚スキャンか1年が交換目安。
画像の汚れは気になるものの、別に二重送りが増えたとか、
送りに関しての問題はなかったため、替えなくてもいいんじゃ…と
せこいことを思いつつ、21.2万スキャンしてやっっと交換。

交換前は「こんな物が7千円…20万枚は余裕見てる数字じゃないの?
まだ交換しなくても何とかなるのでは?」と思ってたけど、
やっぱ消耗品。交換してみたら、溝の深さが違いすぎる…。
20万枚スキャン…こんなに摩耗するもんなのねー。
ピックローラー
左が新しいピックローラー。右が21.2万枚スキャンしたローラー。

2013年09月28日

  ■13・9月の自炊

ずっとサボってたらメインページから文章が消えてしまいそうなくらい間があいてしまった…。
毎日テキトーにアニメ観たり、漫画読んだり、小説読んだり、ゲームしたりしてますが、
今のところメインでやってるのはやっぱり自炊なので自炊の記録。
というか、他の事は細切れでやってるのであんまり進展してなかったり…。

今月自炊した本は以下の通り。
「おお、懐かしい!」と思ってみたり
「何ソレ?マイナー(若しくは古)すぎてわからん」と思ってみたり
「そんな趣味あったのか?」と思ってみたりして
楽しんで頂ければ幸いです。
くだらねーと思ったら読み飛ばして下さい(笑)

北条司
『天使の贈り物』『桜の花咲く頃』『CAT'S EYE 全18』『CITY HUNTER 全35』

エンジェル・ハート」「エンジェル・ハート2ndシーズン」はレンタルで読んでます。
でもやっぱ「CITY HUNTER」だよね。

あだち充
『タッチ 全26』『ラフ 全12』『H2 全34』『SHORT PROGRAM 1~3+GIRL'S TYPE』

「SHORT PROGRAM」はデカイし、途中カラーあるし、面倒臭かったです。
2と3の間が11年開いてるんですが、口絵のあだち充が11年で凄く老けててビックリしますw
3収録の「天使のハンマー」の真実が凄く気になります。どっちにしろ救いようのない話ですが…。
お約束ですが、自炊しながら全部読み返してしまいました(笑)
タッチは何度読んでも泣くわー。

小栗るみ
『TAKEMI』『オレが恐ろしい』『七色の波紋』
『一番目の六』『孤独な王様』『遠い記憶』『魔女の瞳』『マリエの魔法』←シリーズ5冊
『怒るテディ・ベア』『モテる!?テディ・ベア』『キスを狙え!テディ・ベア』

テディ・ベアシリーズは雑誌掲載分は最終話までいってたのに、掲載誌が廃刊になってしまい
続きの単行本化がされてませんでしたが、今年になって実に16年ぶりに、続編の
爆発!?テディ・ベア」「キスを狙われる!?テディ・ベア」「笑う!テディ・ベア」の三冊が電子書籍化されました。
残念ながら、アナログ本は出てないので、凄く凄く迷ってKindle版購入。iPhoneで読みました。
電子書籍は規格統一して欲しい…。

河あきら
『いらかの波 全10』

渡の掴み所のなさが(・∀・)イイ!!
繊細なのか図太いのか、大胆なのか臆病なのか、奥手そうに見えてストレートな愛情表現するし、
ホントに謎な男子です。頭良いのか悪いのかも謎(笑)
浅野君の告白エピソードと、渡がヤキモチ妬いて修学旅行止めようとする辺りと
ワンシーンだけだけど、渡が後輩に指導してるところが好きです。

望月玲子
『タケコさんの恋人 全12』『新・タケコさんの恋人 全5』『タケコさんの恋人21 全5』

ここまで続くと思ってませんでした。なんか最後は惰性で追ってた感もあるけど
やっぱり、しーちゃんとタケコさんペアは好きです。
ガテン系硬派なくせに女の扱い巧いしーちゃんが恰好良過ぎ。

2013年09月17日

  ■キケン(有川浩)

キケン
電気工科大学のサークル「機械制御研究部」、略称【キケン】の部員達の話。

ノリと勢いで犯罪すれすれの事をやってしまう男子達。
くだらない、けど棄てられない矜恃。
バカバカしい、けど真剣な想い。
なんか青臭いことが一杯詰まってるドタバタ青春小説。

「爆発炎上は男のロマンだ」と言い切る部長。
威圧感たっぷりの副部長。
新入部員の気配り上手なお店の子。
ガタイの良い情報通。
キャラの立った面子の掛け合いが面白いです。

男子の生態のどこまでがリアルに描かれているのかは判りませんが、
女子目線で見れば「羨ましい」バカバカしさが描かれていると思います。
有川さんにしては珍しい、恋愛要素少なめ、少年漫画っぽい内容。

2013年09月03日

  ■タカイ×タカイ(森博嗣)

タカイ×タカイ CRUCIFIXION
Xシリーズ3冊目。相変わらずミステリとしての内容はイマイチ。
キャラ萌え読み用。
別に萌えはしないけど、キャラ同士の会話は面白い。
ただ時々イラッとくる。

「パスタは何が好き?」
「あれって形が違うだけじゃないですか?」
「でも形が違うのは色が違うより重要じゃない?」※要約

とか。
イラッとくる…という表現は間違ってるかもしれん。
でも私のボキャブラリーの中で一番近い言葉が「イラッとくる」
自分の書いてる文にもイラッとくるな(笑)

出てくるマジシャンがS&Mシリーズに出てきた人だというのは
読後、amazonのレビューで知った。
でも当然内容を覚えてないのでピンとこない。
もっと性能の良い脳味噌欲しいな~(笑)

2013年08月26日

  ■小説電子化一区切り

小説の電子化、やっと既読本完了~ ヽ(´▽`)ノ
944冊、約15GBのPDFファイルになりました。
作家別にフォルダ作って59個。案外少ないな。
一番ファイル数が多かったのは東野圭吾の65冊でした。
以前は吉村達也の100冊というのがあったんだけど処分しちゃったからね。
次点が島田荘司の60冊。
そして、新井素子、田中芳樹、西澤保彦、森博嗣が50冊オーバーでした。

残りは20冊程度の未読本と誰かが読みかけの本、
そしてハリーポッター10冊。
ハリーポッターは子供用の端末買ってから電子化しようかと思います。
ま、今のところ読む気配ないというか、読み始めてもすぐ挫折してるので
別に今すぐ電子化しても支障はないと思うけど…一応。
大きい組は私が電子化始めてから慌てて色々と読み始めてたけど
もうほぼ電子化してしまったので、各自読書用端末を用意して下さい、と。

次は漫画に突入ですが、小説はモノクロで取り込んだけど
漫画はグレースケールで取り込むことになるし、
そうするとヒストグラムで地を白っぽく調整しないとダメだし、
小説より時間が掛かりそうです。
現時点で約2800冊あるから量も小説の3倍だしね…。
全部電子化する前にココロが折れるかもしれんな…(;つД`)
ま、紙の劣化が激しいヤツから徐々にやっていきます。
2年以内に終わるといいな~(苦笑)

2013年08月10日

  ■目薬αで殺菌します(森博嗣)

目薬αで殺菌します DISINFECTANT α FOR THE EYES
Gシリーズ7作目。
6作目までを読んだのが結構前なので内容あんまり覚えてませんが、
完全に森作品読破してる人向けシリーズですね。
あんまりミステリとしての中身ないし、不親切。
意味深な文章の羅列に意味がなかったり。
言葉遊びを楽しむのはいいけれど、ちょっと独り善がりなんじゃないかと…。
ま、個人的な感想ですが。
シリーズキャラのC大の面子もなんかどこに存在意義があるのかわからんな。
赤柳探偵と海月くんが謎な存在っぽいので、正体が明かされることが
このシリーズの意味なんでしょうか?って期待してたら肩すかしの気もするしな。

S&Mシリーズから、女王シリーズに繋ぐ話なんだろうとは思うけど、
もうどうでもいいような…。
惰性で書かれて惰性で読んでる人が大半だと思うシリーズ(笑)
初心者には絶対お勧めしない。過去作品未読の人には読む価値ない。お金と時間の無駄。

2013年08月03日

  ■ダチョウは軽車両に該当します(似鳥鶏)

ダチョウは軽車両に該当します
動物園シリーズ2作目。
個性的なシリーズキャラの言動が楽しいです。

動物園物というと日常の謎系かと思いますが、
拉致、殺人等、結構本格的な事件。
今回はどこからか脱走してきたダチョウをたまたま捕獲したのが事件の発端。
ダチョウって個人で飼えるんですねー。

私は動物は鳥類もほ乳類もあんまり好きじゃないので、
ダチョウの羽根がもふもふ気持ちよさそうとか、
キリンにべろべろ舐められるとか、
犬によじ登られて肩車状態とか、
残念ながら、読んでてキモチワルイと思っても、
カワイイとは全く思えないのでアレなんですが…。
好きな人にとってはそれなりにウットリな状況描写が多いのかもしれません。
餌の描写で、ラットやミルワームの辺りを普通はキモチワルイと思うのかもですが、
私は犬に肩車やらされるより、ミルワーム眺めてる方がどっちかというといいのです(笑)
# 眺めるだけです。触りません。あと成虫になったらイヤです。
そういえば、爬虫類担当の服部くんはかなり変態でした。私は彼も好きです(笑)

語り部の桃本さんの恋愛事情が今後気になるところです。

2013年08月01日

  ■電子化

…16パズルも終わっちゃった。
そろそろ逃避は止めて自炊再開しよう…。
文庫本はあと200冊くらいです。
でも未読本もまた増えてきてるんだけど…(苦笑)

今月末から3ヶ月連続で欲しいゲームが出るのが悩ましい。
一応新品では買わないつもり。←意志の弱さが表れている文だなw

2013年06月29日

  ■昨日まで不思議の校舎(似鳥鶏)

昨日まで不思議の校舎
にわか高校生探偵団シリーズの6冊目。
過去の事件の収束という意味で一区切りのお話でした。
いくつかの校内事件の動機がややこじつけ感があった気がしますが
相変わらず伊神さんの推理が鮮やか。
そして今回の見所は葉山君の自覚。
今後二人の関係がどんな風になっていくのやら。
強気なフリして防御に走ってる柳瀬さんのキモチは凄く解り易いと思うんだけど…。

2013年06月12日

  ■真夏の方程式(東野圭吾)

真夏の方程式
ガリレオシリーズ長編。今月末から映画始まりますね。
読んでから映画のキャスト見たけど、恭平君はイメージ違いました。
もっとお坊ちゃま系のイメージでした。何故かな?乗り物に弱い設定のせいかも。

原作ガリレオは相変わらず、湯川のキャラが掴めないまま読み進めております。
湯川@福山雅治がイメージとしては固定されてるわけですが、
そうすると余計、色々ずれ込んできて、結局キャラ掴めず。
個性的なはずなのに、何故ここまで掴めないのでしょうか。

なので、今作もガリレオシリーズであるべき理由が特に思い浮かばず、
湯川と少年の会話が楽しかったけど、湯川の少年への態度に違和感。
ストーリーは「容疑者Xの献身」と対する話にしたかったのか、
色々と無理のある感じ。
神経の細やかな人でも、無神経な行動をすることはあるし、
間違いは誰にでもあって当たり前だけれども、
皆が、どこかちぐはぐな印象。
冤罪は冤罪のままでいいのか、
過去かばわれた人間のあの図太さは異常じゃないのか、
動機が弱すぎじゃないのか、
殺す必然性が全く感じられない。等々。
トリックよりもヒューマンドラマ重視と言われてる作品ですが、
登場人物の誰にも特に共感出来ないまま終了です。

決して、つまらない作品というわけではないです。
最後まで飽きずに読めるし、少年の成長していく様は気になるし、
海の美しさの描写も凄いです。
期待するから辛口にもなろうというものなのです(笑)

2013年06月03日

  ■珈琲店タレーランの事件簿2(岡崎琢磨)

珈琲店タレーランの事件簿 2 彼女はカフェオレの夢を見る
シリーズ2作目。
1作目同様くどい文章なので受け付けない人が多そう。
内容より文体が酷評されている作者さん。
私は好きではないけど酷評するほどでもないと思う。
ただ、多くの人が言っている主人公の「んぐぁ!」という奇声は止めた方がいいと思う。
個性的というより不快。ま、これも気にならない人は気にならないのかもしれないけど。

内容は伏線というか、ミスリードしたいのであろう内容が
くどい文体で大袈裟に描かれているのでミスリードになってない。
逆に主人公が鈍すぎてイライラする。
細かい謎の殆どが謎になり得ない描かれ方をしているので
実はこれこそがミスリードなのか?と錯覚させられるほど。
それでも最終的にどう落ち着けるのかが気になるので
「やっぱりね」と思いつつも最後まで読ませる内容だと思う。

…貶してるのか褒めてるのかわかんないですね(笑)
面白くないことはないけど、680円は高いかな。

2013年05月22日

  ■おかしな二人(井上夢人)

おかしな二人
1996年刊行の初版を持っていました。
過去形なのは炊いてしまったからです。
未読のまま炊いてしまいました。
17年前の未読本を炊いてから読む。
もう色々とあり得ない(笑)

ちなみにiPhone5でi文庫S使って読みました。
わりと読み易いです。手動余白カットが便利。

岡嶋二人盛衰記と副題が付いたエッセイです。
岡嶋二人結成から解散まで、克明に描かれています。
解散はショックでした。
ずっと長い間、岡嶋二人は私の中でダントツでした。
今も一二を争う位置にいます。
だから衰は読みたくなかった。
やっぱり読まなければよかったという気持ちも残る。
好きな作品を、作者自らが失敗作と言い切る文章を見て悲しくないファンがいるだろうか。
手品のタネは凄く知りたい。でも知らないからワクワク出来るのが解っているのに。
舞台裏を見てみたい。夢を壊すガラクタばかりが置かれているのを知っているのに。
皆が悲しくて切ない物語。

2013年05月21日

  ■谷山浩子

自炊のために文庫本発掘作業を進めていたら
棚の奥から「ねこの森には帰れない」発掘。
過去何度か「懐かしいな~」と思い出すことはあったけど、今回は裁断過程でやられました(笑)
我慢出来なくなって、CDレンタルして聴いてます。
一昨年くらいに一気にLP時代の入手困難旧譜がCDとして発売されていたようで
今は入手は難しくないようですが、流石にCD何枚も買う余裕はないし、
レンタル屋さんにはあまり置いてなかったので、ベスト盤の「白と黒」と「花とゆめ
どちらも2枚組なので合計67曲。聴きたかった曲の7~8割くらいは入ってるので満足。
「ねこの森には帰れない」は当然として、「時の少女」と「たんぽぽ食べて」
「てんぷら★さんらいず」は外せなかったので(笑)
あとは「たんぽぽ」と「あやつり人形」と「サーカス」「それから」
「不思議なアリス」「忘れられた部屋で」辺りが聴きたかったかも。
中高校生の頃にめちゃ聴いてて、多分、大きい組幼少時もまだ持ってたはずだけど
いつの間にかLP処分、ダビングしたテープもダメになっちゃったような気が…。

しかし、こういう行為は「自分がホントに年を取ってしまったのだなぁ」と実感させられる(笑)
今回、懐かしついでに中島みゆきと佐野元春も借りてしまったよ。
中島みゆきも歌詞集あるし、エッセイあるし、自炊作業がタイムスリップ誘発しててヤバイよ(笑)

2013年05月16日

  ■いつか、ふたりは二匹(西澤保彦)

いつか、ふたりは二匹
ミステリーランドの文庫化。
ミステリーランドはジュブナイルといいつつ、私が読んだ本は内容が大人向けというか、
子供が読んでも理解し辛いのでは?と思うような内容のモノばかりだったんですが、
これは子供でも読めるかもしれないと思いました。
絵本も児童書も子供視点と大人視点では別の物語が見えて当たり前だと思いますが
子供視点では理解出来ない部分があるのはなんか違うと思うんですよね。

西澤節小説なので、当たり前に、特に理由を説明されることもなく、
猫に憑依して犬と会話する子供が主人公なワケですが、
そんなファンタジーな舞台で、子供故の浅薄で残酷な行動が描かれていて
子供らしさにぞっとする。
悪意のない自己中心的な行動はどんな子供にも当てはまるから、
奇異なことではないのだという生々しさが怖い。
この怖さは大人視点の怖さなのだと思う。

ホントは同じ本を何年か毎に繰り返し読んで、その時々の感じ方の違いを楽しめるくらいの
余裕のある本の読み方をしたいなー。きっとソレは凄く楽しい。
別の方向に貪欲な自分が残念(笑)

2013年05月14日

  ■県庁おもてなし課(有川浩)

県庁おもてなし課
(多分)三日くらい前から映画公開中ですね。
地方振興ラブコメ(笑)

あんまり堅苦しく「リアルじゃない」とか思わずに読む本。
有川作品全般に言えると思うけど、細部のリアルさを追求したら面白味が減ると思う。
映像化に向いてる作品なんじゃないでしょうかね?
そのまんまでちょっとくだらない、けどわざわざ時間作って観ようと思える程度の笑える連ドラ。
そんな空気感のある作品。
連ドラじゃなくて、映画化になったので色々端折られてるエピソードも多いとは思うけど、
男性陣に不評らしい、掛水×吉門の男同士のヤキモチ合戦はそのままだといいな(笑)
どっちも可愛くてイイ感じのシーンばかりなのに、やっぱリアルじゃないんですかね?
男同士って恋愛相談とかしないのかね?その辺が女である私にはよくわかんないので
リアルだろうが、そうじゃなかろうがどうでもいいんですが。
大体、メインキャラがそこそこの美男美女揃いなだけで既にリアルじゃなかろう(笑)

県庁気質で空気読めない掛水と、民間代表、気配り完璧な多紀ちゃんのラブストーリーも
素直じゃなくて、意地っ張りで気の強い同士のラブストーリーもどっちももどかしくて応援したくなります。
お役所気質にイライラして、でも今までお役所仕事とムカツクだけだったことが
ちょっとだけ「中の人も大変なのね」と思えたりもする。
そんな地域振興ラブコメでした。

ハードなテーマのフリして、いつも激甘なラブコメばかりだね。
「もう、2人で勝手にやってくれ」と投げたくなるような激甘ぶりがイヤじゃない人しか読めないと思うw

2013年04月30日

  ■永遠の0(百田尚樹)

永遠の0
本屋で何本も平積みになってますが、戦争物ということで敬遠していました。
モンスター」が気になったところに縁あって二冊とも購入。
結果、どちらも読み返そうとは思いませんが、面白かったです。

戦争で亡くなった祖父のことを調べるために、戦争経験者の老人達にインタビューしていくという形式で
多分に御都合主義ながら、時系列に沿って祖父を知る人達の話を聴いていき、
「臆病者」と誹られるほど命を大切にした祖父が、何故特攻で命を落としたのかが明らかになっていく。

私は戦争物は嫌いなので、史実に基づいた戦記なんかは一切読んだことがなく、
フィクションから細切れに知識を得ているという状態なので、
老人達が語る戦争がどの程度、史実に基づいているのかよく判りません。
多分、実在の方々の名前が出てきているので、ノンフィクション部分も結構多いのかと思います。
戦争の話にしては読み易い文章だったと思います。一気に読めました。

涙腺弱くなってるのでかなり泣けます。
だから戦争の話は嫌いなんですけど。
なんか偽善的な涙流してごめんなさいな気分になるので。
もう誰にゴメンナサイなんだか、何がゴメンナサイなんだか(笑)
とにかくイヤな気分になるんですよ。
何が悪いわけでもなく。

今回も度々イヤな気分になりましたが、やっぱり面白かったです。
戦争について知識がないから余計に楽しめたのかもしれません。
どこがフィクションでどこがノンフィクションなのか、正確なところは不明ですが、
ちょっとだけ戦争が見えました。
思想的に作者には思うところがあるっぽいので、そこはあんまり引き摺られないように。
そういう辺りも難しいですよね。こういう読み物は。

2013年04月26日

  ■モンスター(百田尚樹)

モンスター
映画化で知って気になってたんですが
購入に至らなかったのを
ちょっと背中押されてしまったので(笑)

美容整形についての知識が増える話ですね。
時々、下品な単語が出てくるのが何とかならんのかと思いますが
それ以外は概ね面白かったです。
エピローグはどう受け取ったらいいのかよく解らなかったです。
ま、主人公はきっと幸せだったんだろうとは思いますけど。

美、金銭、心と体、色んなモノに対する価値観は人それぞれで
他人の価値観をとやかくいう権利は誰にもないし、
主人公の生き方はアリだと思うけど、過去に囚われすぎてて勿体ない。
美に対する前向きさも、過去に対する執念が原動力なので
結局ずっと前向きには生きられなかった一生は憐れに思える。
それも、本人が幸せならばいいじゃない、の一言で片付く話ではあるけど。

読み手の価値観によってかなり印象が変わるんでしょうね、この話。

2013年04月24日

  ■必然という名の偶然(西澤保彦)

必然という名の偶然
腕貫探偵シリーズの番外編?
舞台が櫃洗市で脇役が少し被っているけど腕貫さんは未登場の短編集。
女の色香に弱く手を出してはいけない女に欲情してしまう描写が無駄に多い。
バカな男と怖い女という図式を誇張したいのは解るけど、くどい。
けど、大富豪探偵の絡まないバカな男達の話の方が面白かった。
表題作「必然という名の偶然」と「鍵」がいい。
読んでて「先に読んだmasatsu氏は『かしわうどんが食べたい』と思ったんだろうなー」と思った(笑)

百田尚樹「永遠の0」と「モンスター」買ってしまいました。
これから読みます。他にも未読の本があるっちゅーのに…。
綾辻の「Another」はいつ読めるんだろう…┐(´д`)┌  ばーか>ワタシ

2013年04月17日

  ■隻眼の少女(麻耶雄嵩)

隻眼の少女
日本推理作家協会賞、本格ミステリ大賞ダブル受賞作。
単行本の帯に『ちょっぴりツンデレ美少女探偵』とか書いてあったそうですが、
そして表紙は巫女っぽい恰好の写実的な美少女ですが、
ツンデレ美少女期待して読み始めたら大失敗なんだろうなーと。
麻耶雄嵩ですからね。
意外すぎる犯人にムカツク人もいるのかもしれません。
連続猟奇殺人の動機がソレかよって後味悪いし。

盲信の怖さとか、伝説に絡めて、
特異な才能を持った女とその才能を受け継ぐ娘、
父親の存在の有意性とか、その辺りはわりと面白かったと思うんですが、
連続猟奇物が苦手な人には全然向かない内容。

チビに「何読んでるん?」と訊かれて
「少女が殺されて首切り落とされる話」と答える酷い母。
「うげっ」とか妙な返事したチビは、世間で
『子供が観ても良いのか?』と言われているH×Hのキメラアント編原作既読。いいのか?
というか世間で子供が観てはいけないと言われているのをアニメ化まで知らなかった…。
ウチのチビは色々と、色々と、子供が観てはいけない物を観ている気がする。
将来オタクは必至、つか今もオタク。原因両親(主に父)

2013年04月15日

  ■堕落してるよ

文庫本を500冊ほどスキャンしたところで
スキャナが故障してしまったので
現在、スキャナはメーカーの元で入院中。
文庫本が約半分になったわけですが、
文庫本が減ったところに、漫画本が増殖してるので
全然減ってる気がしません。
相変わらず、床とか、電話台の上とかにのさばってる本が大量です。

スキャナが入院中なので、その間にたまった本を読もうと思っていたのに
レンタルしてきた漫画とか、春アニメとかに時間を食われてます。
佐藤君主演で映画化されるので「カノジョは嘘を愛しすぎてる」読みました。
年収六億の天才作曲家ですよ。そしてイケメン。流石少女漫画(笑)
面白かったです。続きが気になる。

アニメは声優目当てで観てるのでなんかもう今期はヴァルヴレイヴだとか
うたプリだとか、この年で観ててはいけない物を観てるカンジ?(笑)
ガルガンティアはH×Hを観ようとしてついつい観てしまったので多分今後も観る。
今期はロボットアニメがヒットなのですね。メカな杉田さんはイイですね。
他にもちょこちょこアニメ観つつ、ドラマも観つつ、時間が足りません。
いや、小学生3人いてこれだけ自分のためだけに時間使ってる母はいないだろうけどな(笑)
贅沢なこと言ってスミマセン。でももっと時間欲しいです。

2013年04月01日

  ■バイバイ、ブラックバード(伊坂幸太郎)

バイバイ、ブラックバード
太宰治の「グッド・バイ」へのオマージュ作品。
連作短編集。五股主人公が借金トラブルのために連れ去られてしまう前に彼女達に別れを告げる話。
太宰作品と違い、別れ話に同伴する女が美人とは程遠い、人外に近いと言っても過言ではない
口も性格も悪い巨体の女であるというところ。
この人外の女に徐々に愛着が湧いてくる辺りが読み所、かもしれない。

五股かける男のどこがいいのかよくわかりませんが、五股男星野君は五股をかける以外は
かなり善良なタイプの人。なぜこの人に五股が可能なのか…というくらい。
ま、あれですな『皆に優しいというのは誰に対しても優しくないというのと同義』という。
私は私にだけ優しい男が好きなので、博愛主義的な男は全然好みではありませんが、
こういう男が好きな人も世の中には大勢いそうです。
相手の女性達も皆、魅力的でいい人達です。
些細なエピソードの一つ一つを楽しむ話なんだと思います。
借金トラブルの末にどうなるのか、謎を残したままなのは個人的にはモヤモヤしますが、
きっとそれは蛇足なのでしょう。伊坂らしいといえば、らしい作品。

2013年03月20日

  ■もいちどあなたにあいたいな(新井素子)

もいちどあなたにあいたいな
新井素子8年ぶりの長編だそうで。
何年経っても変わらぬ文体で、
わりと好悪の分かれる文体でしょうが、
私は好きなので、変わらずにいてくれて
安心します(笑)

"あなたは私の知ってるあなたじゃない"という
ごく親しい人に対する違和感の謎を解いていく内容。
新井さんはSF作家なので、設定はSFですが、
内容は家族の葛藤物。
4人視点の一人称で
叔母(父の妹)と母に対する感情(メイン語り部・澪湖視点)
妹に対する感情(澪湖の父視点)
義妹と姑と夫と娘に対する感情(澪湖の母視点)
姪と兄と夫に対する感情が描かれる(澪湖の叔母視点)

澪湖親子の澪湖叔母に対する見方の違いの描写がメイン。
同じ人間なのに視点を変えれば印象が変わるという話。
これは多分読み手にも言える。
強烈なのが澪湖母で、仕事の為に育児を姑と小姑に任せきりにしてしまった結果、
娘が母以上に小姑に懐き、娘との関係がこじれてしまった母親。
この母親に反感を抱くか、共感するかで登場人物に対する印象が全然変わってしまうと思う。
被害者意識が強くて、自己弁護の激しい人なんだけど、
敵はわりとフツーのイヤな姑と生活無能力者夫で、
子供が病気の時は仕事を休まざるを得ない立場なので
読み手の立場によって色んな見方が出来そうな人。
こういうどろどろした感情をあの文体で描くのが新井さんの凄いところではないだろうか。

謎解き係の澪湖の元同級生、オタクの木塚君が良いキャラ。

2013年03月19日

  ■ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~(三上延)

ビブリア古書堂の事件手帖4 ~栞子さんと二つの顔~
ドラマに追い越されそうになったので大急ぎで読む(笑)
なんだかんだでドラマ見続けてますが、失敗したかも。
完全に別物として観られればよかったんだけど、
今回読んでたらドラマのキャストがチラチラ思い浮かんでしまったので。
キャラ設定自体が別物だというのに…。切り分けの下手くそな脳味噌がダメダメ。

4冊目は初長編の乱歩物。
内容が胡散臭い感じがするのは乱歩物だからか?
いきなり冒頭で驚いたのは大震災ネタから始まったから。
作中時間では確かに震災直後なのかもしれないけど
アレを織り込むとは。
いや、あの時代を描くならスルーできない史実かもしれんが。
本を扱う話にとっては、織り込んでしまうと色々影響が大きいのに…と思ってたら
震災なくしてはあり得ないストーリー展開になってました。凄い。

乱歩物ということで、ファンは倍楽しめる内容だったのではないかと。
私は乱歩は全然好きじゃないのでよくわかりませんが。
キチンと読んでないせいかもしれないけどエログロのイメージしかないので、
乱歩の本格らしい本格を読めばイメージも変わるのかもしれません。
でも独特の胡散臭さがダメかも(笑)やっぱ古典苦手だし。・・・古典だよね?

色々と急展開でしたが、お母さんの存在は相変わらず謎。
五浦君がすんごい勇気出しててビックリ。
この作者の他の作品を読んだことがないので、
もしかしたらこの距離感は作者的に自然なのかもしれませんが
デートと認識してのお出かけは初で、あの態度で、更に引っ張るのは
私の中では女のイメージが悪くなるだけ。ないわ。疎いとかいうモンダイではない。
ま、それぞれの関係がどうなるのかは今後楽しみ。

2013年03月12日

  ■しらみつぶしの時計(法月綸太郎)

しらみつぶしの時計
ノンシリーズ短編集。
オマージュだのパスティーシュだのシリーズ物の習作だの
同人誌か?という作りだと思うんですが、
法月作品にしてはエキセントリックさの少ない読み易い作品集。

非ミステリの「猫の巡礼」は全然意味が解りませんでした。
猫飼ってる人が読めば何か感じるのかも?
私の感性が鈍いだけなのか?
オチのない話にイライラするのは関西人だからなんですかね?(笑)
リドルストーリーも好きじゃないです。
本読むのに脳味噌あんまり使ってない証明だな。

表題作はふざけたオチがナイス。

2013年03月02日

  ■ページの手直し

今、自炊中の小説は表紙をカラー(折り返し・背表紙・裏表紙は取り込まずに廃棄)で
本文はモノクロでスキャンしてますが、本文中、タイトルのみのページとか、
一行だけのページとかの余白が多いページは下の画像のように余白部分が
黒く汚れて取り込まれてしまうことが多いです。
修正前
もしかしたらコレはスキャナの設定で何とかなるんでしょうか?

わからないので、こういうページは一々修正してます。
masatsu氏は「読めないことはないから修正の必要なし」と言う人ですが。
私は二度と読むか読まないか判らない本でもちまちま修正。
データは全部PDFで保存してあるので、汚れたページだけをJPEG画像として取り出し、
以下のように修正後、またPDFファイルの中に取り込むという作業。
実はコレに一番時間が掛かるわけですが…
修正後

でも修正、するよね?フツー。
汚れたままのページはイヤだよね?
同じくタイトルだけで斜めに読み込まれてしまったページとかも、
修正、するよね?
だってキモチワルイもん。

2013年03月01日

  ■カッコウの卵は誰のもの(東野圭吾)

カッコウの卵は誰のもの
考えてみればネタバレなタイトルだね。

私は東野圭吾は文庫化されている本はしのぶ先生シリーズ2冊以外は全部持ってるし、
しのぶ先生シリーズも読んでいるので、全部読んでいるはず。
これはもしかして大ファンと言っても良いのではないか?うん。
けれど、今回の作品はイマイチでした。残念。

読み易いし、中盤まではきちんと読ませる内容だと思うんだけど、
結末が意外と言うより雑。無理のある展開。
前提であるはずの事実(主人公の妻の行動)が意味不明になってしまうわ、
犯行自体が行き当たりばったりすぎるわ、動機が弱いわ…
読み終わってみたら、もう全然ダメ、みたいな感想しか抱けない内容。
せめて、もう少し人物造形に力を入れて欲しかった。みんなペラペラすぎる…。
ホント、残念。

2013年02月28日

  ■今月は150冊くらい

可愛くなくなってきた背表紙コレクション。
もう邪魔(笑)
背表紙の山
断裁&スキャン済み本の山。
断裁本の山
多分コレで150冊くらい。
文庫本は今のところ950冊以下なので1.5割くらい終わった?
先長えー'`,、'`,、('∀`) '`,、'`,、
漫画も合わせたら消費税以下じゃん (´・ω・`)

2013年02月19日

  ■SOSの猿(伊坂幸太郎)

SOSの猿
『いかなる時も暴力は悪なのか』と『因果関係と責任の比重』がテーマの
別々の話が並行して進んで最後で収束されるという展開。
五十嵐大介さんの漫画「SARU (上)(下)」と連動した作品らしいですが、漫画の方は未読。

『いかなる時も暴力は悪なのか』の方はひきこもりを悪魔払いで治そうとする話で、
『因果関係と責任の比重』は20分で三百億円の損害を引き起こした株の誤発注事件の
原因を探るSEの話。
リアルな話の中に唐突に孫悟空が出てくるのでわけわかりませんが、
その辺を気にせず読めば、私は中盤まではそこそこ楽しく読めました。
オチが中途半端でイマイチなのは漫画の方を読んでないせいかもしれません。
でもオチは大して重要じゃない気がします。
結末がどうでも良くて尚且つ好きな作家はこの人だけかもしれん(笑)

完璧な人間なんていないというのを作品全体で語っているところが好きなのかな?と思う。
卑下するなってことだし、寛容になれってことだし、…他にもいっぱい詰まってる気がする。

2013年02月11日

  ■まずは文庫を炊く

古くて紙が黄ばんでいると言うより、茶色く変色してて手持ちが少なめの作家さんから。
バツンと断裁。背表紙コレクション(笑)
なんか棄て難い。
背表紙
FUJITSU ScanSnap iX500かなり凄い。スキャン速度の速さに驚く。
断裁やスキャンよりも、スキャン後のファイルの確認修正に一番時間が掛かります。
まだ色んな設定とか手探り状態なので、あまり手間暇の掛からない方法が見つかればいいですが、
出来るだけ良い状態で保存していきたいのでノンビリやってくことにします。

2013年02月06日

  ■自炊

豪邸に住んでいればこんなことは考えなくてよかったのですが(笑)
もうホントに本が洒落にならんのですよ…。

リビングの半間物入れ。三段しか写ってないけどココにもう一段プラス数十冊あります。
チビの読みかけの本がディスプレイ状態(苦笑)
リビング物入れ
奧は三列。二段なので最奧下段の本は気合いを入れないと取り出せないw
物入れ発掘

リビングの本棚、当然二列ね。
リビング本棚1
こっちは小説文庫本。棚からのはみ出し具合が酷い三列。
リビング本棚2
元食器棚のリビングボード。ココも本だらけ。
リビングボード
下もこの状態。
リビングボード下1
箱の中も当然本。
リビングボード下2
テレビボードの下。百均の文庫本袋で4本。
テレビ台
整理ダンスの上は百均の単行本袋で17本。
整理ダンス上
当然床にも直置き。
リビング床
衣裳ケースの隙間に突っ込む。
衣裳ケース隙間
子供用絵本棚のはずが…。
子供用本棚
新刊は既刊本の続きに収納するのに手間が掛かるのでついつい電話台の上に積み上がる…。
電話台
あとはちょっと人様にはお見せできない状態なので画像は自粛(苦笑)

そんなわけで、とうとう自炊(書籍の電子化)するために、断裁機とスキャナ購入しました。
断裁機とスキャナ
ScanSnap iX500と断裁機200DX
本棚処分が目標!

2013年02月01日

  ■赤い月、廃駅の上に(有栖川有栖)

赤い月、廃駅の上に
鉄道怪談集。
取り敢えず有栖川作品なので買ってしまい、
買ってしまったので読みましたが、
私は怪談はあまり好きではないのです。
そして多分テツ物も好きではないのです。

短編と言うよりショートショートと言うべき短い作品が10本。
300ページもない薄い本なので一作の短さも推して知るべし。
読み応えのある話もあるし、先が気になる話もある。
文章自体は読み易い。
でもやはり私はロジカルな話が好きなので
『なんか訳のわからない怖いことが起こった』
という話は『だから何?』なのです(笑)
それが全てで、折角の美しい文章も霞んでしまうのです。残念。

結末はともかく、過程はどれも楽しめました。
それなりに納得出来るオチがある話もあったし、
「最果ての鉄橋」とか「黒い車掌」なんかはわりと好きです。
表題作と「途中下車」は結末は好きじゃないけど、過程は面白かったです。
赤い月を不気味と思うのは皆共通する感覚ですかね?

2013年01月31日

  ■死ねばいいのに(京極夏彦)

死ねばいいのに
タイトルが秀逸。
不謹慎とかいう人もいるのかもしれないけど。

「死んだ女の話を聞かせて欲しい」
教養も学歴も常識も職もない無礼な男が
変死した女の関係者を訪ねていく話。
無礼な男ワタライケンヤを前にした関係者視点で
一人目から六人目まで。
但し六人目はケンヤに対して問う立場。

途中で結末の半分はわかってしまうんだけど、
残りの謎が最後まで解らないので気になって一気に読んでしまいました。

ケンヤは自分で自分をバカだバカだと言うけれど
対人スキルがないだけで、頭の回転の早い若者なので
かなり頭の良い子供が姑息な大人を遣り込める的な展開で話が進む。
嘘を吐かないのと本当のことを言わないのは両立するけれど
言うべきことと言ってはいけないことを選別して会話するのは
天然では出来ないと思うので、その辺りが違和感あるかもしれない。
本人に自覚がなくても、そこそこ頭の良い人間は自分レベルで会話するので
頭が悪い人間はバカにされてる気分がしてしまうものだし。
もっと頭の良い人間は相手のレベルに合わせられるのかもしれないけどね。

「死ねばいいのに」
それがイヤなら
前向きに生きるべき
という話?
不満も満足もそれが全てでは良くないということなのですかね。
確かに不満ばかりでそれを周囲のせいにして自分では何もしなければ生きてる意味ないし、
現状に満足してしまって、それ以上を望まず、ぞれ以下を怖がるだけならそれも意味がない。

2013年01月30日

  ■みんなのふこう〜葉崎は今夜も眠れない(若竹七海)

みんなのふこう〜葉崎は今夜も眠れない
架空の街、葉崎シリーズ。
シリーズとは言っても、葉崎が舞台になっているというだけで、
たまーに脇役が被ることがあるくらいの繋がりなのでノンシリーズと大差はない。

FMラジオの「みんなの不幸」コーナーに投書された
底抜けに天然ドジで超絶不幸なこころちゃん。
彼女の周りで起こる不自然なほどの不幸な事故の数々。
最初はラジオの投書とその後に続くニュース。
途中から視点が変わって、ラジオスタッフの日記。
そして病院の貸本コーナーボランティアの日誌。
作家のエッセイ。ラジオのパーソナリティのメール、と
次々媒体を移しながらもこころちゃんの消息を追う形で
背後の事件が解明されていくという内容。
登場人物の台詞や文章がリアルで笑えます。
特に人間のいやらしさの描写が素晴らしい作家さんなので、
ま、決して、清廉潔白とは言えない私は何というか、自分のいやらしさを
見せつけられている感もあったりして、軽く反省とかもしてみたり。

「みんなの不幸」ってありがちな話ではありますが
王道なんでしょうね。
なんかみんな不幸自慢好きだしね。
他人の不幸な話聞いて、安心するのも好きだしね。
貧乏自慢に通ずるところもありますね。
本来、自慢する話じゃないのにね(笑)
ま、私は貧乏はそこそこエピソードあるかと思いますが、
実は、多分、今まで本気でお金に困ったことはないので
本当に貧乏とは言えないんじゃないかと思います。
お金に困ったことがないというのは、
毎日ちゃんと御飯が食べられてるという意味でですが(笑)
そして、不幸の方ですが、こちらも、多分私は不幸になったことがないので
よく解りません。幸不幸なんて主観の問題だと思うので、もしかしたら
他人様には「不幸な人」と思われてるかもしれませんが(笑)

愚痴は言うけどね。
本気で不幸とも貧乏とも思ったことがないってきっとシアワセなんだと思うよ。うん。
あー、思春期の頃は別ね。無駄に自分を不幸だと思ってた気もするから(笑) ←中二病?w
もうあんまり思い出したくないし、あんまり覚えてないけどね。みんなそんなもんでしょ?

この本の主人公(?)のこころちゃんも主観的には不幸ではないのですよ。
だから、暗い内容なのに全然湿っぽくならないんですね。
不幸な少女の話ですが、湿っぽくないんです。素敵。

2013年01月20日

  ■植物図鑑(有川浩)

植物図鑑
野草料理にまつわる蘊蓄と恋愛のお話。
所謂山菜ではなく、本当に雑草的な野草メインの料理。
# 雑草という名の草はないそうですが(笑)

野草料理はどれも美味しそうに描写されてて食べてみたくなります。
特にノビルは以前から食べてみたいと思ってたので凄く気になる。
イタドリは初めて知りましたが、これもめちゃ気になります。
ま、採集に行く気は全くないので、多分一生食べることはないと思いますが。
つくしに関して、手間が掛かる割にはたいしたことないとあったので、
美味しそうに描かれている野草はやっぱり美味しいんだと思います。
つくしは食べたことあるし、実際また食べたいとは思わないし。

恋愛パートの方は
「男の子の前に美少女が降ってくる話があるなら女の前にイケメンが降ってきてもいいじゃないか」
というコンセプトで、仔犬を拾うようにイケメンを拾った女子の話。
どっちも20代半ばなので、常識的に考えればあり得ない設定ですが、
そんなのを気にしてたら少女漫画読めないし。
イケメン拾う話なんてやっぱ少女漫画だし。
この行き倒れのイケメンがスーパーハウスキーパーで、
がっちり胃袋を捕まれた主人公が恋に堕ちるという。
ま、そりゃこれで惚れない女はいないだろ?という話ですが、
主人公一人称なので相手のイケメンの気持ちがよくわかんなかったので
わりと展開が唐突には見えました。
主人公のどこが良かったのかイマイチ解らんというか(笑)
外見の描写は全くないし、性格も「イイ子だけど恋愛対象として魅力的なのか?」なカンジだし。
なので、いきなりゲロ甘な展開に驚き。読んでて恥ずかしいくらいのゲロ甘っぷり。
最近乙女ゲーでゲロ甘耐性出来てるので平気だけど、いきなり読んだら背中痒くなりそう。
そこからまた唐突に別離になるのが凄い。素晴らしい起承転結でした。

カーテンコールは、別離期間中の二人のそれぞれの物語。
本編より好きかも。

2013年01月14日

  ■ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (三上延)

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~
ドラマに間に合いましたねw

ビブリアが何故人気があるのか納得出来た気がします。
連作短編集っぽい作りで、小さな謎が一話ずつ紐解かれ、
少し大きな謎が一冊ずつ、解き明かされ、、
大きな謎がシリーズ全体を通して姿を現せていく。
それに惹き込まれない読み手はいないと思うから。

出てくるサブキャラみんなイイ味出してるけど、
坂口夫妻好きです。
今回出てきた昴君もまた出てくるといいのに。
彼も結構好き。

一話目の「たんぽぽ娘」があり得ないくらい高騰してるというのが
解り易いな~と思いました。ビブリア効果すごい。
オチは見え見えなのにそれでも読みたいと思わせる描き方が凄いんでしょうか?
残念ながら私は古典の良さが解らないので。
古典は古典になる前に読みたいのです。
時代的にではなくて、自分の中で。
十代の終わりから二十代に掛けて、仁木悦子を貪り読んだのですが、
あの時にあの作品に巡り会えたのは幸せだったと思います。
その後、綾辻を始めとする新本格にずっぽりはまっていくのだけれど、
もし先にそちらを読んでしまっていたら、きっと仁木悦子は楽しめなかった。
表現もトリックも、後発ほど洗練されていくと思うから、
やはり古典は素晴らしい作品であっても、色褪せて見えてしまうので。
その程度の目しか持ち合わせていない自分が悪いのだけれども。
中学生の頃に海外ミステリを囓り読み、その後、戦後の国内ミステリを読み、
新本格に出逢ったのは本当に私みたいな人間にはラッキーだったと思う。
古書の匂いは嫌いではないけれど、やはり新刊書の匂いの方が好きなので。
こう書くと深みのない人間のような気がするけど(笑)
実際深みがないので仕方ない。

2013年01月13日

  ■ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常(三上延)

ビブリア古書堂の事件手帖 2 栞子さんと謎めく日常
五浦君と栞子さんの過去の話が出てきて、
徐々に人となりが解ってくるのが面白い。
こうして巻数重ねる毎にキャラに厚みが増していくのがシリーズ物の面白いところ。

しかし1冊目もそうだけど、日常の謎的な話の中に
結構ダークな重い話がさらりと混じってるアタリが驚く。
1冊目よりはマシだけど。

2013年01月12日

  ■ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち(三上延)

ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち
ドラマが始まってしまうので大急ぎで読む。
挿絵だけでドラマのキャストはイメージが違うと思っていたけど
読んでみてもやはりイメージがかなり違う。
ただ栞子さんは、読む前は冷静沈着なイメージだったので
実際の内気キャラはちょっと意外。
そして本に対する情熱が怖い。
私は古典は殆ど読まないので絶版希少本の価値が
イマイチ解ってないのだと思いますが。

マニアは怖いというお話。

2012年12月21日

  ■喫茶タレーランの事件簿(岡崎琢磨)

珈琲店タレーランの事件簿 -また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を-
「このミス大賞2012隠し玉」表紙買い。
しかもビブリア古書堂シリーズと同時買い。

ビブリア風味のデビュー作ということで、
Amazonのレビューではかなり酷評されてました。
先に両方読んだmasatsu氏からタレーランを先に読めと言われたので
ビブリア未読の私には判断できませんが、そんな酷評するほど酷いとも思わず。

というか、最後まで読んでないくせにレビュー書く神経疑う。
『酷すぎて最後まで読めませんでした』とか『途中で挫折しました』とか…バカなの?
駄作は最後まで読んで「やっぱり!」と思ってからこき下ろすことに意味があるのであって
途中までしか読まずに『意味が解らない』と書くのはレビュアーの無能っぷりを晒すだけだと思う。
読んでないんだから意味解らなくて当たり前じゃん?ホンモノのバカ?

確かに、人間的にどうなの?というキャラが出てくるし、
そんな人間と付き合える人間もどうなの?とも思うし、
若者の会話のハズなのにあり得ない言葉遣いだし、
違和感ありまくりな部分は否めない。
でも、最後に解かれる主人公の謎とそれに関する伏線の回収は見事。
謎解きも蘊蓄も諄すぎるのが残念と言えなくもないが、作品を壊すほどの物でもナシ。
もう少し違和感なく叙述トリック部分が描かれていたらもっとヨカッタと思う。
叙述トリック部分の違和感が大きくて引っ掛かってしまうのでトリックが生かしきれてない。ちょっと残念。

面白かったですよ。

2012年12月12日

  ■動機、そして沈黙(西澤保彦)

動機、そして沈黙
ノンシリーズ短編集。
あとがきで"ロジックによる謎解きがメインではない"とありますが
エログロホラーで始まって、なんか現実感の全くない展開で話が進んで
でも最終的にロジカルに終わるのが西澤保彦らしさだと思うのですが…。
読後の爽快感のなさというか、人間の醜悪さの露呈というか、
重苦しい感じが漂うのも西澤保彦らしさ。←褒めてるw

表題作のラストの不気味さも捨て難いですが、
私は1つめの"ぼくが彼女にしたこと"が一番好きです。

2012年12月05日

  ■ブックカバー

今まで100均のブックカバーを使っていて、
私はスタンプペタペタしてデザインは気に入ってたのですが、
出版社別の微妙なサイズの違いに対応しておらず、
出版社によっては表紙が傷みそうなくらいカバーが付け辛い状態だったので
masatsu氏とお揃いで本革ブックカバー購入~ ヽ(´▽`)ノ
masatsu氏がオリーブグリーンで私はダークブラウン。
本革にしては安いけど、100均に比べたら大奮発w
新品だと安っぽいカンジだけど使い込んだらイイカンジになるかな~?


しかし、今は2人ともゲームモードなので本を読む時間まで取れないわけですがw
masatsu氏は読みたい本は取り敢えず読み終えてる状態だけど
私の方はまたまた積ん読が増えてきたので何とかしなければ…。
つか、もう年末なので本どころかゲームもやってちゃいけないんじゃね?
年賀状と大掃除、手付かずですよ?>ワタシ (;´Д`)

2012年12月02日

  ■身代わり(西澤保彦)

身代わり
タック&タカチシリーズ。長編6作目(のはず)

シリーズキャラの成長ぶりは措いといて、
純粋にミステリとしてどうかというと、微妙。
同じ場所、同じ殺害方法で発見された被害者2人の
推定死亡時刻4時間のずれの謎の解明が拍子抜け。
人間心理としてアリかナシかと問われればアリかもしれないが
4時間待ちはキツイ。普通挫けると思う。
ミステリなんて机上の空論ではありますが。
事実は小説よりも奇なりという言葉もある通り、
現実にはもっと突拍子もないこともありますが。
だからこそ、小説は万人が納得いく形に収めなくてはならず、
それが難しい部分ではないかと思うのです。
ま、万人が納得する形など、それこそあり得ないとも言えるのですが…。
何書いてるか自分でわかんなくなってきてます(笑)

被害者の自己中っぷりがメインのお話でした、
殺人の被害者であり、別の事象では加害者でもある。
1人の人間を色んな立場から見た場合の印象の違い。
人間を一個のコマとしてではなく、キチンと人物として描写しているのを読むのが好きです。

シリーズ物は、サザエさん的な時間経過なしモノはともかく、
キャラ成長モノは出来れば一気に、時系列に沿って読みたい。
もうこのシリーズ主要4人はともかく他のキャラの区別イマイチついてないし、
関係よくわかんなくなってるし、人間関係難しい。
私だけか?私だけなのかー?
早くさっさと続きを出して貰いたいです。
でないときっと続きを読む頃には、この本の内容を忘れている…(´・ω・`)

2012年10月10日

  ■モラトリアム・シアターproduced by腕貫探偵(西澤保彦)

モラトリアム・シアターproduced by腕貫探偵
腕貫探偵シリーズ三冊目。長編。あんまり腕貫さんは出てきませんが…。暗躍する系?w
人間の記憶の曖昧さと御都合主義っぷりの話。
改竄と喪失は日常茶飯事だよね。

女性陣が強くて可愛くて素敵な面々ばかりなので
じょしらくじゃないけど(笑)女の子の可愛さを楽しむ本かなー。

2012年09月24日

  ■僕と彼女の×××(森永あい)

僕と彼女の××× 全8巻
1巻を試し読みしたら面白かったので古本屋で大人買い。

男女の中身が入れ替わるというベタ設定の恋愛モノ。
入れ替わった二人ではなく、それぞれの親友と惹かれあう辺りが斬新。
器だけ見たら普通のカップルだけど、中身は男同士と女同士なわけで…。

野獣と呼ばれるくらいがさつな美少女と
地味で鈍くさい美少年の中身が入れ替わって
可憐な美少女とワイルドな美少年で色々波瀾万丈(笑)

美少女と美少年だけど、それぞれの相手は
外見で選んでつきあい始めたワケじゃないというのが凄く解り易い。
中身女の美少年は恰好良いし、その親友も恰好良い。
中身男の美少女はカワイイし、彼女もカワイイ。

全8巻といいつつ、現在オンラインコミックで番外編という名の続編公開中。
幸せになった彼等を見られたらウレシイ。

2012年09月14日

  ■胡蝶の鏡(篠田真由美)

胡蝶の鏡 建築探偵桜井京介の事件簿
桜井京介シリーズ12作目(番外編除く)で第三部突入作。
今回は実在した建築史学者についての蘊蓄が多くて、その部分は読み辛かったです。
あとは舞台がヴェトナムで、このシリーズは海外舞台のモノも多いけどやっぱ苦手。
人種の違いによる思考の違いは絶対あると思っているので、
登場人物に感情移入できない率が半端ない。
別に感情移入する必要はないけど(笑)基本的な言動が理解どころか
想像し辛いのは読んでてしんどい。
ま、桜井京介に対しては別人種以上に理解も想像も出来ないわけですが(苦笑)

舞台、時代背景、人種等々で、予測も出来ない動機の殺人が起こったりするわけで、
歴史に疎い私は平均以上に「そういう時代(背景)だったのだな…」と無理矢理納得するしかない。
殺人なんていう特殊な状況はそれがどんな背景で起こったとしても
理解不能なのかもしれないけどね。
少なくとも、思想的にそう行動するしかなかった…という話よりは
子供が殺されたので復讐しました…という話の方が理解しやすいからね。

若い頃は難しい話を読むと自分が賢くなったような気がしてたけど
今は難しい話を読むと、自分の莫迦さ加減をひしひし感じて虚しくなるね(笑)
いや、この小説自体が難しい話というわけではないんだけど…。

2012年09月13日

  ■隣のあたし<全10巻>(南波あつこ)

隣のあたし全10巻」
Itsumi嬢の希望でレンタルの便乗読み。
隣に住む幼なじみの京ちゃんに告って、振られて、
京ちゃんに彼女が出来て、自分はクラスメイトに告られて付き合いだして…。
というストーリー。
取り敢えず、クラスメイトの三宅君がめちゃめちゃ恰好良い。
アイドル的存在でモテ男は京ちゃんの方で、三宅君は普通の男の子という設定ですが
その普通っぷりが恰好良いんですよ。
ま、普通と言うには出来すぎてますがw
「いねえよ、こんなヤツ」的な超人ではないと思う。
相手のことが好きで、相手のことを思って行動できる男の子ですね。

Itsumi嬢と一緒に「三宅君チョーカッコイイ!よな」と語り合う(笑)
少女漫画の男子を語る21娘とその母…どっちもダメなオトナな気がするけど…。

で、恰好良い三宅君は措いといて、他の面子を見てみれば
リアルっちゃーリアルなんかもしれんが、
誰かを忘れるために別の相手と付き合って、
でも吹っ切れずにフラフラしちゃって…、
余計に一途な三宅君が恰好良く見えるという(←結局措いてないw
京ちゃんもね、モテ男だしね、スポーツ少年で、
三宅君とは違うオトナな部分も持ってていいんですけどね。
途中、三宅君が恰好良すぎて、Itsumi嬢が「京介邪魔」とか言ってましたからね(笑)
もう、主人公よりも、三宅君の一途な恋がどうなるのかを見守る漫画でした。
面白かった。その後の三宅君をもっと見たい。

2012年08月30日

  ■名もなき毒(宮部みゆき)

名もなき毒
誰か―Somebody」の続編。杉村三郎シリーズ?
前作同様、いくつかの事件が絡まり合って最後に一気に解決する内容。
全体的に重苦しい雰囲気。

逆玉の輿の主人公が夫婦仲も良く、お互い思い合っていながらも
金銭的な事に関する価値観の違いに心を燻らせている辺り。
幼稚園児の娘を挟んで家族団らんほのぼのシーンのはずなのに
どうしても闇がつきまとって、ただ幸せなだけの家族には見えない。
「パンがなければお菓子を食べればいいじゃないの?」
素でこういう感覚の持ち主と、貧困に喘がずとも一般的な家庭で育った人間とが
相容れられるわけがない。誰も悪くないけれど上手くいかない想いはある。

毒は毒物混入無差別殺人の毒ではなく、
悪意のない人間から吐き出される毒。
毒を吐こうと思って毒を吐いている人は実際はそんなに多くなくて、
本人は毒を吐いていることに気付かないまま、毒をまき散らしている事が多い。
イヤミを言うつもりでイヤミを言っている人の方が
無意識にイヤミを言う人よりマシだと思う。
自覚がないということは、自主的な変化もないということで、
本人に自覚がないまま、毒を垂れ流し続けるだけだから。
毒を受けている自覚がないのも怖い。
きっとそれは澱のように消えることなく、流れていくことなく、
ゆっくりゆっくり心の中に沈んでいくのだろうから。
気付いたときには、もう取り返しの付かないことになっている、かもしれない。

2012年08月28日

  ■ココロ・ボタン(宇佐美真紀)

ココロ・ボタン 1~」
本屋さんで1巻だけ試し読みしたらヨカッタので
レンタルで7巻まで読みました。現在8巻まで出てます。
天然女子とS系男子のほのぼの恋愛モノ。
S男子すんごく好きなんです(但しイケメンに限る)w
有名どころは「イタズラなKiss」の入江君ですかね?
最近のヤツでは「オオカミ少女と黒王子」の佐田君ですね。
# 最新刊でデレてしまったのでS度低くなっちゃって残念な感じですが(苦笑)
# 最新刊は巻末のオマケ"パラレル黒王子"の軍服がステキですwアイパッチ好き。
この二人に比べたら「ココロ・ボタン 1~」の古閑君は
かなりソフトなSですが、真面目で優しそうな顔しててSという辺り…v
古閑君の友人のイケメン速水君も無愛想系キャラでお約束のふとした拍子のテレ顔がカワイイし、
レンタルで読んじゃったけど、手元に欲しいなぁと思える漫画でした。

2012年08月27日

  ■元気でいてよ、R2-D2。(北村薫)

元気でいてよ、R2-D2。
陰のある日常の謎系短編集。
一度読んだだけでは、よく解らない話がいくつか。
時間をあけて何度か読んでみたら、読む度に印象が変わるんじゃないかと思う。
「マスカット・グリーン」「腹中の恐怖」「三つ、惚れられ」は比較的解り易いと思うけど、
実は、作者の意図はよく解ってないのかもしれない。
深読みしようと思えばどんどん深読みできる内容で、
結局自分で落ち着く結末を想像するしかないので、
まだまだ読みが浅いかな?とも思ってしまう。
逆に考えすぎ?と思ったり。まんまと罠にはまってる?

物理的にも精神的にも余裕があるときに読みたい本。

2012年08月24日

  ■妃は船を沈める(有栖川有栖)

妃は船を沈める
作家アリスシリーズ。
中編2作を幕間で繋げて長編に仕上げた作品。
読みどころはやはりジェイコブズの『猿の手』の解釈。
ホラーとしか見てなかったので別の解釈があるとは思わなかった。
脳味噌使って読んだら全然別の形になる作品を過去いくつ読んでるんだろう…。
色々と勿体ないことをしているのかもしれない。

猿の手モチーフの第一部のトリックはわりとありふれてると思うけど、
川で流される子供に関するエピソードはキツイ。

第二部の方は登場人物の感情があまり伝わってこず、
誰かが誰かを思う気持ちの真剣さや、もっと言えば真偽すら謎で
印象が淡泊なのに愛憎劇的な内容がどうもしっくりこなかったカンジ。
トリックもなんだか際どい。
二部で登場した高柳刑事が今後どんな風に関わってくるのかが気になる。
このまま消えるキャラではないと思うので、勢いに任せて火村の謎を解いてくれそう。

2012年08月23日

  ■鮫島くんと笹原くん(腰乃)

*エロ注意w

鮫島くんと笹原くん
バリバリのBLです(笑)
久しぶりにBL読んだわー。
水城せとなの「窮鼠はチーズの夢を見る」もBLっちゃーBLですが、
一応、書籍分類ではレディコミのカテゴリに入ってるので、モロBLは久しぶり。

ラフな線で全然色気のない絵ですが、エロシーンはめちゃエロエロでした。
チビには勿論、Itsumi嬢にも見せられない(爆)つか見せたら引かれるw
最近のBLは凄いな。ここまでエロく描いてて普通に売ってるんだな。
18禁どころのエロさじゃないと思うんだが…。BLなので一歩間違えたらグロだしな (;´Д`)
でもTLも普通にエロイしな-。こんなもんなのか。
# 因みにTLは千川なつみさんが好きです。「夏のカケラ」が好き。
# 年頃のお嬢さんがいるお母さんが読んだら卒倒しそうな内容だけどな(笑)
# 千川さんにはエロナシの普通の少女漫画描いてもらいたいと思うけど、
# ここまでエロ描写上手いのにエロナシは勿体ないのかもしれん。
BLもTLも取り敢えず不自然だろうがなんだろうがエロ必須なのがなー。
エロナシでも充分いい話多いので、読み手が限られるのは残念だと思う。

鮫島くんと笹原くんはヘタレ攻めのノンケ受け。
このノンケの笹原くんが悩みながら自分の気持ちを受け入れていく様がイイ。
鮫島くんがあまりにもヘタレなので、ノンケで受けのはずの笹原くんがガンガン押してく辺りもイイ。
普通にラブストーリーなのに、やっぱBLなので、ベッドの上で二人でラブラブするんじゃなくて
マジ蹴り入れて喧嘩する辺り可愛すぎるw
BLと限りなくグロ寸前エロが平気な人にはオススメ。
ま、濃度高いけど全体的にはエロシーンは少なめなので
始終エロエロを期待する人には逆にオススメしない(笑)
隣りの」と「幸せになってみませんか?」も読んだけどどっちもヨカッタです。
鮫島くんと笹原くんに出てくる脇の人達のストーリーもあるので、
そういう繋がりを見るのも楽しい。
友人も知人もゲイばっか、なのはBLでのお約束ということで(笑)

2012年08月20日

  ■七人の敵がいる(加納朋子)

七人の敵がいる
3月に文庫が出て、確か4月にドラマ化されてたと思います。観てませんが…。
PTA小説?
大抵の母親がPTAに関して思ってる内容がストレートに書かれてます。
オマケに自治会とか子供会とかに関しても。

章タイトルが「女は女の敵である」「義母義家族は敵である」「男もたいがい、敵である」
「当然夫も敵である」「我が子だろうが敵になる」「先生は敵である」「会長様は敵である」エピローグ
なので、ま、そんなカンジの内容です。

本当にね、エピローグで語られたようなことが実際に行われたらいいのにね。
だいたい、ボランティア活動っていうのは自己犠牲活動じゃないはずだと思う。
でもその場凌ぎが受け継がれてるんだよねぇ。
私だって戦わないよ。その場凌ぐよ(苦笑)
だからこそ凌がずに戦う話を痛快に思うんでしょう。
こんな主人公みたいなのが身近にいたら絶対近寄りませんけどね(笑)

2012年08月17日

  ■午後からはワニ日和(似鳥鶏)

午後からはワニ日和
タイトルだけ見ると動物園が舞台のほのぼの日常の謎系ミステリかと思いますが
全然違い、まずイリエワニ(クロコダイル)が盗まれ、次にミニブタが盗まれる。
個性豊かな飼育員さん達が事件を解決するために奔走する内容。
事件も展開も解決も結構ハード。
ハードだけど重苦しい雰囲気にしないキャラばかりで読んでてしんどくならないのがよかった。
ユニークな動物たちの描写が所々挟まれるのも和めていい。
アミメキリンのメイとダチョウのボコがナイス。
鴇先生の年齢が気になるのでシリーズ化してくれるとウレシイw
あとがきが面白すぎたのでついつい「へんないきもの」を買ってしまった(笑)

2012年08月16日

  ■あるキング(伊坂幸太郎)

あるキング
天才打者の生涯を描いた小説。
「マクベス」ベースなので、ひとつは『物事は見方を変えたら全然別の物になる』とか
『絶対的な正義も絶対的な悪もない』とか、そういうことを書きたかったのかな?と思います。
でも全体的には何が書きたかったのかよく解らない話です。
輪廻転生を絡める意味。ユニホーム姿の男と黒衣の3人の意味。
両親の行動の意味。後半、不幸な環境になってしまった意味。
どれもこれも謎すぎてよく解らないまま終わります。
文章自体はとても読み易いのに、全体的に重苦しい空気感。
一人称で書かれた文がないので、何を考えているのか全く判らない主人公。
主人公に悪意を持つ沢山の人々。主人公に好意を持つ僅かな人達。
誰にも共感出来ず、誰も身近に感じないまま終わる物語。
評判は悪いですけど、伊坂幸太郎っぽいし、
面白かったとは言い難いけど、悪くはなかったと思います。

2012年08月15日

  ■透明人間の納屋(島田荘司)

透明人間の納屋
講談社の子供向けシリーズ・ミステリーランドの文庫化。
ミステリーランド版では全編ルビ付き。
ミステリーランドのシリーズは何作か文庫化済みで、
好きな作家さんの場合は既読ですが、
どれもこれも子供向けの子供とは対象年齢いくつなんだ?と。
中学生くらいなら、わざわざ『子供向け』と銘打たなくても
普通に小説読むだろうし、わざわざ子供向けというからには
小学校中高学年程度を対象としていると思ってるんですが、
その年代の子供に理解できる内容にはとても思えないんですが…。
私が子供を見くびってるんでしょうか?(笑)
小学校中学年だと丁度ウチのチビ共が対象ですが
彼等がコレを理解できるとは思えない。
単に彼等のレベルが低いだけなのかどうかは謎。
# まずアイツ等「納屋」がわかりません(笑)
# Satoru氏に訊いたら(字面を見て)「納豆屋?」とか言いやがりました。多分平均よりバカですw

主人公が(当時)9歳ですが、この主人公に9歳の子供が共感出来るのかどうか…。
説教臭い内容と一番重要な部分の子供騙しなトリックが子供向けなのかも。
トリック重視せず、社会派的に読めば色々感じることもあるかと思うけど、
その部分はやはり子供には難しすぎる気がする。
全ての意味は理解できなくても、切なさくらいは解るんだろうか?
それとも「透明人間になれる薬がある」と想像することでわくわくしたりするんだろうか?
もう私には子供の気持ちは解らない。

2012年08月14日

  ■絶望ノート(歌野晶午)

絶望ノート
虐め被害に遭っている中学生がその苦しみを絶望ノートと名付けた日記に綴る。
そのノートに綴られた加害者の一人が大怪我をする、その後虐めの中心人物が死に至る。
一見デスノートな内容ですが、当然そんなわけはなく、
ラストで伏線の数々が回収され、どんでん返しが繰り返される様は見事。
ただ読後感は良くない。身勝手で独り善がりな人間像の浮き彫り。

解説で『歌野晶午と言えば「葉桜の季節に君を想うということ
日本ミステリー史上に残る神話的な作品』とあったのですが、
ワタシ的にはやはり歌野晶午と言えばデビュー作の「長い家の殺人」だし、
同様のトリックで衝撃のラストといえば、我孫子武丸の「殺戮にいたる病」の方が上でした。
# ただ「殺戮」はエログロすぎてあまり人にはお勧めできない…。
「葉桜」も確かに凄いけど、それのせいで同作者の他の作品が霞んで見えるほど凄いとは
思えないんですけど…。自分の認識と世間の評価の違いは大きい。
つまり、私の感想はいつも的外れかもしれん(笑)

2012年08月12日

  ■フリーター、家を買う。(有川浩)

フリーター、家を買う。
ドラマ化されて観てたので、武家の面々はドラマのキャストでしか読めなかった(笑)
みんなそれぞれイメージを大きく外れず、違和感なく読めたけど、
お姉ちゃんだけはドラマの方がいびられ嫁強調されてて、
お姉ちゃんの良さが半減だったかも。
大悦建設の面々は千葉ちゃんと豊川くんが全然別人でした。
ドラマ化の場合は恋愛要素が前面に押し出されるだろうから仕方ないんでしょう。
大筋は同じなんだけど、ちょこちょことエピソードが削られてたり、ドラマオリジナルだったり。
どちらも捨て難いエピソードばかりなので、大筋は同じでも
やっぱり別の物語として読むのが正解。当たり前かw

タイトルに偽りあり、で(笑)
フリーターが家を買えるわけはないので、家を買うのは
キチンと就職してからだし、実際に家を買うのは父な訳ですが。
それに自堕落気儘な25歳フリーターが母の病気が切っ掛けとは言え
あんなにすんなり改心して、とんとん拍子に好条件で就職出来るなんて
現実にはあり得ないと思わざるを得ませんが、そこはそれ。
リアルさばかり求めてても小説は楽しくないですしね。
あんまり荒唐無稽なのはともかく、御都合主義くらいは大目に見て
主人公の成長っぷりを素直に感心しながら読むべき本。

単純で大人気ない親父さんとか、男前すぎるお姉ちゃんとか、
頑張りすぎるお母さんとか、気の良い工事現場のおじさん達とか、
格好悪い大人と恰好良い大人が入り交じって面白い。

2012年08月08日

  ■追想五断章(米澤穂信)

追想五断章
故人がかつて書き、失われた5つのリドルストーリーを探す話。

5つのショートショートは作中作として書かれるし、
御丁寧にリドルストーリーのはずなのに、結末がある。
解り易いので作中作に対するストレスがなくていい。
本編の真相は序盤で判るのにリドルストーリーの意味が
終盤まで判らずに読み進んでしまった。
結末の一文に違和感あったのに。迂闊。

最後の短編の結末は永遠に凍り付いた真実だけれど、
愛がなければ憎もない。

引用:『転生を妨げてはならないということは、
死者がこの世に再び生まれることは望まれているということだと、私には思われます。
一方で、この世は濁世であり、そこから離れることは悪いことではないと思われているようです。
お教え願いたい。かの地では、生は良いことなのですか、悪いことなのですか』

『それは矛盾ではありません。どちらでもあるのです』

2012年08月06日

  ■ふたりの距離の概算(米澤穂信)

ふたりの距離の概算
古典部シリーズ5冊目。長編。
コレ読むためにシリーズ最初から読み直しましたよ(苦笑)
良くも悪くも、アニメ化のお陰でキャラビジュアルが固定されてしまったので
読み易かったかもしれません。
初めてアニメ観たときは違和感アリアリだったんですが…。
慣れってコワイね。

今回は進級して2年生になり、古典部に新入部員が入りかけたのに
結局、入部には至らなかった、その理由を20kmマラソンの間に
回想を含めながら奉太郎が推理する話。

色んな意味が込められた深いタイトルだと思う。
良いタイトル。シリーズの中では一番好き。
内容はそうでもないけど(笑)
まず、個人的に新入生の大日向さんが好きになれません。
最初から何故か特に理由もなく、好きになれないなーと思ってましたが、
誕生日のエピソードでやられました。あかんやろ。
親しき仲にも礼儀あり。ましてやお宅訪問はアポ必須でしょうが。
私が極端なだけか?
ま、私は人間関係の距離量るの苦手ですけど。

前作の手作りチョコレート事件の時も思ったけど
凄く重い。そこまで考えなきゃダメですか?って思う。
ああ、これも私の思慮が浅いという証明かもしれんが(笑)
やってみなきゃわかんないこともいっぱいあるじゃん?
頭で考えてばかりでどうなるの?
そんなに小難しく考えてどうしたいの?
って思ってしまう。
みんな潔癖なんだよね。
他人のエゴには寛大なのに自分のエゴが許せない辺り。
確かに若い時って無駄に潔癖なもんだけど。

私が享楽的すぎるんですかね?(笑)

2012年07月31日

  ■密室殺人ゲーム2.0(歌野晶午)

密室殺人ゲーム2.0
密室殺人ゲーム王手飛車取り」の続編。2.0はWeb2.0の意。2010本格ミステリ大賞受賞作。
前作が内容もラストも衝撃的だったので、続編、しかもパラレルでも前日譚でもない純粋な続編と聞いて
一体どんな風に?と思いながら読み始め、戸惑いつつ読み進め、そして続編というのに納得。
こういう作品はあまり事前情報を得ずに読むのが重要ですね。

前作同様、トリックのための殺人とその謎解きの話で、
しかも嬉々として猟奇殺人を行うシーンもあるわけで
不快感を受ける人もいるかと思われ。
『ゲーム内で虐殺を繰り返しているから感覚が麻痺して現実と虚構の区別がつかなくなり云々』
言う、少年犯罪のコメンテーターには受け付けられない小説かと(笑)

少なくともミステリなんて好む人種は完全に割り切って殺人を読むと思うので
反射的に殺人に対して嫌悪感を抱くことはないと思うけど
猟奇殺人者に対して、嫌悪感よりも好感に近い物を抱けてしまうというのは
なんだかそれだけで凄い作品だと思います。

続けて「絶望ノート」を読めればよかったんだけど
こちらは発売日まで数日あるので、先に米澤穂信にイキマス。古典部シリーズ。
5冊目だけどね『また』最初から読み直す予定。アニメもやってるし良い機会、
つか、私は「氷菓」何回読む気だ?(苦笑)
だからシリーズ物は一気に読みたいんだよぅ。ワタシの脳味噌バカすぎる…。

2012年07月27日

  ■腕貫探偵、残業中(西澤保彦)

腕貫探偵、残業中
腕貫探偵シリーズ2作目。続編があるのかどうかは謎。
腕貫さんのプライベートタイムでの事件の数々。腕貫さんに懸想する美人女子大生が登場したり、
そしてどうやら腕貫さんもまんざらではなさそうで、二人の関係の進展が微笑ましい連作。
ただ、各話はどれも人間のエゴ満載の結構えぐい話。軽い文体で、女子大生ユリエちゃんが
パワフルで明るいので全体的な雰囲気がジメジメした物にはなっていないのが救い。

清廉潔白な人間なんていないと思う。誰でも心に闇がある。
ただその闇が発露する切っ掛けがあるかないか…。
ほんの些細な出来事が人生を狂わせてしまう。
そんなお話の数々。平凡な人が道を踏み外す様子が切ない。

2012年07月25日

  ■腕貫探偵(西澤保彦)

腕貫探偵
安楽椅子探偵物のシリーズ短編集。
探偵役の腕貫さんの登場がシュールなので
ソレさえ気にならなければ、読み易いロジカルミステリ。
西澤保彦らしい設定だと思う。
淡々とした腕貫さんと個性豊かな相談者達の対比も面白い。
それぞれ独立した事件だけど、登場人物や場所が所々リンクしてて
最終話でほのぼのするのもいい。

2012年07月24日

  ■歪笑小説(東野圭吾)

怪笑小説」「毒笑小説」「黒笑小説」に続く
小説業界内幕ショートショートシリーズ4作目。「歪笑小説
シリーズといっても最新二作に繋がりのある話があるくらいで、
最初の二冊は全然関連性のない話のみ。
前2冊の時はあんまり好きなタイプのユーモアじゃないので面白さが全く解らず、
黒笑で連作っぽくなってちょっと雰囲気が変わったかな?と思ってたら、
今回もその流れで、最初の頃よりもどぎつさが減ってて読み易かったです。
巻末広告も面白い試みでした。

このシリーズは、私にはよく解らないタイプの話なので
例えば、不条理モノとか、私は受け付けないので理解出来ないし、
そういう意味で、好きな人は凄く好きな話なんだろうなーとは思う。
そういう人にとっては後半の落ち着き具合は逆に物足りないのかも。

2012年07月23日

  ■聖女の救済(東野圭吾)

聖女の救済
未読本遡り中。東野作品もう一冊ありますw
これはガリレオシリーズ長編2作目。
ガリレオシリーズは短編は個人的には東野作品の中では駄作揃いだと思ってるし
長編はシリーズである必要のある内容とは思えないと感じるんですが…(苦笑)

どんどん福山化していく湯川とか、柴咲コウしかイメージできない内海とか、
ドラマの原作というより、ノベライズみたいな印象が大きい。
そのくらいドラマが凄かったというべきなのかもしれませんね。

トリックが現実的かどうかというよりも、
犯人の執念深さとか、被害者の人間性の欠落具合とかそういうのを読む本。
(死んでよかったよ。不幸になる子供が一人減ったよ。と思いましたからね、私は。
なんの不具合か知らんけど、他人に愛情抱けない人間が
子供に愛情抱けるわけないじゃん。何勘違いしてるんだろ。
血が繋がってたらそれだけで愛せると信じてる感覚がわからん。
この小説でそんな方向に怒りを向ける人間は少ないのかもしれんが・笑)
そんなワケで、ある意味命懸けでこの被害者を愛した女達の話ですが
この男の魅力が小説内だけでは全く見えてこないので、女達のキモチも解らず。
結局、恋愛ってのは熱病みたいで怖いなー程度にしか想いを想像できないわけで、
熱病なのに年単位でその病を維持できるとは思えないので、
動機も愛情よりもプライドだよね。
ヘンな方向にプライド持っちゃうと人間不幸にしかなんないよね。
…って、そういう話じゃないの?(笑)
ま、希に見る不幸な結婚生活を想像させる話でした。
わかんねー。なんで自分のシアワセを追求せずに生きられるんだろう。

2012年07月22日

  ■プラチナデータ(東野圭吾)

プラチナデータ
来春映画化の作品。
豊川悦司と二宮和也です。
ま、悪くはないと思うんですけど、
私の中では、神楽はニノよりは柳楽優弥かも。
結婚した頃の柳楽ではなく、ダイエット後の柳楽ね。
「誰も知らない」の頃のまま成長したカンジで。
(柳楽優弥変貌激しすぎてこういう説明必要だよねw)
因みに豊川悦司の方はイメージ通りでした。
別の人が思い浮かばないくらいw

内容は近未来SF。国がDNA情報を管理して犯罪捜査を行うシステム。
そのシステムを悪用する犯人。冤罪を晴らすため逃亡する研究員(ニノ)と
詳しいことは教えて貰えないまま捜査を外され、個人で動く刑事(トヨエツ)
DNA情報管理、そのうち実現されてもおかしくない気はするね。
この本の通り、プラチナデータ化可能という条件付きなら。

SF続きです。敢えてこういう順序で読んだわけですが。
どっちも近未来SFで、個人情報管理物なのにその差は大きい。
この作品は完全にエンターテインメントでした。
ベタベタな設定がいっそ爽快なくらい。
ベタ過ぎるし、ツッコミどころもそれなりにあるけど
そういうのは無視しても良いくらい、流石のエンターテインメント。
深く考えず、単純にお話を楽しむのがいいと思います。
私は面白かったです。
ほんのりラブストーリーも切なくてイイ感じです。

2012年07月20日

  ■ハーモニー(伊藤計劃)

ハーモニー
虐殺器官」の結果として<大災禍>と呼ばれる世界的な混乱が起こり、
それを経て、大規模福祉厚生社会が築かれ、
人類は体内に医療分子を埋め込み完全な健康管理により
病気がほぼ放逐された世の中。
そこから更に人類が目指すべき場所とは?的な…。

ハッピーエンドらしいんですが。
ワタシ的には怖すぎ。
どこがハッピーエンドなのかよくわかんない。
キモチワルイ話でした。
"気持ち悪い"じゃなくて"キモチワルイ"(←わかんねぇよw)

相変わらず、哲学的で観念的な内容なので
Naoki氏は面白かったのかもしれないけど
私は「答えのない問いかけに対する個人的な見解」に関しては
『ふーん』くらいしか思えないので、というか捻くれてるからか
ツッコミしながらしか読めないので(笑)
最終的に「思い込みの激しいパラノイアの話だった…。ちゃんちゃん」
という結果になってしまって、それは作品に対する冒涜かもしれないと
自分でも思うくらいなので、ダメです。
こういう作品をちゃんと読む能力が私にはないようです。

2012年07月14日

  ■虐殺器官(伊藤計劃)

虐殺器官
ハヤカワです。SFです。Naoki氏に借りました。
近未来国際軍事謀略サスペンス?近未来だからSFなんですね。

なんか色々賞を取ったらしい作品らしいんですが、
私には難しくてテーマがよく解りませんでした。
感情とか、理性とか、良心とか、色々と曖昧なモノも
全てはDNAに刻まれて、脳の機能の一部として、あるモノで、
更に、生存本能の一部として他者を虐殺するという項目もあり、
切っ掛けを与えれば、人間は虐殺を実行するというような内容で…。
何故にその切っ掛けを与えるかというのがメインの謎っぽい?

テーマはよく解らないけれど、取り敢えず、観念的な話な訳で、
流石、こういうのを気に入る哲学科、というカンジです。
同じ世界観の続編があるらしくて、Naoki氏曰く「そっちのほうが面白い」との事なので
続編を読むために読みました。続編に期待。

2012年07月03日

  ■ラブコメ今昔(有川浩)

PS Vitaをmasatsu氏が使用中なので、ときめくのをいったん中断して、
溜まりに溜まった積ん読本を処理すべく、読書モードに強制突入。

まずは読み易いところから。「ラブコメ今昔
クジラの彼」に続く自衛隊ラブコメ第二弾。
自衛隊員のラブコメというだけで各話繋がりは全くない短編集。
有川浩のラブコメなので、当然激甘王道ですよ。
ただ、登場人物が自衛隊員なので、一般人よりも命懸けのシーンが多いだけ。
重たいだけの内容になっても仕方ない話も明るくまとめられててやっぱり読み易い。
「見てる方が恥ずかしい」ベタ甘ぶりですが、人の振り見て我が振り直せ。
多分、自分等の方が恥ずかしい(笑)

ああ、ときめき中断中なのに…小説内のカッコイイ男子にやっぱときめいてるじゃん ┐(´д`)┌
有川ラブコメの男子はツボな仕草が多いんですよ。王道なだけに。
照れ屋でぶっきらぼうなのは当然として。頭ぽんぽん。髪の毛くしゃくしゃ、とか。
微笑ましくて、可愛くて、人恋しくなります。いちゃいちゃする相手を側に待機させてから読むべし(笑)

2012年05月20日

  ■さよならのためだけに(我孫子武丸)

さよならのためだけに
近未来、遺伝子レベルで相性診断を行い、少子晩婚化を食い止めた結婚仲介業。
そのシステムで特A=運命の相手(結婚率100%・離婚率0%)と判断された2人が
新婚旅行直後に離婚を決意。しかし特Aの離婚は簡単ではなかった…という話。

生物としての本能と、他の生物が持ち合わせない複雑な感情を持った人間の恋愛。
そういうモノに対する考察?
過程が大袈裟な割に結末は意外性がなく、
結局は本能か?とも思える内容に思いましたが、
私の読み方が穿ち過ぎなだけかもしれません。

離婚に向けて共闘する主人公2人の視点が交互に描写されて
読み易いし、面白い内容でした。

2012年05月18日

  ■三匹のおっさん(有川浩)

三匹のおっさん
久しぶりに活字。
DSの「ときメモGS3」「ポケモンタイピング」iPhoneで「スヌーピーストリート」とゲーム三昧の日々で
本を読む時間を作れなかったんだけど、今日は健康診断で病院に行くお供に。
で、読み始めたらやっぱり止まらず、今度はゲームが疎かになる予感(笑)
積ん読状態もそろそろヤバイのでいいんだけど、どれもこれも中途半端になりそうなのがイヤ。
こんな風に娯楽にムキになる自分がイヤ(笑)

久しぶりの活字に有川浩をチョイスしたのはやはり読み易いから。
『還暦でジジイの括りに入れられてたまるか、まだまだおっさんだぜぇ』という
元三匹の悪ガキが暇潰しに結成した自警団の活躍譚。現代版時代劇(?変な単語w)
幼なじみの還暦三人組がカッコイイおっさん達なわけだけど、
孫とか娘とかの高校生が凄く(・∀・)イイ!!
活劇モノなのにやっぱりラブコメにいっちゃう辺りが有川浩。

色んな立場があるので、視点を変えて観てみたら
色々と思うところはあるのだろうと思う部分、
この状況でその心理状態はどうなのよな部分、
極々単純に社会常識として高校生の深夜バイトはダメじゃんとか、
ツッコミどころは沢山あるんだけど、そういうのは読み流して
面白いモノを面白いと思って何が悪い、という勢いで読む話。

2012年05月15日

  ■吉村達也氏逝去

早書きと、リメイク出版についていけず、数年前に読むのを止めてしまっていましたが
吉村氏の作品は100冊読みました。(100冊処分したので…)
200冊以上刊行されているので半分にも満たない計算ですが、
朝比奈シリーズも、氷室シリーズも、志垣警部シリーズもスキでした。
ツインピークスが流行った頃の時の森殺人事件も懐かしい。
シリーズ物は未完のモノもあるんでしょうね。

公式ブログで
『訃報のお知らせ
みなさん、こんにちは。 長らくごぶさたしておりました。
突然ですが、私はこの度、死んでしまいました』
と記す辺り、流石吉村氏です。

心より御冥福をお祈り致します。

2012年04月05日

  ■BLACK BIRD(桜小路かのこ)1~15

M嬢が友人に借り読みしてItsumi嬢に薦め、
Itsumi嬢がレンタルしたので便乗読み。「BLACK BIRD 1~15」
天狗と女子高生の恋愛モノ。
BLACK BIRD 1 (Betsucomiフラワーコミックス)
表紙見て判るけどエロ(笑)
これカテゴリは少女漫画だっけ?
高校生くらいならともかく小中学生にはちょっとどうかと思う…のはおばちゃんの証か?
主人公が妖にとって特殊な存在で、当主が娶れば一族繁栄、食せば力を得られる、
主人公の血を得るだけでも効果抜群とかいう設定なので
妖に襲われて負傷した主人公の全身を嘗めて治すイケメン天狗(笑)
凄い設定ですね。青年漫画じゃないのに…少女漫画なのに…。
しかも中盤までとある理由で最後までしてはいけない、という条件付き。
最後までしないけど途中までする、無駄にエロイ。
バレンタインに甘いモノが苦手な男子にチョコスプレッドを贈って
それを男子の体に塗って女子が嘗め取るというエピソードがあったんですけど…。
少女がそんなプレイ覚えなくてよろしい(笑)
私は娘がもう成人してて、笑ってられるけど、
これ女子中学生の母が見たら憤怒物じゃないんですかね?
全体的には恋愛以外にも、親兄弟との確執あり、種族間の権力争いあり等々
それなりに読ませる話なだけに、無駄なエロさが残念。
所謂TLよりは全然マシなのかもしれないけど、
TLとのジャンル分けはもっときっちりして、境目を作った方がいいと思うんですけどね。

2012年03月11日

  ■好きっていいなよ。(葉月かなえ)1~8

好きっていいなよ。 1 (デザートコミックス)好きっていいなよ。 2 (デザートコミックス)好きっていいなよ。 3 (デザートコミックス)好きっていいなよ。 4 (デザートコミックス)
「好きっていいなよ。」現在既刊8巻以下続刊。
葉月かなえという人はTL作家さんらしいんですけど、
これは脱TLとか評価されてたので
Itsumi嬢と割り勘で一気買い、一気読み。

いじめに遭ってる主人公に学校一のモテ男が言い寄ってラブラブする話。
流石TL作家さん脱TLとか言いつつ、
普通にセフレのいる高校生が何人か出てくるという(笑)
なのに主人公ペアは純愛系なのですね。
矛盾のある性に対する行為とか、
純粋さと腹黒さが同居してグダグダな辺りとか、
慎重さも軽率さも大胆さも臆病さも
わりとリアルな高校生なのかなーと思いました。
中学高校くらいの年頃って生きていくのが凄くしんどいような気がする。
少なくとも私はしんどかった。
今はあの頃よりはずっとラク。
で、しんどさを漫画読みながら追憶してみる。
しんどい思いするのも大事。

ま、相対的にラクなだけで
生きていくのは色々しんどいけどね(笑)

2012年03月10日

  ■恋物語(西尾維新)

恋物語
物語シリーズ12冊目。セカンドシーズン最終話。
今年最初に読んだ小説がコレとは…。
というかもう3月も三分の一が過ぎようというのに
やっと初小説とか…色々とありえん。
ゲームやってたら本読めないんだわー。
逆に本読んでたらゲームできないし。
時間足りません。

ひたぎメインで阿良々木君が出てこない恋物語。
誰の恋やねん、という(笑)
ひたぎの恋ですけどね。

貝木は私の中では本当にしょぼしょぼのさえない中年のおっさんでしかなかったので
そのままで読んでいると全然楽しくないので、
今回、私の中の貝木を大幅に修正しました。
人間は外見じゃないけどね、貝木中身酷いし。
じゃなくて、人間外見じゃないのはリアルだけで充分だし。
フィクションは外見はかなり重要だから。
メインキャラはブス設定でも磨けば可愛くなる素材の良さがないとダメですから。

ファイナルシーズンがあと3冊出るそうで、
全然物語は収束してません。

2012年01月21日

  ■360°マテリアル(南塔子)

360゜マテリアル」1~5巻、以下続刊。
ゆるかわ男子、ゆるかわ男子、と行きつけの本屋でやたらとプッシュされていて
いつ行っても平積みなので気になってた本。
クリスマスにItsumi嬢から貰った図書カードで大人買い~ ヽ(´▽`)ノ
娘に貰った図書カードで少女漫画買う母(笑)

取り敢えず主人公2人が微笑ましい。
ベタベタではなく、いちゃいちゃする2人がカワイイです。
ゆるかわ男子の彼氏は天然君で草食系なのに
サラリと彼女を名前で呼び捨てしちゃったり。
彼氏に名前呼び捨てにされてそれだけで心臓バクバクになる彼女。
凄く素直なラブストーリーでイヤミがなくてイイです。
時々ヤキモチ妬いたり、ライバルに火花散らしてみたり、それもまたかわゆし。
ほんわかする少女漫画でした。

オオカミ少女と黒王子 1 (マーガレットコミックス)
帯の"お前は俺の犬になれ!! 超ドS王子"に惹かれて
ジャケ買いした「オオカミ少女と黒王子 1」も面白かった。
腹黒美少年は好きです(笑)

2012年01月05日

  ■光とともに…(戸部けいこ)

光とともに…全15巻 完結セット
今年最初に読んだ本「光とともに…全15巻
レンタルでまだ4巻までしか読んでませんが。
15巻で終わってますが、作者逝去により完結はしてないようです。

観てませんが、ドラマ化されたのはもう7~8年前くらい?
ドラマの出来は知りませんが、漫画の方はリアルな自閉児漫画としてわりと有名かも。

誕生から幼児期、我が子の障害に気付いて、それを認めるまでの期間が
描かれている以上に、辛く苦しい物であるだろうと想像出来る描かれ方でした。
周りの無理解、同情を装った見下し、差別。
多分現実の私は、この本の中では悪役にしか見えない無責任な第三者だ。
無自覚な加害者だ。
人生半分以上は過ぎてるだろうに、未だに失敗は多いし、
過去にもあり得ないくらい失敗してきてるよなぁ…。
なくせはしないだろうけれど、減らしていければ…と思う。

チビズの通う小学校にも障害者クラスはあって、
色々授業によっては交流もしている。
私自身が子供の頃よりも、今の子供等は障害児を
難なく受け入れているような気がする。
私が子供の頃はもっともっと差別が酷かった。
大人の差別を見て、子供も真似ていた。
まずは、大人の理解が大切なんだろうと思う。
私は現時点では自閉児が身近にいるわけではないし、
接する機会があるわけではないので、
自閉児について詳しい文献を読んだり、
突っ込んで調べようと思ったりはしない。
けれど、全然知識が必要ないとも思わないので
こういう漫画はありがたい存在。
機会があれば色んな人が読めばいいのに。
理解しようと思わなくても、知るだけで
当事者は救われるのではないかと思う。
勝手な思い込みに過ぎないけれど。

2011年12月29日

  ■幽霊人命救助隊(高野和明)

幽霊人命救助隊
自殺してしまった主人公と他3名が成仏する為に自殺志願者を100名救うという話。
基本的に自殺する人は鬱という病気であること、
鬱は治療で必ず治ること、その二点をテーマにした作品。
皆、それぞれ色んな理由で世を儚んでしまうわけですが、
「もう死ぬしかない」という方向にしか思考が働かない状態が
病気というわけですね。

重苦しいテーマを暗いだけにならないように描き上げていますが
私自身は身近に自殺した人がいないので、体験者がどう考えるのかは判りません。
でも自殺してしまった主人公やその仲間達の悔恨の思い、
自殺しようとしている人達への説得の言葉、
自殺を考える人達のそれぞれの精一杯の気持ち。

弱ってる人、頑張れない人、そして周囲のどうすればいいかわからない人達を
応援したいと思う気持ちが詰まった本なんだろうと思います。

ありきたりと言えばありきたりだけど、100人目のエピソードは泣けます。

2011年12月25日

  ■6時間後に君は死ぬ(高野和明)

6時間後に君は死ぬ
・6時間後に君は死ぬ
・時の魔法使い
・恋をしてはいけない日
・ドールハウスのダンサー
・3時間後に僕は死ぬ
以上、5編収録の短編集。5編とも他人の非日常な未来を予知してしまう青年が登場。
表題作の5年後が5作目でどちらもサスペンスミステリだけど、
間の三作はタイトルから伺える通り、ファンタジーっぽい内容のほのぼの系。
どこか切なくて、でもしっかり癒される前向きなお話。読み易い。

この作者の文庫はあと2冊出てて、
購入済みの「幽霊人命救助隊」が評判が良いので読むのが楽しみなんだけど
グレイヴディッガー」は逃亡サスペンスらしいので未購入。
しかし今まで読んだ本全部読み易くて面白かったのでやっぱり買おうか悩み中。うーん。
ヒットな作家さんに巡り会うと嬉しいけど、時間と財布が辛い(笑)

2011年12月22日

  ■K・Nの悲劇(高野和明)

K・Nの悲劇
高野和明のデビュー3作目。ホラー?
予期せぬ妊娠に中絶を選択した若夫婦の妻が精神に変調をきたす。
人格が完全に変わって憑依されたとしか思えない行動に
愛する妻を救いたい夫と、自信喪失休職中の精神科医が対峙する話。

『中絶胎児が人間だと認められれば日本人の死因のトップは人工妊娠中絶なんです』
流産とか死産とか中絶とか、お産にまつわるトラウマがある人が読んだらしんどいかも。
作中で男責められまくりなので、男の人の方が更にしんどいかも。
男だけに責任があるわけじゃないけど、女にだけリスクがあるのが妊娠だからね。
男には産めないけど女には産めるという特権もあるので、男女のお得度は状況次第だと思うけど。

「妊娠は病気じゃない」と言って妊婦に無茶させたり,無茶したりする人いるけど
日本語の理解度が低すぎるよね。病気じゃないから治療出来ないのに体が本調子じゃない、
病気よりコワイ状態だっちゅーの。しかも身体だけじゃなく精神も本調子じゃないっちゅーの。
そういうことをあんまり考えずに安易な快楽に耽る系の人は一読してみても良いかも。

読んでも読まなくても、経験してもしなくても、何も感じない人はいると思う。それは全然悪くない。

2011年12月21日

  ■13階段(高野和明)

13階段
第47回江戸川乱歩賞受賞作ということで10年前の作品。著者デビュー作。
死刑囚の冤罪を晴らす為に奔走する刑務官と仮釈放中の青年の話。
死刑囚が事故に遭って事件発生時刻前後の記憶がないという特殊な状況。

死刑を執行する立場の刑務官が主人公の片方なので
執行の様子が克明に描かれていて、死刑制度の有無を考えさせられる内容。
死刑囚が首に縄を掛けられた状態で床が抜けるとか、
実際誰が直接手を下したか(床を抜く操作をしたか)が本人にも判らないように
ダミーのボタンも一緒に3人で押すとか、
真偽はともかく、そういう知識は既にあったので、執行者が苦悩するという話も
知ってはいたけれど、それでも私は死刑制度賛成派なので、
主人公の刑務官が二度目に経験した執行に関する苦悩は意外な視点。
色んなパターンがあるわけで、死刑に限らずだけれど、世の中の制度、仕組み等々は
絶対にベストはなく、多数決的思考によるベターでしかないのだと改めて思う。

別に死刑制度の有無とか小難しいこと考えなくても
サスペンスミステリとしてかなり出来のイイ作品。
真実はどうなのかが気になって読むのを止め難い内容。
最後のどんでん返しや過去の事件の真実も含め濃い内容の一冊。
暫く高野祭りの予定(笑)年末に何やってんだか… 我ながらダメっぷりに呆れる。

2011年12月19日

  ■いわゆる天使の文化祭(似鳥鶏)

いわゆる天使の文化祭 (創元推理文庫)
いわゆる天使の文化祭
シリーズ4作目。3冊2シリーズ挟んで1作目以来の長編。
葉山君と奏ちゃん2人の視点でのお話が交互にあり、いつもの如くインターバルに謎。
わりと序盤で2人の視点の謎には気付いてしまいますが、
便乗犯の謎、そして大元の天使の謎は最後まで読まないとわかりませんでした。
2人視点の謎に早々に気付いたのは違和感が大きかったせいですが
その違和感のせいで読み進むのに勢いが付きにくかった気がします。
柳瀬先輩や三野の活躍も少なめで淋しい。
ただ伊神さんはますます変人ぶりを発揮で、更に兄妹コンビもイイ感じ。
伊神さん卒業によって探偵役が変わるのかと思ってましたが
このシリーズの探偵はあくまでも伊神さんなのですね。
探偵にありがちな変人ぶりがくどいと思う人もいるかもしれないけど
私は御手洗タイプの探偵が好きなので結構好みです。
今回、時系列的には最新の状態で柳瀬先輩が出ていないので
その時点での2人の関係も気になる。進展してるんでしょうか?
葉山君が卒業に向かってしまうのか気になりつつ、次作が楽しみ。

2011年12月18日

  ■まもなく電車が出現します(似鳥鶏)

まもなく電車が出現します (創元推理文庫)
まもなく電車が出現します
シリーズ3作目、短編集。

葉山君、また利用されてるし…(苦笑)
でも恋心利用する話は切ないな-。
他の感情はともかく、恋心だけは理性で制御出来ないと思う。
制御出来たらソレは恋心じゃないよ、と思う。
だから自棄にならないで、大切にしなきゃいけないんだけど、
制御出来ないことで情緒不安定になってしまうのも当たり前で、
大切にしなきゃいけないモノほど、粗末に扱ってしまうのもありがちで…。
やっぱり、騙した方も、騙された方も、切ない。
葉山君の謎解きがまた微妙にずれてて、自虐的なのが双方にキツイ。

学生時代の恋、しかも高校時代の恋っていうのが微妙なのだね。
あり得ないほど軽いモノから、生涯モノの重いモノまで混在してるし。
ま、現実はもっと生臭かったりするんだろうから、カワイイモンなんだろうけど。

2011年12月17日

  ■さよならの次にくる<新学期編>(似鳥鶏)

さよならの次にくる<新学期編> (創元推理文庫)
さよならの次にくる<新学期編>
シリーズ2作目、後編。
ちりばめられていた謎の収束。

ストーカーを追い払う話。
相手が悪かったね、としか…。
追っ払い方が見事すぎる。

葉山君は色々思わせぶりな人が周りに多すぎて
ホンモノには鈍くなりそうな感じがします。

伊神さん意外にカワイイw

色んな謎が綺麗に纏まっていく様は爽快ですが
伏線と個々のエピソードが大仰で不自然な部分も多々あり。
学園物って難しいよね。
読み手がリアルさを追求しすぎると白けるので
軽いノリで読まなきゃいけないと思います。うん。

2011年12月14日

  ■さよならの次にくる<卒業式編>(似鳥鶏)

さよならの次にくる <卒業式編> (創元推理文庫)
さよならの次にくる <卒業式編>
シリーズ2冊目。連作短編集前編。
葉山君の初恋の人が出てきたり、伊神さんの過去が垣間見えたり。
前作と同様、インターバルで全然関係のない話が2頁程挿入されていて
それが最後に収束するという体裁。
ミステリ部分はややこじつけ感があるものの伏線がちりばめられていて
後編の<新学期編>が楽しみ。
叙述部分、解決の件まで全然気付かなくて見事騙されました。狡いなー(笑)
連作短編集だからこその罠。

2011年12月12日

  ■理由(わけ)あって冬に出る(似鳥鶏)

理由(わけ)あって冬に出る (創元推理文庫)
理由(わけ)あって冬に出る
鮎川哲也賞佳作入選のデビュー作、シリーズ1作目。
表紙買いですよ。
創元推理文庫の表紙買いは米澤穂信で成功してるので迷いなくシリーズ一気買い(ぉぃ
早く読みたかったんだけど取り敢えず森博嗣フェアを終えてから…と我慢してました(笑
我慢の甲斐あって(?)序盤の冗長さを一気に乗り越え一気読み。一気一気の一冊(莫迦?

学園ユーモアミステリ。幽霊の謎解き物。
語り部の葉山君はワトスン。本家程道化ではなくパシリ的な。
探偵役の伊神先輩(男)も、葉山君を構いまくる柳瀬先輩(女)もイイキャラだし
他のキャラもちゃんと立っててそれぞれ個性的でイイ。
評判の悪いエピローグは確かに蛇足かもしれないけど、
そこから今後のシリーズが展開する感じだし、見苦しいという程酷くはない。
プロローグとインターバルがいきなり学園ユーモアとかけ離れてて
違和感があるといえばあるけど、どう絡んでくるのか謎だったので
ミステリとしても問題なく楽しめると思う。

一昨日、シリーズ最新刊が出たばかりで、シリーズ残り4冊。
読むのが楽しみなので表紙買いは成功でしたーヽ(´▽`)ノ
ただ買ったタイミングが悪かっただけ…。年末なのに…。本読んでる場合じゃないのに…。

2011年12月11日

  ■キラレ×キラレ(森博嗣)

キラレ×キラレ CUTTHROAT
Xシリーズ2作目。
やっと講談社文庫の森博嗣積ん読、読了。
あとは水柿シリーズとかノンシリーズの未読があるけど
取り敢えず他に読みたい本が山積みなので森読フェア終了だ(笑)
区切りで読んだのがXシリーズでヨカッタ。
わりと気分良く森読フェアを終えられましたよ。
やっぱり頭良いのか悪いのかよく判らない小川・真鍋コンビが良いです。
ミステリ的にはやっぱり普通ですけど…。
普通に楽しめればそれでいいので。
森ミステリは解決編が曖昧だったり、想像の域を出なかったり、
すっきりしない部分も多いけど、この人の作品はそういう物だと思わないと仕方ないですね。

しかし、これは一般人に混じったイッちゃった系の人シリーズかもしれない… 。
そういう意味では普通の犯罪ではないような…?

2011年12月10日

  ■イナイ×イナイ(森博嗣)

イナイ×イナイ PEEKABOO
Xシリーズ1作目。
やはりこれも四季ワールドの一部になるんでしょうか?
少なくともキャラは被ってますが…。
ミステリとしてはGシリーズに比べたらかなり普通。
良く言えば、シリーズファン以外が読んでもそれなりな作品。
最近の森作品の中では好感度高め(当然個人的に)
頭良いのか悪いのかよく判らない小川・真鍋コンビの会話も楽しい。

2011年12月07日

  ■レタス・フライ(森博嗣)

レタス・フライ Lettuce Fry
短編集。
毎回、森博嗣の短編集にはシリーズ番外編的な短編が何本か収録されますが
今回も同様。
「刀之津診療所の怪」だけかと思ってたけど違った。
そして私は診療所の謎は以前の作品を読み返さないと忘れてしまっている。

ショートショート5篇はいつもの如く詩的すぎて難しい。
好きなように解釈しろということなのか、
ただ単に私に読解力がないだけなのか。
どうでもいいけど。
文章や言葉って多分元々そういう性質の物なんだろうし。
だから小学校の国語の問題はナンセンスという話なんだし。
実はNaoki氏が今大学院でやってることもナンセンスだと私は思うね。
本人もそれ解ってて、なのにやってる辺り、ナンセンス二乗って感じ。
あ。愚痴になった(笑)閑話休題。

「砂の街」…「塩の街」?

シリーズ物はシリーズ未読だと意味不明。
シリーズ外は詩的すぎて意味不明。
シリーズファン以外が読む価値ないと思う。

2011年12月04日

  ■ηなのに夢のよう(森博嗣)

ηなのに夢のよう DREAMILY IN SPITE OF η
シリーズ6作目。
当初主役かと思っていた学生3人組は完全に脇になってしまった6作目。
事件についてもあまり謎は解かれないまま。

うーん…。よくわからん。
過去キャラが出てくる意味のないシーンが多すぎ。
S&M及びVシリーズの番外編でしかないなら
最初からそういう扱いで書けばいいのに…。

2011年12月03日

  ■λに歯がない(森博嗣)

λに歯がない λ HAS NO TEETH
Gシリーズ5作目。
シリーズ通しての自殺絡みではなく、メッセージ模倣で攪乱した復讐物。ややこしいw
事件絡みで過去シリーズキャラが出てきたり、
復讐するという行為の意味を考えてみたり、
多分、かなり伏線要素の強い作品。
そういうの重視で推理小説的なトリックはどうでもよかったんだろうなーという…。
森博嗣はトリックはどうでもいいと思っていると思う。逆の意味でビックリする(笑)

生きること、生き続けること、死なれること、死ぬこと、死んだ後のこと、
そういうことを色々と。
深くて、だからこそありふれているテーマでしょう。というか基本だよね。

2011年11月30日

  ■εに誓って(森博嗣)

εに誓って SWEARING ON SOLEMN ε
Gシリーズ4作目。バスジャック物。
読み所は山吹と加部谷の遣り取りと砕けた会話をする国枝サン。
今回はS&Mや学生3人組ではなく警察が頑張った話。
トリックが途中で予測出来てしまうのは残念。
予測出来てしまう程度に乗客の描写が不自然。

乗客に色々と独白させているのに結局上っ面だけで
意味がなかったのが読後虚しい。
せめてもう少し個々の背景を見せて
共感なり反感なり抱けるくらいに読ませて欲しかった。

2011年11月28日

  ■τになるまで待って(森博嗣)

τになるまで待って PLEASE STAY UNTIL τ
シリーズ3作目。というか第三章?(苦笑)
やはり一冊だけ読むことに意味はないと思われます。
今回のトリックはトリックと言うより力業だし。
犯人はどうなの?動機は何なの?
わけわかりませんよ。
犀川が一瞬で謎解きする様をファンが喜ぶ本。
相変わらず、存在意義を問われる海月君。

森博嗣を全然知らずにこれから読んでみようかな?と思ってる人には絶対オススメしない。
私の中では「すベてがFになる」が森博嗣のすべて。
すベてがFになる」はオススメ出来るけど、
これがシリーズ第一作で、この後、他シリーズにも関連してくるので質が悪い。
なのでやっぱりオススメしない(ぉぃ)

腐しながらも何故読み続けてしまうんだろう…orz ←解決してなくてキモチ悪いから?

2011年11月24日

  ■θは遊んでくれたよ(森博嗣)

θは遊んでくれたよ ANOTHER PLAYMATE θ
シリーズ2作目。連続自殺事件について。
連続自殺事件という単語の奇妙さは措いといて。

前作よりは正当派なミステリの感じ。よくある話ともいう。
でも多分それはメインではなくて、実際はシリーズ全体の事件として、
事件外扱いの一人目こそが重要なのだと思うけど、それは謎のまま。
色々懐かしい人物が出てきてるので、やはり以前のシリーズも知っておかないと意味不明。

犀川とキャラ被るのに何故海月君を探偵役にした新シリーズなのかがよくわからん。
海月君格下描写で読み手の探偵への信頼感を希薄にする意図もわからん。

萌絵がオトナになって読み易くなったのが救い。
加部谷は萌絵ほど腹立たないというのを考えると
メインキャラのインパクトが弱まったと言わざるを得ない。
それの善し悪しはともかく。

宗教的な事が絡んでくると常軌を逸しても『狂信』の一言で済まされちゃうのがね-。
『死の恐怖から逃れる為に存在するから死を軽んじる』

2011年11月23日

  ■φは壊れたね(森博嗣)

φは壊れたね (講談社文庫)
4年寝かせていたw「φは壊れたね PATH CONNECTED φBROKE」読了。
Gシリーズ1作目。どうせ10冊ワンセットだろうから10冊出たら読もうと思ってたけど
6冊文庫化で別(X)シリーズ2冊も文庫化されてるし、で着手。

新シリーズといえども、旧シリーズの登場人物出てくるし、
シリーズ全体を理解するには旧シリーズから全部読めっちゅー話な感じですね。
「四季」シリーズ理解出来てないからこのまま読み進めても微妙な気もするけど(苦笑)
これ1冊だけで単体ミステリとして見たら駄作じゃないの?って思うし。
読み易いけど、解決編が中途半端。ミステリなのに謎を謎のまま残して終了って
読み切りなら赦される話じゃないでしょう。
オチのない話なら小学生でも書けるわけだし。
ああ、でもメインの事件は小学生並みのトリックだったかも。
仕方ないので今後もキャラ読み続けます(苦笑)←まんまと罠にはまっている _| ̄|○

関係ないけど表紙のデザインは好き。

2011年11月21日

  ■リベルタスの寓話(島田荘司)

リベルタスの寓話
御手洗シリーズ中編2篇。
何故か一篇が前後に分かれて、間に一篇入るという構成。
どちらもボスニア・ヘルツェゴビナ紛争に関する話で、
多分テーマは同じだけど、二分割しなくてもいいのでは?と思う。
巻頭に入れずとも荒唐無稽さに変わりはないし(苦笑)

荒唐無稽な「クロアチア人の手」もう御手洗君じゃなきゃ本投げてるよ、私は。
なんちゅうートリックじゃ。あり得ん!としか思いません。
実際、可能なんだろうか?
成功率が限りなく100%に近い物じゃないとメイントリックにしちゃダメだと思うんですが…。
偶然に助けられる事も多少は目を瞑れても、限度があると思うんです。
御手洗君の推理も根拠が解らない物があって納得出来ないし…ミステリとしては残念。
そして、石岡。石岡ファンのキモチは一生理解出来ない。ホント嫌い(苦笑)
御手洗に頼るばかりのくせに信頼してないし。苛つく。

ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争の悲惨さだけは充分解りました。
作中「ボスニア戦争では、ナチスですらしなかっただろうおぞましいことが行われた」とありますが
ナチスのユダヤ人迫害もボスニアの民族浄化もどっちがどうって比べる話じゃないわな。
どっちも行為とそれ以上に詭弁が限りなくおぞましい。宗教も民族愛も『悪』ではないのにね。

2011年11月15日

  ■妖狐×僕SS 1~5巻(藤原ここあ)

妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス) 1 ~」
アニメ化されるとかで、masatsu氏が借りてきてたので便乗読み。
変態妖怪エロ萌えお莫迦系漫画かと思って読んでたら
4巻で急展開。なんか重くて深い話っぽいです。
多分masatsu氏が今後も新刊レンタルすると思うので多分読む(笑)
キャラは女の子がカワイイし男の子は恰好良いし、みんな性格良いし、
序盤は読んでて疲れなくていいです。
やっぱ極悪人が出てくると読んでてしんどいからね。
重そうな展開になってからも、ドロドロしてるわけじゃないのであまり疲れません。
もう若くないのであんまり疲れる漫画はなるべく避けなきゃねー(笑)

# 今、アニメで「未来日記」観てるけどしんどいんだよー。スプラッタも精神力摩耗するんだよーw

2011年11月14日

  ■ニコイチ1~9巻(金田一蓮十郎)

ニコイチ1-8巻 セット (ヤングガンガンコミックス)
ニコイチ1-
ライアー×ライアー」の兄貴作的なお話らしいので気になってレンタル。
学生時代に恋人を亡くして、彼女の子供を引き取って育てる決心をして、
けれど2歳の子供は母親なしの環境に慣れてくれず、母親のフリをして女装。
そのまま、会社では男、家庭では女の人生を8年間歩んできた主人公に
好きな人が出来て、その彼女と周囲の人達と、そして子供自身にカミングアウトしていく話。
面白かったです。
確かに、コレもライアーも変装身内騙り物なので兄弟作品ですね。
ただ、ライアーに比べれば、こちらはバカバカしいとはいえ騙りの原因に
多少の説得力と愛があるのでこちらの方が私は好きです。
ずっと騙り続ける話じゃなくて、どんどんカミングアウトしていく話なのが意外で面白いデス。

2011年11月13日

  ■天使なんかじゃない(矢沢あい)

天使なんかじゃない 完全版全4巻 完結セット (愛蔵版コミックス)
天使なんかじゃない 全4巻
画像は完全版ですが、レンタル文庫の全6巻で読みました。
これ20年前の作品なんですね-。
あんまり古くささ感じさせないのが凄いなーと思う。
リーゼントって20年前でもダサッって感じだと思うんだけど(苦笑)
敢えてソレだから、今も通用する作品に仕上がってるんですかね?
少女漫画の王道なんだけど平凡じゃなくて、泣ける作品でした。

矢沢あいは丁度私が月に2桁冊数買ってた雑誌をガンガン切り捨てて
買うのをやめた時期にデビューしたので、デビュー作はリアルタイムで見たかな?
それ以後は全然読んでないかも…。
しかもデビュー作そんなに良い印象なかったので読もうという意識もなかったかも…
な作家さんなんで、今読むと新鮮で、やっぱ伊達に売れてないんだなーと思う。
偉大な人だわ。
いま、お元気なんですかね?「NANA」中断したままだよね?

2011年11月08日

  ■殺す(西澤保彦)

殺す
1998年刊行、2000年文庫化の「猟死の果て」の改題バージョン。

騙された(笑)「猟死の果て」は読んだし、持ってるのに。
改題バージョンとか出すのやめて欲しい。
帯には書いてあったけどね。Amazonで買っちゃったし。
商品説明にも書いてあったけどね。読んでなかったし。←自業自得?
「猟死の果て」は良いタイトルだと思うけど。「殺す」って…。

10年以上前の作品で、当然内容はよく覚えてなかったので悔しいから読み返しました。
私の中では「もう一度読み返したい本ではない。読後感が悪い」という記憶しかなく、
読み返しても途中で内容を思い出すということは全然なかったわけですが
(相変わらずの記憶力のなさ)
今回読んでみて、あんまり感想は変わりませんが、
以前読んだ時の方が異常性を感じたなーと思い、
今回それが希薄に感じるのは何故だろうと思い、
この10年で異常性に関する感性の麻痺が進行していたのだと思い至る。

自分に甘く他人に厳しい人間。
他人が自分の思い通りに動かない事に癇癪を起こす人間。
自己正当化の為に権利ばかりを主張して義務は怠る人間。
自分の感情には敏感なのに他人の感情には鈍感な人間。

皆持ち合わせている利己的な一面が度を超して、
人としての道を踏み外してしまった人達の話。
被害者も加害者も傍観者も、みんなどこか歪んでいる。

2011年11月07日

  ■モダンタイムス-上・下-(伊坂幸太郎)

モダンタイムス(上) (下)
魔王」の続編。でも50年後の世界の話なので単独で読んでも大丈夫な感じ。

主人公とその周囲の人間が「見て見ぬふり」が出来なかったばかりに危機に陥る話。
とある単語を検索すると監視されるという、システムの怖さの話。
主人公がSEなのでプログラムの話が出てくるし、当たり前のようにパソコンを扱うので
全くパソコンを触ったことがない人が読んだら難しい部分もあるんじゃないかと思う。
サイト・アクセス・OS・リンク・ブラウザ・検索エンジン・データベース
キーワード・プログラムソースのコメント・変換ツール・互換性
パソコンを触らない人が、どの程度用語を理解してるのが常識なのか判りません。
『人はわからないことがあれば検索する』のが前提の話だ。

相変わらず殺人が禁忌ではない扱い。
残虐シーンもあり、子供は読まない方がいい類の話かもしれない。

モダンタイムスはチャップリンのモダンタイムス。
部品の一つという意味合いのタイトル?
人間は分業していくと「良心」がなくなるとか。そうかも。
個人じゃなく集団になるとそういう傾向あるし。
魔王」もそういうのがテーマだったね、確か。

最大の謎は解明されないまま終わりましたよ。
どうでも良いことなのかもしれないけど。主人公の妻って何者?(笑)

主人公は最終的に「見て見ぬふり」をすることに決めて妻と2人の平穏な生活を選んだけれど
主人公の先輩は「見て見ぬふりをしないで立ち向かう方法を考える」らしいので
次はこの人が主人公になっているのかもしれませんね。

『そういうふうになっている』ことから目をそらして、
個人のシアワセだけを追求して生きるのは逃げかもしれない。
でも逃げるのは悪ではないし、逃げる人間を責める資格は誰も持たない。

『危険思想とは常識を実行に移そうとする思想である。 -侏儒の言葉- by芥川龍之介』

2011年11月05日

  ■ガリレオの苦悩(東野圭吾)

ガリレオの苦悩
ガリレオシリーズ4作目。短編集。
もう湯川学は福山雅治でしか読めない(笑)
ガリレオシリーズの短編はあんまり好きじゃなかったけど
湯川のイメージが変わったせいで以前の作品よりは楽しく読めたと思う。
私の中のイメージが変わっただけじゃなくて作中で実際湯川は福山化してる気がするけど
中途半端に変化してるので結局はボンヤリしたイメージだという感じも多少アリ。

最初の2本は設定が色々違うけどドラマ化もされた話。
1本目はドラマでは学生湯川設定だったのでそっちの方が面白かったかも。
3・4本目は微妙な湯川。確固としたイメージを持ちにくい。『らしさ』がよく解らない。
5本目は湯川が直接犯人に挑戦されているので他の作品より面白かった。
一番福山湯川に近い感じ。そして最後の草薙との会話が良い。
私は好きな会話だけどこれが湯川『らしい』かと言われるとやはり微妙。
何故、私の中で湯川がこんなにあやふやなのか…。
いや、東野キャラにはそういうの多いんだけど(苦笑)

2011年11月03日

  ■アオハライド(咲坂伊緒)

アオハライド(1)(2)
ストロボ・エッジ 全10巻」がヨカッタので、気になってた本。
貰い物の図書カードがあったので思わず購入。後悔はしてない(笑)
この人の作品は女の子は親近感沸く子が多くて、男の子は恰好良い。
少女漫画らしい、少女漫画なんだけど、新しいというか、
良くある設定でも、表現が巧いので使い古された感が少ないです。
もうね、恰好良い男の子でもカワイイとしか見られない年な訳ですが(苦笑)
男の子も女の子も可愛いなぁ…と思いながら読んでます。

2011年10月26日

  ■鋼の錬金術師-全27巻(荒川弘)

鋼の錬金術師全27巻」読了。
やっぱり助からなかった人もいるけど、メインキャラはそれぞれハッピーエンドで、
「救いようのない話を救えるのがフィクション」と言う通り、多少の御都合主義は無視出来る
綺麗な伏線とその回収のお話でした。敵に関するミスリードも巧い。
そしてなるべく極悪な人間(もどき含む)を描かないようにしてあったのもイイ。
やっぱりイヤな人は少ない方がイイです。ホント。

誤解や勘違いで行き違いはあっても、それぞれが矜恃を持って行動しているので、
共感出来なくても理解出来るし、許し合えるのだと思います。
間違いを犯さない人など多分いない。間違ってしまった結果、どう気付けるか、
気付いた後で、どう行動出来るか、そういうことが大事なのでしょう。
なんか色々と深いお話でした。時間的に難しいんだけど読み返したいと思える作品。

2011年10月24日

  ■今更

犬夜叉 1-」(TSUTAYAでレンタル)と「鋼の錬金術師全27巻」(masatsu氏弟から拝借)読んでます。
「犬夜叉」は23巻まで読みました。
「鋼の錬金術師」は10巻まで読みました。
どちらも超有名作なのに概要すら知らなかったので面白いv
犬夜叉は殺生丸兄ちゃん、ハガレンはマスタング大佐の動向が気になります。
どちらも完結してるのでやきもきせず終わりまで読めるのがイイ。
TSUTAYAのレンタル本はmasatsu氏が週末に10冊前後ずつ借りてきてくれるので
犬夜叉はあと半月くらい掛けて読みます。
ハガレンは全巻借りてきたので2~3日中に読み切る予定。
溜まりまくったビデオを観る暇がなくてヤバイです。
小説本も結構溜まってきてます。
睡眠時間は多分これ以上削れないので益々家事が疎かに…。
いやいや、既に家事もこれ以上削れない程疎かだ。
どうすりゃいいんでしょう…。

2011年10月23日

  ■ライアー×ライアー1~2巻(金田一蓮十郎)

ライアー×ライアー (1)(デザートKC) ライアー×ライアー(2) (デザートコミックス)

ライアー×ライアー (1)(2)
義弟がコスプレした義姉を別人と思ってマジ惚れしてしまい、
義姉は心ならずもそんな義弟を翻弄してしまうというお話(笑)

所謂ジャケ買いというやつなんですが、表紙の絵のタッチと中身は微妙に違ってて
それはちょっと残念要素でした。

最近は本は殆どネットで予定の本だけを買ってたので、たまに本屋に行くとヤバイ。
以前、表紙に惹かれて、それでも断念していた本が平積みされてたりすると
「あ。やっぱそこそこ売れてるんじゃね?私のアンテナ狂ってない!」とつい手を伸ばしてしまう(笑)
そして、最近いや、以前から薄々気付いてたんだけど、多分、私が気になって仕方ない漫画は
某所でレビューを読んでたりする。そうか、あそこで刷り込まれていたのか、と。
そんな感じで結局2冊同時購入。しっかり本屋で。

軽いキモチで吐いた嘘が、嘘を重ねて大変なことになってしまうワケですが
これどう決着つけるのか…。
今更、事実を告白しても義姉が酷いという話にしかならないので
義弟は実は気付いていた、という展開なんだろうか…と思うんですが、
義弟にそういう方面での隙がないのでよく判りません。
烏丸君がイイ子だけにますます酷い展開の2巻でした。ラストも酷い。
3巻で義姉がこれ以上イヤな人になりませんように。3巻は来春発売。

2011年10月22日

  ■鷺と雪(北村薫)

鷺と雪
ベッキーさんシリーズ三巻目で最終巻。短編三作収録。

時代が昭和初期(シリーズは昭和9年から11年初頭の話)なので
その時代の背景を知らないとあまり楽しめないかもしれないです。
私は歴史は小学生以下の知識しかないのでダメダメ。
昭和11年初頭。騒擾ゆき。程度のキーワードでピンと来るくらいじゃないと…。
更に私はその史実がどういうものかよく解ってないのでダメ。
個人の志は周囲の思惑で全然別の形になってしまうという話なのでは?
と漠然と思っているのですが、実際にあったことも、その影響も実はよく解ってない。
中途半端な知識が一番無駄だな。

あの時代のお嬢様の感情の機微も、
恋愛事情も、きっと今とは全然違うんでしょうが
最後は切なすぎる終焉だったのだけは解りました。

2011年10月17日

  ■少年少女飛行倶楽部(加納朋子)

少年少女飛行倶楽部
ひょんなことから怪しげな飛行クラブなる部活に入ってしまうことになった海月(みづき)と
その周囲の中学生達の成長物語。底抜けに明るい青春小説ですヨ。
加納さんなのでミステリ要素が多少あるのかと思いましたが、完全に青春小説。

ナチュラル尊大部長の神(じん)を初めとして、出てくるキャラが皆個性的で、楽しいです。
わりと真っ当な主人公の海月が他のキャラに心の中で突っ込む台詞が面白い。
呆れながら傍観してたはずの海月が気付いたら主導権握って突っ走ってる姿もイイ。
難しいことは考えずに少年少女達を応援するキモチで読む小説でした。

2011年10月16日

  ■鬼物語(西尾維新)

鬼物語
傾物語」がまよいキョンシーだったのにほぼ忍で、
それに対するように、しのぶタイムである今回はほぼ真宵の話でした。
シリーズの中で一番好きな真宵ちゃんなんですが、今回はテンションがちょっと違ってて
最後の最後はかなり切ないお話でした。
煽りにある『きみだって、知ってたはずの嘘だった』なワケですが
知ってたけどスルーしてたから、まさかココで蒸し返されるとは!という感じ。
序盤のメタな雑談系はあんまり好きじゃないんですが
西尾維新に関してはすっかり慣らされてしまった(苦笑)
少女と幼女と童女三つ巴ロリ展開も書き手によってはウンザリなんだけど…
慣れって怖いなー(笑)

『誤解を解かないのは嘘を吐いているのと同じ』
『誰に何を思われても良いというのは誰にでも嘘を吐けるということ』

ま、どうでもいい相手には嘘吐いてても平気だしねー。
足掻くのはどうでも良くないからなんだよねー、
好きな相手にはみっともない姿ばかり見せちゃうのは仕方ないというか、
はー。生きていくって恥の連続だ(笑)

『過去の自分に対しては自己嫌悪とは違う、嫌悪感がある』

恥ずかしい小説だな-、ホントにね。

2011年10月15日

  ■黒薔薇アリス6(水城せとな)他

うさぎドロップ (9)
完結巻。思っていた通りのハッピーエンドでやはり少し残念。
大吉が悩んだはずの2年間が端折られてるせいか
やけにアッサリなカンジがするし…。
コウキがあっという間に脇に逃げちゃったのも残念。
血縁関係に関しては大吉が最初から知ってたのはちょっと意外。
そうか-、わかってて育てたんだね。
そうなると育てる気になったのが理解を超える。
育児なんてやってみれば何とかなるというか、
親がなくとも子は育つとはよく言ったもので
子供は勝手に育ってくれるし、こっちの成長も促してくれるんだけど、
それは結果論で、事前にはやはり責任の大きさをなかなか受け入れがたいと思うので。

Real Clothes (12)
お仕事モードからいきなり恋愛モードですか?というくらい
恋愛色濃厚になった12巻。
ニコが凄いという話(笑)

黒薔薇アリス (6)
これはレンタルじゃなくて購入本。
第一部完結だそうな…。
相変わらず重くて暗い内容をサラリと…。
『メスから冷静さを奪えないオスはダメ』
という話。テーマが繁殖なので生々しいのね。
最近はオスメスどころか、オトコとオンナですらなくて、
ニンゲン同士のパートーナーっちゅう関係も結構ありそうだけどね。
滅びへの道を進みゆく種族なのだね。

2011年10月12日

  ■うさぎドロップ(宇仁田ゆみ)

うさぎドロップ (1)」~
レンタルで8巻まで読みました。
最終巻のみ未読。8巻で展開見えてるけど…。

1~4巻は大吉が祖父の隠し子で6歳のりんを祖父の葬儀後引き取って育て始め、
いきなり6歳の子持ちになってわからないことだらけで奮闘する姿。
5巻以降はいきなり10年経って、高校生になったりんと40歳になった大吉の生活。

二谷さんと大吉の進展や、りんとコウキの行く末を気にしつつ読んでたので
後半は予想外の展開でビックリです。
恋愛に関してはみんな冷静というか、理性が感情より勝っちゃってる感じが否めなかったんですが
最後の最後でそっちにイキマスか?と。
最終巻読んでないけど、多分所謂ハッピーエンドなんだよね?
ワタシ的にはそれはハッピーエンドではない気がするんですけど…。
大吉は頑張るオトウサンなんだもん。
独身で、いきなり6歳児なのに、その辺のお父さんよりしっかりオトウサンしてる大吉が
カッコイイお話だと思うんです。

最終的には微妙に納得いかないけど「やっぱり借りた本に名作が多い!」と思った内容なので
身近に子供がいる人は特に色々得るモノもあると思うし、一読の価値アリな本です。

2011年10月04日

  ■放浪息子1~5巻(志村貴子)

放浪息子 (1)(5)
12巻まで出てますが、5巻まで読了。レンタル。
女の子になりたい男の子と男の子になりたい女の子の話。
なんと言えばよいのか、志村さん独特の雰囲気が素敵。
内容的には結構ハードで、決してほのぼの系ではないのに
何故かほっこりした雰囲気。
本当は凄く深刻な問題なんだけど、深刻さに陰湿さや悲愴さを多く含まないで、
悩むときも真っ当な方向で素直に悩んでる感じ(なんかよく解らん説明w)
ユキさんとしーちゃんの関係が凄くいい。今後も昔のエピソードとか出てくるといいのに。
刊行分の半分も読んでませんが、残りも楽しみデス。
やっぱり借りてくる本に名作が多い気がする~。悔しい!w

2011年10月03日

  ■図書館戦争LOVE&WAR1~7巻(弓きいろ・有川浩)

図書館戦争LOVE&WAR
8巻まで出てますが、7巻までを読了。勿論レンタル。
原作にほぼ忠実に進んでますが、時々、原作にはない堂上&郁のベタ甘シーン有。
堂上も小牧も手塚も恰好良く描かれていて、郁も可愛いし、柴崎も美人。
作者さんが原作ファンらしく、細かい部分までよく読み込まれてるんだなぁという印象。
ベタ甘の彼等に再会出来て嬉しいです。面白かった。やっぱアニメ観たいな~。

2011年10月01日

  ■蟲師 全10巻(漆原友紀)

蟲師 全10巻 完結セット (アフタヌーンKC)
蟲師 全10巻
最近、読みたい漫画はmasatsu氏が会社帰りにTSUTAYAで借りてきてくれるので
「読んでみたいけど買うのはな~」と思ってた本をガンガン読んでますが、
今回も夕飯の席で読みたい本の話をしていたら、Itsumi嬢が
「ソレ、彼氏が持ってるで」と言うので、Itsumi嬢の彼氏に借りました(笑)
彼も私の本を読んでるのでgive&takeですな。
しかし、まだちゃんと会ったことはないという。←見かけたことはある。しかも暗闇で。
Itsumi嬢との付き合いもそろそろ4年になろうかというのに…。
会ったことないのに漫画の貸し借りする仲…(苦笑)

洋服を着ている人と和服を着ている人が混在するくらいの時代。
作者曰く、江戸と明治の間にもうひと時代あった感じ、だそうで
ほんの少し前までは在ったのに、今はもうないのかもしれない風景や人間関係
信仰心だとか、自然に対する畏れや感謝、そんな諸々の物がいっぱい詰まったお話でした。
以前も書いた気がするけど、妖怪モノは好きなので面白かったです。

テガミバチ 1 (ジャンプコミックス)
彼氏に「テガミバチ(1)(5)」も同時に借りました。
続きはまだ買ってないんだって。早く買って下さい(笑)
ニッチとステーキがラブリーv

因みにItsumi嬢は「蟲師」も「テガミバチ」も読んでませんw
面白いのに。勿体ない。「あんな暗い漫画(←蟲師)面白いか?」と訊かれた。

2011年09月29日

  ■狼と香辛料1~6巻(小梅けいと・支倉凍砂)

狼と香辛料(1)(6)
原作未読で読んだのは漫画です。レンタル本。
コミックス6巻で原作2巻分とか。
タイトルとか文倉十イラストの狼娘は目にしたことあったけど
内容は全然知りませんでした。
経済ファンタジー小説(何ソレ?笑)だったんですね?
通貨に関する内容の辺りとか、原作の文章だけで目にしていたら
ついていけなかったかもしれません。絵で見てもちゃんと理解してるとは言い難いしw
結局、経済部分よりもロレンスとホロの関係メインで読みました。
ホロ可愛い。
しかし原作が全17巻。漫画ではどこまで描かれるのでしょうか。
かといって原作に手を出そうとは思わないですが…。

2011年09月26日

  ■離婚予定日 全11巻(粕谷紀子)

離婚予定日 [文庫版] 全巻セット(1-11巻 全巻)

離婚予定日 全11巻
価格:6,860円(税込、送料込)

平均以下のぐうたら専業主婦(子供一人)が、いきなり夫に3年後の離婚を言い渡され
自立に向けて奮闘するという話。やはりレンタル一気読みw
悪意ある第三者がワラワラ出てくるし、主人公夫婦はどちらも浅はかで身勝手だし、
バタバタと色んな事件に巻き込まれながら、夫も妻も成長していく話。
でも家庭再生の話ではない辺り…。

専業主婦なのに家事も育児も放棄に近い手抜きの妻が悪いのか、
家事も育児も自分には一切無関係で当たり前、安易に不倫までやっちゃう夫が悪いのか。

主人公はわりと天然キャラだけど、鈍くてぐうたらなダメっぷりだし、
夫や他の脇キャラも皆、善人じゃなくて、どちらかと言えばかなりの悪人、
ただずっと悪意のみしかないというわけでもなく、最終的に理解し合えたり、
味方になったりもするという。
悪意も善意も大袈裟に描かれてはいるけれど、
もしかして平均的な人達ってこんなんじゃないの?と思えるような
身勝手な人達が妙にリアル。
善悪で分けちゃうのもちょっと違うのかもしれない。
主人公の敵側に位置する人間にもちゃんと正当な言い分があったりするし。
人間は完璧じゃないということをきっちり描きたいのかもしれないですね。
ここまで露骨に行動する人は少なくとも私の身近にはいないけど(苦笑)

2011年09月25日

  ■Real Clothes1~11(槇村さとる)

Real Clothes (1)(11)
12巻まで出てるけどレンタルなので11巻まで読みました。
仕事と恋愛&結婚の狭間で悩む女性の物語かと思ってたらそれは一部だけでしたね。
仕事に燃える女性の話でした。職業は百貨店の婦人服部門バイヤー。
百貨店て子供の頃はともかく、今は全然縁のない世界なのでよくわかんないですが。
もう私の中では百貨店は贈答品を買いに行く場所でしかないという(笑)
いや、百貨店にも色々格があると思うし、イメージのモンダイだけど、
少なくとも普段着を買いに行く場所ではないです。

元々衣裳に興味が薄いので、序盤は耳(目?)が痛い。
「つまらない物を着ているとつまらない一生になるわよ」って(笑)
放っとけやー!という感じですが。
読み進めた今も同じで、別にオシャレ欲が高まったりも全然してないので
そういう欲をそそる話でもないですね、やっぱ仕事に燃えて、難題を乗り越えて
徐々に成長していく女性の話。ちょっとだけ恋愛アリな感じ。
既にドラマ化されてますが、ドラマっぽい内容でした(笑)

2011年09月24日

  ■囮物語(西尾維新)

囮物語
物語シリーズ。10作目。セカンドシーズン4作目?
取り敢えずセカンドシーズンは残り2作だそうで。
サードシーズンもあるらしいですが(笑)

撫子と蛇の怪異とのお話。
撫子はよくわかんない子ですよね。
私は可愛いだけというより、したたかで計算高いイメージが強かったですけど。
今回のキレた撫子は痛い子だけど好きです。
今までの中で一番好きかも(笑)
ま、このシリーズのキャラはみんな痛い子達なので違和感ないし。

しかし、物語シリーズも私が刊行毎に読むのは無理あるわー。
一気読みじゃなきゃ意味解らん(笑)
シリーズ物は一気読みじゃないと理解出来ない性能の悪い脳味噌が憎い。
今回の撫子を忘れないうちに後2作読んでしまえますように。

西尾維新は誰もが思うはずなのに、あまり公言されない事を文章化するのが巧いと思う。
それとも誰もが思うと思ってるのが私の思い込み?

「人間なんてみんな悪人ばかりだ」
「そうじゃない人もいっぱいいる」
「『そうじゃないときもいっぱいある』が正解」(要約)

という会話とか。

「おとなしくて無口で巧く喋れない子、
友達を作るのが下手ですぐ泣いちゃうような子は
どうしてか善良だと思われちゃうの」

とか。だよね。でもコレは変だよね。みんな思うよね?
みんな変だと思ってるのに何故やっぱり善良だと思っちゃうんだろうね?って。

ああ、みんな実は思ってるよね、ヨカッタ。と思える部分で安心する読み物なのですよ。

そして今回はいつもにも増してタイトルが秀逸。すげー(笑)

2011年09月21日

  ■蛍火の杜へ(緑川ゆき)

愛蔵版 蛍火の杜へ
珍しく本屋に足を運んだら、平積みの山の中で、ぽつりと谷が出来ていたので思わず手に取る。
二度三度、手にとっては戻し、しながら店内を見回していたら
アツイヒビ」も発見してしまったのでついつい緑川ゆきプチ祭りに(意味不明w)

正直、緑川ゆきさんの絵は線があまり好きではないのですが、
じんわりと心に沁みる話が多いと思います。

例えば、軽い病気か怪我で1週間程入院する羽目になって、
暇潰しにと友人が持ってきてくれた雑誌の中にある作品。
読み捨てのつもりで読んでいるので、お目当ての作家がいるわけでもなく、
単行本化したら買おうと思う作品があるでもなく、1週間で手元を離れてしまう。
けれど、数年後、ふと思い出して、もう一度読んでみたいなー、
でも誰のなんていう作品だったんだろう…ホントにあの時に読んだ話かな?
と頭を悩ませる。そして必死で探してしまう。そんな感じ(長っ・笑)

アツイヒビ」は恋愛モノが苦手だという作者が恋愛モノに挑戦してみた、という連作短編集。
どっぷり恋愛ではなく、本人でさえも想いの深さに気付けないような、そんな恋愛。
恋愛モノなのに、一番重くて深い 溢れる感情が恋愛感情ではないという(笑)
愛蔵版 蛍火の杜へ」は劇場アニメ化された作品。だから愛蔵版なのですね。
珠玉の短編とはこういう作品の為にある言葉なのでは?
切ないラブストーリー。
表題作以外に短編2本(+表題作特別編)ですが
どれもこれもハッキリ解り易いラブストーリーでした。
恋愛モノ苦手は克服したのね?という感じの恋愛モノ。
そしてやはり切ない。
概ね恋愛とは切ないモノですが…。

2011年09月20日

  ■桜蘭高校ホスト部 全18巻(葉鳥ビスコ)

桜蘭高校ホスト部 全18巻
レンタル一気読み。
最初2~3話辺りは絵も落ち着いてなくて、話も何でもありのドタバタコメディと思ってたんですが
段々、各キャラの背景が明らかになってくると共に徐々にシリアスな内容になってきて
面白かったです。
ホスト部だけあってイケメン揃いだし、性格設定もお約束な感じだけに美味しい!
どの子も捨てがたい上に、脇キャラもちゃんと立ってて凄いです。
主人公の物臭で天然っぷりがまた(・∀・)イイ!!
何となく読み始めたけど期待以上でした。所々吹き出しながら読むという…w
ああ、なんか買わずにレンタルしてる漫画にオイシイのが多すぎる気がする…(・ω・`)

「桜蘭高校読みたい」と言った時点でmasatsu氏がしっかりアニメも録画してくれてるという
至れり尽くせり状態なので(笑)暇を作って頑張ってアニメも観ようと思います。
いや、最初はアニメは興味なかったけど、読み進めてたらやっぱり観たくなった。ダメな大人だw

2011年09月19日

  ■スナッチ(西澤保彦)

スナッチ
ジャック・フィニイの「盗まれた街」にインスパイアされた作品で、タイトルも原題から引用ということで侵略SFモノかと思われます。
実際、主人公は22歳の時点で意識をなくし、別の意識が本人として31年間生き続け、
主人公は31年ぶりに意識を取り戻しますが、意識があるだけで指一本自由に動かせません。
別の意識との対話は脳内で出来るので、そちらに事情を説明して貰い、
自分の31年間が失われていることに気付くところから始まる物語です。
このように主人公は個体としては侵略されてるわけです。が…それだけです(笑)
主人公の体を乗っ取った異種生命体は目的意識のない、非戦闘的な虚弱体質なのです。
相変わらず凄い設定考えますよね、西澤氏。
結局、この身体乗っ取りはいつもの如く、有無を言わさぬ基本設定として存在するだけで
あとは連続殺人事件の謎解きの話なわけです。
西澤節炸裂な感じですね。
奇抜な設定ですが読み易いし、解り易い内容です。

この虚弱体質生命体の蘊蓄が多くて、マクロビオティック推奨小説っぽくなってますが、
凄い反感を持っているワケじゃないので、興味の薄い分野の知識が増えて面白いです。
もっと興味を持ってマクロビアンになれる程であれば良かったんですが、
私は無精で享楽的なので無理w

2011年09月18日

  ■パティスリーMON 全10巻(きら)

パティスリーMON 110
レンタルで一気読み。
安心して読める恋愛漫画。
最初から結末は予測出来てしまうけれど、結末は判っていても展開を楽しむという感じ。
基本的に悪人が出てこないので読んでいて癒されます。
淡々と片想いの日々が続くのにもどかしさをあまり感じないのは
うじうじした片想いではなく、じっくり自分を見つめる恋だからかも。

しかし、ツッチーは恰好良すぎてヤバイw
こんな王子様リアルにいたらスゴイww

その他、ポッターと平行して最近読んだ漫画。
ななめの音楽Ⅱ」(川原由美子)
フランス映画とかイタリア映画とかこんな感じ?いや、観たことナイから全然わからんけど(笑)
ぽっかぽか(19)」(深見じゅん)
相変わらずの田所家ですよ。みんな同じなんだなーと、安心させてくれる内容で。
新 Petshop of Horrors(9)」(秋乃茉莉)
新になってからもう9巻ですか。早っ。新になってからコンセプトが多少変わった気がします。
ちはやふる(14)」(末次由紀)
試合中。
君に届け(14)」(椎名軽穂)
やのちんが好き。キスしたことあっても恋したことない女の子は腐る程いる。
むすんでひらいて(4)」(水瀬マユ)
西野君がいいよ。板割りの舞ちゃんもナイス。

2011年09月16日

  ■ハリー・ポッターと死の秘宝(J・K・ローリング)

ハリー・ポッターと死の秘宝 上下巻(携帯版)
全7巻10冊読了。三週間くらい掛かりましたね。
平行して映像も観られてよかったです。
映画最終話がまだ公開中なので、どのタイミングでpart1を観るかが微妙。
サクッと観ちゃってpart2のみ劇場で…というのも今なら間に合うし。うーん(笑)

このシリーズの翻訳の酷さはあちこちで目にしてて買うのをためらう一因になってましたが、
多分、数年以内に新訳版がでるわけもないだろうと思うので思い切って一気買いしました。
そして、ファンが新訳版を切望するキモチは解りました(苦笑)
「キャラのイメージが全然違う」というのは原書を知らないので解りませんが、
確かに映画ではイメージが違ったので、結構違いはあるんだと思います。
読み終えてから見たまとめサイトからの引用
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邦訳:「オーケー、やめ!」「やめ!やめだよ!」「なかなかよかった」(5巻18章P620)
原文:"OK, Stop!" "Stop! STOP!" "That wasn't bad,"(UK版 P349)
試訳:「OK、ストップ!」「ストップ!ストップ!」「悪くなかったと思うよ」
----------------------------------------------------------------
ハリーの台詞ですが、凄く解り易い。訳の仕方次第で全然イメージが違いますよね。
こんな感じで、日本語版では原書とはイメージが違うようです。

私は平行して映画を観てヨカッタのかな-と今は思います。
自分のイメージは大事にしたい方なんですが、でも翻訳で既にイメージが壊されてるなら
原書に近い映像を見て、イメージを作り直せたのはよかったんじゃないかなーと。
特にスネイプは、翻訳版を読んだだけで映画を観ていなければ好きになれていなかったと思います。

あと、まとめサイト見て納得しましたが、誤訳というか、日本語として成り立ってない文章も多かったです。
いかに自分が、翻訳物はこんなモノだと思って脳内補完していたかが判りました(笑)
子供が読むと補完出来ずに読み飛ばすしかない部分、単語が古すぎて理解出来ない部分も多そうです。
(実際、厨とか旅籠とか手水場とか出てくる。イギリスの話のはずなのにいきなりイメージが江戸時代になって
読んでて笑える部分もあった。シリアスな場面なら雰囲気ぶち壊し・苦笑)
ま、読んで違和感のあった部分はほぼ、まとめサイトに書かれていたので、翻訳批判は終了。

流石の最終話でした。
もう終盤泣きっぱなしですやん(苦笑)
人、死に過ぎ。戦争なんだから当たり前なのかもしれませんが…。

彼もアッサリ、あまりにもあっけなく死んでしまって、
回想シーンは切なすぎですよ。
愛というテーマの殆どの部分を彼が担っていると言っても過言ではありませんね。
良いキャラでした。原書での彼を見てみたいです。(批判は終了だってばww)

ニワトコの杖の所有者に関する誤算や誤解の部分が凄かったです。
全てが解ったときの衝撃と快感がミステリを読む醍醐味ですからね。
最終章の19年後もホッとするエピソードでヨカッタ。
映画でもあるのかなー。見てみたいですね。あのシーン。

2011年09月10日

  ■ハリー・ポッターと謎のプリンス(J・K・ローリング)

ハリー・ポッターと謎のプリンス 上下巻(携帯版)
6巻目~。
内容が暗くなってきた。
16歳になって少し成長した。
恋愛感情も複雑になってきた(笑)

魔法薬学の教科書、謎のプリンスの書き込みを見なければ成功しないってどうなのよ。
それは教科書自体が役に立たないということで、指定した教師に罪があり、
教科書の訂正をせずに実技をさせ採点するというのはいかがなモノかと…。
この巻だけじゃなく、ホグワーツの授業ってツッコミどころ満載だよね。

最終巻に続く作品で展開がスピーディで予想外。
個人的にはハリーの行く末より、スネイプの動向が気になる(笑)
登場人物みんな性格悪いから、特に彼が酷い人には見えないんだよねー。
ハリーに対する態度も公正ではないけど基本間違ってない事が多いと思うし。
でもラストは結構衝撃的なシーンだったしねー。
やっぱり最終巻での彼が気になります。

2011年09月05日

  ■ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(J・K・ローリング)

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団 上下巻(携帯版)
5巻目。一気買いしたから気にしてなかったけど、これって上巻だけ買うとか出来ないんですね。
静山社凄い強気な売り方だな(笑)

ハリー・ポッター15歳です。15歳ってこんなモンなのかもしれないけど分別なさ過ぎで驚く。
命懸けの行動を起こそうって時に、しかも掛かってるのは他人の命なのに
あまりにも軽率で傲慢でビックリですよ。自己主張激しすぎ。15歳だから? ┐(´д`)┌
ま、他の登場人物、大人達も大人気ないですけどね。
みんな理性なさ過ぎ。感情のみで動いて、そのせいで他人が傷付いてもわりと平気?
1~3巻辺りまでと比べると、命が軽くなっちゃってる気がしますね。
ぐいぐい読ませる話だけど、ストレス貯まる内容でした(笑)

2011年09月04日

  ■GANTZ1~31(奧浩哉)

GANTZ ガンツ
原作31巻までレンタルで読みました。
エログロ漫画でした(笑)
大阪編は特にイヤな感じ。
レイプシーンが多くてうんざり。
裸体の塊キモチ悪すぎ。
ストーリーは序盤は映画の前編と同じ。
でも映画後編は原作とは全然違う感じですね。
映画の方観てないからどのくらい共通点があるのか判りませんが
前編ラストから原作とは大きく離れてる気がするし。
で、原作の展開は謎です。
今のところ一番大きな謎は吸血鬼の存在。
どこ行ったの?
いや、黒い玉も大きな謎ですが (;´Д`)
あとどのくらい続くんでしょうかね。
そしてちゃんと決着が付くんでしょうかね。
うーん。

一気に読んだらたえちゃんと西君の貌の変貌ぶりが面白いです。

2011年09月01日

  ■ハリー・ポッターと炎のゴブレット(J・K・ローリング)

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(携帯版)
4巻目。分厚かった。1000頁オーバーですよ。
ハードカバーが上下巻なのに携帯版が一冊ってどういうこと?携帯出来ないじゃん。

サブキャラの過去が明かされたり、微かに恋愛が絡んできたり、
そして、とうとう復活したり、濃い内容の一冊でした。伊達に分厚くなかった。
だんだん内容が重くなってきました。これからもっと重く暗くなるんでしょうか?

読んでて、あからさまにイヤな性格の脇キャラがいて
あり得ないくらい露骨に嫌がらせしてきて、
事実は考えずとも明白に見えるのに、周囲は誤解して
主人公が窮地に陥る。、
何とも言えないモヤモヤイライラ感を抱かせつつ、
「絶対解決するはずだから、解決してスッキリするまでは
(読むのを)やめられない」と思ってしまう
この感じは凄く身に覚えがあります。
そう、この感覚は、まるで昼ドラ(笑)
そして、今回も意外な犯人は健在。
基本を押さえているのですね。

2011年08月30日

  ■ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(J・K・ローリング)

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(携帯版)
3巻目。クルクックシャンクスの記憶があるので読んでるはずだけど大筋すら覚えてなかった(笑)
意外な犯人という方向性は今まで通り。終盤、関係者の物わかりの悪さにイライラドキドキしたり
少しずつ明らかになる謎に対してわくわくしたり、臨場感溢れる展開でした。

映像で観たらどんな感じなんだろうか気になります。
そろそろ平行してDVD観ようかなー。
でも話の続きも気になってしまうので、DVDに手を出したら一気に原作追い越しそうだし…
悩ましい(笑)

2011年08月25日

  ■別冊図書館戦争2(有川浩)

別冊図書館戦争2- 図書館戦争シリーズ(6)
シリーズ番外編2冊目にして、シリーズ最終巻。
アクション恋愛小説?(笑)
堂上の上官のラブストーリーが2篇。
堂上&小牧の若かりし頃の話。
手塚&柴崎の話。

シリーズ通して読んでたら手塚のその後が気にならないわけがない。
その後が読めて、兄弟の会話も楽しめてヨカッタです。

上官の話は無知と怠惰と姑息さが人生を大きく変えてしまう話。
私は努力するのは全然好きじゃないので極力努力は避けて生きてますが(苦笑)
それでも努力しなきゃならない場面が人生にはあるわけで、
その中でも、恋愛というのはかなり努力を要する物だと思います。
シアワセな恋愛をしたい人に限る話ですが。
妥協しながら生きていると、恋愛も妥協せざるを得ないわけで、
結局、色々頑張らないとシアワセな恋愛は出来ないわけですよ。
難易度高いよね。

大事にされるって重要。
大事にしたいって重要。
そう思える相手がいるシアワセ。
色んな物が愛おしく思えるシアワセな本でした。
# 有川旦那様の下読み感想があってヨカッタw

2011年08月24日

  ■ハリー・ポッターと秘密の部屋(J・K・ローリング)

ハリー・ポッターと秘密の部屋(携帯版)
2巻目。これは映画を観てないせいか、1巻程鮮明には記憶に残ってませんでした。
やっぱり映像化された物を観る方が記憶に残りやすいんでしょうね。
犯人捜し含む謎解き、少しだけ明らかになる過去。

そして最重要なのが
『自分が本当に何者かを示すのは、持っている能力ではなく、
自分がどのような選択をするかということ』という台詞。
意志の強さの重要性と、友情とか信頼とか
人間として基本で大事なことを詰め込んだ一冊。

謎解き部分はともかく、人物像は驚くぐらい単純化されていて、
善人は善人、悪人は悪人、道化は道化として
あからさまに描かれていて、やはり子供に解りやすく、
勧善懲悪の体裁で描かれた物語なのだという感じもアリ。

2011年08月23日

  ■ハリー・ポッターと賢者の石(J・K・ローリング)

ハリー・ポッターと賢者の石(携帯版)
確か、10年以上も前にハードカバーでシリーズ3冊くらい読んで、
1作目のみ映画も観に行ったハリー・ポッター。
その後、Naoki氏が本を買うのをやめてしまい、疎遠になっていましたが
今回、映画も完結ということで、一気読み&一気観しようかと(笑)
まずはシリーズ7巻、携帯版で10冊購入。
1作目再読しました。10年ぶりですが映画も観たせいか結構覚えてるもんですね。
わりと映画のビジュアルも頭に浮かびながらの再読でした。
チビズもいずれ読むかなーと思いつつの一気買いでしたが
やっぱり児童書としては難易度が高いと思うので
小学生の間に読むのは無理かも。
少なくともSatoru氏は特に本好きってわけでもなさそうだし (;´Д`)
映画もDVDでシリーズ全部観たいと思ってるので
観たあとなら読み易くなるかもですね。
取り敢えず、今のところは私が楽しみます(笑)

翻訳が難ありらしく、誤訳の指摘も多いシリーズですが
世界的ベストセラーなのは伊達ではなく、一気に読ませる展開の話だと思います。

2011年08月21日

  ■失楽の街(篠田真由美)

失楽の街
建築探偵桜井京介の事件簿シリーズ11作目(番外編除く)第二部完結巻。
何故にコレが第二部完結なのかよく解りませんが。
このシリーズは完結してから読み直したいシリーズです。
ノベルスでは今年本編が完結したらしいので、残り5冊。
全16冊なら多分読み返せるはず。

今回の話も犯人の思考がイマイチよく解りませんでした。
自暴自棄が一番近いのかなー。
犯罪者の心理がそんな単純なわけなくて当たり前なんでしょうけど。

『遠くの国での民族大虐殺を知らされても、自分の家の猫の死の方が悲しい』
という件を今日読んだのは何だか凄いタイミングです。

2011年08月13日

  ■海街diary4(吉田秋生)

海街diary 4 帰れないふたり」読みました。
海街diary 1 蝉時雨のやむ頃」が07年4月
海街diary 2 真昼の月」が08年10月
海街diary 3 陽のあたる坂道」が10年2月
約1年半おきのペースですね。
待ち遠しいような、イイ感じのペースのような。
4巻はすずと風太のレンアイ一歩手前な感じがほのぼの。
あとヤスガンバレ!な話でした(笑)

吉田秋生はアクションやサスペンス系のお話もいいけど
日常系の方が私は好きです。

4冊並べた表紙も綺麗。
海街diary 1 蝉時雨のやむ頃 海街diary 2 (フラワーコミックス) 海街diary 3 陽のあたる坂道 (フラワーコミックス) 海街diary 4 (flowers コミックス)
鎌倉をリアルに知ってたらもっと面白いのかもしれません。残念。

2011年08月01日

  ■シアター!<2>(有川浩)

シアター!〈2〉
有川浩週間お終い(笑)
文庫は読破しました。
「シアター!」は3巻で完結らしいです。
発売は来年辺りでしょうか?

弱小劇団頑張ってます。
イマイチよく解らなかった人物にもスポットが当たって
劇団員がますます身近になったような2巻。
3巻目で色んな事がどういう風に決着がつくのか楽しみ。

ついでに「有川浩脚本集 もう一つのシアター! 」も読みました。
こちらはTheatre劇団子という劇団が公演した「もう一つのシアター!」脚本集。
「シアター!2」で端折られた高校での学校公演の詳細。
ト書き状態で、実際の劇団員さんの様子が註釈された内容。
スピンオフ的に楽しく読みました。

有川浩一気読み堪能致しました。楽しかったー。
シアターに突入しちゃうと残り少なさにかなり淋しかったです。
読み進めたいけど、読み切ってしまうのが淋しいキモチ。
作家やシリーズで一気読みしたときには常につきまとうキモチですね。
さて、次は何を読むかな-。
ずっと積ん読状態の森博嗣、そろそろ突入しようかな。

取り敢えず、本にかまけて放置状態のチビズの宿題チェックと
幼稚園からの宿題(恒例チビの観察日記)1週目記入頑張ります。
小学校のサマースクールも終わったし、学校プールもあと2日なので
その後は絵日記ネタにいくつかイベントもこなさなきゃだしね。

2011年07月31日

  ■シアター!(有川浩)

シアター!
売れない劇団が借金返済と劇団の存続の為に頑張る話。
いや、債権者が頑張らせる話。

債権者の弟で劇団の主催と
浮世離れした売れない役者達と、
常識的な社会人の債権者。

売れない劇団なんか潰してしまえ、と言いつつ、
みんなの保護者役になって頑張る兄がいいです。

テンポの良い会話が楽しいラノベ。

2011年07月30日

  ■クジラの彼(有川浩)

クジラの彼
制服ラブコメ短編集。
空の中」の番外編一作と
海の底」の番外編二作を含む全6篇。
表題作は「海の底」の冬原クンのラブストーリー。

クジラ=潜水艦なのです。
彼女のセンスがイイ。ちゃんと言葉を間違わずに使えるのが羨ましい。
私は夏木クン程酷くないと思うけど、言葉の選択が下手くそ。
元々語彙も少ないけど、知ってる言葉すら巧く操れない。悔しい。
思ったことをそのまま表現しても相手には完全には伝わらないのに
更に表現を間違ったら、それはもう全く伝わらないと言っても過言ではない。
こうしてダラダラと書き散らしている感情の垂れ流しもホント、自己満足でしかない。

って、そんな重苦しいこと考えながら読む本じゃないです(笑)
なにせラブコメなので。
『いい年した大人が活字でベタ甘ラブロマが好きで何が悪い!(by有川浩)』ですから。
悪くないでしょ。つか、乙女ゲーどっぷりだった私からしたらこんな甘さ まだまだぬるい(笑)
でも主人公乙女じゃないからなー。やっぱりイイ感じに大人のラブコメかも。
「国防レンアイ」が好きです。

ところでイマドキ『アイシテルよ』って言えない不器用な日本人男性は
さらりと『アイシテルよ』って言える日本人男性より稀少だと思うのですが
どうなんでしょう?
あんまり他人のそういうハナシって聞く機会ないからよく知らないけど。

2011年07月29日

  ■海の底(有川浩)

海の底
自衛隊三部作、三冊目。
共通点は主人公に自衛官がいるというだけで全く繋がりのないシリーズですが。
前二作より更に恋愛要素低めのパニック小説。

巨大化した甲殻類に襲われて潜水艦に逃げ込んだ自衛官2名と13人の子供たち。
この15少年漂流記的な視点と、対甲殻類で奮闘する機動隊視点の話。
核となるオトナ達が皆一癖も二癖もありそうなモンダイ人物で、
避難した子供たちも歪んでたり僻んでたり、モンダイありで、
それぞれの思惑や心境の変化が面白い。

母親にスポイルされて歪んだ価値観を持った悪ガキがホントーにイヤなヤツで
中学生でリアルにこの性格ならもう救いようないんじゃないかと思うんだけどね。
実際ココまでイヤなヤツが身近にいても、矯正しようとは思わないし、
そもそも近寄らないから矯正可能かどうかも謎です。

真面目な話、保護者にも本人にもモンダイアリの子供が身近にいたらみんなどうしてんの?って思う。
「あそこの子と遊んじゃダメ」なんて言いたくないけど、言わなきゃこっちが傷付けられる。
時々、ヤな大人だなーって思う。余裕なくてゴメンね。

2011年07月28日

  ■空の中(有川浩)

空の中
自衛隊三部作2作目。
最初、存在を知ったときは『自衛隊モノ』というので敬遠したのでした。
解説が新井素子で大絶賛(苦笑)

UMA(未確認生物)とのファーストコンタクト物。
恋愛要素は前作や図書館戦争に比べたら少なくてよりSFっぽい内容。
関わる子供たちの痛々しさが辛い内容。

「間違ってしまって後戻り出来ないなら
そのまま突き進んだら一周して正解にたどり着くかも」って。
ないないない(笑)
でもそんな風に恐慌状態の子供前にして、私は導くことが出来るのか?
この作品に出てくる宮じいみたいにストレートに心に沁みる言葉を発する自信はないです。
間違いを間違いと認めて、それを消化するのって大人でも難しい。

「仕方ない」っていうのは逃げでも投げでもなく「仕方ない」んだよね。
でもそれを巧く伝える自信がないです。
私だって子供の頃「大人は卑怯だ」と思う子供だったもん(笑)
未だに『亀の甲より年の功』とは思ってないもん。
無駄に年重ねるだけの大人もいるって思うもん。

自分がそうじゃないとどうして言い切れるのか。

2011年07月27日

  ■塩の街(有川浩)

塩の街
デビュー作。
図書館戦争」を読んだ時には作者のことをよく知らなかったんですが、
"大人の為のラノベ"を書く為に作家を目指したそうで、納得。
ラノベっぽいじゃなくて、ラノベだったんですね(笑)
なんでラノベっぽいという表現になったかというと、主人公の年齢のせい?多分。
あと角川文庫だから(笑)
図書館戦争」シリーズを読みながら新井素子に通ずるモノがあると思ってましたが
塩の街」でその感が益々強まりました。
SFベースの恋愛小説だからかも。

SFだと思って読んだらがっかりするのかもしれませんが、
scene1・2の塩害に遭った人達のエピソードはヨカッタです。

スピンオフのその後の話は自衛官夫婦のエピソードが好きです。
有川浩はやっぱり女性なんだなーと。
ぐちゃぐちゃに醜い感情抱えたリアルな女描くのに
男は少女漫画のキャラみたいな出来すぎクンばかり出てくる(笑)

2011年07月26日

  ■チヨ子(宮部みゆき)

チヨ子
「個人短編集に未収録の傑作ばかりを選りすぐり、いきなり文庫化の贅沢な一冊」と煽りにありました。
私はコレを単行本で買ってたらかなりむかついてますけど(苦笑)
文庫でもむかつく。500円返せ、な気分です。いや、買った自分の責任だけど (´・ω・`)

「世にも奇妙な物語」にでもなりそうな中途半端なホラーと
ロジカルを期待して読み始めたらオチのない電波文章ですよ。
なんか殺人犯が神になる話ですが、わけわからん(笑)ファンタジーなのか?
夢オチ以下だと思うのは私に読解力が足りないんでしょうか?
ま、この作品から何かを得る人もいると思うので、私には合わなかったということです。

2011年07月25日

  ■別冊図書館戦争1(有川浩)

別冊図書館戦争 1―図書館戦争シリーズ(5)
シリーズ番外編、完全ラブモードのゲロ甘ストーリー(笑)
堂上教官カッコイイよ。
笠原可愛いよ。
手塚も柴崎も可愛い。
キャラ読み派向け番外編。

小さな事件がちょこちょこ。

図書館でかくれんぼする子供の話。
話の展開上仕方ないのかもしれないけど
周囲が母親に甘すぎるのが不自然。

敢えて、検閲に引っかからない単語を使って差別を表現する作家の話。
書いてる方もきっと辛い。
そんな戦い方しか見つけられなくて辛い。
だから読む方も辛い。
辛くない人がいるのも辛い。

2011年07月24日

  ■レインツリーの国(有川浩)

レインツリーの国
ネットで知り合った二人のラブストーリーでした。
図書館内乱」に出てきたので有川浩続読の一番手に。

恋愛小説だしね、読み手によってかなり感想は変わるよね。
私は男が恰好良すぎて、女が可愛くなさ過ぎだと思ったんだけど、
「男の魅力が全然わからない」というレビューも見たので。
見る目が変わればこのヒロインも可愛く見えるのかもしれないし。
可愛げのなさに自分と被る部分が多すぎて
私など嫌悪してしまうくらい可愛くない女に見えますが(苦笑)
この女相手によく頑張ってるよ、男は。という感想。

2011年07月23日

  ■図書館革命(有川浩)

図書館革命 図書館戦争シリーズ4
本編最終巻。あとは番外編が二冊、今日と来月末一冊ずつ発売です。
番外編は激甘恋愛小説らしいので楽しみv
私、自分では恋愛小説そんなに好きじゃないと思ってたけど実は好きだったのねー(笑)

本編はタイトルにある通り革命的な事件の話なんですが
やっぱりベタ甘の恋愛要素がたっぷりで、
革命の行方と同じくらい、恋愛の行方も気になるし。
堂上教官カッコイイわー。チビだし口悪いし。
アニメ観てないメリットはここにあったかもしれんな>妄想力の余地(爆)

手塚の恋の行方も気になるのでオマケのショートストーリーも楽しかった。
大満足の一冊でした。

2011年07月22日

  ■図書館危機(有川浩)

図書館危機 図書館戦争シリーズ3
うわー。有川浩制覇決定だわ。(但し文庫に限るw)
手に取る機会があってヨカッタわー。人気作家は伊達に人気あるワケじゃないよね。

差別用語の件はあとがきによると実話が元になってるそうで、
差別用語というか、放送禁止用語は自主規制から始まるっていうのがねー。
勿論言葉を操る場合は受け手がどういう感情を持つか想像するのは大切なことだと思う。
でもそれこそ千差万別だしね。難しいね。表現の自由と公序良俗。

今回戦闘シーンが結構過激でした。内戦なんだよなぁ…と。
難しい問題だから、お互い正義があって、
それを武力でなんとかしようとするのは間違ってるのかもしれないけど
仕方ないですましちゃいけないのかもしれないけど…という
軍隊と自衛隊についても考えてみるか?という内容ですよ。
答えは出ないよ。綺麗事だけで回る程世の中甘くないからね。
ま、フィクション内ではグレーをキチンと黒くして多少はスッキリさせてくれますけど(笑)

でもって世の中甘くないけど恋愛はベタ甘です(笑)
あとがきで「活字でベタ甘とか痒いとかこっ恥ずかしいとか好きなの私だけじゃないよね!?」とあるので
敢えてのベタ甘で痒くてこっ恥ずかしい恋愛。でも恋愛ってリアルでそうだもんねぇ?
もう一回やってみたいなー(ぇ?笑

2011年07月20日

  ■図書館内乱(有川浩)

図書館内乱 図書館戦争シリーズ(2)
脇キャラ掘り下げ巻ですね。

「人付き合いを巧くこなすコツは周りの人間を信用しないこと」っていうのはアタリだと思うな。
「巧く」の捉え方にもよるんだろうけど。
私は「人付き合いは下手くそでも誠実であるべき」だと思うので。
ま、全ての人間と巧くやる必要はないんでないの?という。
人間関係も淘汰されていくモノでは?
淘汰って単語は酷いか。ボキャブラリー不足でスミマセン。

少年法に絡めての報道のあり方についての件とかも面白いかったし、
引きが巧すぎ。早く続きが読みたくなる終わり方でした。
自分の色恋沙汰に関しては斜め上の思考をする恋愛下手同士のすれ違いっぷりは
王道だからこそ面白いんですね(笑)

2011年07月19日

  ■ヤケ買い(笑)

なんか煙草吸いたくなるくらい苛ついたので絵本の衝動買いしました。
ミッケ!シリーズ
本棚
ウチには「ミッケ! ゴーストハウス―I SPY 6」と「ミッケ! たからじま―I SPY 7」しかなかった上、
前者はかなり破れて痛んでいたので、たからじま以外、チャレンジミッケ!含む14冊 ヽ(´ー`)ノ
2万円でした(笑)
本文
↑ボロボロになるまで読んだお気に入りのゴーストハウス。

ジオラマ写真の中から指定物を探し出すという、所謂「かくれんぼ絵本」です。
でもジオラマが素敵すぎるし、小物も素敵すぎるし、
大人が探しても難しいくらい出来がイイし、何よりコレクター魂が
シリーズ物の一部だけ所有というのに耐え難く(笑)*
ずっと揃えたいなーと思ってたんですが、今回イライラして勢い付きました(爆)
夏休みはチビと一緒にミッケするよん。

「I SPY」を「ミッケ!」と訳した糸井重里にも脱帽の絵本なのです。

*「おまえうまそうだな」が1冊だけあるのも実は凄くイヤw

2011年07月18日

  ■図書館戦争(有川浩)

図書館戦争 図書館戦争シリーズ(1)
Naoki氏に借りた「阪急電車」が面白かったので。
話の内容的には極端な非日常と日常なワケですが、文体の読みやすさは共通。
恋愛絡めた戦闘物でラノベっぽい内容。アニメ化されたの解る。コレはアニメ観たかったなー。
私の中ではパトレイバーっぽいイメージです。イケメンの多いパトレイバー(笑)

有害図書の規制については難しいですけどね。
何でもかんでも有害っちゅーのはどうかと思います。
差別用語自体、疑問が多いということもあるので。
本作に出てきた童話内の「こじきのおじいさん」は「住所不定無職のおじいさん」でなければ
規制対象になるというのはどうかと思うんですが、現実でも似た感じですよね。
日本語はもっと微妙なニュアンスを大事にして貰いたい言葉だと思うんです。
差別的な言葉でも肯定的に使うのでなければそれは問題ないんじゃないかと思うんですが…。
ま、最近の子供は素晴らしい学校教育のお陰で差別用語知らないと思いますけどね(苦笑)
「こじき」わかんない子供も結構いそうだもんな。「王子とこじき」があるからわかるか。

2011年07月13日

  ■ICO-霧の城-(宮部みゆき)

ICO-霧の城-(上)(下)
PS2のゲームのノベライズです。知らずに買ったんですけど。
今度PS3で出るらしいので人気のあるゲームなんでしょうか?
ゲームはかなりプレイヤーの想像力に委ねたストーリーで
小説はあくまでも『宮部みゆきのICO』だそうです。

城の様子は迷宮だと思うので想像しづらいです。
特に後半、ラスボスに向かって突き進む辺りはよくわかりませんでした。
ゲームのメインであろう冒険部分より、宮部みゆきの創作であろう
主人公の境遇や過去、城の歴史に読み応えありでした。
女王のキャラがちょっと薄っぺらく感じたのが少し残念。

ちょっとゲームに興味が湧いたけどPS3は無理だし、2の中古ソフトも高い。
ゲームする時間もないけどさ(笑)

2011年07月11日

  ■阪急電車(有川浩)

阪急電車
映画化もされたベストセラーですね。
阪急電車、今津線片道15分8駅を往復しながら電車内の一コマを切り取った連作短編。
初・有川浩です。

Naoki氏が読んでたのを見て「読み終わったら貸して」と言って数ヶ月。
全然読み終わる気配なし。訊いたら「面白ないから途中で止まってる」
っちゅーことで先に借りました。多分彼はもう読み進めることはないでしょう(笑)
私は面白かったです。
Naoki氏は「面白さが全然わからん」と言いますが、
私は「どこが面白くないのか全然わからん」です。
他の有川浩も読みたくなったくらい面白かったんですけど…。

人間の感性っちゅーのは面白いですね。
だから他人に本は薦められないんだわ。

阪急電車」は特に大事件が起こるわけでもない
本当に何気ない日常の一コマで、でもその何気ない日常が、
誰かにとっては人生の転機だったりするのだというのが
淡々と描かれていて面白かったです。
出来すぎ感はあるのであんまりリアリティ求めちゃいけないとは思いますけど。

凛としたおばあちゃんは恰好良いし、
討ち入りに行ったお姉さんも恰好良いし、
女子大生も女子高生も可愛いし。
スポットが当たる人物が真っ当すぎるくらい真っ当な人物なのが
読んでいて嫌みがなくて、微笑ましいです。
ああ、でも私が可愛いと思った女子高生をNaoki氏は「イライラする」と言ったので
感性の違う人が見たら微笑ましくないんですね。

お約束をお約束として楽しむ余裕がないときには面白くないかも。
自分の環境が変わったら印象の変わる本もあるしね。

2011年07月09日

  ■犯罪ホロスコープ(法月綸太郎)

犯罪ホロスコープ〈1〉六人の女王の問題
法月綸太郎シリーズ。
黄道十二宮とギリシャ神話がモチーフの連作短編集。前半6作。
後半は書かれてるの?いつ出るのか判りませんが、取り敢えず前半は去年文庫化。
一頃のエキセントリックさが落ち着いて読んでいて疲れる文章が減りました。
当然ですが、個人的に。

モチーフがモチーフだけに無理無理なこじつけやご都合主義的な強引さは否めないものの
初出が犯人当て小説だったり、ベタな暗号使われてたり解り易いミステリ。
双子の話はドンピシャ世代だけに名前に騙されました(笑)
犯人判ってもメイントリックが判んなきゃダメですね。

ギリシャ神話は興味があって昔、何冊か本も読んだのに
やっぱり名前が覚えられないので
人間関係(神々関係?)がよく解ってません。
しかも多分、私の中では聖書も混じってる…気がする(苦笑)
もっと出来のイイ脳味噌欲しかったなー。

いや、脳味噌の出来だけじゃなくて精神力の問題も大きいかも。
私は根気がなさ過ぎる気がする。
色んな事に興味持って、適当に手を出して、すぐ飽きる。
だから何一つ極められない。オタクにすらなれない。
考えてみれば、私の人生全てに於いて当てはまるかも ┐(´д`)┌

2011年07月06日

  ■狩人は都を駆ける(我孫子武丸)

狩人は都を駆ける
ディプロトドンティア・マクロプス」の前日譚短編集。
ユーモアハードボイルド(というジャンルがあるのかどうか知らんが)
狩人は都を駆ける」が去年の6月刊行の文庫で、
その10年も前に刊行された「ディプロトドンティア・マクロプス」の内容を一切覚えていなかったので、
多分、覚えていなくても問題はないだろうと思いつつ、
それでもシリーズ物なのに記憶皆無のまま読む気はせず、
1年放置の末、やっと2冊続けて読みました。
ディプロトドンティア・マクロプス」はユーモアっつーか、ナンセンスだったよ。
こんな突飛な話、よく忘れられるな>ワタシ
京都が舞台だけど、多分以前読んだ時には地理はよく判ってなかったと思う。
今は大体判る。進歩した(笑)
因みにタイトルの意味は「草食有袋類亜目オオカンガルー」

大手調査会社から独立して個人探偵事務所を開業したものの閑古鳥。
希に事務所向かいの犬猫病院の院長の紹介でやってくる依頼人。
当然内容はもっぱら苦手とするケモノ系。という話。
ペット絡みなのであんまり大事件には発展しないのでは?なハズなのに
何度も死にそうな目に遭ってしまうのはハードボイルドならではでしょうか。
ハードボイルド苦手なので、らしいのからしくないのかよく判りませんが。
ケモノ臭さが漂ってきそうな内容ではありました(笑)
やっぱり苦手です。

2011年07月03日

  ■警視庁特捜班ドットジェイピー(我孫子武丸)

警視庁特捜班ドットジェイピー
我孫子氏は色んなカラーの作品を書く人だけれどコレは純粋なエンターテインメント作品。
何も考えずに爽快刑事ドラマでも観る感覚で読む本。
アニメにでもなりそうな個性的なキャラ設定が秀逸。

覚え書き:エアコン初稼働。今年は早すぎる。

2011年07月02日

  ■儚い羊たちの祝宴(米澤穂信)

儚い羊たちの祝宴
殆ど連続性も関連もないけど「バベルの会」という読書会を介した連作短編集。
レトロ感漂う正統派ミステリ。ちょっとホラー寄り。
最後の1行でどんでん返し、と煽られてるけどどんでん返しと言うよりは、とどめの一撃。
読み手の最悪の想像をそれが事実だ!と突きつける感じ。
殺人者に罪悪感も後悔も全くなく殺人をまるで日常の一コマのように扱う様子が一番グロテスク。

歪んでいるというのは誰がどこで判断すればいいのか。
自分の感覚は信じられない。
多数決もおかしい。
基準値が正しいというのは誰が決めたのか。
何が正しくて何が間違っているかはきっと誰にも判らない。
命よりも大切なことはある。

2011年06月29日

  ■壁抜け男の謎(有栖川有栖)

壁抜け男の謎
ノンシリーズ短編集。
初出が企画物雑誌だったりして
オマージュだの犯人当てだの
読者を限定する感じ。
ミステリに馴染みのない人が読んで楽しめるかどうか疑問。
私個人はトリビュートだとかオマージュだとかは好きじゃないのでイマイチ。
元ネタ知らなきゃ楽しみ半減な読み物は同人誌では?
同人誌と商業誌の区別も今ではないのかも知らんが。
勿論、純粋に短編として楽しめる作品もありましたが
メイントリックがライトな印象。
シリーズ物向きな作家さんだと思う。

2011年06月22日

  ■火村英生に捧げる犯罪(有栖川有栖)

火村英生に捧げる犯罪
作家アリスシリーズ、短編集。
インターバルっぽく携帯サイト掲載ショートショートが入っていて読み易い。

殺人事件ばかりの内容でこういう感想はどうかと思うけど
マヌケな犯人が多くて微笑ましい。

犯人が気の毒な作品もアリ。
情状酌量とかいう措置もあるけれど、
過剰防衛っていう罪はなんだかスッキリしない。
防衛は過剰なくらいしなきゃダメなんじゃない?
うーん、攻撃される側に非がある場合もあるから難しいのか…。
でも、攻撃してくる側が精神鑑定で無罪になっちゃうような人の場合は…。
過剰に防衛せずに殺されちゃっても犯人は無罪で、
過剰に防衛して殺しちゃったら被害者が殺人犯で、
精神異常者に襲われる人は相手と同レベルで抵抗して勝たなきゃなんない。
なんだか酷い話じゃないですか?うーん。

2011年06月19日

  ■女王国の城(有栖川有栖)

女王国の城 上
学生アリスシリーズ4作目。前作から15年7ヶ月ぶりだそうですよ(驚
1作目から20年経とうとも作中ではアリスは学生のままなので時代背景もバブルの最中。
新興宗教施設が舞台のクローズドサークル物でした。
学生アリスシリーズはいつもクローズドサークル物です。
次作は短編集らしいので短編ではどうなるのか判りませんが。
やや強引さを感じないでもないけれど無理のない設定での軟禁状態。
宗教感情という便利な小道具を巧く使った展開。
シリーズキャラがそれぞれ活躍してて、シリーズファンとしても楽しい。
読み応えのある800頁でした。

2011年06月08日

  ■近況覚書

最近すっかり弁当ばっかりブログですが、普段何をしてるかというと
ここんとこずっと漫画読んでます。ダメな大人。
先月ちょっと本を処分して、ついでに本棚の整理をしたので古い漫画読んだり、
masatsu氏に頼んでレンタルしてきて貰った漫画読んだり。
記憶にある限り書いてみると、レンタル本は「NANA」15巻~21巻「夜桜四重奏」10巻
「高校デビュー」1~13巻「エンジェル・ハート」1巻~23巻「ぬらりひょんの孫」16巻
手持ち本読み返しは、森生まさみ全部(単行本49冊)「寄生獣」全10巻
津田雅美「彼氏彼女の事情」他30冊くらい。和田尚子の片道切符シリーズ10冊
「クールガイ」全3巻「LOVELESS」1巻~10巻・・・・全部で170冊くらい?
多分3週間くらい小説が読み進んでないので3週間くらい漫画ばっかり。ホントダメ大人(笑)
あと日渡早紀と由貴香織を読む気満々なので100冊ちょっとくらいは漫画漬けの予定。
いいのダメダメ大人で。大人だから好きなことしていいんだもーん。

2011年05月16日

  ■キス(西澤保彦)

キス
なつこ、孤島に囚われ。」「両性具有迷宮」に続く、森奈津子シリーズ3作目。
レズビアン官能小説シリーズだと思ってたらどんどんSF色が濃くなってマス。
実在の人物が登場するせいか楽屋落ちっぽい雰囲気はどの作品にもあり、
今回、作中作で習作披露とかしててに同人誌を読んでいるような気分。
ファンじゃなきゃ読まないというか…読めないというか…。

全体的に全部が中途半端な感じが否めないですね。
官能小説として読むには官能部分が弱い上にコメディに走りすぎてるし、
セクシュアルマイノリティーリベレーションとしてもSFとしても中途半端。
作者が興味ある題材を少しずつ囓ったという雰囲気でやっぱり同人誌風(苦笑)

2011年05月15日

  ■春の魔法のおすそわけ(西澤保彦)

春の魔法のおすそわけ
なんというか、ファンタジックな感じの綺麗なタイトルなのに
内容は酒浸り40女のイタタタタなお話でした(笑)
女独身は40代より30代の方がしんどいんじゃないかなーと思うけど
30代の焦り気味のしんどさよりも
40代のこのまま独り老いていくのか…の寂寥感の方がキツイかもしんないですね。
自分の事を完全に分析出来るわけでもなく
けれど、若いときよりは確実に客観視出来るというのもしんどい。
そういうしんどい状態をほんの少しだけ救ったという話。
50代60代にも色々あると思うけどね。まだ私にはきっとわかんないね。
独身でいることの気楽さと怖さも想像でしかわかんないもんね。

ミステリ部分は綺麗に解明されてます。でも謎な余韻が残る話でした。

2011年05月11日

  ■流星の絆(東野圭吾)

流星の絆
文庫になったので読みました。
もうドラマのキャストしか思い浮かばないキャラ群。
というか、ドラマ観てなかったら全然魅力を見出せなかったであろうキャラ群。
ドラマはコメディ要素をほんの少し(え?かなり?)付け足しただけで
かなり原作に忠実に作られていたのだなーと思いましたが、
断然ドラマの方がイイです。三兄弟もその両親も柏原も戸神親子も。そして高山は秀逸(笑)
原作との相違点である犯人との対峙とその後の展開もドラマの方がヨカッタ。
ドラマ観てたら読む必要のない本ですね。
ドラマより先に読んでいたら違う感想を抱いたのかもしれませんが…。

帯に『東野作品史上、売り上げNO.1』と書いてあって、
この作品で東野圭吾を評価しちゃった人は勿体ないなーと思ってしまいました。
映像観て東野読もうかな、と思った人には、コレよりは「容疑者Xの献身」の方がオススメですね。私は。
これは原作の方がよかったと思う。

2011年05月09日

  ■八日目の蝉(角田光代)

八日目の蝉
なんか本屋で大量平積み状態だったので読んでみました(笑)

サスペンス小説なの?
よくわかんなかったです。
ドラマ化も映画化もされてるのでストーリーは言わずもがななんでしょうが、
映画の煽り文句通り『優しかったお母さんは、私を誘拐した人でした』なんですが、
この発言をしている恵理菜が『優しかったお母さん』と思ってない辺りどうなの?という。

登場人物全ての心情が上っ面のみで、実際何をどう考え、悩み、行動したのか
全然読めないので結局のところ何が言いたいのかよくわからなかったという…。
想像力を駆使しろということなのかもしれんけど(笑)

母性テーマとも言われてるけど、希和子のアレは母性か?
犬猫を我が子のように可愛がって飼うことを母性というなら別にイイけど。
行動が一貫してないというか、頭良いんだか悪いんだかわからん(笑)
どうしても「他にやりようがあっただろ?」と思ってしまいます。

実の母はもろネグレクト母として描かれてるし。
誘拐されてなくてもネグレクト母に育てられたら子供は情緒不安定になるだろうさ。

乳児誘拐逃亡劇のはずなのに、一番印象に残るのは
出てくる男共のダメっぷりと、そうと知りながら道踏み外す女のダメっぷり。
エゴエゴストーリーでした。
# 殺人じゃなくて誘拐だから現実よりはエゴ度が低いのか?

八日目の蝉っていうタイトルもよくわかりません。
私の理解力不足ですかね。

# 『この作品はフィクションであり、登場する人物や団体は実在のものとは(以下略)』
# って書けば何でもOKだとは思わないんだけど…。実際は何でもありなんだねぇ。

2011年05月08日

  ■「青い花」(志村貴子)とか。

GW中読んだ借り物漫画。
巻数は既刊数じゃなくて既読数。覚え書き。

青い花 1巻 (F×COMICS)
「青い花」1~5巻。志村貴子。

可愛いらしいタッチでほんわか百合物。
プラトニック百合かと思ってたらそうでもなかった。
ドロドロヘビーなわけでもないけど。

私は多分百合属性アリ(そして受)なので、もっと若いときに攻百合に出会っていれば
人生変わってたかもしれん。
もう若くないのでそんな冒険は無理だけど。
一度くらい女の子と付き合ってみたかった。
でも私はもしそういう機会に遭遇してたら完全百合じゃなく、バイになってしまっていて
今まで以上に爛れた生活を送っていた可能性大wコワイコワイw

宇宙兄弟(1) (モーニングKC)
「宇宙兄弟」1~13巻。小山宙哉。

実写映画化にあたり、何故兄が大泉洋でないのか真剣に訴えてくるmasatsu氏。
知らんがな(笑)
でも大泉洋だとはまりすぎて面白味がないと思うの。
小栗旬がどんな風にやるのかの方が興味深い。

百鬼夜行抄 1 新版 (ソノラマコミック文庫 い 65-5)
「百鬼夜行抄」(文庫)1~10巻。今市子。

文庫既刊は11巻でしたっけ?
借りた本なので続きを読むかどうかは謎ですが、
どうもこの後、青嵐との契約切れでストーリーに変化があるらしい。
難しい話が多いのがなー。一読で理解出来ないのは私の頭が悪いせいか?w

かの人や月 1 (マーガレットコミックス)
「かの人や月」全4巻。いくえみ綾。

いくえみ綾はやっぱ好きだ。
ゆるーく生きていいんだとしみじみ思わせてくれる。

働きマン(1) (モーニングKC (999))
「働きマン」1~4巻。安野モヨコ。

私の人生での仕事に対する思い入れ比率はかなり低いので
真面目に仕事に向き合ってる人たちにはちょっと申し訳ないです。
仕事に情熱を傾けられる、やりがいがあると言い切れる仕事を持っている、
そういう人たちはシアワセなんだろうと思うけれど、私とは縁遠いところにいるとも思うのです。
ぶっちゃけ私は喰う為にしか働いてこなかったし、今も喰う為に働いているだけなので。
仕事をするという事に関してはどうしても男女差が絡んでくるので語るのは面倒臭いですね。
色々誤解のある表現になってしまうし、公の場で文章化してはいけない内容なのですよ。

2011年05月07日

  ■花物語(西尾維新)

花物語
化物語シリーズ。
神原駿河視点の物語。

最近偶々なのか『視点が変わると印象が全然違う』話を読む機会が多い気がする。
これは顕著。そういう話。
自分のキライなヤツを好きな人もいる。
相手が変われば性格も変わる。

絶対正義も絶対悪もない。

あとがきで「人の数だけ真実があるのではなく、人の数だけ誤解がある、つきつめれば自分らしさなどない(要約)」とあり
妙に納得。

なんかね、この手の話を読むと色々考えるんだけど、
文章化する程の能力がないので端折る(爆)
結論はいつも「無理せず自分が思う通りに生きる。しかも享楽的に」なのだな(笑)

2011年04月12日

  ■はみだしっ子

はみだしっ子
いつぞやの予告通り、本棚発掘して読み返してます。
もう数え切れないくらい読み返してるのに未だに一話毎に泣ける。

2011年04月09日

  ■やにゃかさんぽ(わかつきめぐみ)

やにゃかさんぽ (花とゆめCOMICSスペシャル)
久しぶり、わかつきさんの新刊。
東京の下町、谷根千が舞台の野良猫の話。ショートコミック。Webcomicの書籍化ですかね。
いつもの如く、癒し系。やにゃか(主役の仔猫)の保護者役の太助とミケ夫婦(猫)がラブリー。
全然地理がわかんないけど、実在の町並みをモデルに描かれているそうなので
土地勘があればより面白いかも。

ラストの著作リストで文庫「言の葉遊学,ご近所の博物誌」にコミックス未収録作品が2本収録とか書いてあった。
うーん、「言の葉遊学」も「ご近所の博物誌」もウチにあるんだけど…。
もう無駄に本増やしたらマズイんだけど…。文庫に未収録作品はホントに狡いと思うの。
買っちゃうの?>ワタシ…

2011年03月28日

  ■秘密-トップ・シークレット 1-8巻(清水玲子)

現時点で9巻まで出てるはず。
8巻まで借りて読みました。

自分以外の人間が見た風景をその人の視点で見てみたいと思うのは私だけではないと思う。
今自分が見ているのと同じモノを他人も見ていると思って良いのか。
どの程度自分は脳内変換してるのか。
客観的な視点もその視点の主からは主観なので、
別の人の視点で見ても、それは一例でしかないのだけれど。
うん。
私に好意を持っている人と、私に嫌悪感を抱いている人では
私の顔も全然別物になるんだろうと思うと怖いような笑えるような。
特に人間の美醜なんてのはただでさえ個人の好みが大きいしね。
そこに脳内変換が加わってるとしたら、好きな相手はそうとう美化されてるんだろうなぁ…。
ウチの子等主観的に不細工なのに、他人の目から見たらどれだけ不細工かと思うと怖いっ(爆)
いや、外見に関係なくカワイイよ。我が子は。うん。不細工とカワイイは対になる単語じゃないし。

閑話休題。
死んだ人間の脳をMRIスキャナーにかけ、
死者が生前に見ていた映像を再現し捜査する、という話です。
多分、科学的にそういう事が可能になっても、プライバシー問題で
実用化されないか、一般人には絶対知らされないだろうけどね。
ストーリー内でもプライバシー問題のせいで反感が多いという設定だし。
話の内容もイイですが、キャラがイイです。凄く。室長のイヂワルぶりが…素敵すぎる。
機会があれば読むことを薦める。

2011年03月18日

  ■7SEEDS1-18巻(田村由美)

7SEEDS 1-18巻
借り物。
隕石落下で氷河期再来が予測された地球で
人類の遺伝子を残す為、冷凍睡眠させられた若者が
環境回復後(回復途上中?)に目覚めてからのサバイバル漫画。
このタイミングで何を読んでるんだか…。偶々なんだけど。

視点を変えたら人物像が全く変わってしまう。
人物像に限らず、全てのことに当てはまるけど、
誰が見ても絶対的に正しいことはない。
絶対的に間違っていることもないのかもしれない。
事象には色んな背景があるのだから。
現実にはそんな鷹揚な気持ち皆無の矮小な自分がいるわけですがね。
ま、あれだ。私はくだらないことに腹立て過ぎだ ┐(´д`)┌
視点を変える努力をしよう。

2011年03月09日

  ■増補版 三度目ならばABC(岡嶋二人)

増補版 三度目ならばABC
1984年ノベルズ版1987年文庫版出版の未収録1作追加増補版。シリーズ短編集。
えーっと27年前の本?
文庫が24年前ですか?
私はハタチですね(笑)
多分、文庫化されてすぐ読んで、
読み返しはしていないと思うので24年ぶりに読んだことになりますかね?
岡嶋二人は読み返してる作品も何作かあるのでもしかしたら、1回くらいは読み返してるかも。
この本のシリーズキャラの長編「とってもカルディア」が1988年に文庫化されてるのでその際に ^^;23年前?

コメディタッチの軽めの作品。
毎回殺人があるの全然重くないのは主人公に無関係な第三者の殺人ばかりなのと
再現ドラマ制作という設定のせいですね。
現実の事件を素人探偵が詮索しまくる設定が別に不謹慎感もそんなに強くなくて
不快感も少ないのはファンの贔屓目でしょうか?
私は岡嶋作品は重めの方が好きなんですけど、
やっぱり私の国産ミステリ好きの原点はこの人にあると思うので
私の中では岡嶋二人は別格なのです。

この20年で情報機器系が凄く進歩したのでミステリはホントに
数年前の作品が古くさく感じたりすることも多いですが
岡嶋二人作品は情報機器過渡期以前の作品なので
逆に古くささが気にならない気がして、今読んでも違和感ないですね。
全作品読み返してみたくなったりしてヤバイヤバイ(笑)

2011年03月06日

  ■ダブル・プロット(岡嶋二人)

ダブル・プロット
『岡嶋二人最後の最新作!?-解散から22年、著者も驚く未収録作品発見!-』という煽り帯付き。
完全未収録作品集かと思ってたら、既刊に表題作含む未収録作三作追加の新装版でした。
表題替えての新装版という阿漕な商法は最近の出版業界では当たり前ですが、
著者が解説で(なんだか遣り口がとってもあざとく感じられますが、目を瞑ってやってください。
この不況の中、出版社も必死なのですね)と書いてて「ふーん」と思う。
新装版出版に際して著者の意志はどのくらいの割合で反映されるんだろう。
新装版は加筆修正版であることが多々あるので概ね著者の意志だと思ってたよ。
著者の意志があまり関与してないこともあるなら気の毒だね。印象よくないのは著者なのに。

閑話休題。
あざとくても何でもやっぱり未収録作は読みたいわけで購入。
解散から22年ということで当然作品の数々も22年以上前のモノばかり。
多少の古くささはあるもの今読んでもミステリとしては悪くないと思います。
ま、残念ながら表題作は楽屋落ち風で私の好きな作風ではありませんでしたが、
懐かしの岡嶋二人を読み返す機会が出来てよかったかも。

今回のついでにシリーズ1作だけ未収録だったものに未収録1作が追加された
増補版 三度目ならばABC」も買ったので、懐かしみながら読むことにします。
増補版じゃない方も家にあるんだけどね(苦笑)
ああ、やっぱり阿漕だ。

2011年03月01日

  ■魔法使いの娘ニ非ズ-1-(那州雪絵)

魔法使いの娘ニ非ズ (1)
魔法使いの娘 (8)最終巻」から1年、非ズ1巻です~。
masatsu氏が「非ズはラブコメかと思ってた」と言いましたが(笑)
相変わらずの陰陽師路線で。でもちょちょこ兵吾と仲良さ気でイイ感じですよ。
やっぱラブコメより陰陽師の方が面白いし。
パパが今後出てくるのかどうかちょっと気になります。
変化の様子が見られたりするのかしらね。
ソレ絡めるとまたヘビーな話になっちゃいそう。
話がヘビーでも那州雪絵だから大丈夫なんだろうけど。

2011年02月26日

  ■傾物語(西尾維新)

傾物語
カブキモノガタリ。化物語シリーズ8作目(だっけ?)新章2作目。
『まよいキョンシー』なのに真宵ちゃん殆ど出てこなかったよ (´・ω・`)
シリーズキャラの中では一番好きな娘なんですけど。
今回は阿良々木君と忍ちゃんの話でした。
予想の斜め上行く展開で中盤まではそんな大事になるとは思わず読んでいたので
凄い展開にビックリです。西尾維新だなー(笑)
西尾維新好きじゃないと言いつつ、ついつい一気読みしてしまう私でありました。

タイムパラドックスの解決法はパラレルワールドしかないんですかね。
運命はそう簡単に変えられない、多少の軌道修正はされてしまうという話と
バタフライ効果の話、どっちもありそうだけど、結局バタフライの勝利な話が多い気がするなー。
じゃなきゃ個人に意味がない話になっちゃうからか。

ナンバーワンよりオンリーワンになる方が難しいっちゅーのはその通りだよね。
オンリーワンていう単語の捉え方次第だけど。オンリーワンは異端か、面白い。

2011年02月23日

  ■ぬらりひょんの孫1-12(椎橋寛)

ぬらりひょんの孫 1-12巻
masatsu氏にレンタルしてきて貰って読みました。
アニメ化のニュース画像だけ見て読みたいと思ったので内容は一切知らないまま。
ニュースもよく読んでなかったので最初はジャンプと思ってなくて(サンデーだと思ってたw)
読んでビックリ。ジャンプ漫画でした(笑)
いいの。お約束のバトル展開がお約束だからこそ面白いのがジャンプだと思うの。
面白かったし。鎌鼬のイタクが好きです。わかりやすいワタシ~(笑)
勿論リクオも好きです。妖怪バージョンが。
でも年取ったらやっぱ後頭部が飛び出すんでしょうか?
若かりし頃のぬらりひょん見て色々複雑なキモチになりました。

やっぱり妖怪モノはイイです。
私の妖怪モノのルーツはきっとたがみよしひさだな。

2011年02月20日

  ■遠まわりする雛(米澤穂信)

遠まわりする雛
古典部シリーズ4冊目。短編集。
去年の夏に出てたのにずっとNaoki氏が持ってて存在すら忘れかけていたという…。

日常の謎モノ短編集ですが、この作品はミステリである前に青春小説だと思うので
古典部の4人の想いの変化を楽しむ内容。
思い切り深読みしてそれが正解なのだと思う。
ゆるーく進んでいく恋愛は今風ではないのにやはり若者特有の青さがあって
微笑ましかったり、心配だったり。

短編の一つに「怒り」について描かれた内容のものがあって、
「私は怒っている」何を怒っているのか、何故怒る羽目になったのか、
怒りの対象の非は本当に100%なのか、相手には相手なりの理由があったのではないか…、と。
そんな風な余裕を持ちたいと思いました。
いつもいつも心に余裕がないから怒りはどんどんエスカレートして疲れちゃうんだよね。
最後には怒ってる自分に腹が立つからね(苦笑)ドツボだ、ドツボ。

2011年02月12日

  ■屍鬼[全5巻}(小野不由美)

屍鬼(1)~(5)」
masatsu氏がアニメを観ていて原作も読んでみたいと言ったので購入。
そして私が先に読む(笑)
同時に漫画版「屍鬼 1-9巻 (藤崎竜)」もこちらはレンタルで読みました。

私はアニメを観てなかったので登場人物の多さに辟易して
せめてビジュアルで想像しやすくしたいと思って漫画版を借りてきて貰ったんですが
藤崎竜の絵は凄かった(笑)
あまりにも私の中のイメージとかけ離れていたのでビジュアル化失敗 ^^;
ビジュアル連想ではなく家族構成連想で人物を忘れないようにしつつ読み進める方向で。
5冊読むのに間に漫画挟んで10日程かかりました。わりとサクサク読めた方だと思う。
1冊目はテンポが悪くて読むのに時間が掛かったけどそれ以降は読み易かったです。

わりと宗教色強めで生死や命に対する考察をテーマにしたっぽい感じのホラー。
色々深く考えるのもアリ。エンターテインメントとして深く考えず読むのもアリ。
いっぱい人死ぬし、しかも殺戮だし、善悪の判断狂ってくるし、深く考えたらしんどい話。
命は別の命を犠牲にしなければ紡いでいけないということをどう捉えるかは人それぞれだし。
みんなそれぞれ一生懸命なんだしね。

漫画版は凄惨なシーンが独特のタッチで描かれていて重々しくならずにすんでるので
原作全体に漂う重たい空気が少し軽くなってる気がしました。それだけで別物な感じ。
それが藤崎竜の凄さなんだと思います。
私は原作の方が好きですが(笑)

2011年01月31日

  ■イニシエーション・ラブ(乾くるみ)

イニシエーション・ラブ
恋愛小説のフリをしたミステリ。
Naoki氏に借りました。
帯に「必ず二回読みたくなる小説」という煽り文句があって、Naoki氏に訊いたら
「二回読んだ」と言ったので(笑)

事前情報一切なしで読むべき本。
読む前にAmazonでレビューとか絶対禁止。
つか、なんでレビューでネタバレするかね。

で、私はキチンと二回読んでませんが、
それでもやっぱりパラパラと遡って抜粋読みしたので
これも二回読みたくなったと言えばその通りかも。
女は怖いっちゅー話ですがな。
解り易い伏線ありまくりだし、違和感バリバリなんだけど上手く騙されちゃう感じです。
恋愛小説としてはつまんないありふれた話。
オチを知る為だけに読みました。
つまんないありふれた話だからこそ計算された文章と言えるのでしょうね。

2011年01月30日

  ■水妖日にご用心(田中芳樹)

水妖日にご用心 薬師寺涼子の怪奇事件簿
シリーズ8作目。ノベルズ版もこの作品でストップしてるので続きが出るのか否か(苦笑)
シリーズ物は生きてる間に完結させて頂きたいモノです。
銀英伝だってホントは外伝後2作あるはずじゃなかった?
他に家には創竜伝とアルスラーンがあるんですが… _| ̄|○
# 新装版ばっか出してんじゃねぇよ ヽ(`Д´)ノ

正直言って、シリーズ物はどれも序盤は凄く面白いんだけど
巻数が進むにつれてだんだん惰性で読んでる気分になってくるので
続きが書かれないって事は作者もそうなんか?という気分です。
知らないよ、ホントの所は。田中芳樹が発してる言葉収集する気がないから。
個人的な感想。
惰性で読んだシリーズ8作目。
やっぱ嫌いじゃないのでもっと頑張ってくれたら嬉しいデス。

2011年01月18日

  ■ダイイング・アイ(東野圭吾)

ダイイング・アイ
先日文庫化されたばかりだけど10年以上前の作品。
交通事故被害者と加害者の悲劇。
ホラー仕立てになってるのでイマイチ重みがなくて残念。
無駄に性描写があったのがもっと残念。
でも一気に読ませる迫力がありました。この辺りは流石。

2011年01月17日

  ■あの頃の誰か(東野圭吾)

あの頃の誰か
過去タイミングを逸してお蔵入りになっていた短編全8篇。
秘密」の原型になった作品が収録されているので
秘密」未読で今後読む予定のある人は避けた方が良い。
20年くらい前の作品が多いので作者も書いているけれど時代小説という感じ(笑)
バブルの頃は本当に異常だったんだなぁ…と改めて思う。
ブラックユーモアあり、シリアスありなので色んな東野圭吾が楽しめるけど
やはりこの人は長編の方がいいと思う。
短編だとどうしても書き込み不足で軽い印象。

2011年01月15日

  ■夢は枯れ野をかけめぐる(西澤保彦)

夢は枯れ野をかけめぐる
主人公が48歳、独身、早期退職して無職の男性。
そして内容は日常の謎系というかなり地味な作品。
テーマも「老い」ということで本当に地味。
でも40超したら「老い」はかなり身近なテーマなので(苦笑)
それに西澤ファンの私としてはミステリとして楽しく読ませて頂きました。

なんちゅーか切ない。老いを考えると切ないですね。
体が自由に動かせる間に死にたいデスよ。
痴呆になる前に死にたいデスよ。
一気になるんじゃなくて徐々に近付いていくというのがまた怖い。
体はともかく脳味噌の不具合は自分で気付けないんだよ、きっと。
「人間の尊厳」て何だろうなー。
もっと基本的に「生きる」って何だろうなー。
死に際に己の人生憶えてないってあまりにも虚しくないですか?

2011年01月10日

  ■ゴールデンスランバー(伊坂幸太郎)

伊坂幸太郎文庫読了。やっとかよ(笑)
というわけで去年末文庫化されたばかりの「ゴールデンスランバー
日本のオズワルドの話。
首相暗殺の濡れ衣を着せられた主人公の逃亡劇。

怪しすぎる不自然な人物が出てきたり、
登場人物の行動がご都合主義だったり、
リアルじゃないといえば本当にリアルじゃない展開なんですが
エンタテイメントだしー。

細部がリアルじゃないのに警察の行動とか、マスコミの行動とか、
個人じゃなく、組織の行動になってしまうと妙にリアルな気がする辺りがコワイ。
ま、私は警察にもマスコミにも偏見持ってますが(笑)
個人は怖くないけど集団になると怖いのは当たり前のことだし。
集団の脳味噌はどこにあるんだろうね。
理性がかなり押しやられ、思考力も無理矢理奪われてるよね。
本人が気付かないけど。
自分も簡単に集団の一員になってしまうことは珍しくないという事実が一番怖い話。
つか個人でいられるのが希かもな。

主人公の無実が最初から解っていて、
集団に呑み込まれないように頑張る人がいて、
沢山の優しい気持ちが溢れていて、
読んでてしんどい展開にはあまりならないんだけど、
やはりこの作者は殺人をわりと気軽に書いちゃうので、
それがイヤな人はイヤかも。

2011年01月08日

  ■終末のフール(伊坂幸太郎)

終末のフール
8年後に小惑星の衝突により地球が滅亡すると宣言されてから5年経った頃の
ひとつの団地の住民達の様子を描いた連作短編集。

8年後の小惑星衝突予測というのがあり得ないらしいです。
でも1週間後だとパニックモノにしかなりませんしねー。
よくある設定のようでいてこの猶予期間の長さで全然別物になるという。
8年というのは微妙な長さだと思うんですが、
やっぱり最初は強奪と殺戮に彩られたパニックモノですかね。

私は正直、死ぬならこういう死に方は理想なんですが(笑)
死後、誰かの記憶の中で生き続けるというのが実は気持ち悪いです。
こういう感覚はきっと人それぞれですね。
私は私を知っている人が亡くなると少しだけホッとします。
祖父母が亡くなったときも、両親が亡くなったときも、
「これで自分自身の記憶にないくらい昔の私をハッキリ知る人が減った」
という事実に安堵したという。普通の感覚なのか、変なのかは謎ですが、
私はそういう感覚の持ち主なので、
自分がいなくなると同時に自分を知る人もいなくなるという状況は本当に理想。
ま、これは本の内容とは全然関係ありませんが(笑)

この本は余命3年を生きる人たちの物語です。

2011年01月07日

  ■砂漠(伊坂幸太郎)

砂漠
まだ伊坂読んでました(笑)
年末年始挟んだのでかなり細切れに。
しかも内容が青春小説なので一気に読み進む気分にもなれず、ダラダラと。

5人の大学生を中心としたわりと波瀾万丈な青春小説。
大きく割合を占める麻雀描写を全く解さないので楽しさ半減というところでしょうか。
役の名称も牌の名称も解らないので凄さとか楽しさが解らない。
麻雀部分端折って読んでも特に意味不明になる部分はないんですが
意味が通じるのと面白いのとは全然別の次元だし。

主要人物のひとりがどう見ても容姿も中身もキモオタなんですが
それが恰好良く描かれていて面白い。
キモオタが恰好良いってのがもう珍しくないし、矛盾もしてないのかもだけど。

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今日から学校も幼稚園も始まりました。
またすぐ三連休だけど (´・ω・`)
連休明けにはペース取り戻したい。

2010年12月16日

  ■KAGEROU(齋藤智裕)

KAGEROU
読みました。
あからさまに興味本位です(笑)←別に間違った本の読み方ではない、ハズ。

哀切かつ峻烈な「命」の物語。と帯に書かれてるし、
受賞後、命の大切さを訴える内容という説明があったので
結構重い内容かと思ってたんですが、そうでもなかったです。
ただ、どこかで「オヤジギャグ満載のドタバタコメディ」とか書かれてましたが
そこまで酷くもないです。

文章は読み易いです。
でも設定が奇抜なので状況が思い描けない場面が多いです。

肝心なテーマですが、やっぱり『うーん(残念)』な感じ。
特にラストはいただけません。
そんな展開じゃ命大事にしようって思わないでしょ?
と思いました。違うかな?

2010年12月12日

  ■ダメな一日

洗濯しただけで後はダラダラ。
年末なのにありえねぇ orz

西尾維新の「猫物語 (白) 」と
ため込まれていた「BLEACH―ブリーチ― 42」~「BLEACH―ブリーチ― 48」一気読み。
借りてる本なので読めちゃってヨカッタということで。
ブリーチの戦闘シーンは相変わらず判り難い。何がどうなってるんだか…。
私は日番谷隊長の活躍さえ判ればそれでいいけどね(笑)←これこそ相変わらず解り易すぎる趣味w

2010年12月11日

  ■失恋ショコラティエ3(水城せとな)


失恋ショコラティエ 3
1年ぶりの新刊。やっぱいいわ~。
なんかみんな善人じゃないとこが。
あんまり人には見せないけど誰でもこういう汚い部分持ってるよ~的な。
そしてそれは当たり前の事なんだし…とサラリと当たり前に描かれている。
結婚してしまった元カノに激しく片思いしてるくせにセフレがいる主人公って凄くない?(苦笑)

全巻表紙も綺麗けど、今回もブルーグリーンの色使いとリアルなマカロンが素敵v

2010年12月01日

  ■フィッシュストーリー(伊坂幸太郎)

フィッシュストーリー
中編4篇。
謎があって、その謎が綺麗に解明されるという話ではなく、
なんだかうやむやにされてしまい、想像力を駆使して補完するしかないという
私はこの手のスッキリしない話は好きじゃないんだけど
伊坂幸太郎はそういう話が多い。
でも読後スッキリしない感がそんなにないのは
重要なのが謎ではなく、それに関わる人間模様だからなのだろうと思ってみる。
実は表現力不足だったり、読解力不足だったり、感性が全然違ったりするのかもだけど(苦笑)

答えの出ない問題は世の中いくつもある。
偶然は数え切れないくらい多いし、必然は更に多い。
当たり前のように生きてるけど、
日常はミラクルの積み重ねではないかと思ってみたり。
それ全然ミラクルちゃうやんと突っ込みたくなったり(笑)

2010年11月28日

  ■魔王(伊坂幸太郎)

魔王
魔王はゲーテの魔王。
死に際に見た幻覚。
自分にしか見えない恐ろしいモノ。
言葉を尽くしても理解して貰えない怖さ。
必至で訴えられたのに理解出来なかった怖さ。

兄と弟それぞれが主役の中編二篇。
兄篇には死神の精度の死神が出てきてた。
こっち先に読んでたら意味不明だし(苦笑)
意味不明なだけで大筋には関係ないけど。

テーマはよく解りません。
何が魔王なのかもよく解りません。
現代日本でのファシズムの始まりの物語っぽいです。

大きな流れに個人は逆らえるのか、とか。
流れに身を任せて主体性のない行動をとっていてもいいのか、とか
個人の身勝手さ、群集の狂気等々、
人間の弱さが色々描かれてる気がしました。

『おまえ達のやっていることは検索で、思索ではない』
いたたたた、という感じ。

2010年11月27日

  ■死神の精度(伊坂幸太郎)

死神の精度

『人の死には意味がなく、価値もない。つまり逆に考えれば、誰の死も等価値だということになる』
主人公の死神の独白ですが、伊坂幸太郎の死に対する価値観はイコールなのかもしれませんね。
価値があるのは死ではなく生だというのは尤もな話ですが、
死に意味がないから簡単に殺しちゃうと生を蔑ろにしてるという話になるわけで
生を重視すれば死も軽視出来ないような気がするんですがどうなんでしょう。
『意味がなく、価値もない』を軽視しているというのかどうかも謎ですけどね。
語彙貧困なのでこれ以上難しいことは書けません(苦笑)

別にこの話の死神は誰かを殺しに来るわけではなく、
死亡予定の人間の死を決行するか見送るかを一週間の人間観察後判断するという
わりとありがちな設定の話ですね。
人間になりすまし直接観察対象に関わって判断する割には人間の感情や主に比喩的表現に疎く
かなりずれた人物として描かれる死神の飄々とした冷め具合が文学的な空気を醸し出してますw

映画化された金城武の死神ちょっと見てみたいかも。はまってる気がする。

人の死に意味や価値があるか否かはともかく、
人生何があるかわかんないんだから
明日死んでも悔いの無いように、毎日大切に生きなきゃね。
それに尽きると思うのですよ。
どうあがいても生物には必ず訪れますもんね。

2010年11月22日

  ■グラスホッパー(伊坂幸太郎)

グラスホッパー
分類不能の殺し屋小説だそうです。ハードボイルドになるのかな?
ハードボイルドの定義がよく解ってませんw
殺し屋が沢山出てくるので死人も沢山です。
無機物を解体するかのような殺戮描写は受け付けない人もいるかも。
人の死を軽く扱う作家さんだなーという感想は否めません。

トノサマバッタは集団で育つと群集相と呼ばれるようになり、
普通のトノサマバッタ(孤独相)よりも色が黒く羽も発達して移動に優れるようになり、
生存競争に勝つ為に凶暴になるらしいです。
人間も同じだよね、という話、…かも。

色々悪人が出てきて、ホントに、善人は皆無。
相対的に見ればマシだけど、ただマシなだけで
どいつもこいつもサイテーな部類の人間ばかり。
でも人間なら誰でも持っていそうな心理と行動原理で、だからこそコワイ。

2010年11月20日

  ■チルドレン(伊坂幸太郎)

チルドレン
短編集のふりをした長編小説だそうです。
普通に連作短編集だと思いますが(笑)

ほのぼの日常の謎系ミステリなのに
メインキャラが強烈な性格をしているので
スラップスティックになっているという。

謎の方はわかりやすいというか、
読んでいて「何故これがわかんないんだよ!」とキャラに突っ込みたくなるというか
単純な謎をわざと複雑に回りくどく書いてるという感じが否めませんが
キャラ造形に優れた作家さんなので、謎重視ではなく人間重視で読めば面白い。
含蓄のある言葉も色々ちりばめられていてその辺りも私は好きです。
でも今まで読んだ他の作品よりはちょっと冗長かな、という気はします。

伊坂作品の中では未読時には気になる本上位だったんですけど
これから入ってたら他のモノも読もうと思ったかどうか少し疑問。
悪くはないけど他の作品程のインパクトは私にはなかったです。

2010年11月17日

  ■アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂幸太郎)

アヒルと鴨のコインロッカー
陽気なギャング一転、小説だからこその作品。
現在と過去が平行して別の人物の視点で語られるが
現在の主人公は物語の脇役。やっぱり巧い。
一体どんな風に話が進むのか見当も付かず、
途中で騙されていたことに気付く。
見事に騙されて爽快。

2010年11月15日

  ■陽気なギャングが地球を回す(伊坂幸太郎)

陽気なギャングが地球を回す
続編の「陽気なギャングの日常と襲撃
一日一冊ゴチソウサマでした。
テンポが良くて読み易いので一気に読めます。

伊坂作品で最初に映像化された作品。
実際読んでたらアクションコメディのシナリオ読んでるみたいで自然に情景が浮かぶ文章。
映像化キャストと私の中のイメージは別でしたが。

続編の日常と逆襲は短編として発表された1章目と
文庫化記念ボーナストラックの短編が面白かったです。

しかしギャングって…凄い単語だな。
もしかしてオシャレなのか?
作家買いじゃなかったらこのタイトルと表紙、私は絶対手を出してない(笑)
因みに表紙↓
陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫) 陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫)

2010年11月13日

  ■重力ピエロ(伊坂幸太郎)

重力ピエロ
刊行順に読むと言いつつ陽気なギャングをすっとばして重力ピエロ。
陽気なギャングはこの後シリーズ2冊まとめて読む予定。

母親がレイプされて生まれた弟を持つ主人公視点での物語。
レビューを見たら笑えるくらい極端に賛否両論でした。
いやいや、ホントに本は他人に勧めたらダメだね(笑)

私は楽しく読みました。
一気読みといってもいいくらいの速度で読めてるし、読んでる間楽しかったし、
そんな本に出逢えてシアワセv

ミステリ部分に関しては、動機も犯人も判りやすいので謎解きとして読む本ではないと思う。
家族愛がテーマというのも陳腐なカンジ。
文章自体を楽しむというか、文体と技巧が主軸の作家なのではなかろうか。
伊坂作品は登場人物が気障な会話を交わすというのが定説らしいが
私にはその気に障る部分がよく判らないので、文体が好きなのだと思う。
くどすぎると言われる蘊蓄も嫌いじゃない。遺伝子の話好きだし(笑)

バカ丸出しのバカとインテリぶったバカとバカの振りしたインテリとインテリをひけらかすインテリ。
4番目が一番好きです。

2010年11月12日

  ■ラッシュライフ(伊坂幸太郎)

ラッシュライフ
5つの視点の物語が徐々にリンクしていくという話。
自分の人生の主役が自分なのは当たり前。
でも他人の人生の重要な脇役でもあるということ。

どうやらカオス理論とかバタフライ効果とかが凄く好きな作家さんのようなので
人のちょっとした行動が大きく他者に反映していく様子を描くというのが重要なのかも?
最後まで読んでも何かが収束したり解決したりする話ではないので
主題がよく解らないのだけれど、やはりココは単純に
色んな人生の一部が描かれていただけと見てよいのではないかと思う。
他者の人生を垣間見て何を感じるかは人それぞれなわけだし。

前作も今作も殺人とか窃盗とか傷害とか、所謂犯罪があからさまに悪とは描かれていず、
見ようによってはかなり軽く人命を扱っていたり、犯罪者を美化しているので
受け付けない人は全然ダメなんだろうなーと思う。

次は「重力ピエロ」イキマス。
もうAmazonのカートに伊坂文庫全部投入されてるし、多分私はこのまま制覇しますよ(苦笑)

もっと早く読んでおけば…とは思わない。
ココまではまってしまう自分に呆れる。

2010年11月10日

  ■プラスマイナスゼロ(若竹七海)

プラスマイナスゼロ
葉崎市シリーズ5作目。いつものコージーミステリです。
葉崎市という架空の街が舞台というだけで各作品全然関連はないシリーズですけどね。
毎度毎度若竹さんの描く話は読後感がよくないですが、
今回のヤツは主人公が女子高生で全体的に軽めの連作短編集。
読後感もいつもよりは爽やかでした。読み易いです。
「悪い予感はよくあたる」が面白かったです。上手い。
個性的な主人公3人組をこのお話だけでおしまいにしちゃうのはちょっと勿体ないカンジ。
成績優秀眉目秀麗なお嬢様・派手で口が悪くて成績も悪い不良娘・
外見も家庭環境も成績もスリーサイズまで平均的な歩く全国平均娘の主人公三人がタイトル。

2010年11月08日

  ■オーデュボンの祈り(伊坂幸太郎)

オーデュボンの祈り
今頃初伊坂ですw
村上春樹は挫折したのでなんとなく伊坂幸太郎も敬遠していましたが、
やはり気になるし、Naoki氏に訊いたら「なんで村上春樹?全然違うと思うけど」と言われたので。
# Naoki氏も友人に借りて一冊読んだだけだったんですけどね(苦笑)

基本的に私はデビュー作から刊行順に読んでいきたいので、まずはデビュー作。
最初はなかなか読み進まなくて、読みやすい文章なのにすんなり咀嚼出来ず、
やはり無理だったのか?とも思いましたが、中盤以降、世界観に慣れてきたら
サクサク読めました。そして続きが気になる面白さでした。
シュールな小説ではあるけれど、設定がシュールなだけで
ストーリー自体はロジカルな印象。
主人公の推理は根拠がなく突飛だと思うけれど、
名探偵モノの突飛さと同じ感覚で読み流せばわりと平気。
うーん、要するに色々と合わない部分もあるけどそれ以上に
読ませる作品だったということでしょうか。
綺麗な謎の解明と爽快感は重要ですね。
伊達に色々賞は獲ってないし、映像化もされてないということですね。
取り敢えず、面白かったので「ラッシュライフ」と「重力ピエロ」注文しました。
# 未読本いっぱいあるっちゅーのに…^^;

2010年10月25日

  ■遺品(若竹七海)

遺品
作者買い故の痛恨ミス。
元々角川ホラーから出ていた文庫の再版。
角川ホラーはホラーと解っているから買わないけど
他社で再版されたらホラーと気付かず買ってしまうのでやめて欲しい。
若竹七海は文体が読み易いので一応読了。
ホラー好きじゃないんでスミマセンな感想。
一応、リングシリーズとかは読んで面白かったので
ホラーは余程の出来じゃないとダメだと思う。
徐々にあからさまになっていくオカルト現象と
最後のパニックシーンは映像化すれば面白いかも。
読み物としてはドタバタしてありふれた結末にたどり着いた印象。
主人公の貌が変貌していく(?)様子とかをビジュアルで見せる方がイイと思う。

2010年10月20日

  ■UFO大通り(島田荘司)

UFO大通り
御手洗横浜時代物中編2篇。
偶然か意図したのか謎ですが、どちらの作品もアナフィラキシーが重要なキーワード。
今は常識と言ってもいい知識だけど、30年前なら知らない人の方が多かったんだろうな-。
アレルギーに対する認識も全然違うだろうしね。

表題作より収録作の「傘を折る女」の方が面白かった。
謎があって、謎解きをして、答え合わせをしていたらいつの間にか
もっと難しい新しい謎が現れているという。
丁寧に説明されても名探偵の飛躍的論理思考は理解出来ませんが(笑)

最近今まで以上に自分の頭の悪さを認識することが多くなった。
なんでこんなに脳味噌の性能悪いんだろ。
使い方も悪いんだろうね。
整備不良というのもありそうだね。
正しく使わなきゃ廃れるわな、何でも。

2010年10月18日

  ■収穫祭<上><下>(西澤保彦)

収穫祭〈上〉」「収穫祭〈下〉

過疎村での大量殺人事件生き残りの人生と事件の顛末の話。
先に読んでいたmasatsu氏に感想を訊いたら『読み物としては面白い』と。
確かに、読み物としては面白い。
西澤保彦集大成という感じ。
記憶の喪失と改竄。倒錯的な性癖の持ち主達。無感情な殺人。
登場人物が無情で人間味がないので全くリアル感がないけど
リアルじゃないからこそ、大量殺人事件を特に嫌悪感を抱かず読めたと思う。
上下巻合わせて1070頁、続きが気になって一気に読めた。読み易い。
伏線確認しつつ読み返してみたい気分にもさせてくれる。
タイトルが黒い。

2010年10月15日

  ■最後の一球(島田荘司)

最後の一球
17年前横浜時代の御手洗モノ。
悪徳消費者金融絡みの社会派小説で、更に野球を縁にした男の友情モノ。

過去の判例と裁判官のプライドに関する下りは真偽の程は判らないけれど、やるせない話。
初出が5年前でその時点で作中が12年前、
そして御手洗君の台詞に消費者金融絡みで被害者の自殺が大量に出て社会問題化云々まで
早くても10年は掛かる、というのがあるのでここ数年の過払い請求裁判が10年後の様子なわけですね。

消費者金融全てが悪徳で、書類の捏造や改竄をしてたのかどうかを私は知らないし、
金利に関するグレーゾーンに関しても金融会社が悪いと言うより
法律がおかしいという印象だし、
作中にもちらっとでてくるけど、銀行は困ってる人に貸すんじゃなくて
消費者金融相手に貸してるわけだし。
生活に困って借りる人だけじゃなくギャンブルの為に借りる人も多いっぽいし…
色んなトコロに責任はあると思うんだけどね-。
誰かを悪者にしなきゃ収まらないんだよね-。

現実はどうあれ、作中ではローン会社が悪徳で、泣かされた人が沢山で、
被害者が加害者になってしまってなんだか救いようがないんだけど
そこに友情を絡めてちょっと美談に仕上がってるという感じ。
誰かが救われたらどこかで別の誰かが不幸になってると思うんだけどね。

御手洗君はこんなに丸い人間だったかな-。
エキセントリックさが希薄になってる気がする。

2010年10月12日

  ■白銀ジャック(東野圭吾)

白銀ジャック
実業之日本社文庫創刊の1冊。
だから?新作なのにいきなり文庫です。

ミステリというよりはサスペンス。
2時間物ドラマっぽい内容。
テンポはいいけどイマイチ人物に厚みがないような気がするのは
登場人物が多い上に、微妙に全員を怪しく描いてるせいか。
犯人は意外性があったけどラストが綺麗にまとまりすぎて拍子抜けする。
作中一番重いテーマではないかと思われる事故についてもアッサリし過ぎ。
理性はともかく感情はそう簡単に納得しないでしょうに。

スキーもスノボも未経験なので臨場感が得られないのが残念。
人間色々経験は必要だね。きっと無駄な経験なんてないんだわ。

2010年10月10日

  ■びっくり館の殺人(綾辻行人)

びっくり館の殺人
館シリーズ8作目。
初出はミステリーランドなので小学校高学年向けジュブナイル、のはず。
でも小学生にはどうかという内容。

感想を訊かれたので「綾辻は十角館で終わってたよ」と言ったら
「そこまでこき下ろしますか?」とmasatsu氏に言われた(笑)
前作もそうだったけど、超常現象で誤魔化すのやめて欲しい。
幻想的と書けば字面はいいけど妄想と同義ですからね。
ただの危ない人の話だし。何でもありになっちゃうし。
いや、館シリーズって元々そういうシリーズなのかもしれないけど。

少なくとも我が子に対してミステリーのとっかかりとして薦めたい作品ではない。
個人的に(笑)

2010年10月09日

  ■舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵(歌野晶午)

舞田ひとみ11歳、ダンスときどき探偵
コージーミステリ。連作短編6篇。
ひとみちゃんが探偵をするのではなく、
ひとみちゃんの叔父である刑事がひとみちゃんとの会話でヒントを得て事件を解決する話。
でも結構ムリムリな感じ。推理が強引すぎ。
その強引さを気にしなければ短編それぞれが絶妙にリンクしていて
ちょこっとした謎がスルスル解けていくのは解りやすい爽快さがあってヨシ。
最後の最後でひとみちゃんがちゃんと探偵だった話もあり。
子供は大人が思ってるよりオトナな部分も沢山持っててときどき驚かされるよね。
そして子供は大人の腑甲斐なさにときどき呆れるんだろう、と。
うーん、ときどきであることを願う、と(苦笑)

2010年10月06日

  ■聯愁殺(西澤保彦)

聯愁殺
本文中約8割が推理合戦というアームチェアディテクティブ物。
散々突飛な発想の推理を描いて、
最終的にそれらを上回る真相。
そして聯愁殺ですヨ。怖い。(コレってネタバレ? (^^;)
アンフェアといえばアンフェア。
私は叙述系は好きなのでアンフェア全然気になりませんがw
メタミステリっちゅーことでマニアックな内容ではあると思う。
私はメタってよくわかってないけど(苦笑)
複雑な構成の内容だという程度しか。
こんな文章書くの大変だと思う。

気になったのは登場人物が全員難読珍名だったこと。
そもそも読めないし、一度ふりがなを見ても全然読み方が覚えられず、
途中で正しく読むのを放棄したという ^^;
マニアックな内容だからと言ってマニアックな名前にする必要は無かろうと思うのだが…。
こういう稚気もマニアの特徴かもしれん。西澤さんだし(苦笑)

2010年10月04日

  ■夜明けの街で(東野圭吾)

夜明けの街で
うっすらミステリ色をつけてみた不倫小説。

主人公の妻も愛人もやたら嘘臭い、男にとって都合のいい女にしか見えないけど
主人公の莫迦っぽさはリアルな男に見えるのは私が女だからか?(笑)
自己中な不倫男の心理描写は秀逸。
でも東野作品の中では駄作ではないのかと思う。
読み易いだけで何も残らない気がする。
あとフツーのサラリーマンが金持ちで驚く(笑)
どこから金が湧いてくるのか説明が欲しかった。

物わかりのいい女と
自由に出来る財布の中身と
アリバイ作りに協力してくれる友人
中年男の夢が詰まった一冊なのかも。
幸せな日常に不満はないけど刺激が欲しい
そんなアラフォー以上の既婚男性が読んだら
ギャルゲーするみたいな楽しさがあるのかもしれんと思いました(笑)

ミステリ部分は女が自己中でかなりひく。
遺族感情無視ですか?なんだかなー。

ま、自己中じゃない人間はおらんか(笑)

2010年10月02日

  ■ハッピーエンドにさよならを(歌野晶午)

ハッピーエンドにさよならを
アンチハッピーエンド短編11作。
どれもこれもアンハッピーエンドでしかも身近にありそうな話。
アンハッピーエンドの割には読後感がめちゃくちゃ悪いという程でもないのは
皮肉混じりの訓戒っぽいせいかも。
被害者自身に非があるから同情出来ない感があって、
自分の卑しさを目の当たりにして、そういう気分の悪さはある(苦笑)

ショートショートと言っても良いような短い作品ばかりなので読み易い。

  ■Ave Maria(篠田真由美)

Ave Maria アヴェ マリア
建築探偵桜井京介シリーズ番外編、蒼の物語三部作最終巻。
ミステリというよりは青春小説。
ちょっとこっ恥ずかしい台詞を軽く言ってしまえる主人公なので
言われる相手と同じように、読んでるこっちが赤面してしまいそうな(笑)

シリーズキャラの成長物語の上、本編の事件が絡んでくる話なので
これだけ読んでも意味不明。
やっぱりこういうシリーズ物は最初から全部読まなきゃ面白くないし、
ずっと追ってる読者には続きが待ち遠しい物だけど、
ある程度刊行されてからは手を出し辛い部分がありますね。
漫画と違って小説は一気読みも大変だしね。
面白いんだけど、ミステリとして面白いというよりは
やはりキャラ萌えで面白いのかもしれん。
ま、萌えっちゅーのもどうかと思うけど、キャラの行く末が気になる話という意味で。
本編残り6冊で多分完結のハズなので、
早く最後まで読みたいような、終わるのは寂しいような(贅沢)
願わくば最終巻が出た後で全部読み直す気力と時間がありますように(笑)

2010年09月29日

  ■今昔続百鬼 雲(京極夏彦)

文庫版 今昔続百鬼 雲 〈多々良先生行状記〉
百鬼夜行シリーズスピンオフ3冊目。短編4篇収録。
ミステリ色はあまり濃くないマニアックな妖怪モノ。
主役の多々良先生は本編に、沼上君は更に「百器徒然袋 風」にも登場してますが
メインのこの作品で変人ぶりがかなり発揮されてて印象が結構変わりました。
# 因みに「百器徒然袋 風」の方が「今昔続百鬼 雲」より後の作品。沼上君は結構活躍してる。
沼上君はともかく多々良先生は個人的にあんまり好感の持てるキャラじゃないんですが ^^;
妖怪モノとしてはそれなりに面白い読み物です。
ミステリとしては4話目はともかくそれ以外はイマイチ。
解決編の偶然ぶりとドタバタ感がどうも苦手。ま、好みの問題ですが。

さて、積ん読状の京極夏彦読了ですー。
京極堂やっつけてる間に色々色々気になる本がたまってきてるので
まずは篠田真由美にイキマス。
ゆっくりじっくり読んでいたら追いつけなくなる程買いたい本があるのは幸か不幸か ^^;
未読本手元に残したまま死ぬような気がするが、
本が読めなくなる程目が衰えるまで生きていたくないので
本を読める目を切望するのではなく、時間を切望しながら死ねますように…(笑)

2010年09月21日

  ■百器徒然袋 風(京極夏彦)

文庫版 百器徒然袋 風
百鬼夜行シリーズスピンオフ百器徒然袋2冊目。
今回も当然榎木津絶好調の中篇3編。

榎木津を陥れる為に周囲の人間が罠に掛けられて大弱りなのに
標的の榎木津は何一つ困ることなく、相変わらずの奔放ぶりで
痛快に相手を蹴散らすハッキリキッパリ解りやすい勧善懲悪モノ。
ラノベ並に読みやすいし、途中思わず吹き出してしまう暴れっぷり。
それなのにラストはほのぼのという素晴らしさ(笑)
父も登場するし、榎木津は恰好良いし、可愛いし、益々ファンになってしまう一冊でした。

2010年09月15日

  ■flat 1~4(青桐ナツ)

flat (1) (BLADE COMICS)flat 2 (BLADE COMICS)flat(3) (BLADE COMICS)flat(4) (アヴァルスコミックス)
超マイペース高校生男子とその従兄弟・超忍耐幼児との交流を描いたハートフルシリーズ。
ほのぼのです。
ハッキリ言って絵はあんまり上手くないと思うんですけど、
しっかり者の幼児が見せる表情が凄くイイです。
嬉しいときの表情もイイけど、ショックを受けたときの表情が何とも言えずw

イマイチ作者の意図がハッキリせず、
主人公に共感出来るわけでもないんですが
そのいい加減さと淡々さが良いのかなー、と。

主人公と友人達の距離感とか、
後輩クンの一生懸命さとか、
幼児同士の交流とか、
フツーの日常にほっこりします。

2010年09月13日

  ■百器徒然袋 雨(京極夏彦)

文庫版 百器徒然袋 雨 (講談社文庫)
帯付きだったので画像にしてみました。
帯にある通り、百鬼夜行シリーズのスピンオフ。
榎木津礼二郎主役の中編三作収録。

私は百鬼夜行シリーズは榎木津目当てで読んでいると言っても過言ではないので
本当に楽しく読ませて頂きました。
元華族にして財閥の御曹司。容姿端麗頭脳明晰な職業探偵ですよ。
その探偵が大暴れの作品集。素敵すぎる。
シリーズの他のキャラも本編よりテンション高いです。
京極堂笑いすぎです(笑)
全体的にハイテンションで明るい勧善懲悪痛快活劇なので本編より読みやすいです。
でもやはり本編を読んでいてこそ楽しめる作品だと思うので万人向けでなくて少し残念。
きっとウチにある京極夏彦は私以外誰も読まない(苦笑)

2010年09月08日

  ■百鬼夜行 陰(京極夏彦)

百鬼夜行 陰
百鬼夜行シリーズのサイドストーリー10篇。
本編であまり語られることのなかった、犯人が犯行に至るまでの過程、
被害者が被害に遭うまでの過程、名前だけしか出てこなかった人物の生涯等々。
本編未読のまま単体として読めないこともないが、多分読んでも消化不良な読後感。
読んでも読まなくても本編に影響はないと思うし、読み物として特別面白い内容でもない。

しかし、毎度思うけど、雪絵さんは何故に関口なんかの妻であり続けるんだろう。
関口のどこがよくて一緒になったんだろう。ホントに謎(笑)
器は小さいし、甲斐性ないし、鬱病だし、不細工だし…主要人物なんだから
少しくらい長所があってもいいんじゃないかと思うんだけど…私が見逃してるだけなのか? ^^;

2010年09月04日

  ■邪魅の雫(京極夏彦)

文庫版 邪魅の雫
百鬼夜行シリーズ9冊目。
1400頁ですよ。厚さ5cmもあるし、重いし。文庫のくせに1400円もするし。
読んでるだけで腕疲れてくるし(笑)

取り敢えず、既刊本編はここまで。
榎木津ファンには切ない話。

視点が変わりまくるし、登場人物は嘘吐くし偽名使うし…
ややこしいことこの上ない構成で1400頁なので
何度も遡って読み返さなければ理解出来ないという
いつもにもまして未熟な己の記憶力が恨めしくなる作品でした。
だから余計に解決のくだりで絡まった糸が解けていく様子が快感。
事件の全貌は切ないけれど。

世界の中心は自分であるというのは強ち間違いではないが
その世界は万人の世界ではなく、己の世界だという事を認識しなくてはならない。
当たり前のことなのに案外難しいことなんじゃないかと思う。
難しいのは私が傲慢なせいかもしれんがな(笑)

善良な人間は善良であるが故に不幸になってしまうことが少なくない。
善良であることが愚かであることと同義ではないのに
善良であることは時として罪にはなり得るとは思う。
小さな親切大きなお世話とは真理だと思ってるから。

抽象的な書き方をしているとどうしても
「基本的に」だとか「場合によるが」とか「例外もあるが」とか
書きたくなるのはダブスタだからかね。

そして相変わらず感想とは言えない思考の殴り書き。
こんなものを公の場で書き散らかしてスミマセン。

2010年09月02日

  ■ストロボ・エッジ1~9(咲坂伊緒)

ストロボ・エッジ 1 9
一気読みしました。
10代の娘と割り勘で少女漫画大人買いする40女(笑)

少女漫画の王道ですね。
片思いから始まって、紆余曲折。多分ラストはハッピーエンド。
泣いたけどね。もう年だからすぐ泣くんですよ。
Itsumi嬢にも「おかーさんすぐ泣くし…」と呆れられてます。

メインは恋愛だけど、男の子同士の友情絡ませて
「カッコ悪いのが恰好良い」男の子が綺麗に描けてるなーと思います。

大きな事件のない淡々とした高校生の日常が
実はそれぞれ心中は波瀾万丈という、
実際平凡な人生なんてありえないよねー。
そんな当たり前のことが丁寧に描かれてる気がしましたヨ。

2010年08月19日

  ■猫物語-黒-(西尾維新)

猫物語 (黒)
物語シリーズ。

"…知らぬ間に、落ちているのが初恋だ"
いやいやいや、初恋じゃなくても恋は知らぬ間に落ちていますから(笑)
暦の初恋譚。

良くも悪くも西尾維新。
無駄にエロな雑談にどこまで耐えられるかが西尾耐性なのだろう。
エロは嫌いじゃないけど変態はイヤなのでちょっとしんどい私です。
前半ヒロイン月火だし、後半微妙に忍だし、翼はどこ?な感じ。
ストレスたまりまくる翼の品行方正さは実際リアルだと
側にいる方が可哀相だろ?という気になっちゃうし…。
暦の感情はあっという間に昇華されて、恋愛なんて次元じゃねぇ!になっちゃうし。
救いようがない。
概ね、低次元な方が人間シアワセだったりするもんだ。

しかし前半エロで後半グロな凄い話だな(苦笑)

2010年08月18日

  ■陰摩羅鬼の瑕(京極夏彦)

文庫版 陰摩羅鬼の瑕
百鬼夜行シリーズ8作目。

死生観についての話。
私は両親や義妹という身近な人を既に亡くしているにも関わらず
どうも"死"というものを軽んじている。
まず恐怖心がない。
masatsu氏は"死"について考えると凄く怖いと言うが私には解らない。
惚ける方が怖いよ。理性がなくなってるのに動く方が怖いじゃん。
死んだら動けないし怖くない。
信心がないというのも死を軽んじているのかもしれん。
死んだら終わりだと思う。
仏壇も墓も生者の自己満足以上の意味はないと思っている。
実は葬式も無駄な行事だと思っていた。
流石に身近な人間を亡くして、残った人間の意識の切り替えに必要な行事だとは思うが
やはりそれは生者の為のもので、死者にはなんの関係もない。

"人の記憶の中で生きる"というのはあると思っているが、それはまた別の話。

自分で「死を軽んじているなぁ」と思うと、
もしかしたら「生も軽んじているのか」とも思う。
自分が死ぬときになってみないと判らない気もするが
死ぬときになっても判らないかもしれん。

生きるのに一生懸命でもないし、
頑張って生きてるわけでもない。
同じ生きるなら楽しく生きたいなと思うだけで
自分のことしか考えてないし。

だから私は自分を凄くフツーの人間だと思うのだ。
大抵の人はこんな風に"死"に対して鈍感なのではないのか?
"生"を無駄にしているのではないのか?
ただ死んでいく為に生きているのがフツーの人。
# 普通という単語が適切とは思わんが他に言葉を思いつきません。何?この語彙の貧困さ。
# 語彙が貧困なせいで思った文章が書けなくてイライラする(苦笑)

2010年08月03日

  ■塗仏の宴(京極夏彦)

文庫版 塗仏の宴 宴の支度
文庫版 塗仏の宴 宴の始末
百鬼夜行シリーズ7冊目と8冊目。
支度と始末、作者的には別々の作品らしいが支度が謎提示、始末が解決編でなので
前後編、2冊でワンセットの読み物だと思う。
それ以前に過去のシリーズ全部読んでいないと全然人間関係が解らないけど。
とにかく、主要キャラ、過去登場のサブキャラに加え、新規登場キャラ多数で人大過ぎ。
丁寧に読み進めないと誰が誰だか判らなくなる。
しかも支度は連作短編形式で時系列には語られないので更に混乱。
読みやすいけど整理しながら読むのが大変だった前後編1900頁。

催眠術とか薬物とかで記憶(過去)を改竄されている人多数で
誰が真実を語っているかすら定かでないという本当に整理が大変な内容。

「記憶にも記録にも残らない過去はなかったも同じ」
史実検証的には真実だろうけど
人生に於いてはどうなんでしょう。
記憶というのは失うのではなく、再生されなくなるだけで
脳内にはちゃんと体験の事実が刻まれているということなので、
それらが人格形成に大きな影響を与えていると思うんだけど…。
他人が表面的に記憶を改竄するのは確かに可能かもしれない。
改竄されて、人格や思考形態まで変わってしまうなら怖いね。
自分が自分であるというという認識は何でなされるのか。
考え出すと深みにはまってしまいそうなテーマだ。

2010年07月25日

  ■絡新婦の理(京極夏彦)

文庫版 絡新婦の理
百鬼夜行シリーズ5作目。
ワタシの文庫リストで未読マーク付きだったので未読かと思ったけど
どうやら未読マーク削除を忘れていただけだった模様。というわけで再読。

タイトルは「じょろうぐものことわり」蜘蛛、しかも女郎蜘蛛です。
女権拡張論、古の性文化風習、基督教、等々
性差別に関する色んな内容が絡んできて興味があれば面白い。
過去の運動家の方々のおかげか、現代では別に女性は冷遇されているとは思わず、
時々差別と区別をはき違えているのでは?と思う自称フェミニストにはうんざりですが、
こういうフィクションで得た知識で色々物事を解った気になってる自分にも実はうんざりです(笑)

作中会話でで女性崇拝者と女権拡張論者のどちらにもフェミニストとルビがあり
会話に齟齬があったのが面白かった。
言葉って難しい。

蜘蛛の糸のように見えない糸で繋がれた複数の事柄が
中心に近付いていくと徐々に繋がり初め、やがて一つになる。
こんな犯罪を考えついて実行する人がホントにいたら凄い。

ラストの一文が最初の一文に繋がる構成が面白い。
怖いくらいに綺麗な情景が目に浮かぶ文体の序章で終章。

2010年07月17日

  ■鉄鼠の檻(京極夏彦)

文庫版 鉄鼠の檻
百鬼夜行シリーズ4作目。再読。1400頁だよ。厚さ6cmの文庫本て。ホント重いからw

仏教とか禅問答とかホントに全く興味ないテーマにも関わらず
ちゃんと読めたのはやはり京極夏彦の文章の上手さに尽きると思います。
ま、読みはしたけど仏教や禅に対する理解は書かれていた文全てに及んだとは言い難いですが。
しかも再読でコレなので、多分何度読んでも全ては理解出来ません。
興味ないことを理解出来る程優秀な脳味噌を持っていればもっと大成出来ていたでしょうよ(苦笑)
所詮「悟り」とは程遠い位置にいる俗人なのだから仕方ない。
仕方ないという意識がもうダメ。多分。

でもそんな人生が私はいいの。
何かに囚われて生きるのはしんどいと思うのよ。
お気楽極楽ちゅーじゃない。お気楽に生きて何が悪いのさ(笑)
やっぱり人生楽しんだもの勝ちだと思うもん。
欲にまみれて生きるよ、私はw

何事も極めるのは大事なんだろうと思う。
でもそれだけに囚われて世界を狭めて
人を殺める程に追い詰められるのはやはりしんどいでしょう?
大事な物、譲れないことは人それぞれではあるけれど。

2010年07月04日

  ■狂骨の夢(京極夏彦)

文庫版 狂骨の夢
百鬼夜行シリーズ3作目。再読。これも分厚いです。970頁。分冊版は3冊に分かれてるはず。

人間の記憶の曖昧さがポイントですかね。
保身の為に簡単に改竄してしまうし、
思い込みで改竄してしまうし、
良くも悪くも自分の都合で記憶は書き換えられるんですね。

過去の自分は自分自身より他人の方がよく知っていると思うとかなり怖いです。
自分自身が覚えている自分は実は本当の自分ではないと思うと怖くないですか?
記憶は美化されるというけれど、一番美化されてるのは自分自身かと思うと…。
えーっと、・・・コレで?みたいな(笑)

2010年06月20日

  ■魍魎の匣(京極夏彦)

文庫版 魍魎の匣
百鬼夜行シリーズ2冊目。

途中で「インシテミル」読んだり「告白」読んだり
Papa told me 〜カフェで道草〜」読んだり「黒執事 9 」読んだり
スーパーマリオギャラクシー 2」やったりしながら、やっと読了(笑)

再読ですが序盤中盤は殆ど記憶に残ってませんでした。
終盤になってやっとちょっとだけ見覚えがある気がする…という程度。
流石、私の皆無に等しい記憶力w

『通り物に当たる』というタイミングの妙が怖い作品。
魔が差すというのとはちょっと違う?
ほんの少し、タイミングがずれていれば、
例えばココで彼に会わなければ、
例えばココに誰か通り掛かれば、
例えば一瞬目を逸らしていれば、
それだけで犯罪に手を染めることはなかったのに。
何かに惹かれ過ぎなければ、
誰かを愛し過ぎなければ、
いつも憎しみより愛情が犯罪を生む。
何事も過ぎるのはよくない。

今後の為に前回読んだときよりはキャラ一人一人を明確に判別しながら読むよう努力しました(笑)

2010年06月14日

  ■告白(湊かなえ)

脱線ついでにもう一冊。旬を逃さないように(苦笑)「告白

Amazonのレビューを見たらかなり酷評されてました。
売れてるのに評判が悪いという…。
確かにえぐい話です。
救いようがない。人間の負の部分だけに注目した作品です。
人は生きているだけできっと沢山の人を自分が思う以上に傷つけているのだろうな、と思います。
けれど、同じように生きているだけで誰かを救っていることもあると思うんです。
その誰かを救っている部分は一切描かれていません。
ただただ誰もが利己的に他人を傷付けています。
自分を守る為に他人を傷付けるというのはもうどうしようもないことなのかもしれないけれど
守りたいものが他人から見ればあまりにもつまらなくて、どうしてそんなことの為に…と思わずにはいられない。
けれどきっと本人にとってはどうしても譲れないものだったりするんでしょうね。

一つの事件を多方面から見る。
被害者の親、加害者、加害者の級友、加害者の家族…と視点が変わる。
独白のように描かれているけれどそれは独白ではなく、常に誰かに対して語られている。
それは日記という形式であっても、誰かに読まれることを想定して描かれている。
多分、全く無意識で人間は保身の為に嘘を吐く。無自覚なままに、己に対してさえ。
誰かに対する語りかけの形式は虚勢も虚偽も交えて真実に目隠しをする。
救いようがない上に薄っぺらい、と酷評されている作品ですが、その薄さが怖いです。
本当の気持ちが全く見えないという部分がとても怖い作品なのではないでしょうか。

2010年06月13日

  ■インシテミル(米澤穂信)

京極夏彦再読中断してついつい読了。「インシテミル

インシテミル」ってどういう意味?
『淫してみる』『INしてみる』、『incite mill』のローマ字読みということで
刺激する施設?刺激して殴り合わせる?
どれもタイトルとして的外れではないので、全て含めて、
若しくは私が気付けないだけで更に別の意味も含んでのタイトルなのかも。
映画化されるそうで、映画では”七日間のデス・ゲーム”とサブタイトル付き。
サブタイトルいらない気がするんだけどねぇ。
なんだかいきなり俗っぽくてつまんなくなっちゃう感じ。

クローズドサークル物の本格ミステリ。
登場人物が多くて最初は見分けが付かない気がするけど
しっかりキャラ立ちしてるので案外すんなり見分けが付くようになる。
重々しい内容なのに、文体が重くないので読みやすい。

初っ端から現実離れした設定で始まるので
事件に対するリアル感が薄く、
一般的に考えれば嫌悪感を抱くであろう状況に対しても
不快になる程には感情移入出来ず、その適度な距離感があるからこそ
すんなり読み進められたと思う。
ミステリ好きがミステリ好きの為に書いた作品。

2010年06月06日

  ■姑獲鳥の夏(京極夏彦)

文庫版 姑獲鳥の夏
百鬼夜行シリーズ1冊目。
再読です。シリーズ4冊目までは読んだけどその後読めてないので
出来ればこのまま一気に読んでしまうつもりで。
京極夏彦は読みやすいんだけど、それでもちょっと気が引ける分厚さだからね。
文庫版 姑獲鳥の夏」は600頁強だけどシリーズ並べたら薄い方だという…。
どんどん分厚くなるシリーズですが既に2冊目は1000頁超してます。
文庫化済みの本だけでもシリーズ全部読んだなら何頁になるのか…。

さて再読の1冊目。
自他共に認める記憶障害並みに記憶力のない私ですが(苦笑)
この作品は結構記憶に残ってました。
語り手の主人公が特殊だからですかね。

認識論を中心に人間の脳の不正確さの描写が長々続いて
ソレが謎解きの核になるという解りやすい構成。
戦後間もない時代、色んな物事が混沌とした世の中で因習に振り回された悲劇。
妖怪はいつも人の内にある。

2010年06月02日

  ■1950年のバックトス(北村薫)

1950年のバックトス
一篇2~3頁から長くても10数頁の全23篇の掌編小説集。
読み手の状況によって大きく感想が変わるだろうと思われる作品群。
暇潰しに片手間に読むのではなく、じっくり活字と向き合いたい時向け。
一篇一篇は極短い日常の一コマを切り取ったお話故に、
その前後に想像力を駆使させたくなる。
けれど、軽く読み流して微かな謎を残したまま、
ぞくりとしたりほっこりしたり、刹那の感情を楽しむのもアリかも。
よく意味が解らないお話や、悪乗りし過ぎじゃないかと思えるテンションのお話もあったけど
また時期を変えて読めば、感想も変わりそう。

私はほっこり系よりホラー系の「百物語」「万華鏡」「包丁」辺りが好き。
「百合子姫・怪奇毒吐き女」は単純に笑った。リアル。

2010年05月31日

  ■法月綸太郎の功績(法月綸太郎)

法月綸太郎の功績
法月綸太郎シリーズ短編集。短編五篇収録。
ロジカル故にリアルさに欠ける感はあるものの
それぞれ読み応えはアリ。

ダイイングメッセージ物はやはり誰が書いても厳しい。
ミステリなので敢えてそうしなければならないとは思う物の犯人の墓穴の掘り具合が露骨。
いや、実際の犯罪でも犯罪者は考え過ぎて墓穴を掘ってしまう物なのかもしれないけれど…。
語り過ぎたり、行動し過ぎたり、犯罪者心理としては当然なのか。

ミステリを読んでいてよく『動機が弱い』と思っていたけれど
現実の事件でも「え?そんなことで?」と思う理由で人殺しちゃってますね。
最近だと、出会い系サイトの料金を払ってくれなかったからという理由で
母親を殺した大学生の息子(18)にビックリですわ。
この息子、これからどんな風に生きていくの?

2010年05月30日

  ■法月綸太郎の新冒険(法月綸太郎)

法月綸太郎の新冒険
法月綸太郎シリーズ短編集。イントロダクション+短編5篇。
2002年初版…これは8年物でした(苦笑)
しかも短編5篇の内、2篇はどうやら既読。
途中まで読んで放置していた模様。
当然ながら既読であることには読後気付く orz

法月らしいガチガチ本格5篇。
キャラとしての法月綸太郎はあんまり好きではないけれど
ミステリとしてはあきれる程の奇抜さもなく、あくまでもロジカル。
短編なのに二転三転する結末の濃さは読み応えアリ。

このまま続けて5年物の「法月綸太郎の功績」に突入しまする。

2010年05月29日

  ■双頭の悪魔(有栖川有栖)

双頭の悪魔
江神&学生アリスシリーズ3作目。ずっと積ん読状態だったのをやっと読みました。
奥付見たら1999年発行でした。10年以上積ん読ってた…orz

何故そんなに積ん読ってたのかというと、前2作の内容を完全に忘れてしまっているから
前2作を読み返してから読もうと思ってたからです。
というわけで「月光ゲーム―Yの悲劇’88」と「孤島パズル」読み返しました。
有栖川有栖のデビュー作と2作目ですが、やはり初期の作品は良いです。
多少文章自体が稚拙でもそれを凌駕する中身の濃さがある気がします。
何度も何度も練り直してじっくり時間を掛けて作られた良さがあるんでしょうかね。
才能が枯渇するとは言いませんが、やはり何作も書き続けているとマンネリ化は否めないのでしょう。

3作目の「双頭の悪魔」はやはり前2作に比べるとやや劣る気がします。
悪いというのではなく、前2作が良すぎたと言うべきかもしれませんけど、
メイントリックがイマイチな感じでした。
でも最近の作品よりは丁寧に人物描写がされていてわかりやすかったし
シリーズキャラの江神部長の過去が垣間見えて楽しみが増えたり。
このシリーズは5部作予定で4作目が3年前に単行本で出ているので
記憶が新しい内に文庫化してくれるとありがたいな~と思います。

ホント、私の記憶力はシリーズ物追うのに向いてないのね。
何なの?この記憶力のなさは!
1冊の本を何度でも楽しめるというお得感があるのかもしれんけどね(書いてて虚しい)
完結してから一気読みがいいんだけど、なかなか難しいモンダイだわな。
何度も読み返す時間が作れればいいけど、漫画ならともかく小説は難しいデス。

孤島パズル」内に
『本を読むという行為自体が非生産的で胡散臭い物なのに、
その上探偵小説を選んで読み耽るなどとなれば、
これはもう放蕩、放埒の極みじゃないか』という台詞がありました。
ああ、私は本当に贅沢な時間を膨大に消費してきている。
そしてこれからも贅沢に我が儘に時間を使うのだ。
ゴメンナサイ。アリガトウ。

2010年05月16日

  ■乱鴉の島(有栖川有栖)

乱鴉の島
火村&有栖シリーズ長編。

有栖川有栖は人物描写が苦手なのかもしれない。
ミステリで登場人物を詳細に描く必要は無いのかもしれないが
それでも記号で済ませられるような駒の一つではダメなはず。
あくが強いはずのキャラですらイメージが一定しないのは私の読み込み不足か?
考えてみればシリーズキャラの火村と有栖ですら確固としたイメージがない気がする。
火村の謎が気になって読み続けてるけどその意味があるのか?と思う作品。

こんなことを書くと凄く凄く失礼に当たるのだろうけれど、
同じ秘密なら別の作家さんの方がずっと読み応えのある物が書けるのに…と思ってしまった。
そしてその秘密は最後の最後まで秘密としてあたためられた割にはトリックになんの影響もなく、
動機に関しても弱すぎるおまけかそれこそ蛇足程度の意味しか持たず、
事件自体はサスペンスドラマ以下という印象。
ミステリで恋愛モノで幻想小説でそのどれもが標準以下の出来にしかならなかったかのような。

謎解き自体に意外性が全くないのに、謎解き部分が冗長で…ミステリとしてじゃなく、
もっと別の方向に突っ込んで別の作品に仕立て上げられればヨカッタのにと思わずにはいられない。

2010年05月08日

  ■摩天楼の怪人(島田荘司)

摩天楼の怪人
御手洗シリーズ。コロンビア大学助教授時代の若き御手洗潔の謎解き。
これぞ御手洗物という感じの仕上がり。
舞台がアメリカなので地名人名を覚えるのに苦労した。
ソレが苦手だから翻訳物避けてるっちゅーのに(苦笑)
トリックは御手洗物でしかあり得ない壮大さ。
もう絶対あり得ないだろ?というトリックをロジカルに推理する御手洗君が素敵。
しかも若いので無謀な大冒険もやっちゃって更に素敵。御手洗君はこうでなきゃ。
石岡が語り部じゃなくてもやっぱり変人と表現されるのが御手洗なんだね(笑)
ただ途中の地下王国のエピソードが謎。
尻切れトンボで放置されてる?よくわかんなかった。

2010年04月11日

  ■犬坊里美の冒険(島田荘司)

犬坊里美の冒険
御手洗シリーズスピンオフ。
犬坊里美はどうやら世間では健気さが人気らしい。
でも私は嫌い。うじうじうじうじ。常にマイナス思考。
27歳の司法修習生という設定なのに思慮は浅いわ、
頭の回転鈍いわでイライラする。
涙をこらえて頑張る姿が健気と言うらしいが
そんなことで泣くな!と突っ込みたくなる。
どうやら私が立派なおばちゃんであることがモンダイらしいと今気付いた(苦笑)

ミステリのメインは死体消失。
凄いトリックと言えば凄いのかもしれんが
そこまでするには動機が弱いような気もする。
食事は見た目も重要だと思うのよ、うん。

ミステリは死体消失の謎だが
メインテーマはやはり島田荘司のライフワーク冤罪について。

2010年04月05日

  ■猫島ハウスの騒動(若竹七海)

猫島ハウスの騒動
葉崎市シリーズ3冊目。コージーミステリ。
葉崎市という架空の街が舞台なだけで連続性は皆無だけど。

18年前の3億円強奪事件とか、覚醒剤売買に殺人、
物騒な事件が立て続けに起こるわりには登場人物はみなどことなく呑気。
呑気だけれどそれぞれ一癖も二癖もある人物描写がメインの作品。
事件自体については複雑に絡み合う割にはたいした真相はナシ。
一番の謎が謎のまま残ったのが気になる(笑)

2010年04月02日

  ■ニッポン硬貨の謎(北村薫)

ニッポン硬貨の謎 エラリー・クイーン最後の事件
私の積ん読北村薫最後の本(笑)

エラリー・クイーンの未発表原稿を北村薫が翻訳したという設定のパスティーシュ作品。
北村薫のEQ論。EQファンが読めばかなり興味深い内容ではないかと思います。
私はEQは「Xの悲劇」以下、ドルリー・レーン四部作しか読んでないので殆ど知識がないも同然。
それでもEQの読者への挑戦状は有名すぎるエピソードなので、それなりに想像して読みましたが、
やはり聞きかじり程度の知識なので詳しい人に比べたら楽しさ半減なんでしょうね。

文体は翻訳作品の体裁をとっているので妙な日本像が混入。
註釈でツッコミなワケですが、その註釈自体が小説の一部だという事を実感させる書き方が
敢えてな辺り。計算され尽くした文章であるのがEQファンならずとも感じられます。
EQファンで、北村ファンで、更に若竹ファンにとっての極上作品。
# 私は海外ミステリは小中学生レベル(クリスティ辺りw)で止まっているので残念ですが
# この三者全てのファンというのは案外多い気がする。

んで、純粋に単なるミステリとして読めばどうかという気が… (^^;
動機がなー。わざとなんだろうけど、海外古典の納得出来なさ踏襲?
うーん。これも面白いと感じられるかどうかはやはり海外物の熟練度に依る気がする。

2010年04月01日

  ■玻璃の天(北村薫)

玻璃の天
ベッキーさんシリーズ2冊目。前作同様3篇収録。
やはり昭和初期の風俗が丁寧に描かれた作品。

舞台は昭和9年。
昭和9年に10代半ばというのは今後まさに激動の10年とその後を迎えるわけで
華族の優雅な日常が描かれていても、当たり前のようにその時代の陰が濃く現れて
華やかさもしっかりした現実であったはずなのに、薄く脆いモノに見えてしまう。

与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」に関するエピソードは言われてみれば当たり前だけど
あんまり考えた事がなかったので目から鱗。
確かに、家族は迷惑だわな。
世相というのは平和な世に考えるよりずっとずっと恐ろしいモノなんであろうと思う。
いや、平和な世の世相というのもある意味恐ろしいのかもしれないが。
自分の中にある思想や主義主張の根っこのどの辺りから自分が見据えて
培ってきたのか、その根っこは誰かに意図的に植え付けられたモノではないのか
自分で植えて自分で育てたのだと一体誰が明言できるのであろうか、と。
全ての真実を見る目を持った人間などいないと思うから。

2010年03月30日

  ■街の灯(北村薫)

街の灯
ベッキーさんシリーズ1冊目。3篇収録の短編集。
昭和7年が舞台で主人公は豪邸に住むお嬢様とそのお抱え運転手のベッキーさん。

各話の謎解きもきちんとミステリではあるけれど、それよりもやはり
昭和初期の風俗描写に重きを置いた作品ではないかと思う。
戦前の話は充分時代物だと私は思うので、時代物苦手な私には辛い作品(笑)

横縞の走ったモノクロ映画を観て、その時代に想いを馳せ、
時代背景を考慮して登場人物の気持ちを汲み、作品を堪能できる人もいれば、
私のように「ダメ、古くさくて理解出来ん」と投げ出してしまう人間もいる。
前者の知識と感受性が己にないことを多少寂しく思いつつ、それでもこれが私なのだろう。
睡魔と戦いつつ読了。
作品世界の空気に馴染めず、上っ面だけを撫でているような居心地の悪さの中、
それでもベッキーさんの素性と二人のその後が気になるので続編も頑張って読みます。
頑張って本を読むって何か間違ってる?

2010年03月27日

  ■ひとがた流し(北村薫)

ひとがた流し
月の砂漠をさばさばと」の主人公さきちゃんとお母さんのその後。
「月の~」はほのぼの系の12篇の掌編集。おーなり由子さんの挿絵と共に絵本でも読む感覚で楽しむ本。
「ひとがた流し」の方は「月の~」で9歳だったさきちゃんが高校生になって登場人物の一人として登場。
全6章で章毎に登場人物が別の人物にバトンを渡していく形式で視点が変わる。
1章目はさきちゃん母の幼なじみ。6章目がさきちゃん母、牧子さん。

私には凄く心に沁みる物語だったんですが、読後Amazonでレビューを見るとイマイチでした。
クサイとかリアルじゃないとか書かれてて、書いた人は若い人なのかな~と思ってしまった。
さきちゃん母の牧子さんとその友人達の話なので40女が描かれているワケですが
私自身がズバリな年なのでそんなに違和感抱かなかったです。
40になっても世間知らずだったり、子供みたいな反応したり、
あっさり恋に落ちたり、おばさんらしくお節介だったり。
不惑って何?美味しいの?ってくらい莫迦で惑いまくりの日々を送ってるわけです。
それでもやっぱり40年生きてるのでそれなりに年の功も持ち合わせているんです。
良いタイミングで良い本に出逢えたんだな~と思います。
40女達の相方さん達ももうそれはそれは素敵に描かれていて、
女の私としてはこれこそ「リアルじゃない」とか思っちゃうわけですが(笑)

大学生になる娘に語る言葉の数々。
それは母から娘だったり、父から娘だったり、友人の娘へだったり。
言える大人とそれを受け入れられる子供の関係。
友人同士の会話と行動の踏み込み具合。
それらがそれまでの時間をどれ程大切に過ごしてきたかを現していて
じっくりゆっくり育ててきた人と人の絆を思わせる。

『人が生きていく時、力になるのは自分が生きていることを切実に願う誰かが、いるかどうか』
きっと切実に願ってくれているであろう人に出逢えた幸運を忘れずに生きていかなくてはね。

2010年03月24日

  ■紙魚家崩壊 九つの謎(北村薫)

紙魚家崩壊 九つの謎 (講談社文庫)
装丁も綺麗な1冊。短編集。
百人の読者がいれば百の物語が生まれる---という著者の言葉通り、
読み手によって解釈が分かれそうな作品の数々。
日常の謎だったり、本格や御伽噺に対するパロディだったりするので
流し読みすれば出来るし、深読みすればどこまでも出来そうな(笑)
ただ「俺の席」だけはストレートすぎる単純さ。
でも私はそういう解り易い話の方が好きかも。
結論を読者に委ねる系は苦手。
多分読書で頭あんまり使ってない(苦笑)

北村薫の最新刊を読んだので
積ん読状態の過去の作品も読む予定。

2010年03月23日

  ■探偵伯爵と僕(森博嗣)

探偵伯爵と僕 His name is Earl
元々は講談社ミステリーランドというジュブナイルシリーズの1冊。
なので小学生の主人公視点で綴られる一人称。
学年はハッキリ書かれていなかった(と思う)けど4年生以上くらい?
頭の回転の速い子です。
実際の小学生がどの程度考えているかというのは
自分がそういう年代だった頃が昔過ぎて思い出せない(笑)

大人が思っているよりは考えているけれど
やはり浅はかというのが私の子供に対するイメージ。
なので、この本の主人公はかなり頭の良い子に思うんだけど
実際の子供はどの程度頭がいいんでしょうね。
子供って大人にはそういうの絶対見せないからわかんない。
中学生より小学生の方が頭使ってたりするしね。

ジュブナイルというには微妙に重い事件を扱った作品。
最後の最後で明かされるオチも怖い。
子供に解るのか?
男に解るのか?
謎。

大人視点で読むと子供の淡々具合も微妙に怖い。
でも子供っていうのは残酷だし、
大人よりもずっと順応力があるので
こういうもんかな、とも思う。

登場人物に代弁させている作者自身の社会批判が露骨。
子供向けだから敢えてストレートに書いてある?
死刑廃止論かなー、いや、精神鑑定批判論か。
無差別殺人犯を死刑にしたいが為に責任能力があったという方向へ持って行くよりも
病気なら病気と認め、そういう人への研究を進めて犯罪予備軍発見に繋げるべき、みたいな感じ。
実際、無差別殺人犯とか異常性欲者とか調べてみたら脳に同一の欠陥があったりするんですかね?
精神の病はいくら調べても個人差な気がするんだけどどうなんでしょう?
調べてみて脳の欠陥なり、精神状態の顕著な徴候だったりが判明したとして
現在の法律では何も対処できない気がするんですけどその辺りはどうなんでしょう?
子供向けの本にこういう内容をストレートに書くのは子供に考える機会を与えるという意味でアリなのか。
それとも私が難しく捉え過ぎなだけで子供はそこまで考えないのか。

昆虫採集する子供に向かって
「虫になら出来るのに犬や猫に出来ないのは何故だ」と問う大人。
それだけで私は怖いんですが(苦笑)
子供に訊かれたら答えに窮するんだもん。

命の重さが色々で、世の中はとても不公平で、
理不尽なことは当たり前のようにある。
いつそんなことに気付いちゃうんだろう。

2010年03月22日

  ■the TEAM(ザ・チーム)<井上夢人>

the TEAM(ザ・チーム)
テレビでコーナーを持つ有名霊能者と、その相談者対象の調査チームのやらせ話。連作短編集。
チームの調査方法は完全に犯罪なのに結果的に感謝する人はいても被害者はいない所謂義賊。

私は霊能者としてテレビに出てる人間はハッキリ嫌いなので思想的にはこの話の中では敵対する記者に近いと思う。
ま、それはリアルな話でエンターテインメントとして読むならやはりチームの行動に爽快感。
各話、相談者の調査をして根源を絶つという過程で少しずつチームの素顔が見えてきたり、
彼等自身が救われたり。
義憤に駆られて行動するメンバーもいるけれど、大仰に正義感を振りかざすでもなく、
あくまでもエンターテインメントに徹した辺り見事。
出来れば続編が読みたいけれど無理なんでしょうね。
岡嶋二人と井上夢人は作風が全然違うと思い続けてきたけれど珍しく岡嶋時代を彷彿とさせる作品。

2010年03月21日

  ■暗黒館の殺人(全4巻)<綾辻行人>

90mm
暗黒館の殺人(一)(二)(三)(四)
思わず写真に撮りたくなる9cm2100ページ(笑)
館シリーズ7作目。
量もさることながらノベルズ版のレビューで酷評されているのも要因でなかなか手がつけられず、
さりとて館シリーズファンとしては購入を見送りも出来ず(苦笑)2年強放置の末やっと読了。

確かに、本格ミステリとしてはイマイチかも。
嵐の山荘モノですが隠し通路満載の館で殺人が起こってもなぁ…という感じ。
過去の人間消失に関しては鮮やか。
でも、これを本格ミステリのカテゴリに入れて良いのかどうかが微妙。
なんていうの?幻想小説?怪奇小説?ゴシックホラーってこういうの?よく知らんけど。
メイントリックがアンフェアだと思う。何度も疑いつつ「ソレはねぇだろ」というソレが事実とは。
辻褄合わせようと思いながら読んだ労力を返せ(笑)
ただホラーとして読めばそれなり。
キャラもそれぞれ面白い。その後も気になる。

レビューで冗長と酷評されていたけれど、そして実際そういう部分も無きにしも非ずだけど
それでも流石綾辻と思うのは、読み進めるのが苦痛になることなく、、
読みやすい理解しやすい文章で綴られていたこと。
これだけ長い文章でしかもゴシック的な内容をわざと難解にせずに書く技術が凄い。
この手の作品てわざと小難しい単語濫用して意味不明な文章に仕立て上げてるイメージがあるから。
これは偏見なのかもしれないけどね。その手の作品実はあんまり読んでないし(笑)

2010年03月17日

  ■となりの怪物くん(1~4)<ろびこ>

となりの怪物くん(1) (KC デザート)となりの怪物くん(2) (KC デザート)となりの怪物くん(3) (KC デザート)となりの怪物くん(4) (KC デザート)
メインの二人も個性的で可愛いんだけど
サブキャラ達の行く末が気になる作品。
初々しい不器用な恋愛が妙にリアル。

「相手がいるから寂しい」
他人に言われなければそこに思い至れないくらい一人が平気でも
一度寂しさを知ってしまうときっと一人には戻れないね。

クラスで飼ってたウサギが死んだら悲しまなきゃダメですか?
私、無理かも(苦笑)

2010年03月10日

  ■娚の一生(西炯子)全3巻

娚の一生 1 (フラワーコミックスアルファ)娚の一生 2 (フラワーコミックスアルファ)娚の一生 3 (フラワーコミックス)
折角凝った表紙なので並べてみましたw
本日最終巻である3巻が発売ということで一気買い。
「このマンガがすごい!2010」のオンナ編で6位、
「このマンガを読め!2010」で5位の作品です。
因みに作品名と作家名の読み方は「おとこのいっしょう(にしけいこ)」

序盤、絵がイマイチだと思いつつ読み始める。
女の人は可愛いんだけど、男の人の顔がイマイチなんだよね。顎なくて変。
しかも30半ば女と50男の恋愛モノだよ。
この年齢設定は若者的にはどうなんでしょう?
私はダメだよ。ショタじゃないけど(笑)男は若い方が好きだよ(爆)
でもねー、海江田さん(←50男)恰好良いんだわ-。
そうだよ、男はビジュアルじゃないんだよ。
いや、作品中では美中年(老年?)なんだけど、絵が好みじゃないという意味でw
もうプロポーズのシーンなんかかなりツボ。
そうです。空手形振るような男信じたらあきまへん(笑)
格好良く生きてたら50になっても60になっても恰好良いよね。
男も女も。

そして異性として恰好良いというのには色気は不可欠だと再確認。
海江田さんはそういう点でもかなり恰好良いのだった。
下品ではない色気を身につけるのは難しいと思うのですよ。うん。

最終巻はドタバタと事件が起きて慌ただしく終わってしまいました。
元カレの狡さは本人が登場して薄れた気がするんだけど…
実際当事者ならほだされても仕方ないくらい活躍してたし、
「俺じゃなきゃダメなんだ」という思い込みだけで引くっちゃー引くけど(苦笑)
そういう狡い男に惹かれる系主人公がズルズル行かなかったのは漫画的。
ま、女は上書きの法則通りといえばそれまでだが。
別名で保存する女もたまーにいるからなぁ(苦笑)
主人公の男的思考はこういう辺りも男的かとちらっと思ったので。

若者ほど激しくはなく、淡々と関係は進んでいくんだけど
それでもやはり"恋"なのでジタバタしてしまうのですよ。
そんな感じ。

2010年03月04日

  ■使命と魂のリミット(東野圭吾)

使命と魂のリミット
大仰で気恥ずかしいタイトルだな…と思って読み始めた医療サスペンス。
人の命を預かるということは大仰で当たり前なのだった。

『人間というのはその人にしか果たせない使命をもって生まれてくる』
元警察官であった、主人公の亡父の言葉。
医者や警察官や企業のトップやベストセラー作家なら使命を実感できるのかもしれないが
日々平々凡々に生きている主婦には何やら異世界の単語のような気がしますw
自分にしか果たせない事があると思ってはいるけれど、使命と呼ぶほどのもんかどうかは謎。
その存在が誰かを幸せにすることや、誰かを愛することも使命なのかもしれないけどね。

使命だけでなく、信念とか誠意とか信頼とか良心とか、愛とか勇気とか、
たくさんの気恥ずかしい想いが溢れた作品。
素直に感動したいときにオススメ。

2010年03月02日

  ■帝都衛星軌道(島田荘司)

帝都衛星軌道
表題前後編の間に短編「ジャングルの虫たち」が挿入されるという変な構成の1冊。
前後編の間に(作中で)6年という時間があるとはいえ、何故1冊の本を3分割して2作収めるのか謎。

前編は不可思議な誘拐事件が描かれ、真相が気になるが
後編は島田氏のライフワークか?死刑問題と冤罪についての蘊蓄。

島田氏の描く刑事の無能ぶりにはちょっとヒク(苦笑)
受信範囲の狭いトランシーバーでの会話なのに
初動段階で犯人が移動しているという発想がないとかありえねぇ!
電車での移動で同じ車両に犯人がいる可能性完全無視、ないないない!
渋滞してるから移動手段がないってなんじゃーそりゃ、莫迦なの?真性なの?
どこまで悪意をもって無能に描くのか。
犯人を狡猾に描くのを避けたいのは解る。
だからといって警察側を無能に描いて犯罪の成功率を上げるのはどうかと…。

東京の地下網の謎とか、東京は縦横ではなく周回状態での移動になるとか
色々トリビアネタなことも書いてあって面白い部分もあったけど、それも結局は軍人批判に繋がる。

読者を楽しませる為よりも、自分の思想主張に重きを置いた作品。

2010年02月28日

  ■魔法使いの娘(8)<那州雪絵>

魔法使いの娘(8)
最終巻でした。
続編の「魔法使いの娘ニ非ズ」の連載が開始されてるらしいけどねw

1巻~序盤は生活無能力者のパパと初音ちゃんのオカルティック・ホームコメディ(?)だったのに
終盤はかな~りかなり重く、重いまま終わりました。
序盤から伏線ありまくりだったので予定通りの展開なんでしょうが…。

テーマは"赦す"なのか?
改心とか償いとか含めて、結構深いテーマなんじゃないか?
死刑問題とか…それは考え過ぎ?
# 考えが過ぎるって何だろ。愚に走らなきゃいいと思うんだけど。
# 過ぎたら愚になるのか(←愚の見本w)

兵吾の式神は恩返しにきたんだよねー。可愛いなー(笑)
テンテンはどうなったのか、小八汰はどうなったのか、
続編でまたハイテンションなコメディやってくれるといいんだけどな。

2010年02月27日

  ■霧の訪問者(田中芳樹)

霧の訪問者 薬師寺涼子の怪奇事件簿
シリーズ7冊目。
いつも通りの展開。

今回は化け物がなかなか出てこないと思ったら最後に登場。
姿は見せなかったけどね。
娘の正体に対するミスリードは上手いなぁ。
プライドって人によって色々で面白い。

田中芳樹の政治家叩きは毎度の事だけど
宗教と米国叩きも凄かった。
ここまで描いても許されるもんなんだね。

全体にしろ、一部にしろ、史実を元にしたフィクションを読むときに
いつも「どこまで信じればいいのか」を悩む。
史実を元にしているとはいえ、物語自体はフィクションなんだから
全く信じちゃいけないのかもしれないけれど
実在する人物名が出てきたらそれに関連するエピソードは多少は事実なんだろうし、難しい。
ああ、これを書き出すと事実と真実の違いとかも言及するはめになるね。
というわけで終了(いつもこんなだw

2010年02月25日

  ■楽園(上・下)<宮部みゆき>

楽園(上) (下)
模倣犯」から9年、ライター前畑滋子が主人公のスピンオフ作品。

12歳で亡くなった荻谷等が持っていたと思われる超能力の真偽。
そして、等が『観た』少女殺害事件の真実。
この二つを軸にして描かれた前畑滋子の取材記録。

犯罪ではなく、人間が描かれた物語なのだと思う。
9年前の傷を抱えたままゆっくり進み出した主人公。
子を亡くした親の想い。
子をかばう親の想い。
僻み。妬み。すれ違い。歪んだ愛情表現。
責任転嫁。自己防衛。譲れない矜恃。
伝わらない想い。
言えない言葉。
言わない言葉。
言ってはならない言葉。
言うべき言葉。
ちょっとしたボタンの掛け違いがいつの間にか全然別の道に進んでしまう怖さ。
決して他人事ではないありふれた日常とありふれた迂闊さ。

そんなことを色々考えてしまう作品。
年齢や、性別や、環境で全然感じることが違うんだろうなーと思う。
私はやはりどうしても母視点で物事を見てしまうからね。
思考が偏ってるな~と時々思う。仕方ないとも思うけど。

2010年02月21日

  ■プライド(12)<一条ゆかり>

プライド(12)
最終巻でした。
どろどろの愛憎劇を綺麗に収めて流石一条さんという感じ。
ベタベタで先が見える展開に突入してもなお号泣。
# 最近私は涙腺が壊れてますが、涙腺がやばくなるのも更年期ですね?怖い怖い。

いろんな形の愛情を描いていたのだと思うけど
萌の母親の愛情を萌が最後の最後に理解して
感動するシーンはちょっと綺麗すぎ。いや、哀れ。
愛情がなかったわけではないんだろうけど
ああいう風に子供が理解しなければならない愛情はどうかと思う。
酷い言い方をすればアレは萌の自慰でしかない。
相手に伝わらなければ、若しくは相手にとって益がある形に持って行けなければ
愛なんてものは無きに等しい。場合によっては有害ではなかろうか?
相手に不利益しか与えない感情を愛と呼んでいいのか?
# 愛なんてものは主観だからどんな感情も本人が愛と言えば愛か?
そんな押しつけがましい自分本位な思考で「愛している」と言い、
言われた方も「(幸せではなかったけれども)自分は愛されていたのだ」と納得する。
それも愛の形といえば愛の形なんだろうか。
親子関係でなければもう少し納得できたかもしれないが
客観的に言わせて貰えば虐待死させた親の「躾のつもり」という言い訳レベル。

男女の場合はお互いが納得してれば
どんな形でも愛なんだろうけどさ(笑)
共依存だって愛の形だろうさ。
男女ならな。
親子はダメ。
男女の愛と親子の愛は絶対チガウ。

本の感想とは思えない内容になってしまった。
年取ってもグダグダの脱線思考は変わんないのね。

  ■狂い咲く薔薇を君に(竹本健治)

狂い咲く薔薇を君に―牧場智久の雑役
副題にある通り、牧場智久シリーズ。中編3篇。
主人公が普通の高校生だからか、
元々はミステリ漫画の原作として作られた話だからか、
牧場シリーズにしてはあまりにも普通。
どちらかと言えば駄作。
最初のイニシャルの錯誤とかありえん。
無理矢理過ぎて痛い。
そしてどれも動機が弱すぎ。
安易な動機で猟奇殺人て…。
やっぱ普通以下。残念。

2010年02月12日

  ■海街diary(3)陽のあたる坂道(吉田秋生)

海街diary (3) 陽のあたる坂道
海街diaryの3冊目。
ますます絡んでくる人間関係と登場しないアライさんが気になる(笑)

今回はやはり風太君がカッコ(・∀・)イイ!!
視点を変える重要性と難しさなり。

中学生の淡い想い。
不器用なオトナの恋愛。
独り善がりと罪悪感と言い訳と…
あんまりキレイじゃない感情も淡々と描かれていて
リアルで切ない。

2010年02月09日

  ■君と僕。(1~7)<堀田きいち>

君と僕。 (1) 君と僕。 (2) 君と僕。 (3) 君と僕。 (4)君と僕。( 5)君と僕。 (6)君と僕。 (7)

表紙買いなので表紙並べてみました。キレイーv
ほのぼの癒し系。というか脱力系。
序盤はキャラがイマイチ確立してないしてない気がしたけど
徐々に個性が見えてくるとともに面白さも増してきた感じ。
私は3~4巻辺りからが面白かったです。

『僕らの春は、こんなにも青い』
ゆるゆるの青春ど真ん中漫画。

2010年02月08日

  ■バラ色の明日 完全版(全6)<いくえみ綾>

バラ色の明日 完全版
「潔く柔く」でいくえみ付いてしまったのでw

読み切り連載作品だそうで、1話完結物から始まってるけど
連作物も混じっててサブタイで分冊できそうな作品集。
全体を通したテーマは同じなんだろうけど、
同一作家の作品は基本テーマが同じなのはありがちだし。

暗い設定の話が多いけど、キャラがみんな前向きでトーンは明るい。
流して読めば癖のある人物大集合的な話で終わりそう。
でもリアルだと思う。
平凡な人生を送れる人ってあんまりいないよね。
みんないろんな物抱えて生きてる。
どうせ生きるならやっぱ前向きじゃないとね。

2010年02月04日

  ■潔く柔く(1~11)<いくえみ綾>

潔く柔く」が雑誌で完結したという記事を見て
「読みたいな~」とつぶやいたらmasatsu氏が貸し本屋で借りてきてくれました。
いや、単行本で完結してからでよかったんだけど(笑)←したと思って借りてきてくれたらしい。
いくえみ綾、何年ぶり?
「スターダスト3年目」と「街と人のロマンス」がまだ本棚のどこかにあるはず。
私が中学生くらいのときの作品なので27年前の本(苦笑)
当時は絵柄も影響されたな~。特に男子の髪型w
宮川匡代が好きで女子はそっちの影響が強かったからすげーちぐはぐ。
恥ずかしい通り越してやっぱりなつかしいw

そんな27年ぶりのいくえみ綾。
章(?)毎にいろんな人物の視点で描かれていく物語が
それぞれリンクしているという構成。
本来なら脇役でしかない人物たち全てが丁寧に描かれているし、
ひとつの物語を色んな視点から見るのが面白い。

視点が違えば印象も違う。
嫌なやつは「自分にとって」嫌なやつなだけで
「全ての人間にとって」嫌なやつではないのだと
改めて思ったり。←知ってるんだけどすぐ忘れるんだよ、私は(笑)
いい意味でも悪い意味でも誰もが持つ人間臭さがサラリと描かれていて
軽率なのも、偽善なのも、それがフツーだよねー、というカンジで、
いっぱい悩んだ若い頃に読みたかったかもしれん(笑)

いい本に出逢うといつも何故もっと早く出逢えなかったのかと思う。
でも若いときには理解出来なかったかもしれないとも思う。
そしてやはり出逢えたことに感謝する。
人生は限られていて、出逢える数も限られている。
出逢えた奇跡を大事にしたい。

2010年01月30日

  ■密室殺人ゲーム王手飛車取り(歌野晶午)

密室殺人ゲーム王手飛車取り
お互いハンドルしか知らない5人の人間がネット上で
実行済みの殺人に関しての推理ゲームを出題しあうという話なので
序盤は何とも言えない気持ち悪さを感じる。
ゲームの為の殺人の話な訳で、登場人物の言葉を借りれば
「殺したい人間がいたから殺したのではなく、使いたいトリックがあったから殺してみた」
理解出来ないから気持ち悪い。
自分の中で『これはフィクションなんだ』と唱えつつ折り合いをつける(苦笑)
ここまでしなきゃ読めないなんてどれだけ感情移入しながら本読んでるんだか>ワタシ

序盤の気持ち悪さをクリアすればかなり上出来のミステリだと思う。
各章毎の推理ゲームも楽しめるし、全体を通して徐々に見えてくる
各自の素顔に関しても意外性大で面白かった。
章タイトルも軽く遊びがあって楽しい。
ただラストは微妙。無難な終わり方かもしれない。
続編にどう繋がるのか楽しみ。
続編は2010本格ミステリベスト10の1位らしいです。
あんまりあてになるランキングとは思ってないけど(苦笑)

しかし、このタイトルは最悪。
ファンだから手にしたけど、フツーならこんなタイトルの本は買わないでしょ。
もうちょっと何とかならんかったんか?(´・ω・`)
ちなみに将棋は一切関係ない話ですw

2010年01月26日

  ■ソフトタッチ・オペレーション(西澤保彦)

ソフトタッチ・オペレーション
チョーモンインシリーズ9作目で5冊目の短編集(かな?多分)全5編。
短編集なのでやっぱりレギュラー出てこないし、
メインストーリーに絡まないし、
シリーズの設定(当たり前に超能力者が存在するロジカルミステリ)のみが重要っぽい。
でも超能力者を無理矢理絡めている感もあり(苦笑)
短編じゃなくさくさくと本編進めて欲しいなぁ…というのが本音。

表題のソフトタッチ・オペレーションは5編中では中編程度の長さ。
フェチ主人公のエロ物(笑)
岡島二人の名が出てきて(・∀・)ニヤニヤ
このフェチ系ってやっぱり作者本人の趣味が色濃く出てるんですかね?
別に私はフェチ差別しませんけどね。
自分が強要されなきゃ関係ないし、法を犯さなきゃ性的嗜好は個性だw
大体自分にもフェチ要素はあるしな。

あとはいつもの如く母子癒着物。
私は息子4人いるけどイマイチ理解出来ない。
1人息子で更に結婚したりすると多少は理解出来るんだろうか?
Naoki氏がサミシイ人なので(爆)息子の彼女というのがリアルに感じられないせいか
息子の彼女や嫁に嫉妬するというのがよく解らん。
娘に甘い夫にむかつく気持ちなら解るんだがなww

チョーモンインシリーズに顕著だと思うんだけど
トリック重視で動機は無視とか
推理してそれでほぼ正解なんだろうが事実は謎とか
そういうラストはワタシ的にはちょっとストレス。

全体的に、シリーズ物というのを考慮せずとも
ファン以外にはあまりおすすめしない。
私は大ファンなので楽しみましたが。

2010年01月13日

  ■君に届け<10>(椎名軽穂)

君に届け (10)
実写映画化だそうで、どんな風になるんでしょうね。
10巻はやっと"届いた"巻でした~。
長かったねぇ。
続くからには誤解したり誤解したり誤解したり(苦笑)するんでしょうが
くっついたり別れたりせずに続いてほしいです。

想いが溢れて止まらない。
怒濤のように溢れていても
絹糸のように細く静かに溢れていても
常に溢れているのだと
それさえ忘れなければダイジョウブ。

この作品は主人公の恋愛だけじゃなくて
友情も大切な要素なので
(友情の方が重要度上かも?)
くるみちゃんとの続きも気になるトコロ。

誠実さと無神経さは隣り合わせにあるようで難しいね。

2009年12月28日

  ■黒薔薇アリス(水城せとな)

黒薔薇アリス(1) (2) (3)」以下続
愛と繁殖のヴァンパイア・ロマネスク。
相変わらずグロな内容ですな(苦笑)
今回は虫が色々出てきてます。
蜘蛛とか蟻とかなので私はわりと平気。
いやタランチュラみたいなの触りたくはないけどさ。
見るのも嫌な人もいると思うので、それに比べれば平気。

繁殖はいいけど愛は難しいね。
奪うのも与えるのも見守るのも身を引くのも全部愛だよね。
難しい。
その点繁殖は解り易くていいです。
最近人間は滅亡に向かって突き進んでいるので
繁殖を怠る傾向にありますが(だよね?)
それも自然の摂理という気がしますし。
ん?やっぱり繁殖も難しいのか?(苦笑)

2009年12月23日

  ■放課後保健室<全10>(水城せとな)

放課後保健室」10冊大人買い~w
かなり水城サンにはまってますw

カワイイ絵柄とは裏腹に結構グロな内容。
出来れば避けたい自分自身との戦いの話し。
ファンタジー系のストーリーなんですかね。
自分自身との戦いなんだからグロで当たり前か-。
目を瞑ったままでいいならずっと瞑っていたいもんね。
でも戦わなきゃ生き残れないわけで、
色んな意味のある話しだと思うけど、
生きていること、生まれてきたことの重要性を説く内容かな?
"逃げちゃだめだ"な話しではある。
いや、戦うより逃げる方が辛いし面倒だし大変だよ?という話しか?(←ちょっとチガウ?
人は皆どんな困難にも立ち向かえるくらい強いんだよ。だから負けるな。という話だな。

2009年12月22日

  ■失恋ショコラティエ<1><2>(水城せとな)

失恋ショコラティエ( 1) (2)
窮鼠シリーズが気に入ってしまったので作者買い。
天然悪女に熱烈片思いの主人公が彼女を振り向かせるために頑張るお話。
取り敢えずチョコが旨そうw

やはり水城サンの作品は名言が多いと思う。
当たり前のことなんだけど改めて言われると納得してしまうというか…。
「恋は生理現象だよ!太陽を見て"眩しい!"って感じるのをやめようと思ってやめられる?」
だよねー。
客観的に見て「こんなヤツのどこが良くてそこまで想える?」なんて恋は
リアルでも腐るほどあるわけだし。
でもやめられないもんなんだろうし。
愛とか情とかとはまた別のモノだし。

2009年12月13日

  ■女王様と私(歌野晶午)

女王様と私
おたくでニートの妄想の物語。
援助交際あり~のリスカあり~のドールあり~のロリにペドにゲイで更に殺人。
もう現代の病満載(苦笑)
純粋なミステリとは言い難いけれど
読み進めるうちに何度か軽く騙されていたことに気付く。
終盤、おいおいそれは禁じ手だろう!とツッコミを入れたくなる展開になるが
妄想は最後まで妄想として読むしかないので最後まで読む。
最後の最後に現代らしいオチで終了。
ミステリの醍醐味は騙されるトコロにあると思える人には良作。
私はおもしろかったです。

2009年12月02日

  ■angels-天使たちの長い夜(篠田真由美)

angels―天使たちの長い夜
建築家探偵シリーズ番外編。シリーズキャラの一人(蒼)が脇役で出てくるお話。
番外編も含めるとシリーズ12作目ですね。
内本作含めて番外編が2冊。番外編はどちらも蒼の物語。

凄く正統派の本格ミステリを読んだという気分。
完全なフーダニット物でクローズド・サークルで、
キャラが皆ほんの少しリアルでない辺りw
1997年夏の高校生達。
まだ携帯電話は高校生にまではさほど普及してなくて、
ポケベルが存在している。
やはりオトナを小馬鹿にしていて、
コドモであることを武器にする。
犯人を探して、犯人を守る。
犯罪者を許して、犯罪者を告発する。

このシリーズは1作読み進める毎に最初から読み返したくなるんだけど
(当然そんな時間はないので思うだけ)
今回は1冊を読み進めながら何度も遡って読み返してしまいました。
これはトリックとかアリバイとかそういうのが気になって読み返すんじゃなくて
キャラの言動が気になって読み返したくなるわけで…。
本当にキャラが立った作品を書く人だと思う。
シリーズが文庫で完結したらやっぱり最初から読み返したいなー。
それまでは死なない(笑)

2009年11月21日

  ■窮鼠はチーズの夢を見る(水城せとな)

窮鼠はチーズの夢を見る (フラワーコミックスアルファ) 俎上の鯉は二度跳ねる (フラワーコミックスアルファ)
表紙を見てすっごく気になってたけどBLというので躊躇っていた2冊。
窮鼠はチーズの夢を見る
続編で完結編の「俎上の鯉は二度跳ねる
買ってしまいました。買ってよかったー。すげー泣いた。BLで泣いた。
いや、くくりとしてはBLじゃなくてレディコミらしい。
確かに主人公ノンケで女性も出てくる。
でも絡みは男×女より男×男の方が断然多い。
そしてかなりエロいエロエロ。エロいけどいやらしくないw

流されてばかりいて、本気で人を愛したことのない主人公が
本気で誰かを愛するようになる話、かなー。
続編での主人公の成長振りが凄いです。
ガッツリ体の繋がり描かれてますが純愛物。
男同士の恋愛で、主人公がノンケということで
男女の恋愛よりも主人公の苦悩と本気度が解り易い。
登場人物の台詞も名言多し。
色々考えさせられるイイ作品です。
ホント買ってヨカッタ。何度も読み返したい。

2009年11月14日

  ■赤い指(東野圭吾)

赤い指
加賀刑事物。
"赤い指"自体はイマイチ説得力に欠けるというか
3日も4日も赤い指のままいますか?(苦笑)という気がするんですが…。
そのあたりは措いといて。

推理モノというより社会派小説。
家族とは何ぞや?ですね。

とにかく主人公が酷い。虫唾が走るくらい嫌な男。
具体的には嫁姑の諍いだが、この主人公は母と妻の間に入ろうとせず、
逃げて流されて、どちらに対しても一片の誠意を見せず。
育児に関しても同様。目を塞いで耳を塞いで、不便を妻のせいにして、女に逃げる醜悪さ。
悪意がないのが一番性質が悪いという見本みたいな人間。
気持ち悪くて近寄りたくもないタイプなので、事件に巻き込まれても全く同情できないし
自業自得だと思う。、主人公の妻も勘弁してほしいくらい気持ち悪いので
この夫婦の子供ならこう育って当たり前だという子供が出てきて納得。
こんな一見平凡なキモチワルイ家族が主人公家族。
#男性が読めば悪妻を娶った気の毒な男が主人公としか受け取らないのかもしれん。
#実際そういうレビューを目にしてビックリした…。

事件に巻き込まれた主人公の選択がまたサイアク。
最後の最後までただ流されるのみ。
誰かに手を引いてもらわなければ一歩も動けず。
哀れなのは主人公の母。
きっとこんな人間に育ててしまった自分が情けないのではないかと。
そして犯人の母は決してそんな風には考えず、
ただただ夫を呪って生き続けるのであろう。

キモチワルイキモチワルイと書き続けたが
実はどこにでもいるのかもしれない。
せめて自分はキモチワルイ人間にならないように頑張りたい。

2009年11月13日

  ■ボトルネック(米澤穂信)

ボトルネック
雨が降る直前の曇天のような…
重くて、暗くて、でも雨ではなくて。
雨が降った方がいっそすっきりするんじゃないかと
そんな事を思わせる。

自分が生まれなかった世界へ紛れ込んでしまった主人公。
自分の代わりには自分の世界では生まれなかった姉がいた。
この世界にいるのが自分ではなく別の人間だったなら、
世界はどんな風に変わるのか。

細かいことを言えば、主人公は既に高校生になっているので
15年だか16年だかの間にもっと大きな変化があるはずだが
物語の中では一見大きな違いはないような「間違い探し」から始まる。
その間違い探しの残酷さが辛い。

ラスト1行があまりに残酷で、だからこそ主人公の行く末に断言が出来ない気がするが
感情移入できるタイプの主人公でもないので客観視して憐憫の想いを抱く自分に薄ら嫌悪。

2009年10月18日

  ■偽物語<下>(西尾維新)

偽物語(下)
シリーズ既刊ラスト作品。予定では後2冊刊行らしいです。

上巻ではよく解らなかった『偽物』の意味。
偽物は悪なの?
偽物には価値がないの?
偽物って何?

ずっと愛してきた偽物と、
初めて見た本物。
どちらかを選択しろと言われたらどちらを選びますか?
選んだソレはホンモノですか?ニセモノですか?

偽物でも、そこに愛があればそれこそがホンモノなんです。
そう断言するお話。

「(前略)おどれ、それどこにあるか、知らんけ?」
と初対面の女性に道を尋ねられた阿良々木君が即座に
『京都弁である』とか思っちゃってますが
京都弁じゃないと思います。
京都でもガラの悪い人は使うのかもしれませんが
普通、これを京都弁認定しないでしょー。
すっごい違和感あった設定でした(笑)
女性が「おどれ」って使うだけで違和感なので
敢えての汚い言葉なんでしょうが、ここまで汚いと
京都弁認定するには無理がありすぎる (^-^;
大阪でも通常会話では使わないと思われ>おどれ
つか関西以外の人に通じるんですか?>おどれ
あなた>きみ>>>おまえ>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>おどれ
ってカンジの単語ですが(笑)

2009年10月14日

  ■偽物語<上>(西尾維新)

偽物語(上)
化物語後日譚。
阿良々木君の妹たちの話。
でも妹たちの話と言いつつ前半は阿良々木ハーレムの話だったような(笑)
阿良々木君がカッコイイ場面があったり、
戦場ヶ原さんの素顔が垣間見られたり。
つか戦場ヶ原さん性格変わってる?
駿河はますます変態になってる?
撫子も真宵も羽川さんも変態化が進んでるようだし
どんどんヤバくなっていく物語であった。
面白い。

正義と悪に関しての蘊蓄はまぁまぁ…。
正義は人の数だけあるから争いはなくならないんだもんね。
それはもう当然のことだから。

2009年10月13日

  ■傷物語(西尾維新)

傷物語
化物語の前日譚。
化物語よりハードでスプラッタ。阿良々木君ホント変態(笑)
忍ちゃんの本名がホントに忍だったのに感心。
羽川さんは善人というよりやっぱりどこか変態だと思うんだよね。個人的に。
この話に出てくる人達って変態ばっかだもん。

2009年10月12日

  ■化物語<下>(西尾維新)

化物語(下)
上巻はアニメがあまりにも原作に忠実だったのでアニメの方が解りやすくて良いと思いながら読みましたが
下巻はアニメで観てない話とアニメでカットされてるエピソードが多かったので新鮮で面白かったです。
阿良々木と駿河との掛け合いはアニメでは脚色されてたしカットも多かったと思うので
随分印象が違ったし、逆に撫子の想いはアニメの方が強調されてたみたいでやっぱり印象が違う。
どっちにしろ阿良々木君の鈍さは変わらないが(苦笑)
初デートのシーンはアニメでも観てるけど改めて文章で読んだらやっぱり面白かった。
なんというか本当のエンターテインメント。
そして何気にオタク度を量られるような・・・。解らないネタが多くて残念(笑)

2009年09月27日

  ■化物語<上>(西尾維新)

化物語(上)
アニメを観て原作に興味を持ち購入を悩んでいたら
masatsu氏弟が原作を持っていたので借用。
アニメは原作にかなり忠実に作ってあるので
先にアニメを観たお陰で読みやすかったです。
完全にアニメの声とテンポで読んじゃってるので
前知識無しで読んだらどんなカンジなのかは謎。
多分、ストーリーよりもキャラの掛け合いがメイン。
私は2つ目のエピソードの"まよいマイマイ"がアニメで気になった発端ですが
原作もやっぱり同じ部分が好き。
でも原作よりアニメの方が好きですね。
やはりあのテンポが大事なのだと思う。
萌え声ももしかしたら重要(笑)

2009年09月25日

  ■かわいいころを過ぎたら アン18歳(青沼貴子)

かわいいころを過ぎたら アン18歳
今年の初めに息子くんの思春期ルポが出ましたが今回は娘ちゃん。
どこも息子より娘の方が派手なんだろうか…。
いや、派手な息子もいるだろうし、地味な娘もいるだろう。
でも大胆なのはやっぱり娘のような気がするなぁ。
大胆というか無謀?

アンちゃんはフツーよりも大胆な子ですが、
外見が派手なギャルでも中身フツーというのは何となくわかる。
中身も凄いギャルちゃんもいるけど、中身が凄いフツーっぽい子もいるし。
でもなー。外見は実は重要なんだよねぇ。
外見で判断されて悔しいキモチは凄くわかるんだけど
やっぱり自業自得というか、まず初対面の人間は外見で判断するしかないわけだしね。

どんな人間でも相手見て、数分数時間程度なら取り繕う事は可能だからね。
普通の格好して、取り繕った態度してれば他人は騙されるよね。
派手な格好して素でイイ子だとしても他人は疑うよね。
社会ってそういうもんだもん。

接客業やってたらお客様は従業員を格下に見るからわりと素の対応。本性見えます(笑)
だから本当に外見なんてアテにならないと思うんだけどねぇ(苦笑)
# 余談だがやはり類友というのは正しいのですよ。
# 価値観の近い人間同士がくっつくものなのだ。

2009年09月23日

  ■鉄腕アトム「地上最大のロボット」(手塚治虫)

原作は読まなくていいや、と言っていたのに
masatsu氏実家でmasatsu氏が原作を手渡してきたので読む。
「PLUTO」はもう全然別の話じゃんか。
アトムもウランも好戦的な性格してるし、
他のキャラも浦沢版ではかなり性格改善されてる。
名前が同じだけの別キャラが設定の一部だけを引用した
全然別の話に登場してるワケですけどー。
これは私の読解力不足のせいでそんな風に感じてしまうのか。
実は根底に同じ物が流れているのか?
深読みは苦手なので難しい。

2009年09月20日

  ■PLUTO(浦沢直樹)

手塚治虫の鉄腕アトム「地上最大のロボット」が原作の
浦沢直樹の「PLUTO」全8巻読みました。
原作は未読。
最初に、アレだけ有名なキャラのビジュアルをよくこんな風に描けるなぁーと感心したんですが
それは監修である手塚眞の要望だったようです。
ロボットをより人間に近いビジュアルにすることで何かを表現したかったのかと思いましたが。
ロボットのココロのモンダイテーマは実は私はナンセンスだと思ってます。普通でしょう?
なのでロボットをロボットだと思って読んでしまうとダメなのです。
彼等は単なる超人(笑)

なんかいいなーと思ったエピソードは原作を知るmasatsu氏に訊くと
どれも浦沢オリジナルらしくてやっぱり原作は読まなくていいやと思いました。

2009年07月31日

  ■さよなら私たち(香魚子)

さよなら私たち」表紙買い。マーガレットコミックスで驚いた(笑)
なんかそういうイメージじゃなかったので。Amazonに画像がなかったので楽天で探してみた。

カラーが綺麗。この↑画像はイマイチです。実物はもっと綺麗。
ぶっちゃけ本編の絵はそこまで綺麗じゃなかったが(苦笑)
でも透明度の高いカラー通りの透明度の高い作品。
リアルじゃないけど切ない短篇集でした。
私は全然知らない漫画家さんだったんですが
原作付き作品を描いてるらしいのでもしかしたらそこそこ有名なのかな?
香魚子はあゆこって読むらしいです。

2009年07月04日

  ■夏目友人帳8(緑川ゆき)

夏目友人帳 (8)
ストーリーも絵柄も特別好きというわけでもなく、何となく買い続けていた夏目友人帳。
今回の話は妖メインではなく、夏目の友人や家族等人間メインのお話でした。
今までの妖メインの話よりもこっちの方が好きです。
過去、背景かのように流してみていた友人の北本や西村を初めてハッキリ意識しました(苦笑)
アニメを観ていたmasatsu氏は「アニメでは結構頻繁に出てた」という田沼も
原作ではそんなに活躍してるように思えなくて、あまり親しみも湧かなかったんですが、
今回の話で背景扱いで読み流していたのが申し訳なくなって (^-^;
7巻以下を読み直してみたい気分になりました。
巷に溢れる妖怪退治物とは全然違う人情妖怪漫画でしたが、
ますます人情割合高くなって、妖怪漫画なのに癒し系ですな。

2009年07月02日

  ■MW-ムウ-(手塚治虫)

MW(ムウ) (1) (2)
映画前哨戦のテレビ放映を佐藤君目当てで内容全く知らずに録画依頼したら
masatsu氏の方が原作に興味を持ってコンビニコミックを買って来たので読みました。

私は何を読んでも手塚治虫の偉大さは欠片も理解出来ないんだよ(苦笑)

何が言いたいのかがまずわかんないし、あちこちにある矛盾が気になるし、
衝撃的と言われていたラストは何が衝撃なのかわかんないし。
御都合主義極まれりな展開じゃん?
ごめんよ。30年前に読んでたらきっと私も衝撃受けてたと思うんだよ。
この手の衝撃は幼い頃、何かの間違いで見てしまったホラー映画とか
所謂古典と言われるミステリ小説のラストとか、そういうもので充分堪能してしまった後なのですよ。
そして悪人と善人の象徴(らしい)主人公と神父。神父のどこが善人なんだか全くわからん。
「罰を与える事が救いにならない」と悪人を放置して被害者を増やしていくのは共犯行為だと思います。
実際自衛の為に完全に共犯行動に及んでるし。そこに肉欲まで絡んできたら何をかいわんや。
更に反戦テーマというのもチラリとどこかで目にしましたが、どこが?やっぱりわからん。
ということで私には理解出来ないのでした。おしまい。
録画して貰ったテレビは週末観ます。
映画は多分観ません。山田君の演技には興味あるけど。

2009年06月20日

  ■あずまんが大王1年生

あずまんが大王1年生
単なる新装版かと思っていたら、内容もリニューアルされているということで購入。
しかし私の"海馬壊れてるんじゃね?"な脳味噌で、手元にないメディアワークス版の記憶があるわけもなく(苦笑)
masatsu氏に「古いの憶えてないから違いがわかんねぇー」と言ったら
「読者の気持ちはともかく作者がわざわざリニューアルしてるんだから、
作者自身は『これがベスト』と思ってるわけでしょ。
じゃあ、過去作品気にせずにそのまま決定稿として読めばいいじゃない」と言われました。
まあね。どこが変わってるのかわかんなかったけど面白かったし。
でも補習より本編の方が面白かったのが正直な感想。
やっぱり昔の勢い(?当時の感性とか?)も必要なんじゃないですかね?

2009年06月14日

  ■モノレールねこ(加納朋子)

先日立て続けに読んで空気が加納状態(笑)なので最新刊「モノレールねこ」に突入。
30~50Pくらいの短篇が8作の短篇集。それぞれ単独のお話だけど全体的にみると家族テーマっぽいカンジ。
しんみりほのぼの系。小説なのに童話でも読んでるかのような。

解説の書き出しで「やっぱり泣いてしまった。またしても、ザリガニにやられてしまった」とあるが
ホントにザリガニの話で泣く。
うっかり捕獲され、とある家族の一員になったザリガニの一人称の物語。
表題作のモノレールねこは不細工でオマケにデブ猫が伝書鳩ならぬ伝書猫になるお話。
モノレール猫の由来はタルタルのスライムみたいなお腹で塀の上にいる姿w
どれも読みやすい文体でクスリと笑ってしまう描写が多々あるのに
やっぱりしんみり色々考えさせられるお話ばかり。
明るい話ばかりではないけれど読後感は全然悪くないので
加納さん未読の人にもお勧めしたい一冊。

2009年06月10日

  ■スペース(加納朋子)

ななつのこ」「魔法飛行」に続くシリーズ第三作「スペース

一読して、1作目の「ななつのこ」を読み返したくなったのでシリーズ最初から通して読みました。
# 1作目文庫が10年前だよ~。10年早いなぁ…。
北村薫の『私シリーズ』を彷彿とさせる設定の、けれど空気が違う。

主人公の日常とその中での謎と謎解き。
スペース」は中篇2作で
1作目が今まで通り主人公視点での内容。
2作目は同じ出来事を別視点で。
視点が違えば知り得る事が違う。
同じ物でも別の角度から見れば全然違う物になり得る。
その様子が面白い。
大きな事件があるわけでもなく、凄いトリックが使われているわけでもない
日常の謎ミステリなのに読み終えたらもう一度最初から読みたくなる、そんな本でした.

# 読み返してもあんまり記憶に残らないんだけどさ。
# クドリャフカの話を既に10年近く前に読んでいたとは…。
# 何故知識として蓄積させておく事が出来ないのか、私の脳は!w

2009年06月08日

  ■そして名探偵は生まれた(歌野晶午)

そして名探偵は生まれた
表題作他3篇の中短篇集。
内2作は00年と02年の初出時既読のはずだがあまり記憶になし(苦笑)
途中微かにトリックを憶えていたのに結末を忘れているというおバカぶり。
何度も楽しめてお得ということで。

表題作はメインキャラが性格に難ありで読後感の悪い作品。
ブラックジョークが好きな人なら好きな話かも。
私はイマイチでした。
トリックや動機は悪くないと思うんだけど、バタバタした雰囲気が苦手。
こういうのが苦手な辺り自分でもノリが悪いなぁ…と思う。

既読のはずの2作も読後感がいいとは言えないが
どちらもミステリとしては良い感じ。
「生存者、一名」は孤島物。
孤島で生存者1名という先の見えそうな話を予想外の方向に持って行き
更にラストでどちらとも解釈出来る一文を書いている辺り秀逸。
「館という名の楽園で」はそのまんま館物。
マニアが高じて館を建ててしまい更に同志集めての推理劇展開。
トリックは館物にありがちで特に目新しくはないけれど推理劇というお遊びなので
実際の事件として描かれるよりもリアルな感じ。

文庫で追加されたという「夏の雪、冬のサンバ」
キャラが立っていて読みやすい。
メインじゃないけどトリックの一部が同作家の別の作品のメイントリックと同じなのがイマイチ。
メイントリック自体もミステリではありがち。
リアリティはないw

2009年06月03日

  ■かわいいころを過ぎたら(青沼貴子)

かわいいころを過ぎたら
「ママはぽよぽよザウルスがお好き」リュウの思春期ルポ。

偶然発売を知りました。在庫のある間に知れてラッキー♪
「ママぽよ」シリーズ4冊とも持っている身としては買わねばw
「ママぽよ」の時もツッコミ所は色々あったけど
全体的に共感というか納得しちゃうエピソードが多くて好きでした。
『どこも同じだよね』という。
リュウ君はNaoki氏と同い年だから余計に。
今回も同様。
そうそう、思春期の男はこんなだよ、と思う部分多数。
『どこの子も同じなんだねー』と。
ま、私は青沼さん程息子の事愛してないけどね(苦笑)

2009年04月07日

  ■アイシテル-海容-(伊藤実)

アイシテル-海容-前編後編
来週から始まる連ドラの原作です。
1ヶ月くらい前から読みたくてAmazonと楽天でチェックしてたんだけど
ずっと在庫切れで、先日やっと重版された模様。
在庫あり確認直後ポチりましたw

少年犯罪の被害者と加害者家族の様子を描いた作品。
タイトル通り、海容に至るまでの様子。
母の立場で涙なしには読めません。
被害者の親は当然なんだけれど、加害者の親も悲しい。
完璧な育児の方法など誰も教えてくれない。
母親は万能じゃない。
そんな当たり前の事を切実に綴った物語。
最後は綺麗にまとまりすぎの感はあるけれど
前向きな人達の姿とその背景にある困難を思えば
読後感の悪くない終わり方でした。

2009年03月29日

  ■黒執事1~6(枢 やな)

黒執事 16」6冊大人買い~w
2巻辺りが出たところで表紙がかなり気にはなっていたんだけど
買うには至らないままココまで来たのに、妹が「アニメは面白い」と唆すから(笑)
ついつい買ってしまった。
2巻辺りで買ってなくて正解。
私は"設定が謎のままいきなり話が始まって、読み進めていくうちに徐々に明らかになる"系の話は
結構ストレスが溜まって苦手なので ^^;
1~2巻だけ読んでたら挫折してたかも(苦笑)
6巻まで読んだら続きが気になる状態になってます。
こっちはあんまりストレスにはならないデス。
普通はどうなんだろね。

『あくまで執事ですから』はバカバカしくて良い台詞だな~と思う。

2009年03月27日

  ■秋期限定栗きんとん事件(米澤穂信)

秋期限定栗きんとん事件〈上〉」&「秋期限定栗きんとん事件〈下〉
春期限定いちごタルト事件」「夏期限定トロピカルパフェ事件」に続く小市民シリーズ3作目。

夏に離れてしまった小鳩くんと小山内さんにそれぞれ彼女彼氏が出来て
主人公の二人は一切交流することなく始まる物語。
小鳩くんと小山内さんの彼氏瓜野くん二人の視点で交互に描かれた内容は
最初はほのぼの初期恋愛物なのに、段々と尋常でなくなっていき、
最後は主人公二人の人間失格ぶりが描かれるという酷い内容の話でした(苦笑)
頭の回転の早い人間がちょっと鈍い人間を小馬鹿にしてしまうというのを
こうもあからさまに描いてていいのでしょうか?
でもこの性格の極悪な主人公達を嫌わずに読み進められてしまうのは
やはりスイーツのお陰なのでしょうか?
シリーズが進むにつれ、主人公の性格の悪さが露呈しているというのに
主人公達の今後に幸あれと思ってしまうのです。
冬期限定がシリーズ最終巻になるのだと思いますが、ハッピーエンドであって欲しいです。

2009年02月11日

  ■ぼくらの(10)(鬼頭 莫宏)

9巻までNaoki氏の友人に借りて読んでいたが
その友人とNaoki氏が会う機会がなくて
読めるかどうか定かではなくなってしまった「ぼくらの(10)
このままでは「大人買いしてしまう!」と必死で自分を抑えていたところ、
某ま嬢wの直球な罠にはまってしまう(自分からはまりに行ったという説有)
たまたまカンパで貰ったギフト券があったというのもあり…。
要するに10冊一気に買いました!

どよよ~~~んと重すぎる話で、
今回読み返してやっぱりボロボロ泣きながら読んだわけですが
実は"感情移入"と言う程には物語の中には入り込めなくて
凄く客観的な目で見てしまっています。
設定が突拍子もないから当たり前かもしれないけど
これは物語の中の重要なテーマのひとつでもあるのではないかと思います。
"命の重さは個人の視点では平等ではない"という。
当たり前のコトなんですけどね。
これ、もっと若いときに読んでたらもっとしんどかっただろうなぁ…。

さて、10巻ですが、10巻は今まで以上に人間味溢れるエピソードが沢山でやっぱり泣くw
それぞれの悲しみ方、想い方、偲び方、共感しても理解出来なくても、
色んな形で人の想いはあるのだと思う。
ラストはちょっとビックリ。何がどうなってるのかよく解りませんでした。
えーっと、コピーは不可だったはずなので、
結局器が借り物だったというコトか?
元の中身が収まったということで、中身が違うので結局別物というコト?
表面的にはコレが正解と思ってますが…。もっと深い意味があるのかもしれん。
生まれ変わりの話とかも出てきてたし。
こういうのって深読みしようとしたらどんどん出来ちゃってコワイw

2009年01月10日

  ■散財万歳・・・?

昨年末DS Liteをチビに貸したら液晶を壊されてしまったので買いに行く。
やはりメタリック ロゼ。だってこの色が好きなんだもん。
因みに壊されたのは下画面。見事にヒビが入って悲惨な状態。
でも普通に動くし上画面は全然なんともないので今ではアドバンス専用マシンに(苦笑)
今更「メイド イン ワリオ」やってたり。
しかも何気にハマってたりw
# 液晶画面の修理って全然検討しなかったけどいくらくらい掛かるんだろ。

そして本屋ではmasatsu氏が
Amazon.co.jp: 聖☆おにいさん 1 (1) (モーニングKC): 中村 光: 本Amazon.co.jp: 聖(セイント)☆おにいさん (2) (モーニングKC (1720)): 中村 光: 本
↑コレを買うというので便乗買い。↓便乗の方が倍以上(爆)
Amazon.co.jp: 駅から5分 1 (1) (クイーンズコミックス): くらもち ふさこ: 本Amazon.co.jp: 駅から5分 2 (2) (クイーンズコミックス): くらもち ふさこ: 本
Amazon.co.jp: ちはやふる 1 (1) (Be・Loveコミックス): 末次 由紀: 本Amazon.co.jp: ちはやふる 2 (2) (Be・Loveコミックス): 末次 由紀: 本Amazon.co.jp: ちはやふる 3 (3) (Be・Loveコミックス): 末次 由紀: 本

聖☆おにいさん」は予想以上に面白かったです。
ナンセンスギャグなら苦手だなーと思ってたんだけど普通のコメディでした。
駅から5分」はくらもちさんらしい話。
くらもちさんの作品は昔の方が実は好きなんだけど
(私の中のベストワンは東京のカサノバ。古すぎw)
最近のものも深みがあっていいのかも。
絵はやっぱり雑になってる気がするんだけど…。
ちはやふる」は珍しい競技かるたという題材が面白い。
かるた自体に改めて興味を持つというコトはなかったけど(笑)
何事も極めるっちゅーのは凄いコトだなというのは改めて思った。

今回のセレクトは王道なのでw 堪能させて頂きました。

2008年12月20日

  ■生首に聞いてみろ(法月綸太郎)

生首に聞いてみろ
法月氏の作品は私には(読み進めるのに時間が掛かるという意味で)読み辛い作品が多かったんですが
この作品はわりとすんなり最後まで読めました。
以前読んだ有栖川氏の短篇に同じように石膏像の首が持ち去られるという話があったんですが
その解説で有栖川氏が「法月氏がこんな作品を書いてるのを知ってれば書かなかった(意訳)」みたいな文を見て
わりと期待してたんですが、特に期待を裏切られる事もなく、見事な伏線の数々もあり
本格モノとしての出来はよかったと思います。
これを読んでずっと放置していた「法月綸太郎の新冒険」をちゃんと読もうという気になりましたw

2008年12月10日

  ■エデンの命題(島田荘司)

エデンの命題
表題作と「ヘルター・スケルター」収録。
どちらも脳がテーマ?
最近の島田作品は脳の機能についての蘊蓄が多いです。
まだまだ謎が多いところに興味があるんでしょうか。

表題作はアスペルガー症候群の少年が主人公の話。
アスペルガーの特徴を旧約聖書の矛盾の話に絡める辺りが面白かった。

私は歴史にあまり興味がないので学生時代も成績は悲惨なモノだったし
常識レベルの史実も知らなかったりするわけで
史実の絡む話を読むとイマイチ理解出来なくて時々マズイなぁ~と思います。
何故なら史実を知らないので作家が史実を元に創作していても
境目が判らないからです。うへー。
どこからどこまでがノンフィクションでどの辺りかフィクションなのかわかんねぇ(苦笑)
別に深く考えずに流して読んでおけばいい時もあるけど
これが妙な形で記憶に残って、誰かの創作を事実であるかのように記憶してしまう場合もあり
もうこうなると益々人前で莫迦を晒す機会も増えようというもので・・・。
歴史でも何でも色々仮説もあり、何を信じるかは人それぞれという場合もあるんだろうけれど
それにしてもやはり基本的な部分を蔑ろにしていては信じる信じない以前の問題になるわけで
基本を知らないというのはホントに弱いことだなーと思います。
ああ、何が言いたいのかわからんね(苦笑)
多分、義務教育で教えてくれる事は凄く基本的な事なんだろうから
せめて最低でも中学生レベルの知識は完璧に身につけておくべきだなーと思うわけです。
要するに私は中学生レベルの知識が身に付いてないっちゅーことですが(苦笑)
中学生の頃にはこんなことには思いもよらず遊び呆けていたわけで
かといって今から中学生の教科書読み直すか?っちゅーっとそんなパワーも出ないわけで
我ながらなんだかなーな気分です。
どんどん意味不明な文章になっていくので終了(ぉぃ

2008年12月08日

  ■晴天なりシリーズ(藍川さとる)

ぷろぺら青空
異星人交差点(エイリアン・クロスロード)
自由になあれ
単行本6冊しっかり所有していて、
文庫3冊 内単行本未収録2作の状態。
悩んだ末に未購入であったというのに「トラッシュカン」を読んだら
やはり欲しくなってしまい
結局購入。バカバカ私のバカー。
つかこんな卑怯な売り方勘弁してくれー(苦笑)
でもシリーズ全作未読分も読めて満足ー。

主人公交代制のシリーズものですが
そりゃもう色々と考えさせてくれる素敵な作品なのですよ。
単行本1冊目は表紙買いしたんだった。
大当たりだった。
素敵な作品に偶然出逢えることのシアワセを思い切り感じさせてくれた。
10年以上経っても「やっぱりいいなぁ」と思える作品に出逢えた事、
「やっぱりいいなぁ」と思える感性を持ち合わせていた事、
色んなコトが凄くすごーくシアワセなのですよ。

2008年12月06日

  ■あわせ鏡に飛び込んで(井上夢人)

あわせ鏡に飛び込んで
文庫オリジナル短編集。
かなり古い作品群。
表題作は幻の名作らしいですが、ワタシ的にはイマイチでした(苦笑)

全編展開はなんとなくお約束なんですが、お約束だからこそ
そこに至までの描写で面白くもつまらなくもなると思います。
それにいくらお約束でも読者にある程度は謎を残してくれなくちゃつまらないし。
軽く読めてほんのり怖い作品集でした。

別れ話がイヤだからって瞬間接着剤で相手の手と自分の手くっつけちゃう話とか
ちょっと私には発想出来ないんですが(苦笑)言われてみたら怖い話だ。
皮膚と皮膚ピッタリくっつけちゃうと結構強力だよ、あれ。
病院に行けば剥がして貰えるんですかね?

2008年12月03日

  ■ジェシカが駆け抜けた七年間について(歌野晶午)

ジェシカが駆け抜けた七年間について
マラソン選手のお話。
私はスポーツ観戦に全く興味がないので、実はマラソン中継も5分以上見た事ない。(←見たうちに入らんw)
なので純粋にマラソン関連の事に関する記述は全然楽しめてないと思う。
やっぱりこういうのは本題でなくても興味のある分野とそうでないのとでは
文章を楽しめるか否かに大きく関わってくるんだろうなー。

事件自体は単純。
そしてトリックは微妙。アンフェアという感も否めない。
この手のトリックはどちらかと言えば好きなんだけど
事件が単純すぎて真相がわかったときに
爽快感より脱力感の方が大きかった。
そしてこのやたら長いタイトルはそれなりに意味があるというのに読後気付くw

2008年11月26日

  ■トラッシュカン(古張乃莉)

トラッシュカン
藍川さとる時代に突然新刊が出なくなってから10年(!・今回改めて調べてみてビックリだ)
改名後初の単行本は古い作品も含むノンシリーズ短編集でした。
御本人曰くのトラッシュカンだ。こういうベタなタイトルは好きw
独特の雰囲気は健在。今後どの程度活躍してくれるのかわかりませんが
出来たら「飛行×少年」完結させて欲しい。
でももう作品目録からもなくなってるし無理なんだろうなぁ…(´・ω・`)

2008年11月25日

  ■フェティッシュ(西澤保彦)

フェティッシュ
フェティッシュは"他人に触れられると仮死状態になる"という特異体質な少年。
見た者を魅了して止まない美貌の少年と彼に魅せられて道を踏み外してしまった周囲の人達の話。
サスペンスミステリーらしいw

少年の魅力はよく解らない。
フェティッシュだから当たり前か。
客観的には見た目が美しいというだけ。
特異体質の設定が西澤氏らしい。
あとはリアルすぎて全然エロくない性描写。
エロよりグロに近いのでマニア向けかもしれん(爆)
性描写はグロに、死はあまりにもあっけなく描かれる。

章毎にそれぞれ少年を取り巻く人達各自に焦点をあてて描かれていて
よくあるトリックなのに軽く騙される。
ラストは救いようがない。

守りたい相手を守りきれない
そんなことは珍しくも何ともないけれど
やはり目の当たりにすると哀れ。

2008年11月17日

  ■稀覯人(コレクター)の不思議(二階堂黎人)

稀覯人の不思議
何だかんだ言いながら読み続けています。水乃サトル学生シリーズ3作目。

多分作者本人の趣味に突っ走った内容(苦笑)
手塚治虫本コレクターのお話でした。
学生シリーズは20年くらい前の時代設定なので手塚治虫氏まだ御存命ですよ。
別に話には出てきませんが、コレクション対象物の作者が存命か否かでコレクターの意識や事情も変化しそうだし
この本に出てきた作品群も20年という時間だけではなく、益々稀少で高価な物になっているんだろうなぁ、と。
逆に時代のお陰で再販が許された物も有るようだしね。

# 関係ないけど本文中に説明があったにも関わらず、稀少本と稀覯本の違いが判りませんw
# あと「稀覯人」でコレクターと読ませるのは無理がある気がするんですがww

コレクターについて。
私は多分コレクターの資質は備えている。
何かにハマって、財政が許せばソレを集める気持ちは解る。
そして大抵の人間がそういう気持ちを持ち合わせていて当たり前で
それが特殊な感情とはあまり思っていなかった。
もしかしたら対象(この場合は本)に対する思い入れの違いかもしれないが
例えば全20巻の単行本の3巻から7巻までが好きだから(若しくは雑誌で読み逃したから等々)
という理由で3巻から7巻だけを所持出来るmasatsu氏が信じられない (>_<)
コレは有りなんですか?
一般的なんですか?
私は20巻物なら20巻全部揃わなきゃキモチワルイです。
1巻だけでも欠けるくらいなら全部要りません。
シリーズ物も途中で買うのを止めてしまった本がいくつかありますが
実は全部処分したいくらいキモチワルイです。
面倒臭いから処分してないだけで
私の中では既に蔵書外の存在になっているのです(苦笑)
こういう感情が特殊でコレクター寄りの感情なのか一般的なのか、
多分私の周囲にはコレクター寄りの人間が多いと思うので
一般的な答えは判らないとは思いますが…。
20巻物の3巻から7巻だけ所持とか出来ます?(苦笑)

これがもし一般的な事であれば、
コレクターの感情を重視した作品は動機も何も理解しがたい作品になってしまうなーと思ったりしました。

2008年10月07日

  ■蛍(麻耶雄嵩)

」ノンシリーズ長編。
麻耶氏はいつも突拍子もない設定のお話を書いてますが
今回は"リアルではないけれど麻耶氏にしてみれば地味"な印象で話が進んで
でもやっぱり麻耶氏なのでラストは二転三転混乱しそうな結末が待っていました。
地の文が多少読み辛いせいでトリックの一部は考えずとも早々にわかってしまうけれど
もしかしたらそれは敢えてわかりやすく書いて他から目を逸らせる役割なのかも…などと勘ぐってしまうw
賛否両論あろうかと思いますが、私は再度斜め読みして伏線の確認をしてしまうくらい感心しました。
しかしエピローグは大胆過ぎ。全滅じゃないところがまた気になるがそこに何か意味があるんだろうか。
所謂館物がキライでなければ楽しく読める作品だと思う。
フィクションなんだからリアルさよりも雰囲気が大事なんだよ、というヤツねw

2008年10月04日

  ■ぼくらの9(鬼頭 莫宏)

ぼくらの(9)」読みました。
宇白兄妹に関して。コエムシ兄妹に関して。色々盛り沢山でした。
うーん、コレってあちこちに伏線あったんだろうなぁ・・・。
この作品はNaoki氏が友人から借りて、その友人公認で私も読ませて貰ってるんですが
借り物なだけに読み返しが出来ないのであちこちにあったはずの伏線が気になります。
完結してから一気読みしたい作品だなー。いやいやいや。ダメだろ>私ww

色んな立場に立ってみて読むと切なさが沢山。
そう、誰もが自分の物語の主人公で
ある意味主人公には自分の物語の主導権がある。
でも他の物語で脇役やってる自分だって
その物語の中では主人公じゃないだけで
主人公並みに、もしかしたら主人公以上に
重要な役割を担っているかもしれない。
重要な役割の脇役が突っ走っていくのを止められない
そんな主人公もかなり切ない立場でしょう?(我ながらイミフw)

2008年09月24日

  ■ファンタジウム1~3(杉本亜未)

ファンタジウム 123
オススメされたので読みました。第二弾w
難読症のマジックの天才児が主人公。
この天才児の師匠の孫で平凡なサラリーマンも一応主人公?

大人目線と子供目線の違いの描写が面白い。
生い立ちのせいか妙に大人びた中学生と
やたら熱血なサラリーマン。
他の大人達も感情的だったり思慮が浅かったり
(でもよくいる大人)敢えてそんな風に描かれているんだろうけど
そのお陰で子供の冷めっぷりが際だっているカンジ。

マジックはキライじゃないのでマジックシーンの描写も面白い。
淡々と語る中学生マジシャンの台詞は色々考えさせられる。

学習障害、いじめ、大人の事情、色々と盛り沢山な内容なので
あまり薄っぺらにならないように続くといいなーと思いました。
# 3巻のラストは気になる!何があったんだ?

2008年09月23日

  ■町でうわさの天狗の子1~2(岩本ナオ)

町でうわさの天狗の子 1・2
オススメされたので読みましたw

当たり前のように天狗が存在していて、
その天狗と人間とのハーフが主人公という
突拍子もない設定。
なのにフツーにラブコメ。
そのフツーさがいいのかもしれん。
イイ男がいるのに幼なじみというだけでアウトオブ眼中(古っ)で
イケメン君相手に一人妄想して赤くなったり青くなったり、
心の闇をちらりと覗かせたりw
どこまでフツーの子やねん、というくらいフツー。
だからきっと可愛いんだね。

人間関係も面白いけど
キツネとウサギとタヌキが可愛くて気になります。
人型になるのはちと狡いだろ?w

2008年09月22日

  ■名探偵 木更津悠也(麻耶雄嵩)

名探偵 木更津悠也」木更津&香月コンビの連作短編集。
木更津悠也は自他共に認める名探偵です。
しかし彼を名探偵たらしめているのは所謂ワトスン役の香月なのです。
そういう話。

『名探偵を名探偵たらしめているのはその卓抜した能力故ではない。類い希なる自制心故である』

世の中色んなコトが紙一重で存在していて、
一歩間違えれば誰もが思ってもみなかった方向に進んでしまう可能性を秘めている。

人は誰かを蔑みながら同じ相手を敬う事すら可能な生き物なんだねぇ。

2008年09月21日

  ■コッペリア(加納朋子)

コッペリア
タイトル通り、人形に恋をした男の物語。
キチンとミステリで、しっかりラブストーリー。
悲劇に終わらないところがこの作者らしい結末。
物悲しかったり、結構悲惨な話のはずなのに読後感が重くない。

生きていれば人間は変化出来る。
昨日の自分より今日の自分をより好きでいられるように生きていければいいねぇ。
私には難易度の高い話だが(苦笑)

2008年09月20日

  ■猫丸先輩の空論(倉知淳)

猫丸先輩の空論
猫丸先輩シリーズ5冊目。

連作短編集。相変わらず強引な猫丸先輩。
一応日常の謎系の話なんだけどタイトルの示す通り、結末は空論なので
真実は定かではないという話。
猫丸先輩本人の人柄だけでなく、推理もかなり強引なので
「いや、それちゃうやろ?」と突っ込みたくなる説もあるが
かといって他に明快な解答が思い浮かぶわけもなく、
腑に落ちないままに何となく納得させられてしまうお話群。
2編目の書き方が倉知さんの本領発揮というカンジでヨカッタ。
やはり私は叙述トリック物が好きなのであった。

メモ:猫丸先輩シリーズ
日曜の夜は出たくない
過ぎ行く風はみどり色
幻獣遁走曲
猫丸先輩の推測

2008年09月14日

  ■ぼくらの1~8(鬼頭 莫宏)

ぼくらの (1)~(8)」
Naoki氏が「面白いから読む?」と持ってきたので読みました。
一切予備知識ナシで読み始めて、最初はありがちな話だなーと読んでました。
『選ばれた子供達が巨大ロボットで世界を救う為に戦う』ってヤツね。
# しかも「面白いって何が?」と思いつつw
それにしては14人(15人?)の子供達は多すぎでは?とは思ったけど…。
1巻終盤でスンゲービックリ。読み進めて更にビックリ。
ああ、面白いの意味が違ったよ・・・orz
(↑単純に笑える話かと思ってた ^^;)
かなり悲惨な設定で進む物語。
続きが気になるという意味で『面白い』
読み手が何を感じるかで全然違う物語になりそうな…。
これがアニメ化されてたっちゅーのも凄い話だな。
完結してないのでアニメと原作は別物なんだろうけど
結末は関係なく、この話がアニメ化ってのは凄い。

2008年08月27日

  ■よつばと!8(あずまきよひこ)

1年ぶりくらい?の新刊「よつばと! 8
今回も笑わせて頂きました。
もう8巻なのにクオリティが落ちる気配がないのが凄い。
よつばは勿論、周囲の人達の反応が素晴らしすぎる。
ほのぼのというのとはちょっと違う。でも癒し系漫画。
未読の人には本気でお勧めする。

2008年08月14日

  ■容疑者Xの献身(東野圭吾)

容疑者Xの献身」ガリレオシリーズ3作目。シリーズ初長編。

ガリレオシリーズは私の中では評価がイマイチで、
別に福山のファンだからと言うわけではなく、
絶対にドラマの方が出来がいいと思ってたわけですが、
容疑者Xの献身」はヨカッタです。直木賞受賞は伊達じゃないと思いました。
そして逆に映画化はどうなのよ…という気分です。
まずキャストが納得出来ないし(苦笑)
# 石神が堤真一で工藤がダンカンてどうなのよ ^^;
テレビドラマ同様原作と映像は別と思って観るべきなんでしょうが…。
でも前2作とは違い今回は湯川=福山で読みました、私は。
私より先に読んだmasatsu氏は湯川≠福山だったらしいですけど。

"彼は論理的でありさえずれば、どんな冷酷なことでも出来る男なんだ"
倫理的な問題について。個人的に。
自分の大切な人の命は赤の他人の命とは比べモノにならないくらい重いです。
見知らぬ外国で100万人死ぬより、大切な人一人が死ぬ方が重大事件なんです。
だから私はアリだと思います。

無償の愛と献身について。
基本的に全ての感情は自己愛から発生すると思っているので
"これが愛か?""エゴでは?"という意見もあるらしいですが
ワタシ的には愛もエゴで当たり前。
色んな形があるけれど、全て利己的。それが愛。
無償も献身も自己陶酔。
だから時に相手にとっては迷惑な結果になるのであろう。

全員が利己的に動いた結果、かなり不幸なラストになってしまったけれど
人間だから仕方ない。みんな何かを愛した結果なのだから。

二階堂氏の「これは本格ではない」発言は有名らしいですが
娘重視の部分はどうなんでしょう。
確かに石神の愛は靖子一人に対してではなく
靖子・美里母娘に対してだったとは思いますが。
最後に描写された美里の行動の動機が気になります。

人が誰かを特別に想う、
きっかけは本人以外にとっては凄く些細なことなんですね。
でも本人にとっては世界が一変してしまうんですね。
ただ存在しているだけで誰かの人生をすっかり変えてしまう、
誰もがそんなチカラを持っているんですね。
生きているっていうのはそれだけで凄い事だったりするんですね。
なのに見知らぬ他人の命を重く受け取れない私は
どこかに欠陥があるんでしょうか?
って誰だって何か欠けてると思うし、
自分が特別なわけではないんだろうけど
凄く大切なモノが欠けてる可能性もあるのかなー、と。
まとまらないので終了w(いつもこんなだ。なに?この書き捨て)

2008年08月12日

  ■綺羅の柩(篠田真由美)

綺羅の柩」建築探偵桜井京介の事件簿10冊目。
舞台はタイとかマレーシアとか。地理音痴の私にはよくわかりません。
地理得意だったり、旅行好きだったり、そういう人が読めばきっともっと楽しいんでしょう。
ああ、世界史の知識も必要かもしれませんね。
こういうのは歴史的な背景も知ってるのと知らないのとでは全然印象が違ってくるでしょうし。
そんなわけで国外の描写部分は流し読み(苦笑)
重要なのはきっと人間関係の方なので、舞台に関する記述が多少理解出来なくても大丈夫だと思う。

人間関係を円滑にするのは理解と思い遣りで
人間関係を崩すのは誤解と思い込み。

世の中に利己的ではない人間が果たして存在するのか。
全ての行動は自分の為に。
それを相手も望んでいれば問題なく、
相手が望んでいなければ迷惑行為。
行動の善悪を決めるのは自分ではなく対する他人。

2008年07月21日

  ■夜光曲(田中芳樹)

夜光曲 (薬師寺涼子の怪奇事件簿)
活字離れ(?)発作の原因の某小説を放置して活字復帰リハビリに薬師寺涼子w
薬師寺涼子6冊目。段々勢いがなくなってくるのは仕方ないのか?
読みやすいのは相変わらずだが今回は特筆すべきシーンもなく、イマイチ。
つまらなかったとまでは言わないけれど・・・という感じ。

コレと併せて「女王陛下のえんま帳―薬師寺涼子の怪奇事件簿ハンドブック」も読んだけど
こちらのオマケ小説の方がお涼さんのお姉さんが出てきたりして面白かった。
西澤ファンとしては特別寄稿の文章はちょっと変態色濃すぎて辛い。
西澤氏の小説を知らずにこの寄稿文を読んだだけの人は
多分彼の小説を手に取ろうとはしないだろうと思われ。
いや、色物スキな人なら違うのか・・・うーん、私の好みじゃないというだけか(苦笑)

同時進行でアニメも2本観ましたが、こちらもイマイチな感じ。
オリジナルストーリーでオリジナルキャラが出てきて、理解し辛い。

言わずもがなだが全て私の個人的な感想。

2008年06月25日

  ■ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない(黒井勇人)

ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない」書籍化したので感想。
私はまとめサイトで読んだわけですがw
電車男と同じく、実話だろうが創作だろうがどっちでもいいんだと思います。
要は面白ければ。ブラック会社のマ男さんは続きが読みたくなる書き方が凄くお上手。
書籍でもまとめサイトでもなくリアルタイムで読んでた人達は
この不定期連載をかなりワクワク楽しみにしていたんじゃないかと思います。
退屈せずに読ませて更に最後はちゃんと感動する展開でした。
ぶっちゃけ私は泣きました(苦笑)
ところでプログラマーってそんなに大変な職業なんですか?w
masatsu氏は恵まれてるのかー。
masatsu氏はプログラマーじゃなくてSEらしいですけど。
# らしいって…(苦笑)

2008年06月20日

  ■悪魔の花嫁-最終章-1(あしべゆうほ・池田悦子)

巷ではやたらと評判の悪い ^^;「悪魔の花嫁最終章 1
悪魔の花嫁 1」の初版が1975年で最新刊(?)の「悪魔の花嫁 17」でも初版1990年。
33年前~最新で18年前。そりゃ作画も変わるのは仕方ないんだと思います。
内容の劣化はともかく、悪魔の花嫁はもう続きが読めると思っていなかったので
"最終章"というタイトルで再スタートしただけでも私は嬉しい。
最終章というからには是非、ダラダラ意味もなく引っ張るのではなく、
完結に向かって突っ走って欲しいモノです。
無事最終話が読めますように (-人-)

2008年06月16日

  ■惣領祭w

読み始めた小説がどうにもこうにもつまらなくて、
ついつい手近にあった「太陽のイヂワル」を読んでしまったらそこから惣領祭に突入 ^^;
手元にない「ピンクなきみにブルーなぼく」と連載中の「チェーザレ―破壊の創造者
それともう何度読み直したか解らないくらい読み直した「ボーイフレンド」以外の67冊(多分・・)読み返してしまった。
傍らに病児を抱えて漫画を読み耽る40女。他人様には見せられない姿かもしれん(苦笑)
しかし時々こういう風に衝動的に読み返したくなるからどれもこれも処分出来ないんだよなー。
もう2200冊オーバーで保存も大変だが読み返すときの発掘も大変だw

2008年06月01日

  ■クドリャフカの順番(米澤穂信)

氷菓」「愚者のエンドロール」に続く古典部シリーズ3作目。「クドリャフカの順番
クドリャフカは宇宙に初めて行った犬の名前らしいです。
別に本の内容には特に関係のないタイトルだと思います。
重要な小道具ではあるんだけど。

先に読み終えたmasatsu氏が『「氷菓」の内容を憶えてないので読み返そうと思う』と言うので
当然ながら同じく全然前作を覚えていない私は先に読みました。
シリーズモノは間があくと内容忘れちゃうのが多くて困る。
一気読みがベストだけど小説ではなかなか難しいですね。
# 前作から読み返したいので読めないまま放置してる本が何冊か・・・。
# 300pくらいならすぐだけど600~700p以上あるとちょっと覚悟が必要 ^^;

前2作は主人公視点で、今回は古典部の4人視点で話が進むので
主人公以外のキャラの内面が見えてシリーズモノでの楽しみが大きかったです。
高校の文化祭期間が内容なのでイベントの描写も楽しかったv
このシリーズの謎解きよりもほろ苦青春小説色が濃いのも健在。

2008年05月28日

  ■さまよう刃(東野圭吾)

さまよう刃
妻を亡くし、男手一つで育ててきた一人娘を蹂躙され殺された父親が犯人の少年を殺害、
残る一人にも復讐するために逃亡しつつ犯人を捜す様子を書いた長編小説。

正義とは何か?がテーマですかね?

警察関係者が
「警察は市民を守っているわけじゃない。
警察が守ろうとするのは法律のほうだ。
(中略)
ではその法律は絶対に正しいモノなのか」
というくだりがあって、誰もが思うことなんだろうなーとしみじみ。

正義とは何かの答えも当然ない。
常に模索しながら生きて、
答えが出ないまま死んでいく。
そしてその過程で理不尽な倫理観を世間に押しつけられ、
精神を病んだまま空虚な生涯を送る事を強いられる人達が沢山存在する。

私も含め、当事者ではないので遺族の想いは計り知れないけれど…。

加害者の少年は己の欲望の為だけに拉致監禁薬物投与強姦を犯し
人の命も虫けら以下に軽く扱うという描かれ方をしていて同情の余地は一片もない。
けれど彼等にも親はいて、その親たちは何とかして彼等を救おうとする。
その親の気持ちも全く解らないではない辺り、少年の残酷さと親の無力さが切ない。
現実に「我が子は絶対犯罪など犯さない」と言い切れるか?
信じる信じないの問題ではなく、
犯罪にも色んな種類があるという事を踏まえて、
私には言い切れない。
だから被害者の親も加害者の親も切ない。
少年犯罪に携わる警察関係者はもっと切実にやりきれなさを感じたりしてるんだろうか。

2008年05月18日

  ■幻夜(東野圭吾)

白夜行」の続編らしい「幻夜
三部作の一部二部らしいけど全然別の話として読んでも問題はナシ。
白夜行の登場人物と幻夜の登場人物を同一人物として読むのもアリ。
というカンジ?
作者の意図は不明。
そして幻夜の主人公の目的も不明。
何故そこまでするのかよく解らない。
三部作なら最後でもう少し主人公が理解出来るといいんだけど…。
ただ、白夜行と幻夜、同一人物としか思えない描写があるにも関わらず
イメージがかなり違うのは私が勝手に白夜行のキャラを美化して読んだからなのか
徐々にそのキャラの本性を見せる書き方をしてるのか…。
多分前者だな ^^;

Amazon.co.jp: 白夜行 (集英社文庫): 東野 圭吾: 本Amazon.co.jp: 幻夜: 東野 圭吾: 本
2冊並べるとイイカンジ。白夜行の帯が邪魔。

2008年05月17日

  ■白夜行(東野圭吾)

白夜行」文庫化が2002年5月なので2002年中には読んでるんだけど
今回は「幻夜」を読む為に再読。
再読してヨカッタ。内容殆覚えてなかったし、何故か全然関係ないシーンを白夜行のワンシーンとしてビジュアル的に記憶していた。
凄く鮮明なんだけど一体何のシーンなのか思い出せない。何故白夜行のシーンとして記憶されてるかも謎。
2年前にドラマ化されてるけどドラマは観てない。ただ所々チラ観したような気もするからそのせいなのか?
雪原と山小屋みたいなシーンドラマにありましたかね?
全然別の小説のワンシーンなのかもしれないな。私の記憶力はそのくらい莫迦だ。

怖ろしく頭が良くて、行動力があって、心のない主人公達の生き様。
描写は主人公達よりも、主人公に翻弄される周囲の人達視点なので
主人公達が何を考えているかは全く謎。
個人的に気になるのは二人の間に愛はあったのか否か。
愛の定義にもよるけどね。
主人公はどちらも鬼畜だけど嫌悪感はない。
どちらかというとヌルイ生き方に嫌悪感を抱くせいか?
自分がヌルイ生き方してるせいだな(苦笑)

2008年05月12日

  ■黒笑小説(東野圭吾)

ブラックユーモア短編集3作目「黒笑小説
前作、前々作の「怪笑小説」と「毒笑小説」同様、
世間の評価的には低くないのにワタシ的にはイマイチ。
ブラックユーモアに笑えずにちょっとヒク。
悪意のない怖さが上手く描かれていると思うけど、やっぱり笑えず。
後味が良くない。
唯一極々平凡なよくある話的内容の「シンデレラ白夜行」はわりと好き。
考えてみれば加害者被害者どちらにも悪意がないから後味が悪いのかー。

2008年05月11日

  ■宇宙神の不思議(二階堂黎人)

宇宙神の不思議
水乃サトルシリーズ。買いそびれていて、買おうかどうか悩みつつ、結局買ってしまった。
700ページあったので結構読むのに時間が掛かりました。
年々本を読む時間が上手く作れなくなっている~。

社会人編よりは学生編の方が好きかも。
莫迦な言動も若いから許せる心理?
新興宗教団体と宇宙人が絡まり合うかなりアヤシイ内容。
最終的には論理的で決してSFなんかじゃなく本格ミステリだけど。
トリックや謎自体は特に難しくもなく、途中で何となく気付く。
主人公とその周辺の人物との会話が退屈せずに楽しめるので
長かったわりには読むのに疲れを感じたりせず楽しく読めた一冊。

2008年04月20日

  ■Papa told me~街を歩けば (榛野なな恵)

27巻が出たのが2004年の1月。雑誌は全然見ないのでもう新刊は出ないのかと思っていましたが
出ました。「Papa told me~街を歩けば」27巻以降の作品が収録されているという事で、実質28巻です。
今回もパパと知世ちゃんのラヴラヴなお話でいっぱい。
知世ちゃんは何だか以前より食いしん坊になった気がするw

以前からちょっと不思議なエピソードはあったけど今回は不思議とリアルがクロスしてて
夢オチや想像の世界とは違ってちゃんと現実に不思議な事が起こっている、という書き方が微妙。

古本屋さんのお話は素敵。個人経営の小さな古本屋は最近見る事がないけど
小さな古本屋さんには沢山宝物がありましたね。

続きが読めないと思っていた本の続きが読めて嬉しいv
「くにたち物語」と「悪魔の花嫁」も雑誌に掲載されたようなので
早く単行本になって欲しいな~。
そういえば「ガラスの仮面」は完結するのだろうか…。

2008年04月10日

  ■もやしもん(石川雅之)

幼稚園が入園式で在園児は休園なのでチビズを連れてショッピングセンターのゲームコーナーへ行く。
が、その前に本屋w
表紙だけ見てイマイチ好みの絵じゃないしな~と敬遠していた「もやしもん―TALES OF AGRICULTURE 1~6」
アニメの菌劇場↓

を観て菌があまりにも可愛かったのでついつい1巻購入。
ゲームコーナーでチビズを乗り物に乗せてパラ見したら面白そうだったので
結局その後本屋に舞い戻り残りを大人買い ^^;

やっぱり菌がラブリーだわ。
特に直保に話し掛けるオリゼーがv
いや、菌以外のキャラも凄くイイ。
美里や川浜なんて回を追う毎に良くなっていくし、
女の子キャラも多分女好みの可愛さw
大人買い、後悔せずにすむ内容でした。

ところで私はいつもの如くフツーに帯は読む前に捨ててしまったのですが
実は帯は重要なんですかね?
しつこいくらいに余白に『帯希望者は編集部へ請求せよ』とあるんですが…。

2008年04月08日

  ■モロッコ水晶の謎(有栖川有栖)

火村&有栖・国名シリーズ「モロッコ水晶の謎」中篇三編と掌編。

偶然の重なりを御都合主義と思うか、偶然の重なりこそがミステリと見るかは読み手の自由。
ちょっとしたツッコミ所に目を瞑ればどれも楽しめる作品。特に掌編がオチまで見事。

火村シリーズは途中ちょっと質が落ちた感が否めなかったがこの数日読んだ作品辺りから
持ち直してきたという世間の評価通り、シリーズ中盤の"無理矢理読んだ気分"なく読めて○
シリーズの核であるはずの火村の感情についての話もそろそろ読みたい。
いつか書かれるんだろうか?

印象に残ったのは『人は、親しくなった友人に打ち明け話をするのではない。
このように通りすがりの者に人生の重さを戯れに吐き出す』というくだり。
そういうもんだよね。
かなり親しい友人の過去や家庭環境はあんまり詳しくなかったり。
そして時々、通りすがりのはずの人が通りすがりでなくなったりw

2008年04月07日

  ■白い兎が逃げる(有栖川有栖)

火村&有栖シリーズ「白い兎が逃げる」表題の中篇一篇と短篇三篇収録。
アリバイ崩し、意外な動機、ダイイングメッセージ、鉄道ミステリ とバラエティに富んだ内容。

中篇は短篇と違ってキャラがある程度突っ込んだ描写をされるので背景が解りやすい。
感情移入もしやすいし、意外性も感じやすくて楽しく読めた。

ダイイングメッセージは重要なある事実を私が全然知らなかったので
あとで確認してみたら書かれている事実以外にも表記があってビックリ。
色々知らないところで変わってるんだな~と。(ネタバレだから詳しく書けないので意味不明ですね ^^;

意外な動機は私はそんなに意外には思わなかった。実際そんな意外じゃない気がするんだけど…。
現実的ではないのはおいといてw

全体的に飽きずにすんなり読める読みやすい作品集でした。

2008年03月24日

  ■スイス時計の謎(有栖川有栖)

国名シリーズ7冊目「スイス時計の謎」。
火村&有栖川シリーズ13冊目?(よくわからんw)中短編集。
火村モノがあと2冊あるのでたまりすぎる前にと思い手を付けたら実は途中まで読んで放置してた。
4編中2編を読んだところで放置してたらしい。
最初の「あるYの悲劇」はアンソロジーで数年前に既読。
謎自体はちょっと苦しいダイイングメッセージ。
でも苦しくないダイイングメッセージは見た事ないので(笑)実は普通のダイイングメッセージ?
2編目の「女彫刻家の首」は途中で飽きたくらいなので私はイマイチ。
何故犯人は被害者の首を切ったのか?というヤツ。
未読本の中に法月綸太郎の「 生首に聞いてみろ」があり、
あとがきで『法月さんがこんな緻密な長編を書いていると知っていたらこっちは逃げたのに』とあるので
生首が同じような内容だとイヤだなと思った。
3編目「シャイロックの密室」は叙述物。バカバカしいトリックだけど叙述物は好きなのでラクに読めた。
最後は表題作。一番論理的な謎解き。
謎解き過程で「あ。そうか」とやっと思う私は何も考えずに読んでるのがまるわかりw
折角本読むんだからもっと頭使って読めよ>私。
読書するのに目しか使わないってどうなのよ ^^;

2008年03月19日

  ■謎亭論処(西澤保彦)

謎亭論処"めいていろんど"―匠千暁の事件簿」タック&タカチシリーズ短編集。
西澤氏のデビュー作「解体諸因」と同系の短編集。
シリーズメインキャラ4人が出てくるものの時系列的にはバラバラで作品毎に別キャラの一人称。
収録作品も殆どが「「解体諸因」と同じ時期に書かれているのでまだキャラ造形も固まっていない感じ。

時系列バラバラで傾向も色々な作品なので余計に感じるのかもしれないけど、
どうもシリーズ通してもキャラのイメージが固定されない ^^;
内容は推理の段階で終了しているのでそれが真実かどうかの追究までされていない。
探偵が「こうだ」と言えばそれがまさしく正解なのかもしれないけれど、
想像や偶然で処理される事象も多く不完全燃焼感がやや残る感じは否めない。
軽いのか重いのかも判断し辛い内容もあり。
要するにミステリとしてはビミョーw
ファンじゃなければイマイチなのかもしれませんが
私はシリーズのファンなのでそれなりにキャラの背景を想像して楽しめました。

2008年03月17日

  ■犬はどこだ(米澤穂信)

犬はどこだ
米澤氏初の社会人が主人公の小説。しかも探偵。
当人は迷子犬探し専門の調査事務所を開設したつもりなのに最初の依頼が人捜し、
更に押しかけ助手と二件目の依頼も舞い込んでなし崩しにハードボイルドしてゆく展開。

押しかけ助手の半ぺーがイイキャラです。
登場時は軽めでお莫迦っぽかったのに莫迦じゃなくて不思議とどんどん格好良くなっていくキャラ。

軽めな話だと思ってたらいつの間にかかなりハードな内容になってて
ラストは大どんでん返しとまではいかないけど「こうくるかっ!?」という感じ。
主人公の行動をどう思うかは人それぞれだろうけど、私は特に嫌悪感を抱く事もなく。
非難されるかもしれんけど私は自己保身は重要だと思ってるので
自分を守る為に他人のことを構ってられないのは当たり前。
場合によっては悪意なく他人に不利益を与えてしまうかもしれんが
自分を守る為に必要ならば仕方ない。
利己的な考え方だとは思うけどね。自分が壊れたらおしまいだもん。
自分に余裕があって初めて他人を思い遣れる狭量な人間なのですよ、私は。

2008年03月16日

  ■永遠の誘惑(前原滋子)

永遠の誘惑112」全12巻、やっと完結しましたv
1巻が出てから丸9年!しかも4巻までは毎月1冊。5巻はいきなり3年後という。
いつ続巻が出るか全く謎でスリリングな刊行でした(苦笑)
実際途中で刊行に気付かず買い遅れたときがあったと記憶している。
無事完結してくれて嬉しいです。

大人の女性の為のラブストーリーと銘打たれた作品。
30代後半の主人公(達)の学生時代の恋愛の回想から現在の恋愛の様子。
格好良すぎる30オンナの昼ドラ並の波瀾万丈な恋愛モノですが
非現実的な描写も多々あると思いつつも10代20代の時には解らない感情に共感しながら読みました。
テーマが「若けりゃいいってもんじゃない」ってヤツなのでw
若い人が読んだらどう思うのか謎ですが ^^;
30代以上の女性へのエール漫画ということで、やっぱり中高年女性向け。

「年齢すらも宝石、そんな女になりたいね」と。
いつまでも若い人と同じトコで勝負する必要はないよねw

2008年03月11日

  ■弥勒の掌(我孫子武丸)

一番好きな作家を問われると岡嶋二人というのは不変で、どの作品も甲乙付けがたいくらい好きだけれど
もし誰かに「どうしてもオススメのミステリーを教えてくれ」と請われれば
一番に倉知淳の「星降り山荘の殺人」を。
そして次に我孫子武丸の「殺戮にいたる病」を挙げてしまう。
そんな我孫子氏の「弥勒の掌

意外性を期待すれば読後感は二の次になるのかもしれない。
読み始める以前から帯と背表紙で散々"意外な結末"を強調してるんで当然期待。
騙されないようにしよう等とは思わない、どんな風に鮮やかに騙してくれるかを期待。
確かに騙されました。
でも酷い裏切りではないんですね。
序盤から感情移入出来ない主人公だったからかもしれません。
主人公に感情移入していれば酷い裏切りに思えたでしょう。
でも感情移入出来るような主人公ならこんな風に裏切るはずもなかったから
やはり感情移入出来ないのは正しかったわけです。
あんまりいないと思うんだけど、この主人公に共感出来る人が読めば
これって全然違った読後感を抱くのかなー。
作者は明らかに好感を得られない人物を描いていると思うんだけど
人の価値観は様々だから、もしかしたら共感する人がいても不思議ではないのかも。

そんな風に考えると色んな物事が受け手次第だというのが怖くなりますね。
とか思ってたらタイムリーな事に、万引きの犯罪性啓発の為に描かれた漫画をお手本に
万引きしてた中学生が捕まりましたよ。
犯罪啓発のつもりが犯罪助長に繋がるとは漫画家も脱力でしょうな。
脱力どころかもう何も表現出来なくなるくらい怖い話かもしれん。

2008年03月09日

  ■てるてるあした(加納朋子)

てるてるあした
佐々良の街で起こる不思議な話を描いた「ささらさや」の姉妹編。連作短編集。
続編ではなく姉妹編なのは特に前作を読んでなくても支障はないから。
登場人物は主人公は違うけど、脇役は前作の登場人物が占めているので
前作を読んでいると人と為りが解りやすい。
ま、私は読んでても半分以上忘れてますけどね ┐(´д`)┌

ネグレクトと虐待の連鎖みたいなのがちょっとしたテーマかも。
非日常な不思議がまるで日常のように扱われてしまう佐々良ならではの話。
とげとげしい女の子が周囲の優しさに触れて成長していく物語。
最後はかなり泣けます。感情移入しやすかったから?
フィクションだって解ってるんだけどね。
腹が立ったり怖かったり、悲しかったりするわけなのよ。
そして勿論嬉しかったりもする。
沢山泣いて沢山励まされて、そして最初の一歩を踏み出そう。そんな感じ。

2008年03月08日

  ■家族八景(清原なつの・筒井康隆)

Amazon.co.jp: 家族八景 上巻 (1) (KADOKAWA CHARGE COMICS 16-1): 筒井 康隆,清原 なつの: 本Amazon.co.jp: 家族八景 下巻 (3) (KADOKAWA CHARGE COMICS 16-2): 筒井 康隆,清原 なつの: 本
masatsu氏と本屋に行って偶然発見。
「清原なつのはキライじゃないんだけど…」と呟くと
「じゃあ買えば?」とmasatsu氏。
「でも絵が好きなワケじゃなくて話が好きなんですけどー ^^;」
といいつつ結局買ってしまった。相変わらずバカ。
内容はかなり原作に忠実。
なのにしっかり清原ワールド。
不思議不思議。
エロさが激減で文学的?
清原なつのはわりと露骨にエロスを描くのに全然エロくないのが凄い(謎)
10年くらい経ったらまた読みたくなるかもしれない1冊。

# 関係ないけど広川太一郎氏のご冥福をお祈り致します。新井素子の影響で結構ショック。

2008年02月27日

  ■大奥(よしながふみ)

Amazon.co.jp: 大奥 (第1巻) (JETS COMICS (4301)): よしなが ふみ: 本Amazon.co.jp: 大奥 (第2巻) (JETS COMICS (4302)): よしなが ふみ: 本Amazon.co.jp: 大奥 第3巻 (3) (ジェッツコミックス): よしなが ふみ: 本
以前からあちこちで絶賛されていて気になっていたものの何となく買いそびれていた大奥。
Amazonのギフト券があったので購入決意。
(・・・しかしなかなか発送されないので結局キャンセルして本屋で購入。何やってんだか)

男女逆転という突拍子もない設定なのに全然違和感なく読ませる作者の力量に感心。
絶賛されるだけありました。
私は歴史に疎いのでよく解りませんが基本的に史実に則ったストーリー展開なんですよね。
男女逆転させてコレ。辻褄合わせてるってだけでもスゴイと思うんだけど。

1巻のキャラが凄く(・∀・)イイ!!と思いながら読んでたのに1巻限りとは。
で、1巻から見て過去の話が2巻3巻と続くわけですが、
1巻で「こんなイイキャラここで終了?!」と思ったのに
2巻で更にイイキャラが出てくるとは。凄すぎる (意味不明w)

ヒトコトで言えば切ない話です。
人生だから当たり前。
愛しさも可憐さも残酷さも冷酷さも
薄情さも慈悲深さも男も女も親も子も
みんな切ない。

2008年02月24日

  ■龍臥亭幻想(島田荘司)

龍臥亭幻想(上) (下)
御手洗モノというか石岡モノ。
そして今回は吉敷刑事が登場。

石岡は好きじゃないんで御手洗が出てくるの楽しみに読んでましたが
御手洗は電話でちょこっと登場しただけでした (´・ω・`)
石岡は何もせず、ただ人が殺されていくのを見守るのみ。
唯一の功績は前途ある若者が殺人犯になるのを阻止した辺り。
事件のトリックの一部は御手洗と吉敷が解明するし全貌に至っては犯人が告白。

トリック自体はかーなーり無理がある。
でも世の中の偶然は実は必然なのかもしれないしね。
結果が全てで「こうなっちゃったんだもん。仕方ないじゃん」なわけだ。
猟奇殺人事件ですが、懲悪物でもあるので読後感は特に悪くはない。

都会と田舎、どちらが怖いかといえば田舎なのかもしれない。
どちらにも目に見えないバケモノは潜んでいるけれど、
田舎のバケモノの方が年喰ってるだけあってより強大かもしれない。
そんな風に思う話。

2008年02月16日

  ■光る鶴(島田荘司)

光る鶴 吉敷竹史シリーズ16
中篇一作と短篇二作、内短篇一作は他のキャラがメインで吉敷竹史は完全に脇役。

表題の中篇は冤罪事件物です。島田氏某冤罪事件救済と死刑廃止運動かなり力入れてますしね。
しかし昔ならともかく、これだけ科学が発達して些細な遺留品で色んな情報が得られる現代でも
冤罪ってなくならないもんなんですね。
痴漢なんかは冤罪も多そうな気がするけど ^^;
一応死刑廃止問題も絡めてるのでここで問題になる冤罪は殺人事件ですからね。
人間のやることだから間違いはなくならないという気もします。
これに裁判員制度とかいうので一般人も巻き込まれるんでしたっけ?
基本的に拒否権がないとかなんとか、どうかと思うんですが…。
あんまり詳しくないので私自身の思想は多くは語りません。
最終的に「やりたくない」のヒトコトに尽きますし(苦笑)
話が逸れました。

コレ(光る鶴)26年前の事件が冤罪である事の証明として吉敷が確固たる証拠を見つける話ですが
展開上仕方ないんだろうけど警官無能で横暴。
島田氏の描く脇役の警察関係者は皆そうですけどね ^^;
短篇の一つが吉敷が刑事になった志望理由みたいな話しでしたが
権力主義の警官に反発して…みたいな内容でした。

で、無能で横暴な警察関係者の話が二篇続いた後で
最後の短篇は推理物ではなくて地道に靴底をすり減らす刑事物w
私はこの刑事も好きじゃないけどね。
ラストで吉敷と二人"青春時代の想い出を語らい友情を深め合う心温まるストーリー(解説抜粋)"って…。
個人的にこの青春時代の語りがすんごくすんごくイヤでした。

2008年02月11日

  ■上高地の切り裂きジャック(島田荘司)

上高地の切り裂きジャック」御手洗潔物中篇二篇。

表題作は御手洗はスウェーデンから電話での登場のみ。
石岡メインなので少々ウザイ(苦笑)
更に事件自体も警察がかなりマヌケに描かれていてどうかと思う。

二篇目は「山手の幽霊」御手洗横浜時代物でやっぱり石岡がウザイが
御手洗がかなり活躍する御手洗モノらしい作品。
関係者の誰もが身勝手なように見えるのは作者の意図するところなんだろうか。
被害者も加害者も、みんな自分本位だ。だからリアルに人間らしいのか?
トリック自体は全然リアルじゃないけどw

2008年02月10日

  ■ネジ式ザゼツキー(島田荘司)

ネジ式ザゼツキー」御手洗潔物長篇。

馬車道篇ではなくスウェーデンでの話なので石岡が一切出て来ない。
私は石岡が好きじゃないのでこれだけでかなり読みやすい。
4章のうち、1章と3章が御手洗の一人称で2章が作中作。
4章目が今作でのワトスン役ハインリッヒの一人称という構成。
序盤の冗長になりがちな部分が御手洗一人称なので退屈せずに読み進められた。
最初からワトスン役一人称だと読んでる方も理解しづらい上に
ワトスン役は読み手より愚鈍である事を要求される役柄なので
当たり前と言えば当たり前だがかなりイライラする。
それが軽減されているのが嬉しい。

脳科学は勿論、人類学や古代生物学等興味がなければ全く触れる事のない内容が
素人にも解りやすく描かれていて有効に活用される知識ではないにしても
そういう知識が得られるのも楽しい。

ミステリとしては「占星術殺人事件」が名作であったのと変わらず、今も御手洗モノは名作。
石岡ファンには悪いけど、石岡が出て来ない方が名作w

2008年02月09日

  ■猪苗代マジック(二階堂黎人)

猪苗代マジック」水乃サトルシリーズ。何作目かは忘れた。
あとがきによると社会人篇三冊目。他に社会人編の短篇集が一冊。学生篇が三冊。

文庫化された物は全部読んでると思うけど…と思って今調べてみたら学生篇が一冊未購入でした。
2年も前に出てるヤツ。購入チェック漏れ。
二階堂黎人も蘭子シリーズは買わなくなってしまったので水乃サトルシリーズも悩むところかな。

私はコレクターの血が騒ぐせいなのかどうか、シリーズ物が全て手元にない状態がイヤで、
例えば全5巻物を3冊だけ持ち続けるくらいなら喩えつまらなくても残り2冊買ってしまうか
それとも手元にある3冊は処分してしまうかしないと落ち着かないのだけれど
そしてそれは本を読む人全てに当てはまると思っていたのだけれど…どうやら違うらしいw
masatsu氏は例えば全20巻のマンガのうち5巻から14巻までが面白いからソコだけ所有、というのが可能。
私はこういう買い方は気持ち悪くて絶対出来ないんだけど、masatsu氏は平気。ホント謎。

今は100冊(多分丁度100冊)ある吉村達也が実は気になっている。
頻繁にリメイク文庫版が出版される上に新作も半端なく出るので把握しきれなくなって
購入放棄してしまった吉村達也。今も続いているシリーズがあるはず。
100冊処分しようしようと思いつつ、初期作品にはそれなりに思い入れがあって出来ず。悔しい。

閑話休題。

という風に、継続購入を考える程度の内容だった猪苗代。
水乃サトルシリーズは最初に読んだときは面白いと思ったんだけど
今回はサトルの図々しさとか尊大さとかそういうのがちょっとイラッときた。
最近「質が落ちたなぁ」と思う作品が多いのは
もしかしたら作家の質が落ちているのではなく、
読み手としての私の感性の質が落ちているせいかもしれない。

最後の一行がインパクトのあるミステリらしい作品なんだけど
インパクトがあるだけで重要ではないというかなんというか…
玄関入ってクラッカー鳴らされてサプライズパーティにビックリしたけど
誕生日は昨日だったよ?みたいな(笑)
やはり私の感性が鈍くなってるんだろうなぁ。
素直に愉しめる作品が減ってしまってサミシイ。

2008年01月30日

  ■バベル島(若竹七海)

バベル島
ホラーテイストのミステリ短篇集。
若竹さん独特の"どのキャラも常に影を背負っている風"暗さというか重さがつきまとう作品集。
なんだろ?暴れまくる元気すぎる子供の描写でさえ、何故か薄暗い。
無邪気さが時には悪意よりも残酷だからかもしれない。

2008年01月29日

  ■聖者の行進(栗本薫)

聖者の行進―伊集院大介のクリスマス
伊集院大介シリーズ、文庫の最新刊(といっても去年の11月刊行)
多分伊集院大介シリーズはもうこれ以上読みません。
下品で暗い作品でした。
一時代を作り上げたゲイバーの衰退する様を描いた作品でしたが
それはキャラの衰退やもしかしたら作家の衰退をもすら感じさせる物でした。
"恰好良い"と描写されているキャラを少しも格好良く見られないのは私の感性のせいかもしれませんが
たかだか50かそこらのキャラをここまで老いを感じさせるキャラにしなくても…という気がしました。
イマドキの50代はカリスマ性のないフツーの人でももっと恰好良いんじゃないかと思う(苦笑)
キャラはそんなだし、ミステリとしてはもっとダメだったと思います。

2008年01月26日

  ■BLEACH(久保帯人)

先週masatsu氏弟に借りてきた「BLEACH」(1)~(31)読みました。

ジャンプらしい漫画でした。
んでもって盛りは既に終わってますか? ^^;

尸魂界の仕組みがよくわかりません。
尸魂界で生まれるとか、死ぬとか。
死神の立場とか・・・色々(苦笑)

キャラは極々当然のコトですが、日番谷くんがツボですw

立場が違えば正義も違う。
そのとーりだね。

2008年01月20日

  ■身も心も(栗本薫)

身も心も -伊集院大介のアドリブ
伊集院大介と別の栗本作品キャラの共演作。
別に伊集院大介出てくる必要ないし、別の栗本作品読んでないけど
"こんなヤツが主役の作品が面白いの?"と思ってしまうイヤなキャラぶり(苦笑)

伊集院シリーズ未読残り一冊。
多分また読むのがしんどいと思うので一気に読みたいところだが
私はこれからmasatsu氏弟に借りた「BLEACH」31冊一気読みに突入するのじゃw

2008年01月17日

  ■真夜中のユニコーン(栗本薫)

真夜中のユニコーン -伊集院大介の休日
伊集院大介休日だよ!。なんだよ。ほんとに休日だよ。最後にちょろっと出てくるだけだよ(苦笑)

読まなきゃよかった。
主人公に共感出来ないとかそういうレベルじゃなくて、
主人公がバカすぎて最初から最後までむかつきっぱなし。
バカっちゅーか非常識?
主人公だけじゃなくてお話全体が非常識(爆)
えーっとどのくらい非常識か、まんま書いたらネタバレなので例えて書くと
「主人公がキャバクラでバイトしたら胸を触られたのでショックを受けて助けを求めたら王子様が助けに来た」
っていうくらい非常識。いや、ホント。これが真面目に語られてるスゲー小説。

伊集院大介シリーズ、未読があと2冊。
私の中では結構古くからいるちょっと特別感のある名探偵なんだけど
残りの未読本の内容次第ではもう二度と活躍を拝見出来なくなるかもしれません。
なんつーか、ダメだわ。
栗本薫が受け付けられなくなってるんだわ。
あとがき読んで脱力した作家って初めてかも。

2008年01月15日

  ■月蝕の窓(篠田真由美)

建築探偵桜井京介シリーズ9冊目「月蝕の窓
シリーズモノとしては、京介視点で書かれているということもあって
何やら色々と京介のルーツに関する描写があちこちに。
私の記憶力でこの伏線をきちんと必要なときまで覚えていられるかどうかがモンダイ。

でも人間の記憶なんて本当にあやふやだよね、というのが今回の話。
犯罪の目撃証言がいかにあてにならないか、とかいう
先入観とか思い込みも怖いけど
やっぱ防衛本能が凄いんだよね。
都合の悪い事は忘れるし改竄するし、しかも無意識。
改竄された記憶が当人にとっての真実なんだから或る意味コワイ。
深く考えたら他人の事も自分の事も信じられない ^^;

あと今回は霊能力者系の人が出てきてます。
京介が「科学的に証明されていないことは信じない」という見解で
更に「それが自分にとっての真実で、他人の真実を否定するつもりはない」と。
私も概ね同意なんで、シャレやギャグでなく、真剣にオカルト書くのは
そういう分野の文中だけにしてもらいたいです。
SFや幻想小説はそういう前提の元、ちゃんと愉しめます。
そして本格ミステリにオカルトは刺身のつまだとしても不要だと思います。
謎自体は論理的に解かれているんだから良いじゃん、という話ではないわけです。

京介の過去に関する部分やオカルトっぽい部分を省けばあとはわりと単純。
言動に矛盾が多くてアヤシイのは一目瞭然。

*備忘*
「過度に干渉も支配もせず、保護だけするというのは誰にでも出来る事ではない」

2008年01月12日

  ■センティメンタル・ブルー(篠田真由美)

建築探偵桜井京介シリーズ番外編「センティメンタル・ブルー 蒼の四つの冒険

短篇集。3作目の"DYING MESSAGE≪Y≫"は初出のアンソロジーで既読。
シリーズモノの一部として読むのと、独立した一編として読むのとでは全然印象が違う。

印象が違うと言えば、この作品を読んで自分の中の蒼のビジュアルイメージが大間違いなのに気付いた。
過去描写があったのかなかったのか記憶にないので何故ここまでイメージが違ったのか謎。
小説が漫画化されて愕然としたとき以上の衝撃(苦笑)

本編よりも青春小説風味が増していて読みやすい。
主人公"蒼"の友人"翳"が(・∀・)イイ!!

2008年01月11日

  ■仮面の島(篠田真由美)

建築探偵桜井京介シリーズ8冊目「仮面の島

感想というより連想。

幸不幸は完全に主観で、真実がどうであろうと気付かなければ意味はないし
当人が信じた事だけがその当人にとっての事実なのだから、何も知らずにいるのと
喩え知ってしまった事で不幸になるとしても全ての真実を知るのと、どちらがいいのか、
などと神の視点で物事を俯瞰しても無意味なわけだが。

仮に他人の目に愚かに映ろうとも本当に本人が真実を見ない目を持っているならばそれが一番幸せなんだろう。
他人は敢えて真実を教える必要はないし、ましてや贖罪のつもりで告白するのは更に罪を重ねる行為でしかない。
誰かを欺くなら最期まで欺き通す事こそが贖罪。

真実を暴くのは探偵の自己満足でしかないのかも?
真実が救われるモノであるならばいいんだろうけれど。

自分の為が相手の為になるのはそこに相手に対する愛があるときだけだよね。
大抵の場合、愛はあるのだけれど、それは相手に対する愛ではなくて、自分に対する愛だから
自分の為は自分の為だけで相手には不利益しか与えなかったりするんだよね。
相手の命や人生を奪う事も、自分への愛の前では些細な事なんだろうね。

自分を守る為に他人を傷付けてしまうのは罪なんだろうか?
ひとつも罪を犯さずに生きていける命などないのに。

2008年01月09日

  ■黒蜘蛛島(田中芳樹)

薬師寺涼子シリーズ5冊目「黒蜘蛛島―薬師寺涼子の怪奇事件簿
エンターテインメントとはかくあるべき、な作品。
田中芳樹ってやっぱり凄いと思わざるを得ません。

突飛な設定も当然のように出てくるバケモノも深く考えず
あるがまま受け入れて、お涼さんの活躍を楽しみます。
ちょこちょこ出てくる泉田警部補への愛情表現も美味しいスパイス。
読後感が爽快なので安心して読めるシリーズ。

2008年01月08日

  ■誰か-somebody(宮部みゆき)

誰か-somebody
タイトルの意味がイマイチ解ってません。
コレは内容を理解しきれていないというコトでしょうか?(苦笑)

自転車での死亡事故を扱ってはいるけれどミステリーとしては日常の謎系の気がします。
実際にどういう分類なのかは知りませんが。私個人の気分的にw

探偵役が凄くいい人なので卑しい描写の部分でもちょっとだけ救いがあったと思います。
でも卑しい描写はイヤですね。
ほら、やっぱりフィクションでまでリアルな人間の醜さを見たくないから。
客観的に醜いと思う事をきっと自分もしている。
自分を正当化する為に他人を貶めたり、攻撃したり。
そういう自分を自分でちゃんと知っている。
頭では解ってても感情がついていかなかったり、
強くなりたいと願いながら弱いままでいたり、
全部仕方のないことじゃなくて、
性根がそんなだからなんだよ、と自己嫌悪。
なんなの、このダークさは。

備忘録
『他人に言われるまでもなく心の中では知っていた。
でも誰かに言って欲しかった。
人は皆そうじゃないのか?
自分で知っているだけでは足りない。
だから一人では生きていけない』
『男と女はくっついてると品性まで似てくる。だから付き合う相手はよく選ばなくちゃ』
『人間は誰だって相手が一番言われたくないと思っている事を言う口を持っている』

2007年12月26日

  ■パズラー(西澤保彦)

パズラー―謎と論理のエンタテインメント」まんま副題の内容ですかね?ってこの人の作品は全部な気がするけどw
途中まで読んで放置していたので勢いで読んでしまいました。(逃避逃避)
なんか後味ワルイ話と、エロスのお陰でリアルなんだろうけどやっぱりスッキリしない話と
そういう話の印象が強かった短篇集。

醜い物と綺麗な物を混ぜ合わせて出来上がってるのが人間だから
醜い物ばかりの人も綺麗な物ばかりの人も存在するわけはないんだけど
「基本的には綺麗な物の割合が多いのがフツーだよね」と思える時間が長い方がイイ。
そう思えるときも沢山あるんだけど、自分に向き合おうとすると人間の醜さばかりがどんどんどんどん
ココロの中で、どんどんどんどんふくれあがっていってしまうので。
出来ればあんまり醜い描写はフィクションの世界でまで見せられたくないなーという気もしたり。
こういうキモチになってしまうのは疲れているからかしらん。

  ■生け贄を抱く夜(西澤保彦)

チョーモンインシリーズの7作目で短篇集4冊目です>「生贄を抱く夜
番外短篇集というカンジで視点が全てシリーズキャラではないうえに
シリーズキャラ自体あんまり登場しないのでシリーズファンとしてはちょっと寂しい。
毎度の事ながら(?)御都合主義的な展開が多くて
『共喰い』なんて「いくら事実は小説より奇なりっつってもそりゃ絶対ありえねえ!」なカンジなんだけど
そういう辺りに目を瞑って軽く楽しむつもりで読めばOK。
つまらなくても頑張って作家読みしたファンなら楽しめる趣向もあり(謎)

ちゅーわけで年末だからこそ、現実逃避に久しぶりに読書。

2007年12月08日

  ■マイガーデナー(紡木たく)

紡木たく13年ぶりの新作です>「マイガーデナー
作中流れる空気が13年経っても全然変わってなくて懐かしい。
「ホットロード」が好きで、「瞬きもせず」をドキドキしながら読んでいた当時の私は既に母でしたが(苦笑)

愛されていることに気付かない子供を愚かとは笑えない。
自分が愚かなままオトナになってしまったから。

愛されたことがなくても愛せますか?
沢山愛されていても愛せない人もいますよね?
愛されたら愛さなくてはダメですか?
愛し方がわからないのは異常ですか?
ほんものの愛ってなんですか?

十代の頃に抱えていた疑問が今はなくなったとはとても言えない。
色んな形があるんだということは解っているつもりなんだけどね。
ホントは解ってないのかもしれないね。

ジコギセイもきっとほんものの愛のひとつ。
でも自分を大切にすることも多分ほんものの愛。

やっぱりムズカシイ。

# いや、この本がムズカシイわけじゃないです(苦笑)
# 私が脳内で勝手に難しくしてるだけ。

2007年12月01日

  ■シシ12か月(わかつきめぐみ)

先月29日発売の「シシ12か月」Amazonに予約しておいたら今日届きました。
# いつも思うけどAmazonて発売日に注文するより予約注文の方が届くの遅いのは何故?

ソコツネ・ポルカのサブキャラ(?)シシ君とその仲間達wのお話。
いつもの如く、わかつき作品を読んだ後は「日本語ってカッコイイっ!」と思います。
いやいや「カッコイイっ!」はどうなのよ? ま、いいか。
こう風雅だなぁ~と、で、雅というのはカッコイイですね(何言ってんだか・・・)
そして、いつもの如く、物の怪というか架空の生き物たちの愛らしいこと。
神様の侍従は物の怪ではないですねw なんていうんだ?
彼等もまたカワイイ。
# 鈴女ちゃん(スズメw)火を噴くし、何より巳之介(ヘビ)サンの可愛さったら('-'*)

読んでココロがほっこりするような本に出逢える至福。
今年最後の月もシアワセに始まって何よりでございます ^^
# 今日お誕生日のアナタにも沢山のシアワセが訪れますように*

2007年11月25日

  ■道原銀英伝

銀河英雄伝説~英雄たちの肖像 1
去年連載再開されてたんですね。
コミックス1巻出てました。
1巻はキルヒアイス没後、幼皇帝誘拐事件の辺りです。
誰にともなくお知らせw

余談:
アニメ製作20年記念とかでアルミ合金ケース仕様BOX250000円(税抜)が来月出るらしいです。
長篇3作を含む全165話。45枚+特典ディスク・約4370分だって。買う人結構いるかもね。

2007年09月24日

  ■ドアの向こう側(二階堂黎人)

ドアの向こう側
幼稚園児探偵シンちゃんシリーズ三作目の短篇集。
探偵役が幼児である事が充分活かされているとは思いませんが
この作者の作品群の中では読みやすい方だと思う。
もう少し幼児ならではの展開があればいいんだけどなぁ…。
シンちゃんは幼児じゃなくて小さな人間なんだもん(謎)
『』内の台詞をどう読めばいいかが私の中で確立されていないから
余計にシンちゃんが中途半端な存在に見えるのかもしれない。
# 個人的にハードボイルドが好きじゃないしさ(笑)
園児探偵という設定を重視せず読むなら、多少唐突な部分もあるけど解りやすいミステリ。
ただ一作目の"B型の女"はタイトルだけでウンザリ。血液型で性格云々いう話は萎える。

2007年09月19日

  ■方舟は冬の国へ(西澤保彦)

方舟は冬の国へ
各章毎にちょっとした謎解きはあるものの全体的にはミステリではなくファンタジー。
ミステリじゃねぇよ、と思いつつも直近に読んだ西澤作品の「笑う怪獣ミステリ劇場」よりは断然ヨカッタですw
# 笑う怪獣がワタシ的に酷すぎたワケだが。

あまり深く考えずオトナの恋愛と過程の会話を楽しむ。
安易な感情のように見えるけど、恋愛ってこんなモンだ。
始まりが安易でもそこからどんな風に深めていくかが重要なんだと思う。
深まらないまま終わる事も多々あるわけだが(笑)

宗教色部分は私にはよく解りません。
でも時間と空間に囚われる事がなくなれば生きていくのは辛いだけだと思う。
『人間は満足するという能力が絶望的に欠落した動物なのです』
満足したら生きていても仕方ないもんね。

2007年09月05日

  ■おおきく振りかぶって(ひぐちアサ)

おおきく振りかぶって」1~8巻、masatsu氏が買ってきたので一気読み。
ウチの妹がアニメが好きでお盆にDVD2巻分見せられていたので2巻の途中まではアニメで観てたけど
アニメが原作にかなり忠実に作られていて感心。

私は野球は(野球に限らずスポーツ全般だけど…)殆どルールを知りませんが
"ボール打って、1塁に走ってホームインしたら1点入る"程度の知識でも充分楽しく読めましたw
キャラがみんな一生懸命で可愛くていいなー。
でも高校生男子つかまえて可愛いとか思っちゃう辺りが私の感覚オバハンだよなー。
でもやっぱカッコイイじゃなくてカワイイなんだよねー。
という邪道な読み方をしていたわけですが(笑)

魔球でてこないし(笑)人間離れしたジャンプしたり回転したりするキャラ出て来ないし(爆)
わりと正統派の野球漫画。青春しててこっぱずかしい場面もあるけど、クサ過ぎないからOK。

2007年08月09日

  ■七瀬三部作(筒井康隆)

先月の『時をかける少女』で懐かしくなって七瀬三部作(「家族八景」「七瀬ふたたび」「エディプスの恋人」)購入。

記憶が定かではないが多分コレは中学生くらいの時に読んで、かなり気に入っていた本。
中学生の頃は国産SFと翻訳ミステリをメインに読んでた(ような気がする)が
多分その中でもお気に入りの部類だったと記憶している。あやふやな記憶だがw
そして今回はまずmasatsu氏に先に読んでもらった。
読み始めてすぐの感想が「エロい」(笑)2冊目突入してもやはり「エロい」
実際読み返してみたらそういう描写は確かに結構あった。
ホントに気に入って読んでたから若い頃に少なくとも3回は読んだはずなのに
その手の描写部分はスッポリ記憶から抜け落ちてましたよ(笑)
でも生々しい感は全然ないから、masatsu氏がくどいくらい言ってたのは
必然性のなさと男という生き物は全て脳内強姦を繰り返しているかのような描写が引っかかったのだろう ^^;

読み返してみてツッコミ所の多さにもビックリだが
登場人物の性格の悪さにもビックリだ。
中学生当時は何を思って読んでいたんだろう。
ただ読み終えて特に読後感の悪さや嫌悪感は今も抱かないので
やはり昔も同じような感覚だったのかもしれない。
実際あやふやな記憶の中で七瀬はイイ子ちゃんではなかったし
その他の登場人物も取り立てていい人の印象は残ってなかった。
古い記憶の中で好印象なのはヘンリーと藤子くらいだった。
でも記憶の中ではもっと存在感が大きかったので
私は多分三部作の中では2作目が気に入ってたんじゃないかと思う。

当時の記憶はあやふやで、読み返してみても当時の記憶は戻ってこないけど
自分自身の若い頃を想像しながら(思い出すのではなく想像になってしまう怖ろしい記憶力のなさよw)
本を読み返すのもわりと面白いもんだなーと思う。
私の記憶力が壊滅的だから面白いのかな?(笑)

そして当時思ったかどうかは定かではないが、
今回読み返してみて、どうやら筒井康隆と私は「優しさ」の定義が違うようだ。
多分、正義だとか常識だとか、そういうものも全然違う。
全然共感できないのに嫌悪感を抱かせない辺りが筒井康隆という人の凄さかもしれない。
嫌ってる人も多いらしいし、当然私の個人的な感想ですが。

2007年07月02日

  ■笑う怪獣 ミステリ劇場(西澤保彦)

笑う怪獣 ミステリ劇場
やっと読み終わった~(笑)
長かった・・・。読み始めたのはいつだったか、既に忘れた。
基本的に私は平行して小説を読まないので
読み切ってから次の本へ移るんですが、
この本は間に3冊くらい挟みながら読みました。

西澤さんは好きな作家ベスト3に入るくらい好きなんだけど
ソレを返上しようかと思うくらい読むのが辛かったのは
ロジック主体の内容ではなく、不条理で
しかもなんとなく小汚いイメージの内容だったからです。

7編の連作短篇集ですが最後の作品以外は読むのが辛かったという印象のみ。
好きな人は好きなんでしょうが、私が好きな内容ではなかったです。
ホントに、何度読むのをやめようかと…。いや、やめてもよかったはずなんだけど(笑)

キャラの名前や、章タイトルは何かのパロ?
もしかしたら元ネタがわかればもっと笑える部分もあったのかもしれん。
私は章タイトルで「もしかして?」と思うのが3作あっただけなので
全部が全部そうなのかどうかは謎です。
ちなみにその3作は
「通りすがりの改造人間」「書店、ときどき怪人」「女子高生幽霊綺譚」が
「通りすがりのレイディ」「晴れ、ときどき殺人」「二分割幽霊綺譚」ではないかと。
# あ。新井素子が二つは変なのか?
残りの章タイトル「怪獣は孤島に笑う」「怪獣は高原を転ぶ」「聖夜の宇宙人」「怪獣は密室に踊る」
どれもこれもどこかで見覚えのあるような気はするんだけど、
単語を入れ替えたら何でもありな気がしてよくわからん。

あー、とにかく読み終わった!ヽ(´▽`)ノ
頑張って残りの未読の山もちょっとずつ崩していこーっ!

2007年07月01日

  ■語り女たち(北村薫)

語り女たち
様々な女達が語る17篇、ということで短篇集。聞き手は同一人物だけど連作という程の繋がりもなし。
夢現な短い物語の集まり。軽く読み流すのもよし、深く考えるのもよしの一冊。
挿絵が綺麗です。水虎に会ってみたいです。
難解な話もありました。きっと深く考えても解らないと思い考えるのをやめました(笑)

2007年06月30日

  ■最後の記憶(綾辻行人)

久しぶりの綾辻氏です。「最後の記憶
幻想&叙情系ホラー。

母親が白髪痴呆【蓑浦=レマート症候群(新しい記憶の強度の薄い記憶から徐々に失い律儀に過去へ遡っていく。発症後白髪化)】に冒され、
その病が遺伝するかもしれないというコトに怯える主人公の描写と
病のせいで殆どの記憶を失いつつある母親に残された「凄まじい恐怖の記憶」の謎がメイン。

幻想ホラーということで謎の解決自体はファンタジー(幻想)。しかもありがち。
でも解決以前の主人公の描写はリアルでヨカッタ。
精神崩壊一歩手前なのに妙に冷静に自己分析してる辺り。
私自身が主人公の感じる恐怖に共感しやすさがあったことも大きい。
何に恐怖するかは人それぞれだけど
私は死んで完全に動かなくなってしまい、一切思考も出来ないことよりも、
自分が自分でなくなってなお、命があり言動している方が遙かに怖いと思うので。
どちらが一般的で多数派なのかは知りません。
あと母親の心配よりも自己保身の感情が優先される辺りとか
そういう利己性に嫌悪感を抱く辺りとか、リアルな人間像に見えるのは
私が利己的な人間だから?(苦笑)

ただ、徐々に記憶を失い過去の凄まじい恐怖の記憶だけが残り、常に怯えている状態になる「怖さ」が
イマイチ理解できなかったのでこの話の根本的な怖さは実感できなかったかも。
どんどん記憶がなくなって、近しい人間の事も判らなくなって、思考力もなくなって
そこに恐怖の記憶だけが残ったら、それは他の記憶があるときよりもどんどん鮮明になっていくのか?
それともやはりぼんやりと恐怖の感情だけが強調された古い記憶のままなのか、
そんなことを考えていたら想像力が力尽きてしまった(苦笑)

「生きているのは楽しい?」
作中、何度も主人公に繰り返される問いかけ。
答えに詰まる。
「生きているのが楽しい」はちょっと違う気がするから。

2007年05月21日

  ■葉桜の季節に君を想うということ(歌野晶午)

葉桜の季節に君を想うということ
単なるエンターテイメントとして読むか、叙述ミステリとして読むか、
社会派ミステリとして読むか…それぞれで評価の分かれそうな作品。

歌野晶午は好きです。
でもこの作品は私の中ではイマイチ。
2004年の「このミステリーがすごい」の1位だったんですね。
で、でかでかと帯に『これが現代ミステリーのベスト1です』って書いてある。
きっと何も考えずに読めばそこそこの作品なのに、
なまじ期待して読んだせいでガッカリ(苦笑)

更に私は解説やあとがきを先に読むクセがあるので
巻末の補遺を先に見てしまいました。
アレは補遺というよりまさしく蛇足。
本編未読時に見るのは厳禁。既読後も必要ないだろ?と思う。

最初に読み方によって評価が分かれると書いたけど
それは色んな読み方が出来ると言うよりも
中途半端というか器用貧乏的な印象。
薄っぺらい内容の寄せ集め的な…。
ただ先入観ナシで叙述として読めば驚けるのかもしれないし
(トリックとしては使い古されてるけど書き方は上手い)
社会派として読めば無駄な性描写も受け入れやすい。
でももっと若いときに読んでたらきっと受け入れられなかったけど(苦笑)
あんまり書くとネタバレですね。オシマイ。

えーっと、タイトルは綺麗です。
でもこのタイトルに見合った恋愛が描かれているとは思えません。
全然感情移入出来なかった…。こいつのどこが良くて惚れたの?という印象。
タイトルが綺麗なだけに残念(笑)

2007年02月25日

  ■観用少女【完全版2】-夜香-(川原由美子)

土曜日の昼にAmazonで”2~3日中に発送”になっていたのでポチったら翌朝届いてビックリでした>「観用少女 -夜香-
先々月買ってしまった「 観用少女-明珠-」の下巻です。
下巻には単行本1巻から3作・2巻から3作・3巻から1作・4巻から1作と未収録作5作の計13作。
上巻より2作少ないけど本自体のページ数は大差なし。読むのに苦労する厚さ(苦笑)

川原さんファン歴ははもう25年を超えましたが ^^;
殆ど活動されていない今もやはり私の中では好きな漫画家さんのほぼトップに位置してます。
# 微妙な書き方だが…明確にトップを選べないだけだ(笑)

好きすぎてこの人のお話に感想を書くとクサくなるというくらい…(笑)
癒し系とはちょっと違う、でも読めばほっこりする漫画。
何といってもテーマは"愛"ですからね。
# 無償の愛と一旦書いて書き直したのは無償じゃなく報酬が笑顔だから(という風にクサくなるw)
時々さらりと後味悪くなく辛辣な言葉が書かれているのも絶妙。

下巻で好きなのは値切ろうとする客に対する店主の
「安くお求めになられますと奇妙にその分お気持ちまでお値引きされてしまうようでございますよ」(←まんま引用)
ああ、まったくその通りではございませんか?

2007年02月21日

  ■腐女子

ああ、また日記をサボってしまった…。
忙しいんですよ。
DQM ジョーカー」と「ピクロスDS」同時進行だし、
更に「臨機応答・変問自在 (森 博嗣)」と「腐女子彼女。 (ぺんたぶ)」平行して読んでました。(ぉぃ)

「DQM」はやっとトカゲになりました。まだまだだな。
「ピクロス」は”ちょっとだけ”と思って始めるのにちょっとだけで終わらず…ダラダラと。
でもまだノーマルのレベル3(?・海の生物)あたり。時間制限のあるのは苦手で手つかず。
だいたい色々中断しながらやってるから平気で一問30分以上になってるし(苦笑)

森博嗣はNaoki氏に借りました。続編と一緒に2冊借りたけどまだ序盤。
相変わらず森氏は上から目線の書き方で…Naoki氏はそこが好きらしい。ふーん。

で「腐女子彼女。」はコレを書く為に今さっき読み終えましたw
コレの前に「となりの801ちゃん (小島 アジコ)」も読みました。ぐだぐだ。
801ちゃんは本屋に行くたび気になってたんだけど、買うまでには至らなかったのが
こととね』サンでレビューを見てしまったので購入(笑)
作者の注釈が面白かったというのは同感。
ちなみに私はマスコットキャラクターとしての801ちゃんは知ってました ^^;
そしてダウトです。ちゅーかネタ知ってたのに正解がなかなか出てきませんでしたヤバイです。
でも腐じゃない…と思う。つか腐は過去(爆)

「腐女子彼女。」はブログの書籍化。ネタかと思えるくらい笑える。
ネタでもイイ。面白ければソレでイイ。こういう文を読むと自分の文才のなさを痛感するね。
えーっと基本はおのろけブログ。
この作者さんとmasatsu氏はなんかちょっとだけ似てます(笑)
大きく違うのは「腐女子彼女。」は彼女が腐で作者さんは一般人だけど
ウチの場合はmasatsu氏の方がかなり濃いってことですかね?

2007年01月23日

  ■もずく、ウォーキング!1(施川ユウキ)

Naoki氏が友人に「サナギさん 1」(施川ユウキ)を借りて読んで、
面白かったらしく一気に3巻まで購入。更に
Amazon.co.jp: もずく、ウォーキング! (1): 本: 施川 ユウキ
↑コレも購入。全部借りて読む。
ちなみに”もずく”は犬の名前。
不思議ちゃんサチとその飼い犬もずくのほのぼの(?)漫画。
時々毒があるけどサナギさんほどじゃないと思う。
# サナギさんはサナギさんと親友のフユちゃんはいいんだけど
# 他のレギュラーキャラにちょっと受け付けないのがいる ^^;

もずくの方は不思議少女サチも、クールな弟君も
犬が苦手なオトウサンももずくをモップ代わりにしちゃうオカアサンもそれぞれイイ。
読みながら時々 ( ̄w ̄)ぷっ と吹いてしまう面白さ。
でも自分では買わないかもしれないというカンジの微妙さ(苦笑)
4コマ漫画を「読み捨て漫画」と思わないなら買ってもイイかも。

ところで私は某所でよく見掛けるダイナミックな話はサナギさんが元ネタだとは知りませんでした。
# ダイナミックな「ぬ」の話ですよ。←ググったら元ネタも書かれてた ^^;

2007年01月15日

  ■家守(歌野晶午)

家守
短篇集でした。一応テーマは家?
全編に”殺意の存在しない殺人”がありました。殺意というか悪意?
間が悪くて誰かが死んでしまう、はずみで殺してしまう、みたいな…。
そのせいかどうか、読後感はあまりよくない気がします。
読後感が悪いという程でもないんだけど、爽やか系ではない。
ミステリとしては多少強引な展開はあるもののわりと正統派な感じ。
表題作はオチが見え見えだけど(苦笑)それ以外は意外性もあるし。

蛇足。「埴生の宿」を全然知らなかったので意味を知ったのは収穫。
ググって知ったので”日本の歌百選”に入ってることも知ったんだけど
Home、Sweet Homeだよ?…日本の歌、なの?なんだかなぁ~(苦笑)

2006年12月20日

  ■四季 冬(森博嗣)

四季 冬」四部作完結編。
四季の独白(?)多し。意味不明。
いきなりSF。時間の流れがよくわからない。
シュールな詩を読んでる気分(苦笑)
コレを読んで理解できる読者を凄いな、と思う。
私は完結編なので取り敢えず目を通してみただけ。
全然理解できなかった。頭悪い。

  ■四季 秋(森博嗣)

四季 秋」四季四部作3作目。
S&MとVの人間関係が完全に解明されて、各々のメインキャラのその後とラブストーリー(?)
読みやすいといえば読みやすい。四季があまり出て来ないから。
そしてやはり私は萌絵がキライだと思う。
頭イイのに何であんな偏ってるんだろ。頭イイからか?
今回すげー嫌悪感を抱いたのは亡くした子供に対する母親の感情への描写。
「子供を亡くしてもまた産めるのに何故最初の子にあんなに執着するんだろう」みたいな内容。
ま、今は私の神経が過敏すぎるのかもしれん。

2006年12月19日

  ■観用少女【完全版1】-明珠-(川原由美子)他

Amazonから本が6冊届きました。
そのうちの1冊が「観用少女【完全版1】-明珠-
何だよぅ、完全版って…。しかも2巻(来月発売)もあるよ。
486ページもあるとはいえ1600円ですよ。2冊で3200円ですよ。
漫画本に3200円出す40オンナ(しかも子持ち専業主婦)… _| ̄|○

本自体はハードカバーでエンボス加工アリの1600円の価値のありそうな装丁です。カラーも多い。
単行本がA6サイズで4巻、1冊760円~780円なので、未購入なら損はナシの値段です。
でもなぁ…単行本持ってるのに、未収録数作の為に3200円 (ノ_・。)
ちくしょぅ、川原さんじゃなかったら買ってねぇよっ!
因みに完全版1巻目は単行本1巻から5作中2作・2巻から6作中3作
3巻から6作中5作・4巻から4作中3作・単行本未収録2作の計15作収録でした。
残りは単行本収録分8作なので2巻は未収録分が多いのかな~とちょっと期待。

よつばと! (6)」(あずまきよひこ)も届きましたv
あずまきよひこ氏は私の中では1・2を争う才能の持ち主かもしれない。←「天才だ」と思う人っちゅー意味だ。
やっぱスゴイ。とにかく読んでみるべし。

3冊目は「新 外科医 東盛玲の所見(3)」(池田さとみ)命の大切さを語る本。

残り3冊は小説。
池田さとみ書いて思い出したけど、私信:
新 Petshop of Horrors」既に3巻まで出てます。

2006年11月25日

  ■四季 夏(森博嗣)

四季 夏
四季 春」で6歳だった四季が13歳の時の話でS&Mシリーズ1作目「すべてがFになる」に繋がる作品。
Vシリーズキャラの重要な発言によってS&MシリーズとVシリーズとの繋がりも判明。シリーズ読者の為の本。
単独で四季四部作だけ読んでも意味不明なだけじゃないですかね?
紙一重の人間の近くにいればやはり常人ではいられないという話(苦笑)

人は何故「生きる」のか。
天才にとっては「生きる」の意味からして違うんでしょう。
『今日も御飯が美味しくてシアワセだなぁ~』と思える凡人でヨカッタとしみじみ思う。
ゴハンガオイシイノガシアワセデイケマセンカ?

2006年11月24日

  ■四季 春(森博嗣)

四季 春
S&MシリーズとVシリーズをリンクさせる四季四部作1冊目。
叙述物の上に主人公が常人離れした天才なので凡人の私には理解できない箇所が多々あり。
天才の思考はワケ解りません。
更にS&MシリーズとVシリーズを読んでいないと益々ワケ解らない話になってると思います。
天才の思考を記述する森博嗣も天才なのかもしれないけれど
やっぱり天才というのは紙一重なんではないですかね?
周囲をバカにしているから当たり前なのかもしれないけど
誰にも理解されず自己完結するしかなくて気の毒です。
人間は大多数の人と共感できるから生きるのがラクになる部分も多いのではないかと思います。

2006年11月23日

  ■ファンタズム(西澤保彦)

ファンタズム
読了後、masatsu氏に「ミステリじゃなかったよ~、いや、ミステリだけど推理小説じゃなかったー」と言ったら
笑いながら「なんですか?お化けでも出てきましたか?」と言われ"なんで解ったんだ?"と思ったら
…タイトルまんまでした(苦笑)
最初から最後までロジックを期待させる文章ですが、作者曰く"幻想ホラー"だそうで。
うーん、どうなんだろ。ファンじゃない人、西澤作品はコレが初めてという人、そういう人が読めばむかつくかも(笑)
私は西澤贔屓な人なのでそれなりに楽しく読みました。

2006年11月02日

  ■レインレイン・ボウ(加納朋子)

レインレイン・ボウ
"日常の謎"ミステリ連作短篇集。
高校時代の部活仲間の葬式をきっかけに、再会した25歳の女性達、それぞれの現在の状況と日常。
悩みと克服を描きつつ、きっかけとなった仲間の死にまつわる謎の解明。
この作者らしいあまり重くない爽やかな読後感。通勤電車内で気軽に読めるタイプの一冊。
性格も考え方も違う7人の女性が描かれているがそれぞれ個性的に
けれど誰もイヤミなく描かれているのが凄い。私が気に入ったのは「藍の色」の由美子ちゃん。

2006年11月01日

  ■世界の終わり、あるいは始まり(歌野晶午)

世界の終わり、あるいは始まり

小学生連続誘拐殺人事件。
まず、近所で起こった事件に対して「ウチの子でなくてよかった」と思う。
他人の不幸を見て己の幸せを思う。
そして、我が子の部屋で事件に関連する物証を発見して動揺する。
そこから様々なシミュレーションの展開。
最終的に結末(事実)はハッキリしないけれど
ある意味マルチエンディング的にシミュレーションの内容の中から
自分好みのラストを見付ければいいんじゃないかと思う。
どれも救いようのないストーリーではあるけど(苦笑)

人間の自己中さが剥き出しに描かれた作品。自己保身とそれに伴う冷酷さと残忍さ。
追い詰められたら誰でもこんなもんだろうと思う一方、
自分がそういうタイプの人間だから他のタイプが想像できないだけで
実はもっと博愛精神に満ちた献身的な人間もいるのかもしれない。
いや、私には結局そういう人間が想像できないので全然リアルな人間像にはならないんだけど。
実際はどうなんだろう。

主人公は父親。母親ならまたちょっと違った展開になるんだろうなぁ。
多分、良くも悪くも父親程「自分と子供を分けて考えられない」気がする。
自分と子供とは別の人間だというのは解っているし、
大抵の母親が子供を自分の所有物のように思ったり扱ったりすることを否定するんだろうけど
それでも「自分の一部だったことがある人間」というのは一生忘れられない感覚だと思うし
これは父親にはない感覚だろうとも思う。うーん…上手く書けない。
自己保身の為の冷酷さを我が子に向けられる母親は少ないんじゃないかと…。
虐待して我が子殺しちゃう母親も現実に存在するので一概には言えないとは思うけど
少なくとも父親よりは母親の方が我が子に対して冷酷にはなれないんじゃないかと思う。
その代わり我が子を救う為になら、父親より母親の方が他人に対して冷酷で残忍になれる気はする。
極端なこと言うと、我が子救う為に他人殺せちゃうのは父親じゃなくて母親なんじゃないかと。
これも勝手な想像なので実際のところはわからない。

2006年10月15日

  ■DEATH NOTE 13(大場 つぐみ・小畑 健)

13日の金曜日に13巻を出すっていう趣向を実行したのは凄いと思う。バカやるなら徹底的にだね(笑)

つーわけで「DEATH NOTE HOW TO READ 13」全部じゃないけど読みました。
多くの人が思ってるのと同じく、蛇足本としか捉えてませんでしたが、
作者の裏話コメントとかはそれなりに面白かったです。

あー、でもキャラのその後とかは知りたくなかったかなー。命日まで載ってるし ^^;

ラストの女性信者が物議を醸し出してるという話はmasatsu氏から聞いてましたが
特に意味はない(強いて言えば作者の趣味?)らしくて、
私にはアレがミサだという発想が全然なかったのでソレはハッキリしてよかった。
アレがミサだと言われると本当の結末よりも違和感あったから。

Lの本名も特に重要と思ってなかったけど…何か重要な意味のある名前なんですかね?

4コマは面白かったです。「一発」がスキ。
読み切りは消しゴムの存在が凄いなーと思った。アレは反則。
作者も納得いってなかったようだし、アレがなくなったからこそ
ここまでの作品に仕上がったと思うけど、
ジャンプらしいといえば、あれほどジャンプらしい設定もないのかもしれん(苦笑)
いや、もうホントに「死んだら終わり」もっと強調しようよ、ね。

2006年10月11日

  ■虚空の逆マトリクス(森博嗣)

虚空の逆マトリクス(INVERSE OF VOID MATRIX)
犀川&萌シリーズ一編含む短篇集。
この人の作品、特に短篇には顕著な特徴だと思うけど、詩的な内容。
要するに頭良いんだか悪いんだかよく解らない文章。
専門用語羅列の文章は頭の良い人はあまり書かないで欲しい。
その分野に興味のない人間には意味不明で不親切だし
何より莫迦っぽく見えて損だと思うんだけど…。
ワタシはモリヒロシスキじゃないかもしれない、と改めて思った一冊。

2006年10月09日

  ■リドル・ロマンス(西澤保彦)

リドル・ロマンス―迷宮浪漫
心理探偵物連作短篇集。
ミステリというよりファンタジー。でもロジックはしっかり。
漫画読んでる感覚で軽く読める一冊。
探偵(カウンセラーだと私は思うけど、魔法使いかもw)の台詞が哲学的で面白い。

2006年10月08日

  ■神のロジック 人間のマジック(西澤保彦)

神のロジック 人間(ひと)のマジック
オチは以前漫画で読んだことのあるオチでした。
でもそれまでの謎解き(?)部分が読みやすくてそれなりに楽しめるのでいいんじゃないかと。
ラストの展開はかなり強引でしたけど(苦笑)

子供の頃、宇宙の外側はどうなっているんだろう…と思いを巡らしたことがある人は少なくないはず。
それと同じように、今自分が見ている物は全ての人に同じように見えているんだろうか?
赤い色は皆同じように赤い色に見えているのか?
私の目に映っている球形と、他人の目に映っている球形は全て同じ形なのか?
今目の前に存在する全ての物は本当に存在しているのか?
私の空想ではないと、私の夢ではないと、一体誰がどうやって証明出来るんだろう。
もしかしたら今ココで私の目が覚めれば、今までとは全然違う現実が待っているのでは?
若しくは、私が眠っている間、もっと極端に目を瞑った瞬間、世界は一瞬にして暗闇になっているのでは?等々
そう考えたことがある人も少なくないはず。

脳って案外アバウトに出来てない?
人間の思い込みってかなり怖い。
今自分の目の前にある世界の存在を何故確信できる?
自分とは違う世界に生きている人がいることも既に解っているのに。
自分がその世界の住人ではないと信じ込んでいていいんだろうか。
矛盾があってもその世界の住人はきっと気付かない。
自分で気付かないだけでもしかしたら自分もその世界の住人なのでは?

そんな風に考えるとちょっと怖い話(笑)

2006年10月07日

  ■手紙(東野圭吾)

手紙」読みました。
映画化されるそうで、帯にキャストが書かれていた。
もう主人公のビジュアルが山田孝之でしか思い描けない(苦笑)

『親も親類もなく兄弟二人きりで生活してきた兄が”弟を進学させてやりたい”が為に強盗殺人。そして服役。
刑務所内の兄から毎月送られてくる手紙と弟の生活を絡めながら描かれた犯罪者家族の人生』の話。

私は差別意識があることを自覚していて、更にそれをなくす努力をあまりしていない人間なので
感想を書けば酷い文章になってしまう。いや、実際になってしまったので削除(苦笑)

後半、主人公の就職先の社長が主人公に対して言う台詞が全てだと思う。
「差別はなくならない」
「逆境に耐えて、正々堂々とした態度で生きることが正しいとは限らない」
世の中そんなもんだと思う。
色んな差別があるけど、逆差別の上にはのうのうと胡座をかいている人間も多いんじゃないの?
って結局酷い文章になりつつあるので終了。

2006年09月10日

  ■ハチミツとクローバー10巻(羽海野チカ)

ハチミツとクローバー 10」今日届いたので読みました。ハチクロ完結ー。
前巻でいきなりハードな展開になったのでどうなるんだろうと思ってたら
ダラダラのばさずに一気にラストまで突っ走りましたね。
もっと書き込んでもヨカッタという意見もあるようですが、私はこのスピードの方が納得。

"ハチミツとクローバー"が凄いね。アレ作るの凄く大変だよ。
友達以上恋人未満ていうのはこれくらいの愛があってやっと出来る表現だなぁ、と思う。
いや、恋人にでもこれだけの愛ないヤツ結構いるよ(苦笑)
うーんと、どんな恋でもしなけりゃよかった恋なんてきっとないよね。
イイ想い出ばかりが残る方が稀だけど、ドロドロの感情もきっと全部自分の糧になる。

以前『”ハチクロってどんなストーリー?”
”うーんと、のび太とジャイアン(出来杉だったかも?うろ覚え)がしずかちゃんをはさんで三角関係繰り広げてたら
しずかちゃんが借金背負っちゃって、それまで全くの圏外だったスネ夫とくっついてめでたしめでたし、っていう話”』
というのをどこかで見て「(゚Д゚)ハァ?」と思ってたんだけど、最後まで読んで何となく納得(笑)

同時収録の番外編以外の2作もいい話でした。
最近やたらと涙腺弱いのでエグエグしながら読んだ1冊。

2006年07月31日

  ■月館の殺人・下(綾辻行人×佐々木倫子)

月館の殺人 (下)某所のブログで発売を知りました(苦笑)
綾辻氏の作品にこのおとぼけキャラ達…と思ってましたが
全体通して見るとしっかり綾辻氏らしさも織り込まれた作品でした。
解決編で主人公がいきなりボケ脱却してるのは多少違和感有りだけど
伏線もキチンと描かれていたし、キャラの描き分けも上手いし、
完成度の高い作品だと思います。

余談w
7月最終日。
愛しの岩田さんのお誕生日でした。おめでとうございます♪
同い年だよ。ファンになってから結婚されて、お子様も生まれて…
ピーターパンの時まだ10代だったのにもう30代も最後の年だよ。
とか考えてたら年感じる(笑)
岩田さんからの連想で(え?)「魔法使いの娘 (4)」出ましたね。
オカルトもホラーも好きじゃないけどやっぱ那州雪絵は好きだわ。

2006年07月23日

  ■殺人の門(東野圭吾)

殺意を抱いた人間が全て「殺人の門」をくぐれるわけではない。

主人公の生い立ちが長々と綴られていて、
そこに「主人公の人生を巧みに操って不幸に陥れている人物」が絡んでくる話。
主人公が「甘い」と言えばソレまでだと思う(苦笑)←ハッキリ言って主人公は学習能力なさすぎ。
テーマは「殺意を抱く」と「実際に殺人を犯す」の間にあるモノは一体何か?ということだと思うんだけど
「何かがぷつんと切れてしまうきっかけ」なんて人それぞれじゃないかと思いますね。

悪意があって人を陥れようとする人間と
悪意があるのではなくただ自分のことしか考えていないので結果的に他人を陥れてしまう人間
主人公の周囲にこの手の人間が沢山出てきて読んでてむかつきます。
周囲にもむかつくけど対処の下手くそな主人公にむかつきます。
この主人公は不幸な人生を歩んでいて、環境にも気の毒な部分は多々あるけれど
やはり本人の責任が一番大きいと思う。
不幸を他人のせいにしてるうちはシアワセにはなれないやね。

2006年07月18日

  ■さよなら妖精(米澤穂信)

さよなら妖精
ユーゴスラビア紛争を背景に描かれたミステリー、という名の青春小説。

日常の謎的な些細な謎解きが数ヶ所、メインはユーゴスラビア紛争。
史実らしいけど詳しくないので全然解りません。
カタカナ地名が沢山出てきた時点でちょっと脳味噌が拒否したかも(笑)

結局私はミステリー部分は無視して青春小説としてしか読めていないと思う。
甘酸っぱい感情と、つまんない見栄と、他人の感情に対する鈍感さ。
大人も持っているけれど、大人とは違う若さ故の思考と行動。
そういうモノの描き方が秀逸だと思います。
ああ、でも実際に高校生が読んだら「なんか違う」と思うのかも。
大人の中にある若者像かもしれません。その辺は私が若者ではないので判断できない。

2006年07月17日

  ■ブレイブ・ストーリー(宮部みゆき)

上巻の途中まで読んでずっと放置状態だった「ブレイブ・ストーリー(上)(中)(下)」を週末やっと読み終えた。

ファンタジーのカテゴリに入るし、実際ファンタジーとしか言いようがないんだけど
ファンタジーというにはハードな内容だったと思う。
上巻の8割くらいは異世界ではなく現実世界での主人公の状況描写。
リアルで重くてちょっとしんどい。

宮部作品は「人間誰もが持っていて、一生懸命隠そうとしてるけどふとした時に出てしまう利己心」
が顕著に書かれてるような気が(私は)するんだけど
今回は主人公が子供(小5)で、その子供が「自分の利己心に気付いて、他人のソレを許す」
そういう作業が出来るまでに成長する成長物語。
難しいやね。大人がダメダメなのにそれを「仕方ない」と納得するのはしんどいよ。

純粋に冒険活劇として楽しむにはちょっとハードすぎるんじゃないかと思う内容でしたが
アニメではどんな風に描かれてるんでしょうかね。
原作は子供が読んで楽しめるのかどうか、微妙な内容だと思いました。
読みながら色々考えるにはいいかもしれない。何も考えずに読める本じゃないと思う。

2006年05月31日

  ■世界禁煙デー

今日は世界中の喫煙者が「けっ!普段の倍吸ってやるゼ」と思う(らしいw)世界禁煙デーですよ。
今年で19回目らしいですが、私は過去「普段の倍吸ってやる」とも「禁煙しよう」とも思いませんでしたが
今年は禁煙中でございます。
発端は半月程前に発表されたマイルドセブンの値上がりですけどね(笑)
戯れに(ぉぃ)「禁煙しようかなー」と呟いてみたわけです。
きっと私は勿論、masatsu氏だってあんまり本気にしてなかったはず。

なのに数日後『女性のための禁煙セラピー―読むだけで絶対やめられる』を渡されました。
なんでこんな本知ってるんだよ、つか、実はそんなに止めて欲しかったのか? ^^;
「本気で止めたい人が読めば確実に止められる」と有名な本ですよ。
でも大抵の人は「けっ!読むだけで止められたら苦労しないよっ」て思いながら読むでしょうね。
私もそう思いながら、そして時々ツッコミながら読みました。

なのに何故か本日禁煙10日目でございます。

喫煙歴20ン年。恥ずかしいからあんまり書きたくないが、
妊娠中も本数は減らせど禁煙は無理、出産直後看護師さんに
「SHINOさん、タバコ臭いよ」と言われた私(隠れて吸ったw)が禁煙10日目。
案外凄い本かもしれませんよ、奥さん!(笑)

体に悪いから止めたいってよりお金が勿体ないから止めたいと本気で思ったのがよかったんでしょうか?

2006年05月03日

  ■クロサギ(黒丸×夏原武)

テトリスDS」を買おうと思っていたギフト券で「クロサギ」1~9巻買ってしまいました ^^;
「本9冊も一気買いして請求が0円なんだよぉ~」とシアワセ感じる私(笑)
ゲームソフト1本買って5千円以上なんて普通にあるのにゲームソフト買うより
漫画の大人買いは凄いことに思えてやたらと嬉しくなるのは私だけ?
基本的に本に掛けるお金は惜しまないんだけどやっぱり普段大人買いは躊躇しますからね。
置き場所の問題もあるけど、ちょっとこの年で漫画の大人買いはどうよ?という後ろめたさが。
いや、そんなこと書いたらゲームソフトだって同じなんだけどさ(苦笑)
墓穴掘ってるっぽいんで終了。

ドラマとは別物だと思って読みましたが基本的な人間関係の設定は同じでした。
でもドラマの方が暗め?原作ベースにキャラの設定を深くしてる感じ。
原作読んで、良くできたドラマだと思いました。
神志名警部は印象が違うんだけど原作の背景ドラマでも使われるのかな?
氷柱も印象がかなり違いますね。ドラマでは恋愛色押し出すせいもあるんだろうけど
原作の氷柱はあそこまで無神経な役ではなかった(苦笑)
ま、アレ(ドラマの氷柱)を無神経と感じるかどうかは個人差大きいんだろうけど… ^^;
次回のドラマでは白石が出てくるらしいのでちょっと楽しみ。

原作読んだら色んな詐欺師が出てくるわけですが、
手形詐欺なんかの企業相手の詐欺はともかく
個人相手の詐欺は被害者が騙されたことに気付けないまま終わってるモノも
世の中には多いんじゃないかという感じがしました。
違法かどうかも結構微妙だし、少額だと案外大勢の人が今まで騙されてきたんじゃないかと思う。
「振り込め詐欺」みたいに後で確実に”騙された”と気付けるモノばかりとは限らないし。
「結婚詐欺」に近いようなことは被害者も加害者も意識せずやってる気がするし(爆)
詐欺っていうのは立証が難しいといわれるだけあって微妙な犯罪だなぁ…と。
詐欺について知って騙されないようにしよう!なんて思って読むモノじゃなくて
単純に義賊モノとして楽しむ本というのが感想。

2006年04月16日

  ■夏季限定トロピカルパフェ事件(米澤穂信)

最近本をマトモに読む時間がなかなか作れない。
時間の遣り繰りが下手になってしまったものだ。
この本も発売日(4/11)に手に入れていたのにやっと今日読了。
きっと普段ダラダラしてる時間が長すぎるんだな。
もっと有効に時間活用したいです。はい。

運命的な出会いをした「春期限定いちごタルト事件」の続編「夏期限定トロピカルパフェ事件」です。
ちょっと脳味噌の回転が良すぎて人に疎んじられるようになってしまった小鳩君と
復讐の為になら恐ろしく脳味噌の回転が良くなってしまう小佐内さんの2人は
"小市民"目指してお互いの性癖を抑制しあう互恵関係の2人。
お互いを理解し合っているのに恋愛関係とはちょっと違う微妙な関係。
息のあった2人の遣り取りが今回も冴えてます。
連作短篇のカタチをとった長篇なので1冊で沢山楽しめる仕上がりになってます。
2人の関係を微笑ましく思うファンにとっては衝撃的なラストですが
どうやら続きがあるらしいので続編が楽しみ♪秋の2人の関係に期待。

"小市民"を目指す2人が"小市民"でないと思える自分を変えられない辺りが
充分"小市民"なのだと思うんですけどね(苦笑)

2006年02月23日

  ■レイクサイド(東野圭吾)

レイクサイド

これは多分子供が読んでもよく解らないミステリ。
ミステリ慣れしてる人には物足りないと思えるくらいの内容なんだけど
登場人物達の思考がきっと大人にならないと理解できないんじゃないかと思う。
思うことを書くとネタバレになるのであまり書けないー。
解説にも書かれているが最後に真実を知った主人公の選択は
読み手の立場や考え方で印象が随分違うんだろうなぁ…と思う。

主人公はステップファーザーさんです。
血の繋がり云々というくだり。
主人公の妻の言う
「結婚十数年経つ夫婦の愛なんてある程度冷めてる。
ただ離婚する程じゃないだけ」という辺り、
やたらとリアルでそういう部分だけでも私は個人的に面白かったです。
270ページ程度の短い作品なのでミステリに興味なくても
家族愛に興味ある人は読んでみてもいいんじゃないかなー?と思います。
他の人が登場人物達にどういう感想を抱くのか訊いてみたい。
私は彼等を歪んでると思えるんだけど、否定できない。
自分も同類だと思ってしまいました。私も歪んでる(笑)

  ■Pの密室(島田荘司)

Pの密室
買いそびれていた御手洗モノ。
御手洗少年、幼稚園時代と小学生時代の2作品収録。
天才はやはり幼少の頃から天才だったというお話。

自分が子供だから大人に信用してもらえない、と焦る幼稚園児の御手洗君は
小2の時点では大人を翻弄するように成長しています(笑)
幼稚園時代の方は先日も書きましたが、毒物に関しての知識が昔と今では違うので
トリックが安易に思えるかもしれませんが、読み所はそんな些細なトリックではなく
やはり御手洗の女性に対する手厳しさのルーツでしょう。
小学生時代の方は表題作ですがタイトルが秀逸。
そしてやはりこちらも人間のもの悲しさが読み所。
「誰かを助ければ別の誰かを不幸にしてしまう」と悩む御手洗少年。
子供時代だからこそ、彼の優しさと探偵としての性がストレートに表現されている作品。

2006年02月22日

  ■魔神の遊戯(島田荘司)

魔神の遊戯
御手洗モノですが語り部が石岡じゃない作品。
外国での事件なので地理音痴の私は地名が出てきても位置関係がよくわからず流してますよ(笑)
カタカナ名拒否と地理音痴が海外物避けてる一因なのに。

読みながらずっと違和感があって、それは石岡視点じゃないせいかと思ってましたがこういう感覚は重要。
シリーズモノはシリーズモノでしか楽しめない要素があるもんです。
事件自体は猟奇連続殺人。
御手洗が脳の研究をしている関係で最近の事件は脳障害に絡むモノが多い。
脳に関する知識が増えるのも一粒で二度美味しい。
あとは宗教絡みだったので旧約聖書に関してもちょっと知識増えましたよ。
こういう知識が増えるのがいいのか悪いのかは謎ですけどね。
聖書って世界で一番読まれているエンターテインメントだと思うけど
解決編のないミステリみたいなイメージでちゃんと読む気がしないので
いつまでも私の聖書に関する知識は断片的。
何故あんな中途半端な読み物がここまで支持されているのか、読んでみなきゃわかんないだろうにねぇ。
いや、読んでも解ると思えないから読めないんだな(笑)
他の書物で引用されている断片的な知識が不要なモノなのかもしれないと思ったり。

2006年02月19日

  ■セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴(島田荘司)

セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴
御手洗モノ。昨日の2冊よりは本格ミステリっぽい仕上がりの作品。
御手洗の気紛れな台詞に惑わされる。探偵役が気紛れなので謎が大きくなる辺り(笑)
基本的な部分のトリックは目新しいモノではないし、
ワトスン役の石岡が見事にマヌケなワトスンなので
「おいおい石岡ぁ~」と思いながら読むのも楽し。
御手洗のおちゃめさと石岡のマヌケさを楽しむ1冊。

2006年02月18日

  ■ロシア幽霊軍艦事件(島田荘司)

ロシア幽霊軍艦事件
この作家は史実に基づいていくつかの作品を書いているけれどこれもそのうちの一冊。
ロマノフ王朝最後の末娘アナスタシアを名乗る帰化アメリカ人アナ・アンダーソンの真贋について
御手洗が推理するお話。
私は歴史がサッパリなので史実も虚構も同じレベルで読んでしまっているので純粋にミステリとして楽しみましたが
虚構部分を除いて史実のみから導き出される推理部分だけをみるならこういうカタチで発表するのは
勿体ないんじゃないかと思うくらいの作品です。
歴史に興味のある人は別の面で楽しめるかもしれません。

実際に歴史というのは当時の権力者に都合のいいように捏造されているんだろうし、
ほんの数年前までは脳障害も精神障害も同列に扱われていたんだろうし。
残念なのはタイトルですかね?(苦笑)

  ■最後のディナー(島田荘司)

最後のディナー
文庫化が3年前、単行本は更に3年前で6年前の作品です。
御手洗シリーズは「御手洗潔のメロディ」以降読んでなかったので久しぶりの御手洗モノです。
# 今、コレを書く為にタイトルを調べていて「Pの密室」未購入に気付く orz

御手洗モノというよりは石岡モノ?
久しぶりに読んだので前作までの内容をよく憶えていないんだけど
私は石岡が好きではないというのを思い出しました(笑)
龍臥亭事件」の後日談というか
石岡の恋愛感情主体に少し謎を絡めた短篇が3本収録されています。
1作目はミステリでも何でもない親子程年の離れた里美ちゃんにメロメロな石岡が書かれているだけです。
2作目・3作目はミステリですが、謎解きは御手洗が電話でやっちゃうわけで、相変わらず石岡はメロメロです。
何にしろ御手洗の出番が少ないわけで私には物足りない。
御手洗が好きなんですよ。やっぱりキャラ萌えな読み方をしているらしい私。

石岡はウジウジとネガティブで被害妄想気味で小狡くて見ていてイライラします。
近親憎悪ってヤツかもしれません。

2006年02月15日

  ■心のなかの冷たい何か(若竹七海)

結局、島田荘司を読む前に読んでしまった。
心のなかの冷たい何か
15年前の作品で作者自身が「時代に追い越された小説」とあとがきで書いています。
登場人物が携帯を持っていなかったり、パソコンではなくワープロ専用機だったりする辺りと
犯罪の質の変化について「時代に追い越された」らしいです。
読んでいてあまり気になりませんが、毒物に関しては確かに15年前より今の方が一般人も詳しいかもしれません。
逆に言えば時代を先取りしていた小説ではないかと思います。

心のなかに冷たい何かを芽生えさせるのは他人でも
いつしか自分の手で大きく育ててしまう。
でもそれを大きく育てる自分を育てたのも他人で
その人間の本質と環境とがマイナス方向で一致してしまうと
人間はいくらでも歪んでしまえるものなんだろうなぁと思う。

そして自分自身が他人に影響を受けることもさることながら
自分が他人に影響を与える存在であることが怖くなる。
とくに『親』という絶対的な立場にいて『子』という他人に与える影響を考えると怖い。
私自身は「親を憎みもしていないが愛してもいない」と自分で思っていて
この無関心具合はちょっと異常かもしれないと思っているので
ちょっと異常かもしれない自分が『親』をやっていることに恐怖する。
こんな感情は今に始まったことではないが、普段は敢えて避けている心の闇なので
今回のように本を読んだり、またはニュースを見たり、何かのきっかけで再確認させられると恐怖が倍増する。
こんなときが一番生きているのがイヤになるときなので早く封印しようと思う。
私にとってはちょっと地雷的な本でした。

「人間は生きることをあらかじめプログラムされている。バグがない限り死ぬのは大変なこと」
という内容の記述が作中にありました。
私の中にバグはない。そして死ぬだけのパワーを持ち合わせていない。
色々くだらないことを考えながらきっと明日も生きている。

2006年02月02日

  ■虹の家のアリス(加納朋子)

虹の家のアリス
螺旋階段のアリス」の続編です。

前作同様ほのぼの系ミステリ。
どこにでもいそうな中年脱サラ私立探偵と美少女(?)押しかけ助手が
警察では相手にしてくれない事件未満案件を解決していく連作短篇集。
私立探偵の息子の彼女ストーカー事件では私も私立探偵と同じく騙されました。
最初から胡散臭さ見え見えだったのにアッサリ騙されて情けなーい。

島田荘司に突入する前にリハビリに読みましたが
読みやすくて後味も悪くなくてマル。

あと若竹七海も読みたいんだけど後味悪そうな気がするので悩み中。
今日はこれから「DEATH NOTE (10)」読んで寝ますw

2006年01月15日

  ■模倣犯(宮部みゆき)

Amazon.co.jp:模倣犯1新潮文庫: 本Amazon.co.jp:模倣犯2新潮文庫: 本Amazon.co.jp:模倣犯3新潮文庫: 本Amazon.co.jp:模倣犯〈4〉新潮文庫: 本Amazon.co.jp:模倣犯〈5〉新潮文庫: 本

読了。
火曜日の夜から読み始めたので日に1冊のペースですね。
読みやすいので時間さえあれば一気に読める作品だと思います。
連続殺人事件の加害者の心理、被害者の遺族の心理、そして傍観者の心理。
どれも深く描かれていたと思います。

人間は誰も皆とても弱い。
自分の弱さに気付かない人。
弱くて何が悪いのかと開き直る人。
強くなろうと努力する人。
色んな経験を経て以前より強くなれた人。
沢山の登場人物、それぞれの描写が秀逸。

殺人も含めて、理不尽に傷付けられる人達が大勢いるので
精神的に弱ってるときに読むのはちょっとキツイかもしれない。

実際の事件でも加害者側も被害者側も
当事者だけでなく、事件によっては当事者よりももっと
その家族の方が沢山の辛い思いをするんだろうなぁと思います。
読んでいて感じるもどかしさがこの本の読み所だと感じました。

2005年12月10日

  ■生協の白石さん(白石昌則) 他

生協の白石さん
今更感がありますが今更(笑)
大学生協の『ひとことカード』に対する白石さんの名答集です。
初めてネットで白石さんを見たのは数ヶ月前、以降何点か白石さんの名回答を見ただけだったので購入。
でもAmazonのギフト券がなかったら購入してなかったかも ^^;
いや、購入は正解でした。白石さんの人柄がよくわかるエッセイ付き。

初めて白石さん(の回答)を見たとき、てっきり若い女性だと思ってました。
答えから漂う空気が優しかったせいだと思います。
今回改めて本で沢山の回答を見て、白石さんの頭の良さと誠実さに驚きました。
御本人は「その場で思いついたことを書いているだけ」と書かれてますが、
思いつきだけで書いているものならその頭の回転の良さに驚くし、
実はくだらないことでもキチンと調べて書いているんだろうなーという誠実さも答えから見えてきます。
読んだら東京農工大学の生徒さんがちょっと羨ましくなりますね(笑)

*****

Amazonの還元ギフト券、今回ちょっと金額が大きかったので
現金なら買ってないなぁ…という本を数冊購入。
森博嗣モード全開だったので(笑)以下。
すべてがFになる」(画・浅田寅ヲ)
冷たい密室と博士たち」(画・浅田寅ヲ)
女王の百年密室」(画・スズキユカ)
迷宮百年の睡魔」(画・スズキユカ)
上から2冊がS&Mシリーズ、下2冊がミチル&ロイディシリーズのコミック化。
絵の好みは様々だし、原作者はS&Mシリーズを大層気に入ってるようですが
私は犀川も萌絵も四季もイメージがちょっと違いました。内容は解りやすかったと思いますが。
ミチル&ロイディシリーズの方はスズキ氏の絵が私のイメージとピッタリ一致して読みやすかったです。
# やっぱロイディいいわ。
# ・・・私はキャラ萌えじゃないと楽しく本を読めないのね _| ̄|○

2005年12月07日

  ■安楽椅子探偵アーチー(松尾由美)

安楽椅子探偵アーチー」シリーズ短篇4作。本格ミステリ。

所謂安楽椅子探偵というのは
「実際に現場に行ったり調査したりという行動はせず、話を聞いただけで謎を解く探偵」
ですが、この本の探偵アーチーは本物の安楽椅子です。
それだけでもうファンタジーな世界ですが主人公でアーチーの持ち主である小学5年生の衛との会話は
祖父と孫という雰囲気でイイ感じです。
謎解き部分も安楽椅子探偵物にありがちな多少強引な展開もありますが一応本格。
アーチーの過去(の持ち主の境遇)が結構ハードですが読後感もヨシ。

元々同じ作者のバルーン・タウンシリーズに興味があったんだけど
シリーズ3冊一気に買うのはちょっと躊躇うし、でもシリーズモノ1冊だけ買うのもイヤだし(←悪癖)
というので取り敢えず最新刊のアーチーを買ってみました。
わりと読みやすかったので機会があればバルーンシリーズも読もうと思います。

2005年12月04日

  ■あきらめのよい相談者(剣持鷹士)

あきらめのよい相談者
単行本出版から10年後の文庫化。
他にこの作家の本は出ていないようなのでこれきり作家業は廃業したのかも。
本業は弁護士らしいし。

知らない作家だったけど本屋で平積みされていたので手に取ってしまった。
創元だったし、失敗はないと思っていた。失敗だった。

語り手ワトスン役が弁護士で友人がホームズ役のシリーズ短篇4作。
ワトスン役なんだから仕方ないのかもしれないけど、弁護士のクセに頭悪すぎ。
4編とも途中で謎が解けてしまうのでミステリの醍醐味は全くないし、
キャラも性格が悪くて好きになれない。
買ったことを後悔する本は年に数冊あるが、今年のワーストワンはこれ。
実は300ページに満たないのに読み始めてから読み終わるまでに一ヶ月以上掛かっている。
途中でくだらなくて読み進めるのが苦痛になるから。
最後まで読めば印象が変わるかと思って頑張って読んだけどダメでした。
弁護士の本音を垣間見られるという点には価値があるかも。
でもこの弁護士にはお世話になりたくないと思うけど(笑)

2005年12月02日

  ■今夜はパラシュート博物館へ(森博嗣)

今夜はパラシュート博物館へ」短篇集。S&Mシリーズが2篇とVシリーズが1編。ノンシリーズ5編。
「パラシュート博物館」=「オチ方の博物館」らしい ^^;

# 森博嗣購入本読了。あとエッセイ以外で文庫化されてるもの未購入が数冊あるけど買うかどうかは未定。
# 取り敢えず四季シリーズを読む前に関係シリーズは読んでおきたかったのでココまで読んだ。
# けどもう一回S&MとVシリーズ読み直さないと忘れてることが多すぎてダメかも orz

単純に小鳥遊君目当て(コレを腐女子というらしいw)で買った「パラシュート」ですが相変わらず難しい。
作者自身が「理解できないヤツは理解しなくていい」というスタンスで書いてるので
最後まで読めば謎が解けてスッキリ、とはいかないんですね。
シリーズモノは理解できないまま放ってきた謎が蓄積しすぎて完結してもよく解らないままだし(苦笑)
流石に短篇はソレだけで終わるはずだと思うので謎を減らしたいんだけど…。
深読みしすぎて変な解釈してる作品も多いかも。

以下ノンシリーズ5編の感想。
・「ゲームの国」清涼院流水を読んでる気分になった。
・「私の崖はこの夏のアウトライン」一番解らなかった。何が書かれてるんだろう。
・「卒業文集」最初オチが比喩かと思ってしまったので考えすぎ。ストレートに読めばよかったっぽい。
・「恋之坂ナイトグライド」森氏自身が「100人の森博嗣」の中で
『このオチもわかりにくく、読者の半分も気づいていないものと予想している。
博物館を訪れる人の全員が、展示物を理解するとは思えない。それで良い、と考えている』
とまで書いているので単なる擬人化じゃないよなぁ…と考えてるけど解らない。
『理解できないヤツは理解しなくていい』というのはやはり酷いと思う。
森博嗣は作中でなぞなぞを出して答えを書かないことが多いけどストーリーには関係ないとはいえ
これもスッキリしない。解けていないなぞなぞが今もある。
解けてもそれが正解かどうか作者に問い合わせないとわからないというのが面倒。
提出した謎は全部解いてから終わらせて欲しい。
・「素敵な模型屋さん」ファンタジー?別に嫌いじゃないけど、どこかで見たような話。

次はS&Mシリーズ読み直すか、途中まで読んで放置したままの「絡新婦の理」を読むか悩むところ。
後者は重くて(内容がではなく物理的に)読むのが疲れるんだよ。
でも分冊版に追い越されたら悔しい。分冊版が出ると知っていれば・・・orz

2005年12月01日

  ■迷宮百年の睡魔(森博嗣)

迷宮百年の睡魔」昨日読んだ[女王の百年密室]の続編。
ミチル&ロイディシリーズ2作目。三部作で次作(未刊)が完結編のようです。

前作と舞台は変わっているけれどやはり生(死)をテーマ書かれた作品。
舞台背景のイメージが中世っぽいのに近未来だから科学は発達してるし
ちょっと不思議な空気が漂ってる辺りやはりファンタジー色強いなぁと思います。
殺人事件もあるし謎解きもあるけどSFなので何でもアリです。
別に私はこれをアンフェアとは言わないと思いますが。どうなんだろ?
どっちにしろ突っ込むのは野暮ですよねぇ。うんうん(誰に?笑)

ミチルとロイディの会話を楽しむのがメイン。1作目よりいい関係に育っています。
# この2人の関係は由貴香織里のカインとリフをだぶらせてしまいます。←スキ

精神はどこに宿るのかをテーマに書かれた作品は結構あると思うんですが
脳移植後自分の物ではない感情に惑わされるという話より
AIが感情を持つ話の方がまだ納得できる気がします。幻想か?(笑)

私は脳が壊れる前に死にたいと思う。
脳が壊れたらそれはもう私ではないから。
私ではないまま呼吸しているのは生きているというんだろうか?

2005年11月30日

  ■女王の百年密室(森博嗣)

女王の百年密室―GOD SAVE THE QUEEN」SFミステリ?

生とは何かという哲学的な内容と
近未来の楽園というファンタジーと
殺人絡みのミステリを楽しめるお得な1冊。

生死に対する概念も幸福の価値観も人それぞれなので
客観的に不幸な人が主観的にも不幸とは限らない。
不幸な人達の物語だと思うが、彼等は皆不幸ではない。

真実を知らずに幸せならば
真実を知らせて相手を不幸にする権利は誰にもないと思う。
けれど私は真実を知ってから自分の幸不幸を決めたいと思う。
酷く我が儘だ。

自分でも何を書いているかよく解ってない(笑)

2005年11月29日

  ■工学部・水柿助教授の日常(森博嗣)

工学部・水柿助教授の日常」小説のふりをしたエッセイ?日常の謎モノミステリ? ^^;
シリーズモノの1冊目なので今後どうなるかは知らない。

もう1年も前に文庫化されてる本ですね。
今脳味噌が森博嗣モードなので一気に読みます。森博嗣あと3冊(笑)

のちに小説家になる水柿助教授が小説家になる以前の大学での様子と奥様との出会い等々。
地の文で何度も「これは小説です」としつこく書かれているが誰もが著者自身と重ねて読むんだろう。
大学での様子は面白かった。
大学の教授って大抵の読み物で凄く変人として出てくるけど実際変な人が多いんだろうか?
読みながら「ぷっ」と思わず吹き出しそうになる箇所が多数。
森ファン以外にもオススメできる一冊かもしれない。真面目に読まずに気軽に読みたい。

2005年11月28日

  ■100人の森博嗣(森博嗣)

100人の森博嗣」エッセイ。

森博嗣のエッセイを読むのは実は初めてです。
本屋で何気なく手に取ってしまったのでパラパラ捲っただけで戻し、帰宅してからAmazonで買いました(笑)
特別収録の素人インタビュー記事が読みたかったからです。
チビズを連れていたので立ち読みは無理だったのでした。
立ち読みできる程度の文を読む為に本を購入…贅沢な身分になったものです。
いや、無駄遣いしてゴメンナサイ。

勿論、そこだけ読みたかったからといってそこだけ読んで放棄したらホントの無駄になるので全部読みました。
この本の前のエッセイでS&Mシリーズの後書き解説を書いていたらしいですが、
今回はVシリーズ以降の解説が書かれていてまんまと未購入作購買意欲をかき立てられ
今また森作品3冊発注中です←バカ
今夜はパラシュート博物館へ」を短篇集だからと中身も知らないままスルーしてたのは失敗でした。
小鳥遊君のお話があるそうで。
本の発売日近辺に購入本が集中しようが、忙しかろうがキチンと調べてから切り捨てるべきですね。学習。

『小説に書かれていることが森自身の思想あるいは思考だとは思われるのは心外』という文章がありました。
フィクションに書き手の人間性はどのくらい表れるんだろう?というとりとめもないコトをつらつらと考えました。
凡人が天才の思考を想像できるだろうか?
天才には凡人の思考が解るんだろうか?
善人に悪人の思考が想像できるんだろうか?
悪人に善人の思考が解るんだろうか?
人間の想像力に限界はないのか?等々。
シリアルキラーの異常心理がいくら克明に書かれていたとしても
それは現実のシリアルキラーの心理とは全く一致しない(かもしれない)
ということをついつい忘れがちになる私。

2005年11月27日

  ■赤緑黒白(森博嗣)

赤緑黒白―Red Green Black and White」Vシリーズ10冊目。完結編。

シリーズ完結といいつつ、謎がいくつも残されたままというか、スッキリしない印象。
巷では次作の四季シリーズの布石シリーズ扱いだし。
意味深な台詞の数々を流して単発のミステリ部分だけに注目してみてもイマイチ。
異常心理が理解できないと動機に納得できないせい?
理解する必要はなくて「そういうものもある」と認めることが大事らしいけど。

森作品を読む度に自分の脳味噌レベルの低さを痛感する。
レベルの低い人間にはレベルの高い人間の思考が理解出来ないんだと思う。
表された言葉に自分なりの解釈をして理解したとは思えないまま不完全な決着をつけるしかなくて悲しい。
キャラの会話は真意がどこにあるか理解できているかどうかも判らないけど
自分なりに色々考えさせられるのでそういう部分では楽しい。
比喩表現は受け手次第で深くも浅くもなるもんだと思う。

"殺人が悪というのが固定観念"の辺り面白い。
実際大抵の殺人者は「正義」の為に人を殺めているんだろうと思うし。

あと私は「色鉛筆を綺麗に並べたい欲望」の強い人間だと思う。
並べ順だけでなく、長さがマチマチになってくるとちょっと気持ち悪く感じる。
誰でもそうかと思ってたけどそうでもない?
当たり前のように「順番に並べない人間の方が多数」と書かれていて驚いた。

んで、やっぱり小鳥遊君に逢えるのがこの作品で最後(かもしれない)というのが一番悲しい。
西之園萌絵にも瀬在丸紅子にももう逢えなくていいから小鳥遊君に逢いたい(笑)

2005年11月21日

  ■立ち読みメモ

「花より男子」全36巻(神尾葉子)以降立ち読み(苦笑)した本のメモ。

・「NANA」1~13(矢沢あい)
読んでみたいと思ってた話題作なので。
凄い人気の理由がイマイチ解りませんでした(ぉぃ)
何が人気の理由なんだろ?
最近の少女マンガでは普通なんだろうけどやたらエッチシーンが多いですね。
はずみでエッチして何となく結婚するっていう辺りがもしかしたらリアルなのか?
若い頃の私ならもう少し共感出来たかもしれない。
ああ、もう私はババァだよ、と実感した作品(笑)

・「本気!」全50巻「本気!番外編」全3巻「本気!II」1~5(立原あゆみ)
実は私は立原あゆみ好きなんですよ。
今はすっかりヤクザマンガの人ですけどね。
昔々大昔「麦ちゃんのヰタ・セクスアリス」を描いていた頃ファンクラブに入ってました(爆)
「本気!」は友人に借りて途中まで読んでたので最後まで読みたかったのもあって読み返し。
ヤクザの純愛ですよ。命の大切さも教えられます。
「仁義」も途中まで読んだんで最後まで読みたい。

・「女帝」全24巻(倉科遼・和気一作)
眞鍋かをりサンが以前ブログで書かれていたのでいつか読もうと思ってました。
薄幸の少女(苦笑)がお水の世界で成り上がっていくお話です。
銀座のホステスは才女でなければ務まらないというのは有名な話ですが
不況が続く現在でも銀座ってのは華やかな世界なんでしょうか?
脳味噌の出来が良くて容姿端麗ならホステスで成り上がるってのは正しい選択ですね。
10代の頃の私の夢は「金持ちの愛人」でしたから(笑)ちょっと憧れの世界です。
ほぼエロマンガなのでエッチシーンは無駄に多いです。
効果音がいつもパン!パン!なのが笑えます。
でも全体的に「セックスは上手下手より愛情の有無」とまとめてあるので健全だなぁと思います。

・「ときめきトゥナイト」全30巻(池野恋)
「ときめきミッドナイト」っていう続編刊行中でしたっけ?
「ときめきトゥナイト」読んでみて私は序盤しか読んでなかったことを知りました(笑)
真壁くんが生まれ変わる辺りまでしか読んでないというコトはこの頃にりぼんを買うのをやめたんですかね?
アニメも全然観てないし、なるみちゃん編とか愛良編とか全然知りませんでした。
ギャグ色の強い作品だという記憶はあったんですが、ホントにギャグマンガでしたね。
神谷さんがあそこまで重要なキャラだったとは…。

こんなに沢山立ち読みして良かったんだろうか…。
著作権侵害してる気がします。
スミマセン、犯罪に荷担してるかも。

2005年10月29日

  ■よつばと!(あずまきよひこ)

よつばと! (1)(2)(3)(4)
Amazonの還元ギフト券が届いたので一気買いしてしまいました。
4冊ともmasatsu氏実家にあるので一読はしてるんですが、手元に置いておきたくなったのだ。
一家に1冊(笑)
でも置いてて損はない本だと思うのよ。
ずっとハイテンションのままの話ばかりなのに読んだら癒される。
元気貰えて癒される素敵なマンガだと思います。
あずまんが大王」も面白いけど私は「よつばと!」の方が好きです。

  ■月館の殺人(綾辻行人×佐々木倫子)

月館の殺人 上
気になりつつ、今頃やっと読みました。
いや、ミステリだから一気に読みたいので下巻が出てから買おうかと思ってたんだけど当分出そうにないので。
最初「月館」を「つきだて」とと読まず、館モノだと思ってました。綾辻さんだし。
地名なんですね。そうね、鉄道ミステリって帯に書いてあるもん。
でもコレは鉄道ミステリじゃなくてテツ(鉄道オタク)ミステリですよ(笑)
原作は小説として発表されてるか、今後単行本化とか予定があるんでしょうか?
あるなら読んでみたいです。
一体どんな原作がこんな妙な話になるのか(笑)
綾辻さんがいくら頑張ってもこんな妙なキャラを登場させるのは無理だと思う。
だからやはりキャラは佐々木キャラなんだろう。
佐々木ファンが読んでガッカリしない作品だと思います。
そしてミステリとしても展開が意外で面白そうです。

2005年10月22日

  ■黒の貴婦人(西澤保彦)

黒の貴婦人
タック&タカチシリーズ8冊目の短篇集3冊目。
作者本人もあとがきで書かれてますが、このシリーズは出版社がバラバラで
発表順と時系列も一致してないので把握しにくいシリーズです。
着実にタックとタカチが親しくなっていってるのはわかるんだけど…。
ま、キャラの変化や他作品とのリンクを楽しむのでなければピンで読んでもミステリとして充分楽しめます。
キャラの背景がある程度わかっている方がより楽しめるのは当然ですが。
この作品に限らず西澤作品に漂う明るい描写のシーンでも背景が暗い感じが何とも言えず。

このシリーズは性別を超えた友情の描かれ方が好きです。
恋愛感情が皆無なわけではないのにそれをも超える友情。
これを男女間の友情が成り立っているというか否かは個人の判断なんでしょうけどね。
恋愛感情と友情が全くリンクしない別の物と定義する必要はないんじゃないかと私は思います。
自分が男だったら絶対惚れてる女が友人にいるし、
出会い方が違えば恋愛していた男が友人にいる。
それでいいんじゃないんでしょうかね?

ってコレ本の感想じゃないな(笑)

2005年10月21日

  ■読み耽り

シロさんに教えてもらった立ち読みサイトで「花より男子」読んでます(笑) 今16巻目~ ^^;

関係ないけど最近買った漫画。
新Petshop of Horrors (2)」(秋乃茉莉)幻獣好きにオススメ
夏目友人帳 (1)」(緑川ゆき)妖怪好きにオススメ
妖精標本 (1)」(由貴香織里)妖精好きにオススメ
金魚屋古書店 (2)」(芳崎せいむ)masatsu氏購入本。金魚屋の店長さんが本屋で「のだめ」と「ハチクロ」と「NANA」を買ってました。
やはり「NANA」を読まなくては!(笑)

2005年10月02日

  ■桜闇(篠田真由美)

桜闇」建築探偵桜井京介の事件簿7冊目。シリーズ初短篇集。
シリーズ物のファンとしては外せない1冊。過去の話、長篇の幕間。
キャラそれぞれの人に対する深い想いが垣間見える内容。

このシリーズは建築に興味があれば視覚的にも色々イメージしやすくてもっと楽しいんだろうと思う。
私は建築に興味がないのでその辺りはサラッと流して読んでしまってるけど。
ミステリとして描かれたのではない「神代宗の決断と憂鬱」と「君の名は空の色」がヨカッタです。
やっぱりキャラが好き。いや、ミステリとしても秀逸なシリーズだとは思いますが。

  ■墜ちていく僕たち(森博嗣)

墜ちていく僕たち
私は多分、森博嗣はそんなに好きじゃないんじゃないか?と思う(笑)
シリーズ物はS&MシリーズもVシリーズも読んでるわけだけど、どちらのシリーズも主人公キライだし、
物の考え方とか、理解は出来るんだけど納得出来ないというか、
読む度に「ああ、私には頭のいい人の気持ちはわかんないよ」って思ってしまうし(笑)
そんなもんだから「墜ちていく僕たち」はシリーズ物じゃないし買ってなかったんだけど
FENさん(←友人)の感想を読んで読んでみようと思った。シリーズ短篇集。

なんなんだろ?
理系な文章なのかな、これ。
散文詩みたいな、抽象的な表現がポンポンと。
所詮文章なんて全て読み手の受け取り方次第でどうにでも意味が変わってしまう物だけど
これは読む時の気分によって色んな風に受け取ってしまいそうな内容。

長篇シリーズ物の主人公は嫌いだけど脇キャラはそんなにキライじゃない。
そしてこの本の主人公達はみんな長篇シリーズ物の主人公になり得ないだろうというキャラ達で
だから好感は持てました。

インスタントラーメンを食べると性別が変わってしまうという
バカバカしい設定で展開していくシリーズなわけですが、
性別が変わってしまったという状況を淡々と(若しくは嬉々と)して受け止める人達。
性別が変わってしまうという内容なのに性的な部分を感じさせない文章。
読み手が好きに解釈しろよ、といった感じの空気を感じる文章。
深く考えながら読むのもヨシ、何も考えずに読み流すのもヨシ(笑)

  ■ホームメイド1~2(谷川史子)

ホームメイド (1) (2)
perce-neigeさんのお気に入り(笑)谷川史子さん。
谷川さんの作品は初期の頃は何冊か読んでると思うんだけどあんまり記憶にない ^^;
「ホームメイド」はperce-neigeさんが勧めるのもさることながら、
表紙が好みで毎回本屋に行く度に手に取ってしまっていた1冊。
とうとう買ってしまいました。(←相変わらずバカ)
内容は表紙を見て想像していたのとはちょっと違いました。
なんとゆーか、もっとポエムな作品を想像してました。

お母さんのキャラが「好き」と「ウザイ」の中間辺りを漂ってます。
ウザイというのはなんというか見ていてこっぱずかしいというか、微妙な感覚。
あとは2巻に突入した時、話の展開がよくわからなかった。
美形担当さんはどこにいったんだ?と。
最初から脇だとは思ってはいたが「だれにでもやさしいんだね」で終わりか!?そうなのか?というカンジ。
2巻は2巻でこるりちゃんが可愛かったからいいけど(笑)

2巻の本編じゃなく、別の短篇内の
「なるようにしかならないんなら、じたばたくらいさせろ」
という台詞が好きです。

2005年09月29日

  ■季節のお話(新井素子・古川タク)

季節のお話」絵本です。ブッキングの本買ったの初めてかも。
文庫派だとハードカバーや新書はチェックしてないからこの類の本は手に入れそびれてしまいますね。
文庫化されない可能性のある本は出版されたら購入するべきなのか…。
講談社のミステリーランドシリーズは購入するべきなのか…。
ジュブナイルだよ。そして高いよ。悩む。
多分小学校中高学年向けなので、ダシにする子供もいなくて悩む(笑)

「季節のお話」は可愛い、ほのぼの系のショートショート12篇。
これは子供向けじゃないんだろうけど、年長さんくらいの子供にいいかもしれない。
それ以下の子供にはちょっと難しいし、文章が長すぎる気がする。

2005年09月28日

  ■猫丸先輩の推測(倉知淳)

猫丸先輩の推測
猫丸先輩シリーズの短篇集。日常の些細な謎物ですね。
タイトルが推理じゃなくて推測というのもポイント。
真相はわからない。でも猫丸先輩はこう推測した、という話。
真相がわからなくても自分で矛盾のない答えを出して納得出来ればそれでいいんですね、猫丸先輩は。
マイペースで他人の目も都合も気にしない。猫丸先輩はいつもこんな感じです。
実際に自分の身近にいたら絶対イヤだけど、読んでたら憎めない人(笑)
唐沢なをき氏の挿絵もイイ感じです。

「明日地球が最後の日だとしたら何をしますか?」と問われたアイドルが
「遊園地に行って一日中遊んで、高級レストランでうんと高くて美味しい物いっぱい食べたい」と答えた。
このアイドルを傲慢と言い放つ猫丸先輩の妙な頭の固さが好きです。私も頭固いから(笑)

2005年09月27日

  ■ハッピー・バースディ(新井素子)

ハッピー・バースディ
サイコホラーっていうんでしょうか、怖いという感想をよく聞く本です。
なんか救われない感じのラスト。

主人公が二人で交互に視点が変わって書かれてるわけですが、
被害者が加害者に復讐するっていうのが全体の流れ。
私は加害者側の気持ちの方がわかりやすかった。
加害者側はハッピーエンドだし(苦笑)

被害者側には同情するっていうより憤りを感じてしまう。
精神的に弱くて他人に依存しまくりで、それを疑問に思わない辺り。
話の中でこの主人公は「夫に依存しまくりで夫が右を向けと言ったら三百年でも右を向いている人」
と評されている。それだけでうんざり。
夫が好き好き、大好き!な人なんだけど、精神的に自立出来てない人が他人を愛せると思えない。
いや、愛の形は色々だからコレも愛なのかもしれないけど(苦笑)

怖かったのはこの被害者に「似た人」と評されて出てくる別の登場人物。
凄く普通のおばさん。善意の人。
悪意が全くない人って最強だなーと思う。
そしてこういう人は案外多い。だって普通のおばさんだから。
怖いよ。
「自分が善いと思ってやったことは全て善いこと」って思ってる人って怖い。

被害者も「似た人」である普通のおばさんも自分のインナースペースでしか生きてない。
それでも社会生活はおくれてしまう。やっぱり怖い話?

__________

被害者は作家なので作中作(あらすじ)が書かれてた。
作中作の主人公はちょっとした誤解で虐めに遭ってしまう。
主人公は虐めた相手に復讐しようなんて考えない。
『どうか、神様、みんなが私のことをわかってくれますように…』とただ祈る。
この主人公を愛せますか?

悪意のない人間は怖い。
いつだって悪いのは自分以外の人間なんだから。

2005年08月31日

  ■MIN

BS2の「マンガ夜話THE・少女マンガ」今日は成田美名子さんの「CIPHER」でした。

デビューの時のエピソードや作品に対する想いを御本人が語られていて貴重な番組でしたよ。
Itsumi嬢も成田さんには会ったことあるので微かな記憶を掘り起こして観てました(笑)
# 確か会ったのはもう10年以上前なのでItsumi嬢が今のSatoru氏くらいの頃? ^^;
# ホントに記憶に残ってるのか写真を見てそれが記憶になってるのか謎。

いとこの小笠原さん(ちゃきさん)にもお会いしてるんですが、彼女が大病を患ったことは知りませんでした。
お会いした時はライブでバリバリ歌いまくってるパワフルなお姉さんのイメージだったし実際パワフルな人でした。
そんな大病を克服したあとだったんだ…とか、今更ながら成田さん御本人も当時多忙を極めていたはずなのに
ファンサービスもしっかりされて凄かったなぁ…とか思いながら観てました。
FCのお茶会でお会いしたんで、向こうは当然こちらのことなんて覚えていらっしゃらないとは思いますが、
子連れで行ったのは私くらいなので(笑)もしかしたら少しは覚えててもらえてるかも?です。

懐かしいFCの会誌も映ってましたー。まだウチに全部ありますよ(笑)
私はホントに初期の会員だったので(入会時は16歳だったw)殆ど創刊誌もあるんじゃないかなぁ?
# 売ったら高く売れるでしょうか?(爆)
# 非売品のグッズとかもいくつか残ってるんですけどw
今はもう活動されてないと思うんですけどね。
多分解散寸前くらいに私が退会したんじゃないかと…。
だから最終までの会誌があるかどうかは微妙 ^^;
でも今でも年賀状程度ですが交流のある元会員さんもいるんですよー。
15年くらい在籍してて作品について色々語り合ったり、無関係なバカ話したり、
自分で思ってたよりも貴重な時間だったのかもしれない。
なんか今日テレビで会誌見てそう思いました。

2005年08月22日

  ■マンガ嫌韓流(山野車輪)

マンガ嫌韓流
話題の本ですしね(苦笑)
たまたま本屋で見掛けたので読んでみました。

反日に対しての反韓という部分は確かに大きいわけですが
それよりも日本のマスコミ批判の内容だなぁ…という印象。
韓国じゃなくて韓流とタイトルにあるのがその表れなんですかね?

「マスコミは真実を報道しないから信用するな」を納得しても
ではこの本の内容が真実だと思っていいのか?ってのは疑問。
韓国の民族性や思想も書いてあって面白くはあったけど鵜呑みにしていいのか?と思う。

「読んだら韓国が嫌いになる」と言われているけど
そのまま素直に読んでも、韓国人を嫌いになるというより
韓国人はそういう教育をされてるんだから仕方ないんじゃないの?
どこの国でも結局はある程度トップに洗脳されてる部分はあるんじゃないの?
それが極端だとしても韓国人が悪い、とかいう印象は受けないけどねぇ…。

あ。でも私は元々どっちかっていうと反韓人です(笑)
個人的に知り合った在日の人達にいい人がいなかったので偏見もある。
韓国人でもいい人はいると思ってるし、個人に限って言えば日本人と同じ。
韓国人の○○さん、という話ではなく、韓国という集団で見れば好きにはなれないかなー。
大きな声では言えませんが私はわりと差別意識持ってます。
# うーん、差別というより私は区別だと思ってるんですけどね。
# 差別って「不当に」扱うわけですよね?私は「不当」だとは思ってないんだけど…。
# こういう意識も差別意識って言われるんだろうなぁ…とは思う。
人種差別に限らず色々と。答えを知りたいと思ってもどこにも答えがないから。
そういう団体に問い合わせて訊いたこともあるんだけど明確な答えはくれないんだもん。
そういう人達個人を語るのと、集団を語るのとはまた別ですしね。

2005年08月21日

  ■ハチミツとクローバー8巻(羽海野チカ)

ハチミツとクローバー(8)
漫画の感想はキリがないからやめようと思ってたんだけど…。
ハチクロ8巻はヨカッタですよぉ!
何がって、高校生になった倉持君のカットがありましたよ!(って、おいっ!)

えーっと、真山がヨカッタです。うん。格好良くて可愛かった。
青春スーツ装着した野宮さんもイイカンジです。
青臭くて恥ずかしいのがいいんだよねぇ。
っていうか、恋愛なんていくつになっても本気になればなるほど
不器用で恥ずかしいもんですわな(苦笑)

2005年08月20日

  ■国語入試問題必勝法(清水義範)

国語入試問題必勝法
Naoki氏購入本。最初タイトルだけ聞いて参考書かと思いました ^^;
「何で今更国語の参考書なんか必要なんだよっ!」と文句を言ったら
masatsu氏に「それ、小説ですよ」と突っ込まれたという…。
あぶねー。騙されるトコだった。
# 小説はNaoki氏の自腹だけど参考書なら家計で代金負担になってしまうのでw

13年前の作品です。結構古い。多分、清水義範も今回初読。
もしかしたら昔買ってた小説雑誌で読んだことがあるかもしれないけど。
パロディ作家というのを知らなかったのでやはり初読だろうと思う。

短篇集なんですが、masatsu氏が昔、表題作のドラマ化された物を観たそうです。
読んでみたら凄く短い作品なんだけど、どんなドラマに仕上がってたんだろ。

どの作品もそれなりに面白いですが私は「猿蟹合戦とは何か」が面白かったです。
何故、猿と蟹なのか。どんな意味が込められているのか。
勿論元がパロディというふざけた話なので内容も真面目な物ではないわけですが
妙に納得出来る部分があって面白かったです。
単なる仇討ちの話ではなく、虐げられた女の逆襲という話だそうですよ(笑)
表題作はじめ、他の作品も皮肉混じりの、でもイヤミのない内容でした。

2005年08月19日

  ■Dの複合(松本清張)

ここ数日某日記さんが「Dの複合」をかなり強烈に勧めているので読んでみた。
恥ずかしながらワタクシ、松本清張初めて読みました(笑)
社会派で避けていた部分と書かれた時代で避けていた部分が大きいですかね?

考えてみたら私は日本の推理小説ファンというより新本格以降の小説ファンなんでしょうね。
新本格以前に読んでいたのは海外物のクリスティとクィーンだし、日本の作家で読んだ記憶があるのは
仁木悦子(この人の作品は多分全作読破してるはず、今手元に一冊もないがw)
佐野洋、和久峻三、西村京太郎、山崎洋子 辺り、
あとは赤川次郎とか鮎川哲也、辻真先なんかを数作ずつくらい。
その後、吉村達也、島田荘司~新本格って感じだったんじゃないかと思う。
中学生くらいのときって海外ミステリと筒井康隆とか星新一とかのSF作品が多かったような…。
# 記憶力がバカなので定かではないw

閑話休題

軽く感想。
まず、Amazonのレビュー読んでなかったら先に解説読んじゃうトコでしたよ。
あの解説はまずいんじゃないの?タイトルの謎ネタバレだし。なんで解説であんなこと書くかなぁ。

内容は人間関係の繋がりが強引だなぁ…と思いました(笑)
あとは調査段階でのスムーズさ(?)が気になりましたね。
書かれた時代のせいなのかもしれないけど、関係者ベラベラ喋りすぎ(苦笑)

文体は読みやすかったですね。一日で読めました。(徹夜したら一晩で読めると思う)
でも私が古代史とか民俗学に疎いのでその辺りのくだりになると睡魔との戦い(笑)
そういう部分も好きな人は楽しく読めるんじゃないですかね?
地名が個人的に馴染みのあるところが多くてそこは楽しめました。
笑ったのは、この作品昭和43年つまり37年前の作品なんですが
作中に30年前の出版物が出てきて「おそろしく古い」と書かれていたこと(くだらねぇー・笑)

時代背景をもっとスムーズに思い浮かべて読めるとすんなり楽しめたかなぁ?と思います。
私は時代物は苦手なのでそういう背景の想像力が不足してるんですね ^^;

2005年08月15日

  ■時生(東野圭吾)

時生」NHKでドラマ化されて既にDVDにもなっているようです。(トキオ 父への伝言)
当然私は映像は観ていませんが ^^; ラストがどうやら原作とは違う様子。

遺伝的な病気によって不治の病を患う息子。
既に意識もなく、最期の時が訪れつつある時に夫婦は語る。
「産んだことを後悔していないか?」と問う夫に
「生まれてきてよかったと思うか息子に訊きたい」と答える妻。
その答えを既に知っている夫は過去の不思議な物語を始める。

タイムスリップという設定がSFかもしれないけれど
それを意識せずに読めば、生い立ちを言い訳に自堕落に生きる若者の成長譚。

考え方ひとつで不幸にも幸せにもなれる。
自分に与えられた幸せに気付かずに生きていくこと以上の不幸はないのではないか。
「なくす」悲しみも「有る」喜びを知っているから感じられるのだというのを忘れてはいけない。

2005年08月12日

  ■人形幻戯(西澤保彦)

人形幻戯」チョーモンインシリーズ6冊目で3冊目の短篇集。
前作の文庫化以降結局続編は書かれていない。
最終話を読むのは当分先になりそう。
保科さんの担当編集者の阿呆さんが今回はちょこっとしか出てませんが
あの人がかなり謎な人だなぁ…やっぱりシリーズの結末が気になる。

6話の短篇が入ってる話でしたが、そのうちの1話にあったエピソードに
『傘と百円ライターと自転車は天下の回り物』というのがあった。
店から出るときに自分の傘がなくなっていたら躊躇なく他の傘を使うという話。
傘と百円ライターと自転車は公共物だと思っている人間は少なくない、って。
作者自身の考えは判らない。
登場人物の設定をそういう考えの人間にしただけだとは思う。
傘は使い捨て、必要な時に手元にある物を使う。
自転車は乗り捨て、駅から駅への公共の移動手段。
そう考えてる人が少なくないってことはないよねぇ?

どの話も人間の闇の部分が描かれてて結構暗い話なんじゃないかと思う。
レギュラーキャラの性格と文体で全然暗い感じはしないんだけど
あっけらかんと闇の部分が描かれているから余計コワイというか…。

2005年08月02日

  ■絵本2

先日注文した絵本の残りが今日届いた♪
# あとは追加注文した「さる・るるる」シリーズがまだ届くんだけどw
新しい絵本がいっぱいでSatoru氏は大騒ぎ。
一体今日一日で何冊何回読まされただろう(^-^;
同じ言葉の繰り返しの単純な本が子供ウケする。
短い単語の繰り返しなので暗記しちゃうから何度も繰り返して言葉の感触を楽しむんだねぇ。
テレビのヒーロー物の台詞繰り返されるよりは歓迎だね(笑)

前回届いて気に入っていた「ぽぽぽぽぽ」を含む、音の絵本シリーズ。
るるるるる」は飛行機、「どどどどど」はブルドーザーでどちらも子供が好みそうな音の繰り返しでイイカンジでした。
り・り・り・り・り」だけはちょっと子供が楽しめる要素が少ないかなーと思いましたが、他はどれも子供が好きそう。
私は「ん・ん・ん・ん・ん」が気に入りましたよ。
「ん」の文字、読むときは「ぅん」な音になっちゃうんだけど ^^;
読み方をちょっと変えるだけでこんなに表現できるんだー、と読んでて驚く。
「ん」しか書かれてないのにそれだけでストーリーができちゃってるんですよー。
Satoru氏も私の読み方に合わせて横で「ん」繰り返してました(笑)

言葉図鑑 全10巻」は幼稚園児から小学校中学年くらいまでの教材代わりになりそう。
今のSatoru氏には意味の解らない単語も多いんだけど、絵本見てるだけで語彙が増えそうなカンジです。
色んな楽しみ方ができそうでTohru氏に邪魔されずにゆっくり見たい本でした。
いや、Tohru氏も来年くらいには落ち着いて本も見られるようになるだろうし、一年後のお楽しみかなー。

そして完全に幼児向けではない自分の為の本「馬鹿図鑑」と「注意読本」どちらも五味氏らしい皮肉の効いた内容で面白かったです。
ま、人間色んなタイプに分類できるけど所詮タイプの違う馬鹿でしかない、みたいな「馬鹿図鑑」
「注意読本」は小学校中高学年くらいから楽しめるかもしれない。
毒が強すぎて嫌う人もいるかもしれないけど子供もきっとこれくらい思ってるよなぁ…という内容。
一部引用【遅刻に注意-自分のだらしなさのせいだと思われたらたまりませんので先生は生徒の遅刻がきらいです 注意しましょう】
これって親も同じ理由で子供の遅刻がきらいなんじゃないかと思ってみたり(苦笑)
他にも、小学生も中高年もたいして変わらないことやってるよなぁ…と自嘲混じりに思ってみたり(謎)

今日は一日、子供と一緒に、自分一人で、絵本を取っ替え引っ替え楽しみましたv

2005年07月29日

  ■絵本

Naoki氏に買ってItsumi嬢が譲り受けていた「かくしたのだあれ」を
半月程前にSatoru氏とTohru氏二人が表紙だけにしてしまったので破棄した。
本フェチが見たら泣くよ。表紙だけにされた絵本。
ウチには他にもカバーが破られ、表紙を折られた文庫が数冊存在するけどね。泣きたいよ。

そして先週、masatsu氏にむかつくことがあって、イライラして絵本大量購入で発散という暴挙にでたワタシw
注文した絵本の内、数冊が届いた。「かくしたのだあれ」も再購入。

今まで私が自分で管理して保管している絵本は永田萌の本が画集込みで12冊と
「Alice's adventures in wonderland」2冊(Lewis Carroll 画とPeter Weevers 画)
なごみまくり」の15冊だけだったんだけど
(「たれぱんだ」と「たれごよみ」は私の管理下になかったので既にチビズの手によってカバーがなくなっている orz)
私管理の15冊はどう考えても幼児向きではないわけで(笑) アリスは絵の為に買った洋書だし ^^;
チビズに見せる必要はなかった。

しかし今回買ったのは全部五味氏ですよ。幼児向けですよ。
でも私が管理する!チビズには私と一緒のときにしか見せない!そう宣言して購入したわけですよ。
Naoki氏が幼児期に新刊だった「ぽぽぽぽぽ」いつの間にかNaoki氏がビリビリにしてくれて泣いた本wこれも再購入。
# これはシリーズ全10冊で他の9冊も注文済み(笑)
当然「きんぎょが にげた」も購入。
自分で持ってなくてもどこかで見たことあるんじゃない?の定番本。

全部で何冊買ったかは措いといて(笑)、数冊届いた時点でチビズも興奮してますよ…。
私の本だっちゅーねん。
一冊ずつ、私がページをめくりながらチビズに見せる。
「きんぎょがにげた」はTohru氏もきんぎょを指差して「ココ!ココ!」と叫ぶ。
# しかしそれ以外の本はTohru氏にはまだイマイチ。
# 途中で退屈してダイビングしてくる。
# そして「かくしたのだあれ」はまたいきなり折り目を付けられる 。。゚ヽ(゚`Д´゚)ノ゚。ウワァァァン!!
Satoru氏はそろそろ絵本を絵本として楽しめるようになったようですよ。
今までは破って音を楽しむ物だったのが、読んで、見て楽しむ物になりましたよ。

「かくしたのだあれ」は自分が破いた本で、表紙にも馴染みがあったのですぐに反応(苦笑)
でもって「ぽぽぽぽぽ」も気に入ったようですよ。
何度も読まされました。自分が好きな本だから読まされても苦にならない(笑)
# Tohru氏がダイビングさえしてこなければ… ^^;
ちなみに一番気に入ったのは「いったでしょ」だったようです。
テンポが良くて内容も味わい深い一冊。
私は馬をこんな風に描けてしまう五味氏ってやっぱり凄いなぁ…と思いました。オススメ。

2005年07月28日

  ■水曜日のジゴロ(栗本薫)

水曜日のジゴロ―伊集院大介の探究」快楽殺人のお話。
シリアル・キラーが高確率(100%に近い?)で男性なのはトラウマの対象が母親(若しくは類する立場の人間)だからだとか。
愛してくれるべき立場の人間に"愛されなかった(若しくはそう思い込んだ)"事実は殺意を抱かせる程の憎悪になってしまうのね。
愛されなかった男は愛し方がわからずに性愛の対象の女を憎悪しちゃうのね。
んじゃ、愛されなかった女は?性愛では愛されるだけで満足して、慈愛の対象の子供を憎悪しちゃうのか?
所謂虐待の連鎖ってヤツ?
愛し愛され、色んなパターンがあるだろうけどね。

母親が無条件に子供を愛するなんてのは幻想だよね。
どっちかって言うと無条件で母親を愛しちゃうのが子供。
で、愛しても愛しても愛されなかったら自分の愛し方が間違ってるのかと思うよね。
愛し方わからなくなっても仕方ないよね。
でも正しい愛し方って多分私もわかんない。
愛しすぎたらダメな気がするのは愛し方がわかんないからじゃないの?
…と、つらつらとあまり意味もないことを考えながら読む。
単なる私の感想。子供が無条件に母親を愛するかどうかの真実は知らない。

伊集院大介が「あなたも人を殺すのか?」と問われて
「自分は絶対人は殺さない。死に向かう人を助けられないことはあるが、殺意を持って殺すことは絶対ない。
それはいきなり武器を持たされて戦場に送り込まれても変わらない。
殺さなければ自分が殺される状況なら甘んじてそれを受け入れる」
と(いうような内容を)答えてるシーンがあった。
人は殺意を持って人を殺した後には殺人者になってしまうから人間には戻れないとかなんとか…。

つい先日、Naoki氏と同じ話をしたんだよね、私w
なんだったかな?モラルだとか良心だとかの話をしてるときかな?
「世の中には完全な善も完全な悪もない」って私が言ったら、
横で聞いてたmasatsu氏が「殺人は完全な悪でしょう?」と言うので
「そうか?平和な世の中で人殺したら犯罪者だけど、戦争で人殺したら英雄じゃん」と答えて
そのときに「私は多分いきなり戦場に放り込まれて、殺さなきゃ死ぬ状況なら相手殺すよ」と答えた(笑)
実際にそういう事態に直面したらビビって何もできずに死んでいくのかもしれない。
逆に錯乱しちゃって惨殺するのかもしれない。
わかんないけど「殺人者になって生きていくよりは死を選ぶ」っていう気持ちにはなれない。

2005年07月27日

  ■朽ちる散る落ちる(森博嗣)

朽ちる散る落ちる」Vシリーズ9作目。

今回は御贔屓の小鳥遊クンが活躍してたのでヨカッタ。
ってミーハーな感想はともかく、
このシリーズは(というか森作品全部かも)毎回、「私って頭悪い…」と思わされる。
世の中には頭の良し悪しにレベルがあると思う。
もしかしたらそのレベルによって世界は全然別の物に見えてるんじゃないかと思う。
脳味噌の回転速度が全然違うわけだからきっと見えてる物も全然違うんじゃないかと。
登場人物の思考を何とか探ろうとしてもちょっと理解出来ない部分が多すぎて
何だかいつも消化不良な気分になってしまうのはやはり私の頭が悪いからじゃないのか?
シリーズ物だから一話毎の解決はあってもシリーズ全体の謎が最後まで残されてて
シリーズ全体の伏線が宙ぶらりんだから消化不良の気分になるのかもしれない。
でもそれ以前にやっぱり「キチンと」理解出来てないんじゃないのかなぁ…私は。
一話毎の謎解きは特別難しくもないし、解り易いんだけど、それ以外の
特に事件には関係ない何気ない会話が難しいんだよねぇ。
特に紅子、流石天才。私にゃ彼女の考えてることがさっぱり理解出来ませんわ(苦笑)

この作品は「地下密室」と「宇宙密室」二つの密室の謎を解くという話だったんですが
「宇宙密室」はちょっとアンフェアだよなぁーと思ってしまいました。バカバカしい。

2005年07月24日

  ■大人問題(五味太郎)

五味太郎さんの絵本は元々好きで「大人問題」にも興味はあったんですが買うに至ってませんでした。
でも今月「さらに・大人問題」も文庫化されたのでまとめて購入。

一作目はヨカッタです。うんうん頷きつつ、時々「そりゃ言い過ぎでしょ(苦笑)」と突っ込みつつ、
大人の問題なのに放置している自分と問題な大人である自分に気付いたり。
五味さんは良い意味での個人主義に見えました。
でも二作目の方は良くも悪くも個人主義なんだなぁ…というカンジでした。
ちょっと偏見過ぎるというか、利己的すぎる部分が多い印象。
こう思うのが現代社会汚染されてる状態なのかもしれませんが(苦笑)

一作目を読んでる時に「Naoki氏が好きそうだなぁ」と思ったので一部読ませてみると
「面白い」とにやついていたので読後貸しました。
一作目は「面白かった。納得出来る話が多かった」との感想。
二作目はこれから読むらしいですが、どんな感想を抱くのかなぁ。

御本人はツッコミ覚悟で思うまま書いているんでしょうけどね。
子供の不登校に悩んだり、成績に悩んだり、
大人だから子供の為に頑張らなくっちゃ!と力を入れすぎてる人には
読んだらちょっと力を抜いて何が子供の為なのか、考える余裕を与えてくれる本かもしれません。
でも読み手の思想によっては駄作にもなりえる本かも(苦笑)

2005年07月02日

  ■DEATHNOTE7巻(大場つぐみ&小畑健)

DEATH NOTE(7)」Naoki氏購入本。
今回は一部終了ということで、masatsu氏がネタバレ会話をしたいと言って
事前にジャンプで読むことを強要されていたので7巻の途中までは読んでいた。
既にジャンプで読んだときにそれなりにショックは受けていたけど、読み直してもやっぱりちょっとショック。
うーん、この展開はジャンプらしいのか?(笑)今後どうなるんでしょ。

キラは最初は凄く潔癖に見えたんだけど、Lとの攻防の中でどんどん傲慢さが見えてきて
完全な悪者になってますねぇ(苦笑)最初から悪者といえば悪者なんだけど…性格変わってない?w
あの変化がノートを持ったことによって起こった当たり前の変化だとするなら
結局、人間権力持ったらそれだけで善人ではいられない虚しい存在だという証明漫画だねぇ。
# 政治家責めちゃいけないよ、だって人間だもの、ってか?(笑)

__________

HUNTER×HUNTER(22)」masatsu氏購入本。
フェイタンなんて今まで全然記憶に残ってなかったよ。こんなトコロに飛影ちゃんがいたとわっ!(爆)

2005年06月25日

  ■マレー鉄道の謎(有栖川有栖)

マレー鉄道の謎
推理作家有栖川有栖&臨床犯罪学者火村助教授コンビの国名シリーズ6作目。
トリックよりロジックな密室物。

メインから外れたキャラ同士の会話がテンポが良くて興味深くてスキです。
犯罪と悪についてだとか、生物の基本が雌であることに関する雄の悲しさについてだとか(笑)
アリスが「人に嫌われるのはイヤだ」と嘆く友人に
「誰にも嫌われてないヤツがおるとしたら、そいつを好きなヤツはきっとゼロや」
と説教するシーンとか。
うん、うん、頷く部分が沢山あって、安心して読める。
青さの残る人間臭さがアリスの魅力なんだなぁと思う。

2005年06月23日

  ■ゲームの名は誘拐(東野圭吾)

ゲームの名は誘拐
藤木直人&仲間由紀恵主演の「 g@me.」の原作ですね。
映画と原作は随分ストーリーが違うらしいですが。オマケに私は映画観てませんがw

狂言誘拐で三億円奪取。犯人側からの描写だけで終始してます。
なんか途中色々とツッコミ所があるんですが、アレはこの手の本を参考に出来ないようにわざとでしょうか?
ツッコミ所を無視して終盤。ああ、伏線あったもんねぇ…という感じの展開。
ラストのオチも伏線自体不自然に浮いていたので予測出来た。

いい人が一人も出て来ない話。
腹が立つくらいいい人が不幸になる話よりはイイと思いましたけどね。
狐と狸の化かし合いだし。被害者は不幸だと思うけど。

2005年06月21日

  ■夏の夜会(西澤保彦)

夏の夜会
”友人の結婚式で28年ぶりに再会した小学校時代の同窓生5人が昔話を懐かしんでいるときに
30年前に起こった担任教師の殺害事件の話が話題に出てきた。
未解決の事件の記憶を各自が辿っていって導き出される真相は…” という話。

昨日読んだ異邦人の感想で人間の脳味噌は信頼出来ないと書きましたが
この本でも人間の記憶のいい加減さにより話が展開していきます。
人の記憶というのが想像力の一種であり、恣意的な物であるというのは怖いなぁ…と。

自分の思う自分像と他人から見た自分像にズレがあるのは記憶に違いがあるからだという辺り凄く納得。
そして読みながら自分の過去をふと振り返ってみて
「この記憶ももしかしたら勝手に自分が作り上げただけのものかもしれない」そう考えて怖くなる。
何人かで共有しているはずの思い出も細部や印象を語り合えばきっとそれぞれ全然違う物をもっているんだろうなぁ…。
私は過去一体どれくらい無意識に記憶の封印や改竄を繰り返してるんだろう。

私は幼児期のみならず、小学校時代も中学校時代もあまり記憶に残っていない。
これは記憶力が悪いというより、もしかしたら憶えていたくないことばかりなので
わざと記憶に残していないのかもしれない。
断片的な記憶でさえ、幼児期~小学校時代は楽しい物ではないし…
ただその楽しくない記憶も事実か否かさえわからないんだけど。

2005年06月20日

  ■オススメの少女漫画家

まいこ嬢のところで見てやってみた。
少女漫画家占い』(占い?)

好きな少女漫画家さんを3人入力したら、オススメの少女漫画家さんを紹介してくれるらしい。
何かの統計?

取り敢えず、3人選ぶのが大変なので(笑)まず思いついた3人を入力。
「川原由美子」「惣領冬実」「わかつきめぐみ」
●結果(数字はオススメ度)
川原泉(34)…何冊か読んでるけど印象に残ってない。何故?
成田美名子(17)…最初の3人に入れても良いくらい。全作読んでる。
岡野史佳(16)…昔LaLaで読んでた。嫌いじゃないけど。
須藤真澄(15)…よく知らない。ほのぼの系漫画の人?
竹本泉(15)…凄い初期の頃しか知らない。私の中では吾妻ひでお系の人w
吉田秋生(15)…多分8割くらいの作品は読んでる。あ。「カリフォルニア物語」読んでないや。
高屋奈月(15)…名前だけ知ってる。「フルーツバスケット」の人。
樹なつみ(14)…「花咲ける青少年」以前は読んでるかな?
CLAMP(14)…「CLAMP学園探偵団」がスキ(笑)途中までしか読んでないのが多い気がする。
清水玲子(13)…「月の子」辺りまでは読んでた気がする。ジャックとエレナの話はスキだった。
紫堂恭子(13)…名前は知ってる。
一条ゆかり(13)…多分結構読んでる。でも「プライド」は未読。
遠藤淑子(12)…名前は知ってる。
萩尾望都(12)…よく考えるとあまり読んだことない ^^; 「11人いる!」「ポーの一族」はウチにある。
山口美由紀(12)…初期の頃はスキだった。
矢沢あい(11)…「NANA」読みたい。
くらもちふさこ(11)…この人も結構読んでるかな?「東京のカサノバ」がスキ(古っ
河原和音(11)…「先生」の途中まで読んだ。それ以前の作品は持ってる。
佐々木倫子(10)…「動物のお医者さん」と「おたんこナース」は持ってる。
谷川史子(10)…りぼんの人?何作かは読んでる。でもきっと古い作品。
吉野朔実(10)…読んだことないかも ^^; いや、雑誌で何回か読んだような…不明。
いくえみ綾(10)…初期の頃がスキ(こんなのばっか ^^;)「スターダスト3年め」他2冊持ってるし(笑)
神尾葉子(9)…「花より男子」読みたい。


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ポーの一族』【こととねお試しBlog】

  ■異邦人-fusion (西澤保彦)

異邦人―fusion
タイムスリップ物です。
設定が細かくてねー。
スリップ先の過去からみて未来に当たる現在の紙幣や硬貨、
身に着けていった物品に関しての合理的な説明が凄い。
当然タイムパラドックスとかパラレルワールドとかにも作中で言及してある。
ま、こういうのは答えがないので微妙なわけだけど ^^;

主人公が23年前にタイムスリップして、23年前に殺された父を救えるか?って話なんですが、

えーっと…ネタバレかな?
これからもし読む人は以下は読まない方がイイかも。
ネタバレになるほどのことではないと思うけど、一応。

主人公がタイムスリップした意味って殺人を食い止める、じゃなくて
己の心の内に向き合うというのが目的だったようです。
この辺りは解説に詳しく(ネタバレ注意の前書き付きで)書いてあるので割愛。

人間ていうのは自分に都合の悪いことは極力考えないように出来てるんですね、きっと。
重要なことなのに興味のないふりをして、他者の行動の意味を深く考えずに流してしまう。
他者だけでなく自分の行動の意味もよく考えない。
無意識にそれを行ってしまうからコワイですね。
誰しも自分の醜い部分は直視したくないわけで、自己防衛本能の一種なんでしょうが
人間の脳味噌なんて信頼出来ないなぁ…って思います。
記憶も感情も自分が信頼している程確実な物ではないんだろうな、と。
だから現実と真実は必ずしもイコールではないわけね。

ワケわかんなくなってきたので適当に終わる(笑)

2005年06月19日

  ■クレオパトラの葬送(田中芳樹)

クレオパトラの葬送
薬師寺涼子の怪奇事件簿シリーズ4作目。
災厄の女王お涼さんが今回は豪華客船で大暴れです。
一作毎にお涼さんの泉田さんへの愛情表現が露骨になってるような気がしますw

毎回とことん極悪非道な敵(とバケモノ ^^;)が出てくる勧善(?)懲悪物ですが、
お約束だからこそ読後に溜飲の下がる快感があるわけで、
作者も読者も、現実ではどうにもならないことが沢山あることを解っているから
こうして物語の中に理想を求めるんでしょうかねぇ。
自分の無力さを虚しいと思いつつ。

  ■ボクを包む月の光 1 (日渡早紀)

かの名作「ぼくの地球を守って」の続編ですよ。「ボクを包む月の光 「ぼく地球」次世代編 (1)
懐かしい顔ぶれが成長して出てきますよ。
ありすのにぶさは相変わらずで笑えますよ。
輪君はもうあのまんま成長してくれてて嬉しいっ!
中の人も相変わらずで(苦笑)

3年掛けてやっと単行本1冊。
今後どのくらいのペースでどんな風に話が展開していくのかは知りませんが、
私は輪君がシアワセな姿を見られるだけでシアワセv
未来路サンの不穏な台詞と、中の人の過激さが気になりますが、
例えハードな展開になったとしても、輪君がシアワセであり続けますように(-人-)

2005年06月17日

  ■だから書庫付きの家が欲しいです

似たようなことを書くのは何度目だろう…。
本が凄いことになっている (T-T)

私は記憶力が極端に低いので、確認せずに買うと以前買って手元にある本をまた買ってしまう。
だからここ数年は書籍リストを作って所有本を全部記録して管理している。
# 携帯でも検索出来るようにプログラムも作ってもらった ^^;

ここ半月程、その書籍リストの管理を怠っていたので半月分の更新をした。
小説が800冊を超えてしまっていた。
漫画もボーダーラインの2000冊を超えてしまった (T-T)

数字だけ見ると大したことない数字に見えるかもしれない。
でもウチにはこれらの私の本以外にも、masatsu氏の本、Naoki氏の本がそれなりの冊数。
いつみ嬢の本も多分50冊にも満たないとは思うが存在する。
そしてウチは3LDKのマンションで人間が6人も存在するただでさえ定員オーバー状態。

今現在、私のPCの横には高さ約40cmの本の山が5本ある。
収納する本棚は既にない。

処分しなければならない。
でも最近の出版事情を見てると、一度処分した本は二度と手に入れられない可能性も大きい。
(実際手放して悔やんでいる本が何冊もある)
もう二度と読まないであろう本は確実にあるはずで、それらを選んで処分すればいいのだが
「二度と読まない!」と現時点で確信出来る本の選定が出来ない…_| ̄|○
過去に何度も繰り返してきて、そうして残った本達が増えているわけだし。

私より本が好きで、私より沢山読んでいる人は世間には五万といるはず。
その方々はどうやっているんだろう…。
「もう読まないかもしれない、でも手放したくない。けれど収納場所には限りがある」
きっと誰もが同じように悩んでるはず。
それでも最終的には処分するか、若しくは倉庫でも借りるしかないんだよねぇ…。sigh。

2005年06月13日

  ■天才ファミリー・カンパニー

天才ファミリー・カンパニー
昨日郵便屋さんが届けてくれました~。
軽い話だと思ってたのにどんどんハードな展開になって最後はドキドキしました。
漫画じゃないとあり得ない「携帯でビジネス英会話しながら数学の解答を板書する高校生」
ベタだけどカッコイイ天才ですよ(笑)
最初の頃は「性格が悪い」ように描かれてるけど全然性格悪く見えないのは
私も性格が悪いからでしょうか?(笑)

2005年06月11日

  ■のだめとハチクロ

雨降ってるし、一日中ダラダラと漫画読んでましたよ(きっと雨はあんまり関係ないよ)

のだめカンタービレ
2回目読んでます(笑)
まいこ嬢の"悪い人がいなくて安心して読める"の言葉に納得。
みんな個性的でイイですね。誰でも持ってるみっともなさも隠してないとこもイイ。
クラシックに詳しい人なら音もきこえてきてもっと楽しいんだろうなーと思いました。
私は音楽用語ですらサッパリわかりません(苦笑)

ハチミツとクローバー
読んでる途中、masatsu氏に「面白い?」と訊かれました。
「うーん…面白いというか…ポエミー?w」と答えると
「ああ、アニメもそんな感じ」と。私はアニメ全然観てないのでわかりません。
予備知識なしで読み始めたので何だかよくわからないまま読んでましたが
懐かしいというか、青くて恥ずかしいというか(笑)
ナイスメガネキャラは多いですねーv
一番ははぐちゃんの生徒の倉持君(ぉぃ)やっぱりショタでした(爆)
森田さんとはぐちゃんがムキになってパンを作るシーンと
あとがきの"MSはマンションの略"以降の部分で爆笑して
masatsu氏に「気持ち悪い」と言われました。
各話の表紙もイイカンジです。

2005年06月09日

  ■どこに置くよ…_| ̄|○

先日読みたい熱が再燃した「 天才ファミリー・カンパニー」スペシャル版全6巻
オークションでmasatsu氏が落札してくれましたよ。
そして支払いはカンパ入金口座から ^^;
スミマセン。皆様の善意を漫画に換えてしまっています…。
# そういや、Amazonのギフト券で頂いたカンパも漫画になってます ^^;
# ああ、申し訳ない。
# ありがたく読ませて頂きますのでお許し下さい。

そのAmazonに注文した「のだめ」と「ハチクロ」ですが、
「のだめ」1巻が届いたきりで他は今朝も"未発送"状態。
予約本の発売が未だの分がありますが、それは先方で分割されていて、
"未発送"状態の物は全て"通常24時間以内に発送"のものばかりなのに…。
発送予定日は"6/7~6/9"なのに…。
そして昼頃確認したらなんと「のだめ」の2巻、1冊だけがまた"もうすぐ発送"に!
なんで!?なんで1冊ずつなの!?
ちょっとカチンと来た私は最初の注文分に送料が発生しないのを確認して
「のだめ」3巻以降と「ハチクロ」全巻キャンセルして即再注文しましたよ。
そしたらなんと発送予定日が"6/14~6/17"と表示されたにも関わらず、
今日、「のだめ」2巻と共に2通の"発送完了メール"が届きましたよ。
一体どういうシステムなんだー!?
"発送完了メール"は嬉しいのに何だか釈然としない私でありました。

何はともあれ遅くとも明後日には手元に届くはず。
週末ゆっくり読もうv

そしてタイトル(笑)
そろそろまた処分する本の選定をしなければならない時期が来たようです…。

2005年06月06日

  ■誤字等

私は誤字誤用が結構気になる質で、何度か日記のネタにもしてますが、
私が気にするよりも、もっとくだらない誤字を集めて、誤字の理由を検討している
誤字等の館というサイトの内容が書籍化されてるそうで、
バカにみえる日本語
最近この手の本をよく見かけますが、このサイトの書籍化なら買ってもイイかも、とか思ったり。
つか帯が気に入りました(笑)
「ふいんき」も「こんばんわ」も気になるんだもん。
いつだったか読んだ「問題な日本語」よりは読んでスッキリしそうな気がする。
もし本買っちゃったらまた感想書きます(笑)

以下暴言w

「誤字等の館」内でも書かれてるけど、最近の日本語変換は凄く賢いのに
ネット上で何故こんな妙な誤字が?って思うときがホント多い。
せめて一発で変換出来なかったときは自分の知識疑おうよ…。
何故わざわざ一文字ずつ変換して誤字で表記するんだよ。
自分のバカさ加減そんなに全世界に知らしめたいのか?
自分の書いた文章一度も読み返さないで書きっぱなしの人も多そう。
なんで?
勢いも大事かもしれないけど、誰かに何かを伝えたいと思って書いてるんなら
せめて気付く範囲の誤字は修正しようよ。
読んでくれる人に対する最低限の礼儀じゃんかよ。
「自分の書いた文章は読み返さない。
誤字誤用タイプミスも自分の持ち味」
とか書いてるバカを見た事あるけど、そして実際誤字がめちゃめちゃ多かったんだけど…
オマエは無駄にサーバに負荷かけてないでチラシの裏に愚痴書いておけ!
…あ。暴言過ぎ?スミマセンw
もうやめておく。つか、これこそチラシの裏w

2005年06月03日

  ■ロスト・メビウス(上遠野浩平)

ロスト・メビウス―ブギーポップ・バウンディング
Naoki氏購入本。ブギーポップシリーズ、何作目だっけ?
相変わらず内容がよく解りません(笑)
凄く読みやすいのに何故こんなに意味不明なんだろう…。
私の頭が固いのか?
シリーズ全体のテーマが全く解らないせいかもしれない。
完結したら何かが解るのか?
既に「完結しても何も解らない」気はしているが ^^;

今回の話は"迷い"がテーマらしい。
迷いのない人生なんかあり得ないし、
迷うことが生きているってことじゃないの?

自分が生きていることに意味がなかったと死ぬ直前に悟ったら?
別にきっと何も変わらない。
生きていることの意味なんか生きている間に必要なだけで
死ぬ間際には不必要だし。
生きていたことの意味は自分以外の誰かが見付けてくれる。

誰かを守る者はとても強い。
自分だけを守っていた方が隙はないかもしれない。
でも誰かを守っているときはその誰かの分まで強くなれる。
守りながら守られている。

2005年06月02日

  ■のだめカンタービレ 1(二ノ宮知子)

誘惑に負けてAmazonで「のだめ」と「ハチクロ」オトナ注文してしまいました _| ̄|○

急いで読みたいわけではなかったので、Amazonで他の予約本と一緒に注文。
一括発送希望だったのに、何故か注文翌日「のだめカンタービレ(1)」の1冊だけがメール便で届く。
そして残りは未だ発送完了メールすらきてない。何故1巻だけ?謎なシステムだな…>Amazon

取り敢えず届いたので1巻だけ読む。
1巻しか読んでないのでまだよくわかりませんが、噂に聞く程爆笑はしなかった。
でも千秋のキャラは好き(笑)
レビューで"「動物のお医者さん」音大バージョン"というのを見たが、
変すぎるキャラが出てくるところは言えてるかも。
1巻読んでオトナ注文後悔はなかったです。
それよりも「天才ファミリー・カンパニー」の時は気になりつつもスルーしたのに、
当時よりダメダメ度がアップしてますよ、私。
そして、今更「天才ファミリー・カンパニー」も大人買いしてしまうかもしれない…。もうホントさいてー。
という気分です(苦笑)
残りが届くの楽しみにしてます。(つか折角一気に注文したんだから一気に届けてクダサイ>Amazon)

2005年05月31日

  ■金魚屋古書店(芳崎せいむ)

金魚屋古書店出納帳 (上)
金魚屋古書店出納帳 (下)
金魚屋古書店 (1)
masatsu氏購入本。
おたく御用達?(苦笑)
実在の漫画が沢山出てきますがあまりにもコアでマニアックなモノが多いので一般人にはよく解らない世界ですw
普通に漫画が好きなら知っている本も出てきたので私でも楽しめましたが(ぇ?

レギュラーもゲストも皆イイキャラで、漫画を軸にした人情話という感じのストーリーでした。

masatsu氏も私も印象に残った台詞(笑)

『ああ…
俺はナゼ

紙にコマ割って
絵 描いて
文字打って
インクで刷って
束ねて
片側止めて
表紙をつけた
だけの物に
こんなに人生を
奪われて
いるのだろう』

2005年05月30日

  ■男脳・女脳

話を聞かない男、地図が読めない女
今更ですが未読だったので読んでみました。

うんうん。masatsu氏がカトラリートレイに入ったスプーンを発見出来ないのは男だったからなのね。
私が回りくどい言い方しかできないのも女だからなのね(苦笑) 等々納得する具体例もありましたが、
男脳・女脳テスト」では私はオーバーラップ地帯よりやや男脳よりだし、
(以前テストした時は160点だったのに今回は130点でした。どいうこと?どんどん男化してる?w)
masatsu氏の点数はハッキリ聞いてないけど似たような位置にあるんじゃないかと思う。
masatsu氏は話がちゃんと聞けるし、私は地図がちゃんと読める。
masatsu氏はタイピングしながら私と会話出来るし、私はバックで駐車するのは得意だ。
それぞれお互い相手より得意だと思う(笑)
masatsu氏は男らしさが少ないし、私は女らしさが少ないらしい。
男と女がお互いに補い合う為に一緒に居るのだとしたら、私達は当てはまらないのか?
だからといって何か困ってるかと言えば、現時点では何一つ困る事はないので構わないんだけどね(笑)
お互いグレーゾーンにいるとはいえ、男の思考と女の思考ハッキリした違いがあるのも事実だし。

しかし、この本がベストセラーだということは、世間一般に性差はあると認められてるってことなのね。
区別と差別をはき違えるような考えや行動がさっさとなくなるといいのにねー。
ある男性が「一部のフェミニストが求めているのは男女平等ではなくて女尊男卑だ」と言ったのに同意なワタシ。
# 私は物事語り出すと極論に走る傾向にあるのでこの話は終了(苦笑)

あと面白かったのはゲイが遺伝だという話と男と女の会話中の思考の違い。

追記:masatsu氏の結果。
最初に聞いた時は「女脳に近い位置」と言っていたのに
今回改めてしてみたら60点でしっかり男脳だったようです。
「前回の結果は記憶違いだろう」と本人。
60点が信じられない私(笑)
だって「男脳はこう!」って書かれてる内容にあまり当てはまらないこと多かったよ?
私、騙されてる?(爆)

2005年05月12日

  ■タナトス・ゲーム(栗本薫)

タナトス・ゲーム―伊集院大介の世紀末
読みそびれていたので読みました。
伊集院大介のやおい考w
参考資料が中島梓名義の「コミュニケーション不全症候群」と
タナトスの子供たち―過剰適応の生態学」なので、
当然ここに書かれているやおい論は作者の持論なのだと思います。

私はやおいに詳しくはないですが、全く無縁なわけでもないです。
10年程前まで主婦同人のサークルにいてwそこで好きな作家さんがやおい作家さんだったので
個人誌が出たらやおい漫画もやおい小説も買ってたし ^^;
b-BOY 」系の本も読んでたし。
# 炎の蜃気楼(ミラージュ) シリーズ初期10冊くらいハマって読んでたしw

だからやおいとホモは別物だというのは理解出来ます(苦笑)
でもやっぱり私は思考が一般人なので、やおいな人達の本質には近付く事が出来ません。
本当に彼女たちが「社会に適応していくのが困難で自衛の為にやおいをしている」のか、
彼女たちにとって「大切なのは現実よりも自分たちの美学」なのか。
そんなに一般とは遠い世界に身を置いている人達が多いのかどうかは疑問です。
ココで描かれているのは今ならひきこもりといわれる人達なんだろうけど…。

ネット上でのトラブルが発端の事件ですが、1999年の作品なので
ネットの世界も今よりは閉鎖的に描かれています。
# 今は以前より身近になって、余計にバーチャルになった部分があってもっと怖いような…。;
1999年というと、私はちょうどネットから遠ざかってた時期なんですね。
それ以前に3年程サルの様に通信してて(笑)一旦冷めてた時期。
月に3~4回くらいしか接続してなかったという悲惨な時期もあったような…^^;
環境もネットに適してなくて離れてたんだけど、その頃のネット上の世界がよく解らないので
パソコン通信からインターネットに移行していく様をあまり見てないです。
ネット上が混沌としている状態の時期ってあの頃じゃなかったのかなー?
パソコン通信でのオープンさがインターネットでは危険だという認識が薄かったり、
ネット上での常識が二転三転していた時期。
そういった時代背景があるということも念頭に置いて読むべきかなと思いました。

2005年05月08日

  ■ネネコさん

すずとこんぺいとう」の あやさんのつぶやきで紹介されていた
ヘッポコロジー」さんの4コマWEB漫画「となりのネネコさん」が面白かったですv

2005年05月06日

  ■新 外科医 東盛玲の所見 1(池田さとみ)

新 外科医 東盛玲の所見 1
医学漫画ではなくオカルト系です ^^;
リアリストなのに「不思議」が見えてしまう天才外科医の東盛先生が主人公。
一話完結のお話なので前作までを読んでなくてもそれなりに解る内容です。
新になってからの1巻目は3話収録されていました。
どの話も悪意のある人が出てくるし、人間の醜さが描かれていますがそれでも後味が悪くないのは
醜さよりも暖かさの方がもっと沢山描かれているからだと思います。

ミーハーな感想を書いちゃうと東盛先生は相変わらずカッコイイですv
いつも無表情なんだけど時々見せる優しい表情がたまりません。
池田さんのファンになってからかなり長いし、昔と比べると絵も随分変わってるんだけど
あの優しげな表情だけは変わらない気がします。

大昔に「ちゃお」で連載されていて、単行本化されなかった幻の作品があるんですが
(確か「まーと」シリーズという名で真琴ちゃんという女の子が主人公の作品が数作)
当時も単行本に収録されなかったし、今更無理なんだろうけどもう一度読みたいなー。

2005年05月02日

  ■両性具有迷宮(西澤保彦)

両性具有迷宮
なつこ、孤島に囚われ。」に続く森奈津子シリーズの2作目。
多分、西澤ファンにあまり評判の良くないであろう作品 ^^;
一応SF風味ミステリですが、西澤氏の他のSFミステリとは違いロジック重視されていなくて
SF設定は御都合主義。謎解きも適当。楽屋落ち的なネタ有り作品。

主人公の森奈津子さんは実在のSF百合作家。
脇の図子慧さん、倉阪鬼一郎さん、野間美由紀さん、柴田よしきさん、牧野修さんもすべて実在。
野間さんのみ漫画家で他は全て作家。
残念ながら、私は野間さん以外の方は読んだ事がないのでよくわかりません ^^;
図子さんは多分雑誌で読んだ事があると思いますか、遙か昔で記憶に残ってません。
他の方々も雑誌で見た事があるかもしれませんが記憶に残ってません。
SFかホラー系の作家さんではないかと思われます。
作中のキャラがどの程度実物に即しているのかは謎ですが、作品を知っていると面白さが変わるかも。

主人公が百合作家、しかも耽美系妄想癖有りのバイセクシュアルということで官能シーン満載。
で、純粋に官能小説として楽しむならどうかというと微妙にお笑い系(苦笑)
でも巷に溢れる男性主体の官能小説やアダルトビデオ等の
突っ込まずにはいられない必然性のなさや身勝手男の幻想に辟易してる人にはオススメw
女性ばかりのオージーパーティシーンも有り、(しかもSF設定により男性器所有の女性達^^;)
健全とは言い難いけれど、いきなり挿入やレイプされてよがったりする話よりは遙かにマトモ。
# 性交はお互い合意の元でお互いが快楽を得られるというのが基本ですからw
2002年度センス・オブ・ジェンダー賞特別賞受賞作ということでジェンダー問題に関する記述も一読の価値有り。
ただし百合とSMとコスプレに抵抗のある方にはオススメしない(笑)

2005年04月30日

  ■オルファクトグラム(井上夢人)

オルファクトグラム (上)
オルファクトグラム (下)
ある事件がきっかけで嗅覚が犬以上になってしまった主人公、という設定を見るとSF?という感じですが
基本的にはミステリ。更にサスペンスとロマンス有り、というところ。
上下合わせて1060Pありますがわりとサクサク読み進められます。
読書に没頭出来る環境なら一日で余裕で読めるかも。
嗅覚が犬以上になって更にそれが視覚化現象を起こすという特異性に関してもそれなりに説明があり
特に違和感なく受け入れられます。匂いの描写が幻想的で綺麗。
連続猟奇殺人と友人の失踪、両事件が解決していく過程も無理なく自然。
ただ猟奇の理由の説明がなくて残念。

正直言って井上氏は岡嶋氏の頃よりも私の中では評価がイマイチだったのですが ^^;
この作品を読んで、やはり岡嶋時代と同じくらいスゲー!と思いました。

2005年04月25日

  ■ラブロマ 4巻(とよ田みのる)

ラブロマ 4
Amazomで予約購入。やっと今日届きましたよ。遅いんじゃないか?(ちょっとムッ)
今回もネギちゃんのツッコミが冴えてますね。
バレンタインにカレーパンのエピソードがヨカッタです。カワイイ一面が見えてw
マッキーも頑張ってたし。杉本さんもカワイイし。
そして今回もまた、ネギちゃんを見てまいこ嬢を思い出し、
星野くんを見てmasatsu氏を思い浮かべるのでした(笑)

2005年04月24日

  ■大事なことに気づく(ドロシー・ロー・ノルト/加藤諦三)

ドロシーおばさんの大事なことに気づく
子どもが育つ魔法の言葉」を読んだ感想のコメントで薦められたので読む。
ドロシー・ロー・ノルトの詩を加藤諦三が説くという構成で本文は殆ど加藤諦三。
詩の解釈は人それぞれだと思うのでまず詩だけを見て考えるのがいいかもしれない。
この本で説かれている内容では『病的な人間』への非難にしかならないんじゃないかなと思いました。
一応、自分の心が大事なことを見落としているということを書いてはいますが
結局最終的には「周囲が間違っていることに気付け」と説いているように思えてしまいました。
ナルシストについて沢山の事が書かれていて、要するに自己陶酔してる人間は
他人が自分を見る目を気にするが他人の事は気にしないし、他人の言葉は聞いていないと書かれているわけです。
他人の言葉を聞かない人間に振り回されるな、騙されるな…と。
そして自分はナルシストになるな、と。
でも、実際ここに書かれているようなナルシストが読めば「他人の言葉は聞かない病的な人達」なんだから何の役にも立たないと思います。

ドロシー・ロー・ノルト自身ははしがきで「他人のことをイヤな人だと思ったら自分のことをよく見つめて下さい。
思い込みは捨てて他人のことも見つめて下さい。本当にその人はそんなにイヤな人でしょうか」と書いています。
本文はそう説いているようには見えませんでした。
加藤諦三はどうやら独善的な父親に抑圧されて生きてきたようで、
「自分が父親に抑圧されていると気付いたのが大事だった」
「それが自分を見つめ、他人を見つめた結果だった」と書いています。
確かに共依存の人が自分の境遇に気付いて改善しようとすることは大事ですが
ドロシー・ロー・ノルトが言いたかったのはそんなことではないと私は思いました。

相変わらず傲慢ですな、私は(笑)
他人の言葉を聞かない、この本を読んでも役に立たないナルシストは私か?(爆)

2005年04月23日

  ■捩れ屋敷の利鈍(森博嗣)

捩れ屋敷の利鈍」Vシリーズ8冊目。
今回はお気に入りの小鳥遊くんが出て来ずに、S&Mシリーズの西之園萌絵が出てきました。
私は萌絵嫌いなんだから紅子も好きになれないはずだよ(苦笑)
やっぱりこの二人は似てるんですね。
そして森博嗣は読者に自分の作品を全部読めと言わんばかりに…_| ̄|○
「もしかして…」と思ってネタバレサイトを見てしまった私はバカです(苦笑)
シリーズ物というのを意識せずに事件の内容だけなら犯人当ての部分はアンフェア。
でもそれがメインではないので特に気にならない。
怪盗物として読む分には面白い。探偵より怪盗の方が上手なのがマル。

  ■さおだけ屋はなぜ潰れないのか?(山田真哉)

さおだけ屋はなぜ潰れないのか? 身近な疑問からはじめる会計学」masatsu氏購入本。
snowdropさんの記事を読んで「読みたい」と思ってたので嬉々として読むw
確かに凄く読みやすいです。会計の勉強になるとは思いませんが、知ってて損はない事ばかり書かれてます。
でも一般的な主婦が読めば、日常的に意識せず計算してる事を改めて書かれてるように思うだけかも?と思いました。
# 私が自分の認識とは裏腹に「一般的な主婦」ではないならこの感想は間違いw
# 近所より50円安い卵を買いに往復30分掛けて遠くのスーパーへ行くのが「一般的な主婦」なら
# 私は「一般的な主婦」ではないw 時給100円は割にあわんだろ ^^;
私は実家が卸売りやっててそこで仕事もしてたし帳簿もつけてたのでもしかしたら普通よりは
多少知識があったかも?と思いますが、特に目新しい事は書かれてなかった気がします。
でも普段漠然と行動している事を解りやすく具体的に書かれているので
無意識の行動を意識するという観点で見れば面白いです。

  ■問題な日本語(北原保雄 編)

問題な日本語―どこがおかしい?何がおかしい?」masatsu氏購入本。
明鏡国語辞典」というのが凄く評判が良いらしいです。それと同じ編者の本です。やっぱり評判はいいみたいです。
でも私は読んでて疲れました(苦笑)

私の読解力がないのかもしれないけど下手くそな文章だと思いました。
内容も言葉の正誤を明言してる箇所は少なくて「今は誤り。でもそのうち認知されるだろう」というのが多かったです。
所謂若者言葉だとかネット発祥の隠語系には寛容な感じでした(笑)
色んな人が書いてるから違和感感じるのかもしれませんが全体的に統一感がないと思いました。
参考になった言葉もいくつかありますが、納得出来ない解釈も多かったです。
『汚名挽回』は間違ってない、とか
『雰囲気』を「ふいんき」と読むのは今後定着の可能性有りとか
『こんにちは』より『こんにちわ』の方が今では一般的だとか…。
日本語乱したいんですか?(苦笑)と思ってしまいました。

文法的にはおかしくても既に誤用が多くて一般化されている言葉は「理解出来ます」。
……って、んじゃあ問題あるかないかなんて気にする必要ないじゃん(笑)
私的には駄作。("私的"は意味が曖昧になって聞き手に正しく伝わらないのでダメだそうですよw)

2005年04月22日

  ■夢幻紳士 幻想篇(高橋葉介)

夢幻紳士 幻想篇
masatsu氏購入本。
スチャラカな夢幻魔実也君ではなかったので読むのに抵抗はなかったですが
オトナな夢幻魔実也氏でもなかったので姿形だけ流用の感が否めなかったです。
読んだ後思わずmasatsu氏に「夢幻魔実也は何人いるんだ?」と訊いてしまいました(笑)
# 3人だそうで。
ん~、駄作とは思いませんが1300円の価値があるとも思えませんでした ^^;

  ■華胥の幽夢・十二国記(小野不由美)

華胥の幽夢
十二国記既刊分読了。
一日一冊強読んでますね。なかなかイイペースで読めました(^^)

外伝ぽいカンジの短篇集でした。
表題作だけはちょっとだけ長めで本編に近かったかもしれません。
正解を知らないクセに人を非難するのは無意味だという話。
自分が出来もしない事で他人を責めるな、と。
当たり前といえば当たり前の事だ(笑)

「冬栄」はまだ幼い頃の泰麒の話で萌え~でした(笑)
一番好きなのは「乗月」ですね。泣けました。供王好きv
いや、どのキャラも皆好きですけど。
これだけ沢山主要キャラがいるのに皆好感が持てるのが凄いです。

一応既刊分読み終えて感じたのはシリーズ全編通して「己を知る」を重視した内容だなということ。
色々考えさせられる本だったので読む機会を得てヨカッタです。

2005年04月21日

  ■黄昏の岸 暁の天・十二国記(小野不由美)

黄昏の岸 暁の天
魔性の子」と同時期の十二国での様子の話。
今までよりも十二国の世界自体に踏み込んだ話だったと思います。
Amasonのレビューで書いている人がいましたが、ファンタジーの世界を超えた感じ。
この世界では神は信じる人の心の中にしか存在しませんが、十二国の世界では確実に存在していて
更に全知ではあっても全能ではなく、関与するのに救いにはならないという不条理な存在です。
不条理な事を前提として、その中で人は道義的に生きていかなければならない。
十二国もこの世界も同じですね(笑)
この世界では不条理も矛盾も受け入れる事以外に出来る事はないわけですが
十二国の中ではどうなんでしょうね。

たった一冊の本の中によくこれだけ詰め込めたなーと思うくらい色んな事が詰め込まれた本ですね。
小野不由美さんて凄い人です。こんな凄い本を過去読んだ事ない気がします。

最初は人の器という事について考えさせられました。
不遜な書き方になるかもしれませんが、人にはレベルの差があると思うんです。
レベルがあまりにも違うと会話が成立しない。
見えている物、理解出来る事、それらが全然違う。
1を聞いて10を知る人間も、10を聞いても5しか理解出来ない人間も確実に存在するわけです。
そういうのも器の違いっていうのかなー、と。
ま、色々思う事がありましたが割愛。実際に本を読んだ人が何を考えたかが重要なんでしょう。

最初に書いたように不条理な世の中についても考えさせられるし、
思い遣りが徒になるという事も考えさせられます。

今回私が自己解釈して救われた部分もありました。
「報われれば道を守る事が出来るが、報われなければそれが出来ない。そんな人間は信頼に値しない」
道というのは道義の事ですね。

私はとあることで「私が非情にならずに対応していれば結果は違ったのではないか?
相手はあそこまで私に貶められる必要はなかったのではないか?
私のせいで相手は醜さの極みを私に見せつける結果になったのではないか?」
そう思って罪悪感めいたものを抱いていたわけですが、それが払拭されました。
私がどんな対応をしようとも、相手の行動は相手の為人の問題なんですね。
私は非情ではあったけれど、卑怯ではなかったと思っているので
私はやっと私を許す事が出来ました。結構しんどかったんだよ(苦笑)
自分のした事は報われないし、暴言投げつけられるし、
相手は最終的には醜い自分に蓋をして勝手に納得してるし。
自分を美化して生きていける人間の怖さを見たよ(苦笑)
なのに残ったのは自分の中の罪悪感だけなんて救いようがない。
今回救ってもらってホントよかった。

2005年04月20日

  ■図南の翼・十二国記(小野不由美)

図南の翼
前作でほんの少し出てきた小気味好い供王誕生の話。
子供を侮ってはいけない(笑)
知識も経験も足りないけれど子供だから莫迦なわけでもない。
モラルを知る子供は少なくともどんな経験をしていてもモラルを知らない大人よりは確実に賢明だ。

大人の理屈と子供の理屈の争いが楽しい。
大人には大人の、子供には子供の言い分がある。
なかなか相容れないのは生きてきた年数分
大人の頭が固くて、子供の経験が足りないからなのかもしれない。

問題の答えを知っている人がいる。
その人は答えを隠さない。
答えだけを見て全てを知った気になる者、
答えは見ずに試行錯誤して答えを出せない者、
答えを見て何故その答えになるのかを考える者、
それぞれの行動に善悪はないと思う。
けれど誰が一番賢明かは言うまでもない。
答えのない問題を出された時に解ける人が賢明。

2005年04月19日

  ■風の万里 黎明の空・十二国記(小野不由美)

風の万里 黎明の空〈上〉
風の万里 黎明の空〈下〉
一作目の続きにあたる内容です。
一作目の主人公と他に二人、三人の少女達の行動が平行して描かれてます。
人の幸不幸は全て己の心次第だという話。

今現在、自分の事を不幸だと思うならソレは何が原因ですか?
自分がいかに不幸かという事ばかりを考えて、理由を他人に見出して
他人を怨んで妬んで生きていてもきっと状況は何も変わらない。
自分をもっと見つめましょう。
自分がいかに行動したか、いかに行動しなかったか。

いつもの如く、人間の醜さが沢山描かれていますが
人間はただ醜いだけではない事、
そして常に成長することの出来る生き物である事、
そういう事が描かれています。
勿論堕落する生き物でもあるわけですが…。

ただの異世界ファンタジーじゃなくてシリーズ通して色々と深いテーマのある作品ですねー。
ヤングアダルト向けのベストセラーなので読んでいる10代~20代の人は多いのだと思います。
きっと周囲の大人達がしたり顔でお説教するよりも、素直に沢山の事を学べるんじゃないかと思いました。
30代の私も色々学ばせてもらいました(笑)

自分の非を具体的に教えてくれる相手に出逢えたのは幸せなのかもしれない。
普通、人はそんなに優しくはないから。
だから責められた時は「自分の何が悪かったのか」それを考えなくてはいけない。
相手にも非があるかもしれない、けれど相手の非と自分の非は別物だから。
自分の非も解らないまま頭を下げてもきっと何も成長しない。

謝っても許してもらえないのは、相手の心が狭いのではなくて
己の非を自覚していないからだという事を忘れてはいけない。

  ■魔性の子(小野不由美)

魔性の子
十二国記シリーズに先だって書かれたシリーズの外伝的作品。
16~17歳に成長した泰麒が記憶をなくして異国(日本)に漂流している期間の話。

シリーズの続きから先に読むか、こちらを先に読むか悩んで結局こちらから読んでしまいました。
刊行順であれば一番に読んでいなくてはならない作品ですし。
# でも一番に読んでいたらラストは謎だけしか残らなかっただろう…(^-^;

シリーズ2冊目の「 風の海 迷宮の岸」を読んで現実離れした設定と書きましたが
現実離れしていて当たり前だという事が描かれた作品。

泰麒は麒麟であって人間ではないのだから。
人間は人間であるだけで汚く醜い生き物なのだから。

ホラー小説で多少のスプラッタもありですが、一番怖いのは死に様ではなく人間の精神です。
ここまで人間の醜さばかりを際だたせて描かなくてもいいのに…とすら思えます。
もっと若い時に読んでいれば、主人公に感情移入してしまって今読むよりも辛かったかもしれません。
今は既に切なさや哀れさよりももう少しだけ別の感情を抱いてしまう年齢になってしまってました(苦笑)

2005年04月18日

  ■東の海神 西の滄海・十二国記(小野不由美)

東の海神 西の滄海
待望の延王&延麒のお話。二人が出会ってから20~30年のお話。
一作目では既に出会ってから500年経っているようなので作品世界では一番古い時代の話ですね。

人間の身勝手さが描かれた作品だと思います。
前作は泰麒のお陰で優しい作品に仕上がっていましたが、今回は切ない作品でした。

人間たった一つの事が欠けているだけで、安泰な時ならば人望も得られる人なのに
いざ何か事が起これば簡単に全てをなくしてしまうんですね。
そして本人は何故そうなったかが理解出来ないものなんですね。

人間ていうのは本当に自己中心的な生き方しか出来ませんね。
誰かの為に何かをしているように見えても常に情けは人の為ならず。
見返りは人によって物品であったり、同等に自分に向けられた相手の行為であったり
そしてなかなか見返りと自覚しにくい己の満足感だったりするものですね。
出典は忘れましたが、「人は誰も他人の為には涙すら流せない。葬儀で流す涙でさえ、
故人の為にではなく、その人を失った自分が哀れで泣くのだ」というのを読みました。
人はまずこういう己の本質を自覚してから生きていかなければならないと思います。
自覚がなければ周囲の人になかなか癒えないような傷を与えてしまってもそれに気付けず、
自分だけが不遇なように思ってしまう。そして何度も同じ愚を犯す。
今回この本を読んで改めて思いました。

私は自分がそう思っているからこれが一般的な考え方だと思っていますが、
世の中には色んな考え方をする人がいるというのも、この年になれば判っているので
もしかしたら全然一般的じゃなくて、読んだ人を不快にさせたらスミマセン。

2005年04月17日

  ■風の海 迷宮の岸・十二国記(小野不由美)

我慢は1週間持ちませんでした(苦笑)
昨日、本屋に行って十二国記二作目の「風の海 迷宮の岸」と三作目購入。
四作目以降はAmazonで注文してしまいました。既に発送済み。そして支払いがコワイw

二作目の主人公は泰麒。10歳という設定ですがコレがカワイイの何のってv
やはり私はショタだった(爆)
10歳前後で聡明なお子が好きです。
勿論、フィクションの世界での話なので現実離れした聡明さがなければなりません。

泰麒の幼さは子供の良い面ばかりを表現しているとは思います。
現実の10歳の子供はこんなに優しくも素直でもないし、勿論聡明でもない。
読んでいて幾度も泰麒の中に赤子のような純粋さと大人以上の聡明さを見て、
現実離れした人物設定だなーとは思うけど
違和感が全然ないのは作者の筆力だと思いました。

今回も延王&延麒はちょい役ですがやっぱりいいアジだしてます。
三作目はこの二人の話なので読むのが楽しみv
異世界の様子が徐々に解ってきて一作目より二作目の方が楽しめたので
刊行分を最後まで読んだらもう一度読み直したいです。

2005年04月14日

  ■死んでも治らない(若竹七海)

死んでも治らない
オムニバスミステリーです。
全部で6編のお話がありますが、最後の1編は6分割されて、各事件の間に挿入されています。
その形式が見事!1話読み終わって謎が解けたら6分割の一部を読んで更に奥深さを知る。
コージー・ハードボイルドという一見謎なジャンルですが、読めば納得の一冊。
若竹初心者にもオススメ。

2005年04月11日

  ■月の影 影の海・十二国記(小野不由美)

月の影 影の海〈上〉
月の影 影の海〈下〉
十二国記1作目、やっと読みましたよ~。
中華風味の歴史物のイメージがあったので歴史・時代小説が苦手な私は敬遠してたんですが
元々が講談社X文庫―ホワイトハートで刊行されてたくらいで、少女向けなわけで
文体も難しくないし読みやすかったです。

最初は主人公に苛つきっぱなしでw「なんでこんなのが主人公なんだ?」と思いながら読んでましたが
一種の成長物語なんですね。後半は目を見張る程の主人公の成長ぶりが頼もしかったです。

取り敢えず1作目だけ購入して読んだわけですが、出てくるキャラが魅力的なので続きも読みたくなりました。
延王と延麒のコンビがイイカンジなので彼等の話を読んでみたいです。楽俊も可愛かったw

というわけでシリーズの残り7冊と「魔性の子」が今amazonのカートの中に入ってますが、
注文しちゃうと今月の購入書籍代が早くも1万円をオーバーしてしまうので躊躇中(苦笑)

2005年04月10日

  ■新釈 うああ哲学事典(須賀原 洋行)

新釈 うああ哲学事典 上
新釈 うああ哲学事典 下
Naoki氏の本です。
絵が全然私の好みじゃないので、きっとNaoki氏がいなければ一生読む事などなかったであろう本(苦笑)
哲学者の言葉を解り易く漫画にした短篇が50作。
読んだらちょっとだけ哲学が解った気分になる本。

哲学者は誇大妄想っていうのは当たってると思いました ^^;

私は学問としての哲学がどういう事をするものなのかよく知りませんが
過去の哲学者の研究をするっていうのはそのときの時代背景がとても重要で
歴史は勿論、物理も化学も生物学も数学も詳しくないと出来ないっていうは解りました。

真理を追究したいと思っても結局その時代の社会的な思想や解明された事象からは
逃れられなくて逃れようとすれば誇大妄想になってしまう?

結局よく解ってません(爆)

2005年04月08日

  ■魔法の言葉シリーズ(ドロシー・ロー・ノルト)

子どもが育つ魔法の言葉
子どもが育つ魔法の言葉 for the Heart
10代の子どもが育つ魔法の言葉
友人のブログで紹介されていたのを見て読みたくなって3冊一気に購入しました。

私はこの手の本は読んでも反発してしまう事の方が多いです。
育児や教育関連の講演会等、学校行事で拝聴する機会も何度かありましたが
その度に「馬鹿馬鹿しい理想論」「机上の空論」「独善的な意見」としか思えませんでした。

この本も読む前は「読んだ後にガッカリするのかもしれない」
「腹が立ってしまうかもしれない」そんな気持ちで読み始めました。

ベストセラーなのは伊達じゃなかったです(笑)

書いてある事は難しい事ではありませんでした。
当たり前のまっとうな事ばかり。
言うは易く行うは難しという内容ではありますが ^^;
でも読むだけで何だかホッとする内容です。

最近本当にItsumi嬢の態度にイライラすることが多くて、
会話も殆ど交わさなかったんですが、本を読んでいる途中で
ちょっとした事を話し掛ける気分になりました。
イライラしながら事務的に用件を伝える会話ではなくて
笑いながらくだらない話をする気分になりました。

反抗期真っ盛りで何を言っても聞き入れないSatoru氏にも
イライラして「やめなさい!」と怒鳴って自己嫌悪して、
周囲にもイライラをまき散らしていた日が多かったのが
怒鳴る前に深呼吸してみよう、そんな気分になりました。

本を読んだ直後でまだ昂揚しているせいかもしれません^^;
三日もすればまた忘れてイライラして怒鳴ってるかもしれません。
でも意識していれば以前よりはマシになる。そんな気がします。
イライラが続く時にはもう一度読み返してみよう、きっと救われる。
そんな風に思える本でした。
育児書ではなくて育親書w

育児だけじゃなくって色んな人間関係の場に於いて役立つ内容じゃないかなーと思います。
もっと優しくなりたい、そう思った人にオススメ。

2005年04月02日

  ■転・送・密・室(西澤保彦)

チョーモンイン(=超能力者問題対策委員会)シリーズの5冊目で2冊目の短篇集。「 転・送・密・室」。
短篇集なので一話毎の事件は解決してますが、シリーズ全体の伏線があちこちに張られていて結末が気になります。
既に未文庫で短篇集が2冊刊行されているので何冊で完結するのかは判りませんが ^^;
超能力者というアンフェアな存在を肯定しつつ、論理的に事件を解決する西澤氏らしいシリーズ。
早く結末が読みたいけれど、出来るなら長く読み続けたいと思える作品。
キャラも魅力的だし、文体も軽くて読みやすい。今、私の中で一番旬な作家。

2005年04月01日

  ■木製の王子(麻耶 雄嵩)

夏と冬の奏鳴曲(ソナタ)」「」に続き、如月烏有が出てくるシリーズ。
木製の王子」。相変わらず烏有は鬱陶しい(苦笑)
メルカトル鮎が出てこないので多少は解り易いミステリ。アリバイ崩しモノ。
でも宗教絡みなので動機他、常人には納得出来ない部分多々有。
この人の作品は何故か登場人物皆が好んで不幸になっているような印象を受ける。
作品一気に読めばもしかしたらモヤモヤした気分が晴れるかもしれないが逆に鬱になりそうな気もする ^^;
マニアックな人以外にはオススメしない。

2005年03月30日

  ■ぽっかぽか14(深見 じゅん)

雑誌を買わなくなって、本屋にも滅多に行かなくなって、
数年に一度しか新刊が出ないような漫画は時々買いそびれそうになる。
今回危うく買いそびれそうになった本。「 ぽっかぽか 14

田所家の幼稚園児あすかちゃんとちちははの日常を描いたファミリー漫画。

毎度毎度似たような話で、ちょっと意地悪な目で見てしまえば偽善的で馬鹿馬鹿しいのかもしれない。
だからこの本を読む時はあんまり深く考えない。描いてある事をそのまんまストレートに受け止める。
色んな事に疲れた時に読むとホッとする本。失敗しても気付いた時にやり直せばそれでいいんだ。
何気ない日常がとてもシアワセなんだと教えてくれる本。育児に疲れたお母さんにオススメ。

私信
友人に優しい気持ちをもらえた事を感謝した時、
自分もきっと同じようにそんな気持ちを友人に与えている事、
だから「友人」でいられるのだという事、
それを忘れないで下さい。
自分に価値がある。
だから自分を褒めてあげるのも忘れずに。

2005年03月17日

  ■本を読む波

ずっとPCデスクの上に山積みになっている未読の本。
一冊読み始めると一日一冊ペースで読めるのに
何日か続けて読んだら中だるみになってしまう。
数ページ読んだところで本を閉じてしまう日がいきなり来る。
何で急に読めなくなるんだろう…と思ってたが
どうやら未読本が二桁切りそうになるとそうなるらしい(苦笑)
未読本が手元にないと不安になるんだな、きっと。
そんなわけでそろそろ本を大量購入しそうな予感。

小説を読めなくなった時は大抵マンガを読み直している。
今回は「幽・遊・白書」~「うしおととら」を読んだ。
このパターンで読み返してるの何回目だろう。
「幽遊白書」読んで雷禅見たらいつも「うしおととら」読みたくなる(笑)
そして「幽遊白書」読んでも「うしおととら」読んでも毎回泣く。
この壊れた涙腺どうにかなりませんか?
Satoru氏が変な顔して私の顔を覗き込むんだよ^^;

2005年03月14日

  ■風の谷のナウシカ(宮崎駿)

実は私、アニメの「 風の谷のナウシカ」ちゃんと観た事がありません^^;
腐海の植物をナウシカが育ててるところとか、腐海の地下とか王蟲の大群とか所々は記憶にあるんですが
全編通してキチンと観た記憶はないです。

それで本のレビューを読んでいる時にmasatsu氏に「ナウシカって原作とアニメ全然設定違うの?」みたいな事を以前訊いたら
アニメ観てないのに原作の方を実家から持って帰ってきてくれました^^;
折角なので「 風の谷のナウシカ全7巻」読みました。
丁寧に描き込んであるのかもしれないけど読みにくかったです。
人間関係も解り辛かった。誰が敵で誰が味方なんだか…。
ハッキリ言って一読しただけでは理解出来ていません、多分。
レビューによるとアニメは原作の2巻辺りまでの話だそうですが、原作の2巻て序盤なんですけど…。
名作との誉れ高いのに作品の序盤しか描かれてなくて内容あるんですかね?^^;
それとも設定というより主題が全然違うのか?

アニメをよく知らないので断片の印象なんでしょうが、
私はナウシカを慈悲だけの人だと思ってました。
でもそうじゃなかったんですね。
登場人物の言葉を借りれば「破壊と慈悲の混沌」だそうで。
でも人間は割合は違えど皆「破壊と慈悲の混沌」のような気がする。
とても人間らしいナウシカが人間離れしてる気がするのは
彼女の破壊も慈悲も超人的だからですね。

読み返す度に違う事を考えさせられそうな本でした。
一言で言えば「人間は愚かだけど愚かなだけじゃないよ」っていうよくある話なんだけどなー ^^;
それだけで終わらせないのが宮崎氏の凄いところなのか?
# 私は宮崎氏そんなにスキじゃないですけど(苦笑)凄い人だとは思う。

2005年02月25日

  ■高橋葉介作品集

masatsu氏が入手したので読みました。
高橋葉介作品集 (1)「ミルクがねじを回す時」
高橋葉介作品集 (2)「仮面少年 」
高橋葉介作品集 (3)「ライヤー教授の午後」
高橋葉介作品集 (4)「宵闇通りのブン 」
高橋葉介作品集 (5)「海から来たドール」
高橋葉介作品集 (9)「クレイジーピエロ」
高橋葉介作品集 (10)「腸詰工場の少女」
以上7冊。

高橋葉介作品集 (6)「猫夫人 」は元々家にあって既読。
「夢幻紳士」は色んな出版社の本が家にあって大人の夢幻君は既読。
子供の夢幻君は受けつけなかったので未読(笑)
高橋葉介作品集 (20)「帝都物語」 も別版で既読。
私は別に高橋葉介ファンじゃないのにかなり読んでるなー(苦笑)

今回読んだ作品集は初版が18年くらい前だし、載ってる作品初出昭和53年?とかのヤツ。
うんと初期の頃は同人誌読んでるみたいな感じでした。
本来の意味での"やおい"ってヤツ?(笑)
絵は独特の線がスキです。初期の頃は凄くイイ感じ。
「ミルクがねじを回す時」は読んでみたいと思ってた作品なんですが
思ってたのとちょっと違いました。期待はずれ。
「ライヤー教授の午後」はわりと好み。 「クレイジーピエロ」も悪くなかったです。
読むのが辛かったのが「海から来たドール」表題作も収録作の「真琴グッドバイ」もきつかったです。
# 我ながら解り易い趣味だなー(笑)グロもエロも平気なんだけどドタバタ(すちゃらか?w)はダメだ。

2005年02月23日

  ■安達ヶ原の鬼密室(歌野晶午)

凄く構成の凝った本でした。
1冊で何度も美味しい本です。
安達ヶ原の鬼密室」だけの長篇だと思っていたのに
開いてみたらまず短篇前半、中編前半、そして本編になります。
目次もないし、全然別の話なのに何故途中に本編を挟む形で別の話が書かれているのか、
疑問に思いながら、短篇も中編も解決編を気にしつつ本編突入。
平行して3冊(もしくは4冊)の本を読んでいる気分になります。
そして最後まで読んで「なるほどね」と納得。メインの謎解きも勿論ですが構成の妙だけで充分楽しめました。

  ■ウェブ発の書籍

電車男」の二番煎じなんでしょうか?
今週、妻が浮気します」が書籍化されてたんですね。
私はどちらもネットで読んだし、今もネットで読めるのに書籍化する意味がイマイチわかりませんが、
「電車男」かなり売れてたようですし「今週、妻が浮気します」も売れるのかもしれませんね。
「電車男」みたいに専門用語w多用じゃないので一般向けにも思えるし。

「今週、妻が浮気します」は「電車男」の"純愛"に対して"大人の愛"だそうです。
「今週、妻が浮気します。私はどうするべきでしょう?」という質問に対しての回答集なわけですが
色んな意見が出ていて興味深いです。
# フィクションじゃないのか、という疑惑については考えない事にして ^^;

愛っていうのはずっと一定量で継続してあるものではないですね。
日によって波もあるし、消えてなくなりかけたり、ふとした事からまた大きくなったり、新しく生まれてきたり。
人の気持ちっていうのはとてもとても複雑で、自分自身でも見失いかけたりしてしまうもの。
色んな邪心をふるい落として、そこにほんの少しでも愛があれば、それはまた大きく育てる事も可能なのかもしれません。
一人で抱え込んでいるとふるい落とす作業が出来ずに邪心ばかりがどんどん積もっていって愛を埋もれさせて見えなくさせるのに
ネットの掲示板で質問して回答を得た事によって自分自身を見つめ直していく様子、気持ちが揺れ動く様子はリアルです。
読み終えたら「どうかお幸せに…」と思わずにはいられません。

…私自身は生活してたら邪心にまみれるので邪心に埋もれて見えなくなる程度の愛なら捨てちゃいますけどね(爆)

2005年02月20日

  ■クロスファイア 上・下 (宮部みゆき)

クロスファイア(上)」「クロスファイア(下)」読了。
文庫発売から既に2年半…。放置しすぎ 。
今回読み始める前に序章的な話の「燔祭」も読み返しました。

正義とは一体何か、自警に関してはどこまで正当か、法で裁ききれない悪をどう扱うか、という話。
何が正しいという答えは出ていません。答えの出せないモンダイだと思います。
読み終えた人間が各自考えろという事ですね。
色んな事をいっぱい考えさせられますが、結局「人間だから仕方ない」としか言えないんでしょうね。
人間だから過ちも犯す。完璧には決してなれない。
そして人間だから物事に対して、どんな事に対してでも慣れてしまう。

「慣れる」というのは人間にとって重要な能力で、でもとても怖い能力です。
「忘れる」というのがそうであるのと同じように。

下巻後半部分はちょっと切ないラブストーリーです。
恋愛なんて愛されたかどうかより愛せたかどうかがより重要な事柄ですね。
だからあれは幸せな出来事だったのだと無理矢理納得して本を閉じました。
無理矢理納得しないと切なすぎるから。

2005年02月19日

  ■早春の少年(栗本薫)

伊集院大介の誕生とサブタイトルのついた「早春の少年
伊集院大介14歳、初めて殺人事件に関わったときのお話です。

特出した14歳の伊集院大介を、田舎の素朴な、素朴すぎる14歳の少年が語る事で
伊集院大介の天才ぶりを余すところなく表現した1冊でした。

ハッキリ言って、伊集院シリーズファンじゃない人が読んでもつまらないと思います。
14歳という微妙な年齢の、大人や世間に対する感情、
もう子供扱いされたくないのに大人とは認めてもらえない焦燥感、
そういうモノは確かに巧く描写されていますが、何せ伊集院大介です。
彼は秀才ではなく天才なので、一般的ではありません。
事件の推理に関しても、彼は超人的な思考力を持っているのでついてゆけません(笑)

2005年02月17日

  ■新Petshop of Horrors(秋乃茉莉)

新Petshop of Horrors」1巻。masatsu氏が昨日本屋で発見して買ってきてくれました。
知らなかったよ、「Petshop of Horrors」の続編が出てたなんてー。
今度は日本の歌舞伎町が舞台です。
またD伯爵の活躍(?)を見られるなんて思ってなかったので嬉しい♪

でもmasatsu氏に「Petshop of Horrors って基本的に”笑ゥせぇるすまん”ですよね?」って言われて
その場では何となく納得してしまった自分が情けない…。
違うだろ?D伯爵は喪黒福造とは全然似てないだろっ!

D伯爵はカワイイです。ペット達もカワイイです。
そしてストーリーは笑ゥせぇるすまんよりは救いがあると思います。

  ■きみに読む物語(ニコラス・スパークス)

映画を観てみたいなーと思ってたら、友人が読んで「良かった」という感想だったので読みたくなりました。
ただ私は文庫派なので躊躇してたらmasatsu氏が買ってくれるというのでありがたく買ってもらう事にしました。
最初はネットで買おうと思ってたんだけど、昨日masatsu氏が本屋で発見して買ってきてくれたので読みました。

きみに読む物語
帯に書いてある
『わたしはありふれた男だ。
でも、全身全霊を傾けて愛する女性がいる。
いつでも、それだけで十分だった』
という文章を見て、masatsu氏に「そそられへん?」と訊いたら
「は?当たり前の事が書いてあるだけじゃないですか」と言われました。
多分、ココで私の感動スイッチがオフになったものと思われます。

あんなにあちこちで絶賛されてるのにダメでしたよ…orz

主人公に感情移入出来なくて、全体的に凄く冷めた目で読んでしまいました。

色んなモンダイが起こるであろう長い人生の日常が描かれていなかったせいもあるかもしれません。
書かれているのは出逢いと別れ、そして再会。あとは終焉。
二人が愛し合っていたというのは確かなんだろうし、
恋愛においてお互いどこに惹かれたのかなんて愚問だとは思うんですが
何故ここまで惹かれあったのかが理解出来なくてつまづきました。
私の目では人物が特別魅力的には見えなかったって事ですね(笑)

「奇跡の純愛小説」って帯に書かれてあったけど
何が奇跡だかわかんないし、純愛小説にも見えなかったです。

私の感性ダメダメだわ。

映画より原作の方がプラトニックらしいですが
私は原作のそういう描写を受けつけられなかったので
映画は観ない方がいいんだろうなーと思います。

ヨカッタなーと思った部分も勿論あります。
アリーの母がヨカッタです。
私にとっては彼女が一番魅力的な登場人物でした。

あー。「バカ?」って思われるの承知で書いちゃいますとね、
現時点では、私 この本の妻と同じくらい愛されてますもん。
本に書かれてる内容より遙かに恥ずかしい内容の賞賛の台詞日常的に聞かされてますもん。
最初にmasatsu氏が言った通りなんですね。
当たり前の事として読んじゃったのであんまり感動出来ませんでした。
実は全然当たり前じゃなくって私が幸せ者だという自覚はあります(笑)

人生の終焉についてはわかりませんけどね。
自分が主人公と同じ事を出来るのか?と問われたら答えられません。
実感できるほどの経験が不足してます。

2005年02月16日

  ■青の時代(栗本薫)

伊集院大介シリーズです。
本の著作リストと私の蔵書リストを比較してみたら、私は
天狼星の途中でイヤになったらしく「新・天狼星ヴァンパイア(上)」「新・天狼星ヴァンパイア(下)
真・天狼星 ゾディアック1~6」を買わないまま「伊集院大介の冒険」を買っています。
そして途中「タナトス・ゲーム」を買いそびれて、今回読んだ「青の時代」と「早春の少年」(未読)を買っています…。
こんな不規則な買い方キライなのに…orz

「青の時代」では伊集院大介50歳ですよ。
メインの話は回想なので24歳の時の事件ですが…そうか伊集院大介もう50越してるのか…w

46歳の女性の回想で綴られる話でした。
若いときの事を思いだして書いてるから「当時はわからなかった」だの「若かったんだ」だのという記述が多いです。
若い頃は「年を取る」という事が実感として解らない、目の前にいる年配者にも若い頃があったんだという事を理解出来ない。
確かに私はそうだったと思います。
今はちょっとだけ解るって感じでしょうか?(笑)
この手の小説を読んだときに感じるんですよ。
10代20代で読むのと30代で読むのと、40代で読むのと
メイン部分に対する印象は変わらなくても、それ以外の感慨が全然違うだろう、と。
語り部と同じ46歳で読んだ場合と、回想中の21歳という年齢で読んだ場合、
きっと全然違う印象を持つんだろうなーと思います。
年を重ねる事が偉い事だとは全然思わない、当たり前の事なんですが、
やっぱり「若い頃には理解出来ない」事が世の中沢山あるよなー…と。

最近の若者はどうなんでしょ?
ネットという世界がここまで一般的になって、自分の親世代の書く素の文章、
本音に近い感情、バカげた行動、そういう物に触れる機会もかなり増えていると思うんです。
私達世代が年配者に抱いていた物とはまた違った印象・感情を抱いてるんじゃないかなーと思います。

これって怖い面の方が大きい気がするんですけどね。
私は若い頃決して大人を尊敬していなかった。
今の若い子達はもっともっと大人を尊敬出来ないんだろうなーと思います。

人間年喰ってるだけで尊敬は出来ない。
精神面での成長は年と共に緩慢になるし、
下手したらストップしてしまっているのに近い人間も多い。
でも生きてきた時間分確実に何かを得ているのは間違いなくて
それは残念ながら若いときには若いという理由だけで得られないモノだったりする。

そんな事が朧気ながら解ってきた事が嬉しかったり寂しかったり(笑)
そして解らないのに解った気になってしまう世代を危うく思ったり。
上の世代が下の世代を危うく思うのはずっと繰り返されている事だろうに、
年々危うさが増している気になるのはやっぱり「年を取った」という事なんでしょうね。

2005年02月14日

  ■武装錬金(和月 伸宏)

私が「HUNTER×HUNTER」 を1巻から読み直していたらmasatsu氏が
「何でそんなもの読んでるんですか?こっち読みなさいよ」と「武装錬金」を寄越した。
「6巻で出てくるキャラが貴女好みかと思って」と言ったが既に顔が好みじゃない。
頭がツンツンしてりゃいいってもんじゃないんですよ。
頭ツンツンで目つきと口が悪くなくちゃダメなんですよ。ったく。
仕方ないので「HUNTER×HUNTER」21巻まで読んでから「武装錬金」を読み始める。
因みに何故「HUNTER×HUNTER」読んでたかっていうと21巻をmasatsu氏が私に手渡しながら
「貴女はきっと前巻までの話忘れてるから読んでもわからないでしょうけどね(嗤)」と言ったからです。
ええ、ホントにわかんなくてムカつくから最初から読み直したんですよ。

んで「武装錬金」1巻に目を通しただけで読む気なくて全然読んでませんでした。
6巻まで一気読みしました。
うーん。
masatsu氏に「早坂姉弟の生い立ちとか結構重い話だったでしょ?」と訊かれたけど
そう、重い話なのに肝心な部分流して書いてあって凄く軽くなっちゃってるのね。
少年誌にふさわしいかふさわしくないかとか、出版社の思惑とかは解りませんけど
要の部分を描ききってないからキャラに厚みがない感じがするんですけどねー。

そしてmasatsu氏が「私好み」と言ったキャラ。性格も全然好みじゃないですからっ!
なんで私の好みが把握出来ないんだよっ!ウキィー!

2005年02月12日

  ■悪いうさぎ(若竹七海)

葉村晶シリーズ3作目でシリーズ初長篇の「悪いうさぎ
葉村シリーズはいつもそうなんですが、とにかく『こんなに酷い人間よく書けるなー』と感心する。
人間の本質かもしれない、極端に表現しているだけで人間は確かにこういう面を持っているんだろう、
そう思いながら読んでもあまりの酷さにムカついてきます ^^;
メインの事件も酷い事件で想像力使いながら読むと気分悪くなります。
登場する悪い人達の何が怖いかというと罪悪感が欠片もないところですね。

2005年02月11日

  ■六人の超音波科学者(森博嗣)

Vシリーズ7作目「六人の超音波科学者
前作までを一気読みしてたので比較的(私の)記憶が鮮明で読みやすかった。
小鳥遊(たかなし)クンがいつもの如く可愛くてイイ。
そしていつもの如く紅子の専門的な台詞は理解不能(苦笑)
最後の謎解きは強引。…シリーズ全体が御都合主義といえば御都合主義なのでアリかもしれんが。

今回特筆すべきなのは解説。
最悪でした。
「馬鹿の定義は状況判断の出来ない奴。そして品のない奴」と書かれて始まる解説。
品のあるなしは主観に基づくと思うが、こんな下品な解説を読んだのは初めてかもしれない。
私は基本的に「ネタバレ注意」の但し書きがなければ、本は解説もしくは後書きから読み始める。
だからこの本は本編を読む前に非常に不愉快になった1冊でした。
ま、私個人の感想だけどね。

2005年02月09日

  ■夢幻巡礼(西澤保彦)

夢幻巡礼」チョーモンインシリーズ番外編。
これは多分シリーズ本編で出てくる予定の敵のルーツの話(←ATOKに「の」が連続!って怒られたw)

快楽殺人者の独白で終始します。
でもメインの事件はその殺人者以外の犯人がいるのでラスト近くでその事件の全貌が明らかになる形。
語り部が異常者というだけで一般的なミステリですね。
チョーモンインシリーズはエスパーが普通に存在するので一般的とはちょっと違うかもですが(苦笑)

母子癒着がテーマの結構暗めの話でした。
歪んだ親子関係、そして当事者は無自覚。
息子を快楽殺人者にしてしまう程なのは特殊だとしても、
歪んだ親子関係自体は結構ある話なんじゃないのかなーと思いました。
んーっと、息子の事が可愛くて仕方ないのに嫁いびりしちゃうお姑さんとか(笑)
自分の母親に妻が責められてるのに母親の味方しちゃう夫とか。
どう考えても異常なのにきっと本人は異常だっていう自覚ないよね。
無自覚ってのが怖い。悪意のなさが怖い。

溺愛だけが癒着を生むのではなくて、何気ない言動が子供に多大な影響を与えると思うと
簡単に親の思想に縛られた子供が出来上がってしまうわけで、表面には現れない癒着が生まれてる。
子供を育てていく事ってのは難しい作業ですね。(何を今更w)

2005年02月08日

  ■花よりも花の如く3(成田美名子)

成田さんは中学生の時からファンです。
いつも「なんでこんなに明るくこんなに深いテーマの話が描けるんだろう」と思います。

あー、ファンクラブの会員もやってました(苦笑)
15年くらい在籍してて会員ナンバー一桁が自慢でした。
スタッフの方々が多忙になられて活動縮小された頃にやめちゃったんですが
今も活動してるのかなー?
まだ小さかったItsumi嬢を連れて御本人にお会いする為にお茶会参加したのが既に10年以上前…。
時間の流れの速さを感じる。
そしてこれだけの長い時間が経っても、これだけのクオリティを保ちながら描き続けている
成田さんをやはり凄いと思わずにはいられない。

花よりも花の如く」はお能漫画です。古典芸能の能ね。
飄々とした主人公が自分の好きな事に打ち込む姿が羨ましい漫画ですね。

毎回印象に残る話があるんですが、今回は自分の苦手な"自分とは正反対のタイプの人間"について。

「自分が認めたくなかった自分の一部を押し込めて今の自分が形成されているから
その押し込めてきた部分を人が発揮していたら苦手に思うのは当然。
でもそれは自分の一部で自分の影である」

ああ、苦手な人間ていうのは自分の出来ない事をやっちゃってる人間なわけだ。
当たり前と言えば当たり前かもしれないけど、それをポジティブに見るというのが出来なかった。
ま、今も出来てないんだけど(苦笑)一つの事柄を別の角度から見つめ直すのは重要だな、と
改めて思ったエピソ-ドでした。

言葉足らずで意味不明な文章だ。
ガンガン深読みして自分なりの解釈して下さい(爆)

別に特定の誰かに向けて具体的な何かを伝えようとしてるわけじゃないです。
どうも私の文章は曖昧で意味深で「遠回しに何か言ってる」と受け取られがちらしい。
曖昧で意味深に取れるのは語彙不足と表現力不足のせいです(苦笑)

2005年02月07日

  ■素子の読書あらかると(新井素子)

読書エッセイ。作者自らが「書評ではなくエッセイです」と書いているので本以外の話もそこそこあり。

冒頭に「私のおすすめは皆様へのおすすめではありません」という事が書いてあります。
愛読書と出会う事は恋に似ている…と。
出会うべき時に出会わないと同じ相手でも恋はしない。
他人の恋人(オススメ)を「いい人(本)だ」と思っても自分が恋するとは限らない。
万人のオススメはお見合いに似ている。
ハズレはないけど激しい恋には滅多にならない。
言い得て妙だな~と思いました。

どんなにいい本でも出会うべき時ではないときに出会ってしまったらそれは当人にとって駄作になる。
そうなんだよね~。
若い頃読んでちっとも面白いと思えなかった本が今面白かったり、
逆に若い頃はもうめちゃくちゃ感動したはずなのに読み返してみたらガックリきたり。
いいタイミングで本に出会えるっていうのは幸せな事ですねー。
今読んで「くぅ~、これもっと若いときに読みたかったっ!」って本がどれほどあるか…。
そして実際若いときに読んでたら何も思わなかったかもしれないんですよ。
今読んで、今「もっと早く読みたかったと思える」それも重要だと思う。
本との出逢いって運命だよな~。

…ちょっと危ない人になってる?(笑)

んでエッセイですが、面白かったです。
趣味が合うというか、知ってる(読んだ事ある)本が結構ありましたし。
# 新井さんて多分年間600冊~700冊は本読んでると思うから^^;
# その中に私が読んでる本が混じってても全然謎はないんだけど。

更に、気にはなってたけど量が半端じゃないので敬遠してた「天藤真全集17冊」と
小野不由美さんの「十二国記シリーズ」(今11冊?)を読みたいと思ってしまいました。
素子の読書あらかると」しっかり書評代わりに使ってますね、私w

ところで新井素子さんてどのくらいの知名度なんでしょう?
私の感覚では「私等世代では知らない人はいないくらい有名」なんだけど
考えてみればSFに縁のない人は全然知らない様な気もする。

2005年02月06日

  ■クリスマスの4人(井上夢人)

岡嶋二人氏の頃よりも井上氏になってからの方がミステリというよりSF的要素・ホラー要素はかなり大きくなってる。
ミステリアスな事件の解決にSF的要素を持ってこられるとアンフェアじゃないのか?と思うかもしれない。
でもなんか井上氏だと納得しちゃうんだよねー。
岡嶋氏時代からの愛があるから(笑)欲目に見ちゃってるのかもしれない。

クリスマスの4人」もSF的要素あります。
でもアンフェアじゃないですよ(笑)←やっぱ欲目か?
強引な部分がなきにしもあらずですが、それでも"先が気になって一気に最後まで読んでしまう"話でした。
なんせ活字キライなItsumi嬢が読み切ってましたから(笑)
読後感も悪くなかったです。

2005年01月29日

  ■読書中

Naoki氏に借りたブギーポップシリーズをひたすら読んでます。
既刊本編12冊・番外編3冊。
今のところ「ブギーポップは笑わない」「ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター (Part 1)
ブギーポップ・リターンズVSイマジネーター (Part 2)」「ブギーポップ・イン・ザ・ミラー「パンドラ」
ブギーポップ・オーバードライブ歪曲王」「夜明けのブギーポップ」「ブギーポップ・ミッシング ペパーミントの魔術師
ブギーポップ・カウントダウン エンブリオ侵蝕」「ブギーポップ・ウィキッド エンブリオ炎生
以上9冊読みました。もう少しで「ブギーポップ・パラドックス ハートレス・レッド」を読み終わります。
Naoki氏は「パンドラが一番面白い、オススメ」と言ってましたが私はその後の「歪曲王」の方が面白かったです。
「歪曲王」辺りでやっと何となく解ってきてそれ以降が読みやすくなった感じ。
今読んでる「ハートレス・レッド」も結構面白いです。
時系列に話が進んでなくて、過去に遡ってたり別の話と同時進行してた話だったりするんで
事件の順番整理しつつ、どんどん増えていく登場人物整理しつつ読むのはちょっと大変。
私は記憶力が一般より大幅に劣るので多分一気読みじゃないと内容全然理解出来てないと思います ^^;
ココまで読んでも相変わらずブギーポップの存在意義が謎ですが(苦笑)。

残りは本編が「ホーリィ&ゴースト―ブギーポップ・アンバランス」「ジンクス・ショップへようこそ―ブギーポップ・スタッカート」の2冊と
番外編で「ビートのディシプリン」が3冊出ているらしいです。
そして未完…先は長い(苦笑)

2005年01月26日

  ■ブギーポップは笑わない(上遠野浩平)

Naoki氏が去年の末にシリーズ一気に購入。(10冊くらい?よく知らん ^^;)
「友人に借りて読んだら面白かったから全部揃えた」と言うので
そんなに面白いなら貸してもらおうとしたら
「今担任に1巻貸してる」と借りられなかったのが数日前。
「1巻返ってきたけど担任が面白かったから続き貸してって言うし明日2巻持っていくから」
って今もう夜なんですけど…。今から2冊読むんですか?
え?2作目は上下巻?3冊読めってか?状態で読み始める。
結局「ブギーポップは笑わない」と「VSイマジネーターpart1」の2冊しか読めなかった…。
part2の方は一日待って貰う事に。ゴメンね、センセ ^^;

内容は微妙ー。
読み易い。1章毎に視点が変わって事件が解明されていく様子も解り易い。
でもテーマがいまいちよくわからん。何を訴えたいんだろう?
Naoki氏に「読後感が悪い。なんかスッキリしない」と言ったら
「スッキリしない部分は伏線でシリーズ通して読んだら謎が解けてくる」と言われた。
「でも多分1回読んだだけやと理解出来ん。読み返してやっと解るんちゃう?」ってアンタ。
何回もシリーズ読み返すのイヤですがな!
自分の本放置してアンタに借りたのはライトノベルが読みたかったからだよっ!
なのに何でそんな難しい話なんだ?

でもコレはやっぱり若者向きの本なんだろうなーと思う。
きっと私が読むのと若者が読むのとじゃ受け取り方が違う。
今、現役で学生やってる子達が読んだら、胸にズッシリ響く言葉も
私は読み流してしまってるような気がする。
自分でそんな気がするだけだから実際はどうなのかわかんないけどね。

読み始めて謎を抱えてしまったので取り敢えず一度は全部読む予定。
つか自分の本読もうよ。また未読本が凄い量になってきてるよ…>私
そして、こんなもの一気読みしてていいんですか?>今年受験生のNaoki氏
とか言いつつ「コレきっとアンタ主人公スキやと思うわ。読む?」とNaoki氏に
「氷菓」を渡す受験生の母失格のワタシ… ^^;

2005年01月24日

  ■愚者のエンドロール(米澤穂信)

愚者のエンドロール」読了。

人間ていうのはなかなか自分を客観的に見て正しく評価することは出来ませんね。
慢心せず、卑下せず、客観的に自分を評価するのは難しいです。
他人が自分をどういう目で見ているのか判断するのもまた然り。

そして謙虚な主人公はまた自分を過小評価してしまうのでした(笑)

前作同様ミステリはしっかり本格。そして青春小説。
序章終章でチャットシーンがあるんですが、ラストのシーンは思わず微笑んでしまいました。

2005年01月22日

  ■氷菓(米澤穂信)

先日読んだ「春期限定いちごタルト事件」が面白かったので「氷菓」も読みました。
# 今日彼氏とデート(笑)だったmasatsu氏に依頼して買ってきてもらった入手ホヤホヤ本v
# 角川スニーカーはどうやら冷遇されてるらしくハシゴして買ってきてくれた模様。

続編の「愚者のエンドロール」も買ってきてもらったけど取り敢えず今日読めたのは1冊だけということで。
やっぱりヨカッタです。
まず文章がテンポ良くて読みやすい。
個人的に言葉の使い方が凄くスキです。
主要キャラは高校生の4人ですが何気ない会話が楽しい。
やはり殺人に代表される犯罪は出てこないのにしっかり本格ミステリです。
日常の些細な謎を不本意に思いつつ解いていく主人公、
「省エネ」少年折木奉太郎君。
省エネの合い言葉は
「やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければならないことは手短に」
こんな事をぬけぬけと言い放つ高校生が徐々に変化していく様も見物。
正しい青春小説でした。

2005年01月21日

  ■僕等がいた1~7(小畑友紀)

僕等がいた」1巻から7巻(以下続)一気読みしました。
私の本じゃなくてItsumi嬢の本です。
コドモのクセに先日生意気にも一気買いしてました。

折角家にあるんだから何でもイイやーと思って暇つぶしに読み始めたんだけど
ヨカッタです!(笑)

いやー、高校生の恋愛モノなんだけど会話の中に「やる」だの「やってもいいよ」だの
フツーの高校生がこんな会話してるんで「ぉぃぉぃItsumiサン…^^;」と思いつつ読んでたんだけど
考えてみりゃイマドキの少女漫画はもっと過激でしたね。
レイプシーンとかが出てくる少女漫画も持ってますわ<Itsumi嬢
でも露骨なのよりもこういう日常会話で「やる」って単語が出てくる漫画の方が恥ずかしい…。
感性がオバサンですか?(笑)
ま、そういうエッチシーンは措いといて、全体的なストーリーはヨカッタです。続きが気になります。
この高校生はリアルなのかなー。
男の子がね、男の子じゃなくてちゃんと男なんですよ。
高校生ってココまでオトナかなー?
ウチにいる高校生はお子ちゃまですし、
自分の時のことはあまりにも昔で忘れましたが(爆)

うん。久しぶりに漫画でカッコイイオトコ見ました。
あー、私は竹内派です(笑)

2005年01月19日

  ■魔法使いの娘(那州雪絵)

魔法使いの娘」2巻(那州雪絵)
去年出てたのに今年に入ってからやっと手に入れました。

那州さん初期のオカルト系やグリーンウッドが好きで、
最近のボーイズラブ系を淋しく思ってた人なら嬉しくなる作品。
最初タイトル見て洋モノだと思ってたら実は陰陽師の話でした(笑)
生活無能力者だけど日本一の陰陽師のお父さんと
しっかり者で素質はあるのに跡を継ぎたがらない娘、
そこに弟子と式神が混じってドタバタしてます(^^)
一見能天気なお父さんに何やらくらい過去がある様子。
今後の展開も楽しみな1冊♪

2005年01月16日

  ■春期限定いちごタルト事件(米澤穂信)

春期限定いちごタルト事件」。
私は本を買うときは大抵作者で買うので、
未読本山積み状態の現在、殆ど新しい作家の開拓はしていない。
なのに、先日本屋に行ったときにタイトルとカバーイラストに目がいってついつい手にしてしまった。
ま、出版社が東京創元社なので失敗はないだろうとそのまま購入。
青春ミステリ?重苦しい事件は全然なくてライトでコミカルな感じのミステリでした。
主役の小鳩君と小佐内さんのキャラがイイです。
解説にもあったけど二人の関係のもどかしい描写もよかった。
読後感もスッキリで、昨日までの折原氏の重苦しさが払拭されましたw

この作者他に文庫が2冊出てるのね。角川スニーカーで ^^;
創元で出てなかったら絶対手にしてなかった本だよなー。
創元で出てて、たまたま平積みされてる時期に本屋で巡り会えた幸運に感謝v

2005年01月15日

  ■倒錯の帰結・他(折原一)

倒錯の帰結」は倒錯シリーズ3部作完結編。
年末からダラダラと読み進める。
倒錯シリーズは元々そんなに好きじゃなかったけどコレはホント私はダメでした。
もう折原作品買うのやめようかな…と思ったくらい。
装丁は前から読んでも後ろから読んでもOK、最後に中心の袋綴じを開いて完結という特殊な作り。
でも袋綴じ読んでもスッキリしない読後感。
自虐っぽいネタも暗くてイヤでした。
精神異常系集団は折原ワールドそのものの気がするけど読んでて疲れる ^^;

スッキリしないまま残りの折原未読本を消化。

失踪者」と「沈黙者
これは「○○者」シリーズの2作目と4作目。
2作目を買いそびれたまま3作目を先に読んでました。
シリーズと言っても連続性は全くないので問題なし。
「失踪者」は少年犯罪テーマ。
家族の切なさが読み所。
叙述トリック前提で読んでいるので途中で
"犯人こいつしかいないじゃん"と思ってしまったのが残念。
「沈黙者」は一家惨殺事件の捜査状況と
万引きで捕まって氏名黙秘の為に起訴される人物の話が並行して進められる。
交互に話が展開していく辺りが叙述。
殺人動機も黙秘動機もちょっと苦しい気がするが叙述モノとしてはマル。

2004年12月16日

  ■ガラスの仮面

ガラスの仮面42巻
知らなかったんだけどmasatsu氏が本屋で発見して買ってきてくれました。
確認したら41巻から6年ぶりだよ。もう出ないと思ってたよ(苦笑)
次はいつでるんだろう…。話、進んでませんが?^^;
マヤはともかく真澄の大人げなさが笑える。

2004年11月02日

  ■DEATH NOTE 4 (漫画)

Naoki氏に借りて読みました。『DEATH NOTE 』4巻。

初めて読んだのは2巻が出た頃。Naoki氏に
「(私が)好きそうな話やけど読む?」と訊かれて
「主人公が男前なら読む」と答えたら目の前に出されたから読みました(笑)

メイン二人の頭が良くてイイ。
攻防が楽しい。
masatsu氏が「この話○○にならないと終わらないと思いませんか?結末明らかじゃないですか?」と言ったが
結末がそうでも物語は過程を楽しむんだからいいんじゃないですかね?
世の中「お約束」のお話ゴロゴロしてるじゃん(笑)

4巻はミサちゃんがメインでしたね。
私は結構可愛くて好きです>ミサちゃん
Naoki氏に「ミサちゃん、わりとタイプやろ?」と問うと苦笑しながら
「え~?まぁカワイイけど…」と答えてました。
Naoki氏は強引でワガママな女が好きです(笑)
"どこ行きたい?" "ん~…どこでもいい" な会話をして自分が行き先考えるより
"あそこ!今日は絶対にあそこに行く!"と多少無謀と思われる行き先にでも女に引きずられながら行く方が苦が少ないらしい。
前途多難ですな<私が(爆)

masatsu氏に「ミサちゃんカワイイやろ?」と問うと予想通り、苦虫噛みつぶしたような表情をしました。
彼は頭の悪い人間はキライです。
でも現実には頭の悪い女にメロメロです(爆)

2004年09月28日

  ■美貌の帳(篠田真由美)

建築探偵桜井京介シリーズ。今月の文庫新刊です。
未読本は山積み中ですが、先日前作・前々作を立て続けに読んだので記憶の新しいうちに。
前作で蒼君の過去が明らかになって第一部終了、「美貌の帳」は第二部スタート作です。

「相手の人格と真摯に向き合わず、己の自尊心を担保する手段として他者を客体化する行為に腐心する、
これが本書の主要キャラクターのひとり、天沼龍麿の姿である」(解説・西澤保彦より)

外見だけに惹かれることがどれだけ相手に対して失礼な行為なのか、それが解らない人、現実にもいそうだな(苦笑)
外見を主として惹かれているのにもかかわらず、本人が大真面目に相手の全てを愛していると思い込む。

美醜は所詮皮一枚の話なんだけどね。
人間はやっぱり動物でもあるから、見た目も重要に思うのね。
外見よりも重要なものを見る目もキチンと持ってるはずなのにね。

2004年09月27日

  ■諏訪湖マジック(二階堂黎人)

水乃サトルシリーズ。
軽井沢マジック」「奇跡島の不思議」「名探偵水乃サトルの大冒険」に続く4作目。
二階堂黎人氏は二階堂蘭子シリーズが有名ですが、私は水乃サトルシリーズの方が読みやすくて好きです。
蘭子シリーズはゴシック要素が強すぎて時代小説が苦手な私には読み辛い ^^;
諏訪湖マジック」はアリバイ崩しモノでした。
トリック自体は「う~ん…」という感じ。気付かない警察がマヌケというか(苦笑)
水乃シリーズは蘊蓄が面白いですね。
諏訪湖という事で武田信玄の墓の所在に関してがメイン。
歴史が不得手なのでよくわかりませんが、好きな人が読むと面白いかも。
あとはお土産物他、食べ物蘊蓄も多し。サトル君は和菓子好き。

2004年09月25日

  ■ラブロマ&ミモザでサラダ(漫画ネタ)

ラブロマ3巻」読みました。
ああ、もう私の周囲では既に感想書いてる人が多いけどね(笑)

まずは「屋敷君レギュラーおめでとう♪」←零ちゃんよりスゲーよ。零ちゃんはファミリーだもん。
そしてアナザーラブロマ、ちょっとショック(謎)

しかし相変わらず他の言葉で表現しようのない直球不器用純愛漫画ですな^^;
純愛なのに読んでてあまり恥ずかしくない辺りがまたイイ。
あの直球過ぎる辺りが微笑ましく思うのは、私がもう若くないからじゃないのか?
若い子はちょっとひくんじゃないの?と思うんだけど、Itsumi嬢も好きなんだよね。
# ま、イマドキの少女漫画はもっと露骨でエロいけどさ(笑)

まだ若くて、何も知らなかった頃、もっとゆっくりじっくり恋愛したかったな~。
# 直球不器用は今もやってますけど…。いや、ホント星野君て似てるわ…(爆)

2004年09月19日

  ■本の整理をしたい

本棚に空きがないので、ここ2ヶ月くらい読んだ本(除漫画)はPCデスクに山積みしてある。
さっき何気に測ってみたら49cmあった。
今のところ未読本が40cmくらいあるので出来れば1mくらい本棚に空きが欲しい。
手持ちの本を処分するしかないんだけど…。
どれもこれも捨て難くってなかなか減らない。
流石に机の上に1m分の山が築かれるのはイヤなのでそろそろ本気で処分しよう。
取り敢えず、発行頻度高すぎでシリーズ補完しきれなくなった吉村達也100冊辺りか?^^;
ああ、でも途中までしか読んでないのに処分するのがイヤ。
でもシリーズ全部揃ってる本処分するのもイヤ。
やっぱりいつか宝くじ当てて壁一面本棚の家買うんだ!とまた現実逃避の妄想世界へ(苦笑)

本の整理と言えば、私は本棚の中で作家別、出版社別、出版順にきちんと並んでいなければイヤな方です。
スペースの関係で分散されてる本があるのは仕方ないと思いつつ落ち着きません。
が、masatsu氏は平気です。
漫画も巻数順でなくランダムに並んでても平気。天地逆に入ってても平気。
それどころか私が並べ直さないで放っておいたら前後が逆(背が奥になっていて小口が手前にある状態)…。
なんでアレで平気なんだろう。

更にmasatsu氏は「ココだけ読みたかったから」と3巻5巻9巻の3冊だけ買う というような妙な本の買い方をします。
普通そんな買い方出来る?
そのくせ保存するわけでもない映画の録画ビデオがエンドロールの途中で切れていたらイヤだと言います。
エンドロールは終わりの印なんだから途中でもいいじゃん。
# エンドロールの後でシーンの入る映画は反則だよ!と私は思っている。
私の目に映る彼は謎の人です。

2004年09月18日

  ■メドゥサ、鏡をごらん(井上夢人)

私の一番好きな作家、岡嶋二人氏の片方です>井上夢人氏
岡嶋名義の作品は全て本格推理でしたが、井上名義になってからはちょっと路線が変わってます。
メドゥサ、鏡をごらん」もその例に漏れません。で、ジャンルは何だと言われると…ホラーかなぁ?
序盤は推理小説っぽいんだけど最終的に合理的な解決がされてないから。
微妙にSF入ってる感じも有り。
ロジックを望む人には向かないかもしれないけど割り切って読むならオススメ。
続きが気になって一気に読めてしまいます。主人公に感情移入して恐怖感もバッチリです。
合理的な解決はしていませんがホラー(っぽいもの)として読むなら読後感も悪くないです。

2004年09月17日

  ■古書店アゼリアの死体(若竹七海)

葉崎コージー・ミステリの2作目、と言っても舞台が架空の葉崎という街だというだけで登場人物もストーリーも全然別物。
コージー・ミステリというのは"恐ろしい事件が起こっても、それが解決すると再び平穏な、
心地よい平凡な日常的な生活に戻っていけるという安心感に支えられたミステリー"(新潮社『海外ミステリー辞典』)
だそうです。若竹さんの葉崎モノ2作もラストは一見ほのぼのと平穏な様子が描かれています。
でもね、毒が強いわ。登場人物のモノローグで色んな事が(読み手に対して)明らかにされていくけどスッキリするようなしないような…。
結局真実は知り得ない登場人物に同情したり^^;
若竹さんの作品はどれもこれも底抜けに明るいモノはないと思う。
なんだか底の方に暗い澱のようなモノが漂ってるカンジ。
人間の怖さが露骨にではなく淡々と描かれている気がする。

__________

先週の休日、masatsu氏が子守をしながら言った。
「この環境だと本を読むくらいしか出来ないですね。モノを書くっていうのは無理」
そう!そうなの。自分の時間がないわけじゃなくって出来る事が限られてるの。
特にワタシ、人一倍寝るしね。睡眠時間はキッチリ確保したいんだもん。

サイトが日記以外更新されない言い訳でした。

2004年09月15日

  ■薬師寺涼子シリーズ(田中芳樹)

魔天楼
東京ナイトメア
巴里・妖都変
薬師寺涼子の怪奇事件簿シリーズ、文庫化されてるのは以上3冊。

1冊目の「魔天楼」は1996年の文庫書き下ろしなので随分前に読んでたんですが
2冊目が2002年4月、3冊目が2004年4月発行…。
1冊目から読み直しましたってば(笑)
シリーズモノは一気に書いて欲しいよなぁ…。
でも田中芳樹だもんなぁ。
アルスラーンの最新刊読んでないよ私。
創竜伝の最新刊なんて買ってないし…。
完結するかどうかすらわかんないじゃないの?^^;
完結したらまとめて読む!

で、薬師寺シリーズ。
天上天下唯我独尊、頭脳も容姿も財力もパーフェクトなキャリア警視が涼子サン。
すげー好きv 最悪な性格が大好きv
「あたしは無欲な人間だからね。
欲ばりどもみたいに、世界を平和に、とか、全人類を幸福に、なんて大それた事は願わないの。
あたしひとりが幸福なら、それ以上の事は要求しないわ。謙虚でしょ?」
これが私の好きな名台詞。

しかし他の作品でもそうだけど、田中氏は政治家や犯罪者への批判が文章のあちこちに…。
登場人物の口を借りて言いたい放題です(笑)
カルト系代表として某宗教団体がガンガン批判されてて露骨だなぁ…と笑ってしまいます。
そういう露骨さも好きかもしれない。

2004年09月12日

  ■絶叫城殺人事件(有栖川有栖)

絶叫城殺人事件」火村&アリスシリーズの短篇集。
短篇のせいか驚くようなトリックはなし。
特に表題作の絶叫城は中盤で犯人もわかる。
多分これは動機重視。あの一言が書きたかったんだろう…というカンジ。
このシリーズは火村氏の暗い過去がいつ明かされるのか?が気になる。

__________

【自堕落】
1・人の行いや態度などにしまりがなく、だらしないこと。また、そのさま。

意味そのままの一日…orz

2004年09月10日

  ■Vシリーズ(森博嗣)1~6

黒猫の三角 ~Delta in the Darkness~
人形式モナリザ ~Shape of Things Human~
月は幽咽のデバイス ~The Sound Walks When the Moon Talks~
夢・出逢い・魔性 ~You May Die in My Show~
魔剣天翔 ~Cockpit on Knife Edge~
恋恋蓮歩の演習 ~A Sea of Deceits~

以上6冊読了。
シリーズモノは一気に読むのがイイ!と思いました。
記憶が新しいので読みやすいです。
Vシリーズ残り4冊、文庫化待ってから読んでもよかったかな?と一瞬思ったけど
10冊の山は手を付けるまでに時間が掛かりそうなので6冊は妥当なカンジ。

一番本格ミステリっぽいと噂の「黒猫の三角」は2回読みました。
それ以降はミステリとしても楽しめるんだけど、人間関係の進展が楽しい。
叙述トリックが好きなので細かい部分でも色々楽しめました。
キャラについては、皆謎な人達。感情移入は無理。
謎が多いのでついつい、どうなるんだろう?と読み進めてしまう。

今回気付いた事。
どうやら私は森氏の描く女性キャラには好感が持てない。
理由は自分ではまだわかってない。もう少し考えてみる。

2004年09月03日

  ■悔しい

黒猫の三角」(森博嗣)Vシリーズ1作目。
読み終わりました。……悔しい!
悔しいのでもう一度読みます。
そういえば「すべてがFになる」(同・S&Mシリーズ1作目)読んだ後も同じ感想を抱いたような…。
ミステリ感想の『悔しい』というのは最上級の褒め言葉です。

2004年09月02日

  ■Vシリーズ(森博嗣)突入

午後は予定通りmasatsu氏実家へ。
パンナコッタ、masatsu氏母は気に入った様子♪
「プリンより美味しい。いくつでも食べられそう」って、プリンよりコスト掛かってますもん。
今後業務用の生クリーム買っても使い道には困らずにすみそうです(笑)

__________

積ん読状態の山の中からとうとうずっと放置していた森博嗣のVシリーズに手を出す。
現在積ん読山の中には6作目まで埋もれている…シリーズ6作(未完)、
読み終わるのはいつになるか。
まだ文庫化する前、当時在籍していたニフティ某所で、
本の話を色々していた某氏(S氏、私がニフ辞めてから交流ないけど元気かな~^^;)が
「Vシリーズは自分には合わなかった」という話をしていた記憶があって
某氏とは読書傾向がかなり似ていたせいもあり、手を出し辛かった部分が大きい。
一応今のところ1作目の半分まで読み進めた現時点では私はそんなに抵抗ある話じゃない。
まだシリーズキャラの性格もよく判らないしなぁ…。
私、森氏のS&Mシリーズの主要キャラ(Mの方だよw)すげーキライだもん。
キャラ設定によってはS&Mより読みやすいかもしれない。
# キャラ愛せないと読むの辛いよ(苦笑)
# じゃあ読むなっつー話だが。

2004年09月01日

  ■作家小説&人形…(有栖川&我孫子)

作家小説」(有栖川有栖)「人形はライブハウスで推理する」(我孫子武丸)今日は2冊読了。

「作家小説」は文字通り、作家が主人公、もしくは主要人物の短篇集。
似たようなテーマでわりと最近東野氏の「超・殺人事件-推理作家の苦悩-」を読んだけど東野氏の方がブラックだった気がする。
有栖川氏はミステリじゃないとあとがきで書かれてますが、ちゃんとミステリでした。

「人形は…」の方はシリーズ4冊目。2冊目の短篇集。
主人公2人の恋愛が少し進展。相変わらず人形の鞠夫がイイ味出してます♪
漫画みたいに気軽に読めるのでオススメ。

2004年08月31日

  ■匣の中の失楽(竹本健治)

やっと読了~。「匣の中の失楽」。
途中、ゲームに漫画に逃げまくって何日かかって読んだのか…(苦笑)
(小説内での)現実と虚構の区別が付かなくてやたらと惑わせられる作品。
ドグラ・マグラ」「黒死館殺人事件」「虚無への供物」に続く第四の奇書だとか^^;
# ああ、そういや、私は「ドグラ・マグラ」完読出来なかったんだよ…orz
普段使わないような難しい言い回しや漢字が出てくるしそれだけでも読み辛い。
あと竹本氏はデビュー作からして読後感がスッキリしないのね。
謎が残ったままというか何というか。
巻末の対談で『「夢落ち」を「夢落ち」の一言で一蹴してしまう人はこの作品を否定する」という内容のコトが書かれていたけど
私はきっと「夢落ち」を「夢落ち」の一言で一蹴してしまう類の人間だ(苦笑)

どんな話でも人物の造形にわりと固執するので、この作品のような
全ての人物が幻みたいに掴みようのない作品は私には読み辛いのかもしれない。
ゲーム三部作から竹本氏を読み始めたのが間違いか?^^;

__________

今日はマフィンを焼いた。
マフィンは焼く度にレシピを色々と変えてるんだけど
今日のマフィンは「ああ、私が焼きたかったのはコレだよ」という出来♪
アメリカンマフィンていうのは比較的パサパサしてるもんなんだろうけど
どうもそれがイマイチだったんだよねぇ~。
今まで作ったのがドロップクッキーだとしたら今日のはアイスボックスクッキーだ。
そんなカンジ(意味不明?w)
どちらかというと今日のマフィンの方がマフィンとしては偽物臭いんだけど(笑)
そちらの方が私好みだったというコトで。

2004年08月08日

  ■カード決済は嫌いなんだが…

イオンのご優待券があったのでmasatsu氏と2人で買い物に行き、
一度に持って帰れないくらいに大量に買い物をする。
ベビー用品と食料品ばかり…。生活感漂いすぎ…。いや、イオンだし当たり前か。
すげー久しぶりに2人だけで行動したのにお茶の一杯も飲まず…。こんなもんか?(苦笑)

__________

Naoki氏がアマゾンで参考書を買うというのでついでに買いそびれていた漫画を注文。
今日届いた。
永遠の誘惑」7巻(前原滋子)
あたしはラブにヤラレてる」4巻(高田祐子)
由似、風の中で」2巻(大谷博子)
ファイナル・ミッション」ジョーカーシリーズ8(道原かつみ)
魔法使いの娘」1巻(那州雪絵)
ルードヴィッヒ革命」(由貴香織里)
本屋にこまめに行けなくなって出版物のチェックが甘くなってしまい買いそびれが多い。
ネット通販に(^_^)/□☆□\(^_^ )カンパーイ!(笑)

masatsu氏に「ジョーカーシリーズが完結した」と言ったら
「間はないんですか?」と問われたので「は?」と言うと
「前作が出てから随分経つから前作で終わったのかと思ってた」と言われた。
で、そんなに経つ?元々滅多に出ないから意識してなかった…。
調べてみたら前作は7年前でした(笑)
7年の時を大したことないように感じている自分の年が恨めしい。

2004年08月06日

  ■片想い(東野圭吾)

珍しく新刊購入後即読み。
実はコレの前に竹本健治の「風刃迷宮」を読んで、続けて「匣の中の失楽」を読むつもりが
風刃迷宮」だけで疲れ切ってしまったので理解しやすい本を読む事にしたという…^^;
# 「風刃迷宮」は牧場智久シリーズなので竹本氏の作品の中では比較的解りやすいと思って読み始めたが大間違いだった…。
# 解説にあった「読後感というより未読感」という表現はぴったり…。よって続きが気になる。

東野圭吾氏はデビュー作以来のファンです。
彼の文章はすごく読みやすい。小難しい表現も回りくどい説明文もない。
でもテーマは重かったりします。
片想い」は"男と女の境目。愛情と友情の境目"そんな事を考える一冊。
ジェンダー問題は子育てに人生の大半を費やそうとしている私には理解しきれない問題かもしれない。
「差別と区別は違うし…」というキモチがどうしてもあるから。頭が固いのかもねぇ…。

2004年08月02日

  ■原罪の庭(篠田真由美)/そらのひかり(わかつきめぐみ)

原罪の庭」(篠田真由美)読了。
世の中に純粋な愛なんてあるんだろうか?
自己愛以外に。
児童虐待の話。

アダムってイブの前に妻が居たのね。知らんかった。
聖書ってちゃんと読んだ事ないからエピソードの断片しか知らない。
一度ちゃんと読んでみたい気もするけど、読んだらムカつく気もする(笑)
原罪ってイブが知識の木の実(だっけ?リンゴだかイチジクだかって言われてるヤツ)食べた事?
食べたせいで善だけじゃなく悪も知ってしまったとかいう。
何が善で何が悪かよくわからんが^^;
聖書読んだらその辺解るんですかね?
どうもイメージが「不完全で脳内補完しなければならない読み物」なんだけど…。


そらのひかり」(わかつきめぐみ)漫画
表題作は早冬(さと)ちゃん(♂)と猫の芥川さんがイイ!
わかつきさんの描くロン毛目隠れ男好きかも(笑)
芥がゴミの事だとは知りませんでした。
あ。今「ごみ」を変換しようとしたらちゃんと芥って出たよ~。
なんか自分が無知なのかもしれないけど、こんな時って
「日本語って深い!そしてATOKは偉い!」と思っちゃうね(笑)
閑話休題
表題作以外には夏目家の話と主様(都世様?)モノ。
どっちも好きなので嬉しい。
でもシリーズモノはやっぱりまとめてもらいたいなぁ~と思う。
特に都世様モノは全部短篇でどの本にどの話が入ってるか、
時系列はどうなのか、さっぱりわからん^^;
いや、きちんと纏まって文庫で出たらそれはそれで悔しいとは思うが。

2004年07月30日

  ■灰色の砦(篠田真由美)

2年も前に文庫化された本を今頃読み終えましたよ orz
ちゃんと発行当初新刊として購入しておきながら…。
こんな読み方するくらいなら古本屋へ行けっ!てカンジです。
文庫を古本で買うのはイヤだから行かないけど。

灰色の砦」は建築探偵桜井京介シリーズ4冊目。
5冊目の「原罪の庭」も文庫化されてるのでこれから読む予定。
キャラが皆イイ感じです。
このシリーズはいずれ落ち着いたら1作目から読み直したい。
内容自体は陰惨な救いようのない殺人なんだけど、読後感が悪くないのが凄い。

内容には関係ないけどあとがきの作者の言葉
『知識というのは教えてくれるのを待っていれば得られるものではなく
自分で探し求めてこそ身になるのだ』
作者曰く「主人公が言いそうな台詞」という事で。
私の周囲でも言いそうな人は多いな。
こういう台詞を言いそうな人だから好きなんだと思う。
# 自分が言われた直後はムカつくんだけどね(笑)

2004年07月27日

  ■読書実況w/トップランド(涼院流水)

西澤氏の「実況中死」「念力密室」読了。
「実況中死」内の台詞。
『愛に根拠はないんです』『根拠を求めるのは愛のない証拠です』というのが目から鱗。

現在、清涼院流水の「トップランド2002」を読んでる途中(今頃…)
このまま「トップラン&ランド完」まで読む予定。
こういうシリーズモノはもしかして、私のような記憶力の乏しい人間は一気に読むべきかも。
ランが6冊・ランドが3冊+完の計10冊。一気に読めと言われたら読めないだろうとは思うけど^^;
# 銀英伝、外伝まで含めて一気読み何度も繰り返していた頃の体力(根気?)が嘘のようだ。若いっていいなぁw
3年前に読んだ本の内容を思い出しながら読むのも結構疲れる。
清涼院氏の文章は読みやすいと思う。内容も嫌いじゃない。
でもきっと文体は好きじゃないんだろうと思う。読み続けるのにちょっと努力が必要。
↑これって結局清涼院氏が好きじゃないって事か…^^;

2004年07月24日

  ■幻惑密室(西澤保彦)

やっとチョーモンインシリーズの1冊目読みました。
シリーズは現在6作刊行済みで既にあと2冊文庫化済み。
西澤氏お得意の設定SFで本格パズラーってヤツです。

西澤氏の作品はここ数年かなりのお気に入りで
私の中で結構上位に位置してるんですが、今回も○
キャラがいい。バカみたいに能天気な設定なのに底に漂う薄暗さもいい(笑)

男社会についての考察は面白かったです。
生物学的に劣っているから文化的に優れている事を主張して作り上げた社会が
現代崩壊しているのについていけない男達。
女性が書いたのではなくて男性が書いてるから面白いのかな?
男女平等に関しては私自身が声を大にしては決して言えない思想持ちなので(笑)
一般論ではなく個人的な考えとしてあり得る話を垣間見れた楽しさ。

男性は女性を蔑視したり神聖視したり忙しい?
女性は現実的でつまんないのかもしれませんね(笑)

2004年07月20日

  ■奇術探偵 曾我佳城全集(泡坂妻夫)

上下2巻あってまだ下巻の途中なんですが。
講談社文庫の本です。これ実は以前同じく講談社から出ていた本2冊の再録が多い。
短篇全22篇内15編が再録。特に上巻の方なんて11編中10編が再録。
勿論以前出ていた2冊も手元に持ってます。
以前出版したモノを再録して完全な形で出版するのってズルイよね?
買わなきゃ仕方ないじゃん。漫画でもよくあるのでムカつく。
# 文庫の装丁変わってシリーズモノの背表紙がシリーズ初期と後期で違うだけでもイヤなのに。

今回結局以前の2冊を読み直すような形になるわけですが、もっとムカつくのは私の記憶力。
以前絶対読んでるはずなのに記憶にない。トリックも犯人も最後までわからない(苦笑)
masatsu氏に「お得な脳味噌で良いじゃないですか」と言われた。
莫迦にされてる…莫迦なんだけど _| ̄|○

シリーズ自体は20年も続いていたので第一作は1980年のモノで多少古めかしいカンジはしますが、
奇術と絡めてあるので楽しく読めます。泡坂氏独特の強引な御都合主義もまたヨシ(笑)

2004年07月18日

  ■ホラー漫画

先日masatsu氏が「山岸君のその後」とか言って『悪夢交渉人』(高橋葉介)を買ったので読んだ。
# 因みに山岸君は『学校怪談』のキャラ。
# もしかして主人公かもしれない。よくわからないw
# 途中から九段先生が主人公になった気がするし…。
『悪夢交渉人』の山岸君、立石さんとか出てくるのかと思ったのに全然。
つか、あの話(家庭訪問)山岸君が出てくる必然性ないし^^;
全体的には相変わらずグロな話多し。
いや、私は高橋サンはギャグ系よりグロな方が好きですが…。
『夢幻紳士』怪奇編は好きだけど子供時代のヤツは読んでないもん。
masatsu氏に散々「読め」と進められたけど読めない…。あのドタバタが理解出来ません。

グロつながりで(強引)同じく先日masatsu氏が(多分)某gサンの影響で
ゾンビ屋れい子』(三家本礼)を全巻一気買いしてたのでそれも読んだ。
もっとエログロかと思ってました。スミマセン>gさんw
私はリルカさんが好きです。「きゅえーんv

2004年07月11日

  ■依存(西澤保彦)

今日読んだ本は西澤保彦の「依存
人間は自己欺瞞の為にわりと平気で記憶のすり替えをするかもしれない。納得。
本人の中ではそれが真実。誰に迷惑掛けようとも自己保身が最優先。
人間の脳味噌がそういう作りをしている。
心療内科に通わなきゃ自分を助けられない人はきっと綺麗な脳味噌だと思う。
どちらがより強い人間なのかは謎。

2004年07月10日

  ■黄金色の祈り(西澤保彦)

西澤氏の作品は突飛な設定の物がわりと多いけれどコレはわりと普通の内容。
青春ミステリ?語り部が過去の事件を回想しつつ現在に到達して謎が解けるというよくある構成。
ミステリとしてよりも回顧録としての内容がヨカッタ気がする。

若さとは愚かさと同義で、傲慢で無神経で自分本位で思慮が浅くて…そして何より自覚がない。
年を取れば謙虚になり思慮深くなり気配り出来る人間になれるとは限らない。
若い頃と殆ど変わらない愚かさを持ち合わせていてもおかしくはないとさえ思う。
けれど若い頃にはなかった自覚が生まれる。
己を知る、それが年を取るという事なのかもしれない。
そんな風な事を考えた一冊。「黄金色の祈り」。

これは、私が今、『現在』の語り部に近い年で読んで思った事。
きっと若い頃に読んでいたら違う感想を抱いたと思う。
これで何冊目だろう。
もっと自分が若い頃に読みたかったと思った本は。
本を読むという行為は先延ばしにしちゃいけない。
少しでも若いうちに出来るだけ沢山の本を読まなきゃ勿体ない。
若くて理解出来なかった事はまた年を経てから読み直せばいい。
でも若いから持っている感受性はもう戻ってこない。


__________

日記のネタもないので読んだ本の感想文(?)ですませる(しかも二日分^^;)

感想文といえば小学生の頃、読書感想文の宿題で
感想文ではなくあらすじを書いていたのはきっと私だけじゃないですよね?(笑)
私は、あらすじを書かなければ感想文を読んだ人がその本を読んでいなければ
感想文を読んでも意味がわからないじゃないか、と思ってあらすじを書いてました。
んで実際感想文というのは感想文の読み手がその本を読んでいる事を前提として書いたらいいものなんですかね?
未だに正しい感想文の書き方がよくわかっていない私…。

2004年07月09日

  ■LOVELESS(高河ゆん)

小説じゃなくて漫画。今4巻まで出たところ。
BL(ボーイズラブ)だから手出しはやめようと思いつつ、ココまで来て結局一気買い。
ゆんさん好きだし、ゆんさんの漫画半分以上BLだし、仕方ないじゃん…。
しかも主人公ねこみみ付きだよ…。
いい年してこんな漫画読んでていいのか?(苦笑)

ゆんさんの漫画はいつもテーマは同じ。
『愛』
自分の命よりも大切に想う相手へのキモチ。
ゆんさん定義の『愛』は巷には溢れかえってないよね、とmasatsu氏に言う。
納得するmasatsu氏。だから多分私の解釈はそう大きくは間違ってないと思う。

4巻まで読んで、今後の展開が気になりますが
取り敢えず、無事完結して無事最終話まで単行本化される事を祈る(切実)

2004年07月05日

  ■螺旋階段のアリス(加納朋子)

探偵物?短篇集。「螺旋階段のアリス」。
探偵物と言うにはほのぼのしすぎかも。
それに探偵の守秘義務無視な展開多すぎ。
探偵自身は推理してなくて女性陣が活躍。
加納サンらしい軽いカンジのミステリ。
赤ちゃんの世話をするくだりで
赤ん坊の泣き声がエラー音に聞こえる。
処理方法が間違ってるからエラーになっている気がする。
というのがあって、育児もマニュアル通り処理すればエラーでないといいねぇ…と
しみじみ思ってしまった(苦笑)
タイトル通り(不思議の国&鏡の国の)アリスのエピソードがチラチラ楽しい。

今日はこの本と東野圭吾の「超・殺人事件」を半分読んだ。
昨日は読みかけだった倉知淳の「幻獣遁走曲」を読み終えた。
これでやっと現在の未読本が36冊…。
ここ2~3年、未読が一桁になったためしがない。
積み重なった未読本が見苦しい。
京極堂も3冊未読、森さんのVシリーズは全然読んでないし…。
誰か私に一人で本読む時間を与えて下さい(ノ_・。)…(無理)

2004年07月01日

  ■ハサミ男(殊能将之)

殊能将之氏のデビュー作。「ハサミ男」。
Naoki氏に奨められて借りてから放置する事数週間^^;
読み始めてからもなかなか進まず、他の本に浮気もし、
Naoki氏が「一日で読めるから!」と言ったのにもかかわらず
読み始めてから読み終えるまでに数週間。
前半の読み辛さとは裏腹に後半は一気でした。
前半あんなに読み辛かったのは違和感のせいだったのね。
登場人物に魅力が感じられなかったのも、冗長に感じたのも。
地の文が一人称だったり三人称だったりで慣れなかったし。
# つか私が固い文体苦手なだけか…。
見事に騙されたわけで、もう一度前半を読み返したい気になった。もう読まないけどw
…よくあるトリックだったのに別の事に気を取られて全く気付けなかったのは悔しい。
これだけ見事に騙されたという事は優れた作品なんでしょう。

2004年06月23日

  ■チェックメイト(新井素子)

チェスしたわけでも比喩でもありません。
ブラック・キャットIV(新井素子)です。
ブラック・キャットシリーズ完結話です。
前後編2冊読み終えました。
この年でコバルト文庫です。
…ブラック・キャットIから19年だよ。すげー。(発売は昨年末)
ブラック・キャットIIIからでも10年近くあいてます。
もう続きは出ないんじゃないかとさえ思ってました。
(IIとIIIの間も同じくらいあいてるんだけどさ)

何が凄いって、20年近く前に書き始めた話を完結させている。
伏線はちゃんと生きてるし、矛盾もない。
作者本人はあとがきで「こんな話じゃなかったはず」と書いてますが
細かい部分の設定やラストはきっと20年前に完成してたわけで
それをきちんと書き上げている。
これってなんか凄い。
もしかしたら当たり前の事なのかもしれないけど、
長期連載漫画の「おいおい、初期と設定違うやん?」とか
「…この意味ありげな伏線(ぽいエピソード)は無視ですか?」な展開
こういうのに慣れてしまった感覚だから思うのかもしれない^^;
何はともあれ、10代の頃に読んだ本の完結編を無事読めてよかったw

2004年05月29日

  ■本棚整理

本棚代わりにしている物入れの蝶番が外れた。
外側からではネジが締められない位置にある。
仕方がないので中身を全部出して中から締める事にする。
邪魔者がいると出来ないので夜中の作業。
1200冊程詰まった本を全部リビングの床に並べていく。
…ココは本屋の倉庫か?一般家庭にこんなに本があっていいのか?という図が出来上がる。
物入れ最上段には本ではなく『おばあちゃんの押入』状態の空き箱や紙袋の山。
それもせっせと取り出す。そしてゴミ袋も必要になる(苦笑)
作業し始めたときはItsumi嬢と二人だった。
いつの間にかItsumi嬢大掃除のアルバム整理状態。漫画読みふける。
寝ていたはずのmasatsu氏が起きてきてItsumi嬢の後を引き継ぐ。
蝶番を直して本を棚に戻していく。
この作業が一番大変。無秩序に入れると後々困るのでチェックしながら戻す。
PC(書籍管理ファイル)片手にせっせと戻す。ついでなので増殖したのに入りきらなかった本を入れる。
勿論はみ出す本が出てくる。古本屋行きが決定。
それでもまだPCデスクの上に本が山積み……。
宝くじが当たったら壁全面本棚の家を建てるのが夢(笑)

2004年02月10日

  ■書籍検索

午前中はくたばってました。

__________

本を買うときに、以前買ったかどうかわからなくなって同じ本を買ってしまったり
家にあるかもしれないからと買わなくて実は買ってなくて結局買いそびれたり
そんな事が頻繁にあるのは私だけですか?^^;

以前書籍リストを作ったと絵日記にも書きましたが、
書籍リストはエクセルで作ってあって頻繁に書き換えされるので持ち運ぶわけにはいかず
本のダブり買いにはあまり役に立っていませんでした。
で、masatsu氏に相談したら、masatsu氏は職場の子にそれを伝え、
そしてその子は携帯で検索出来るシステムをあっさり作ってくれたのでした。
ええ、エクセルのデータをそのまんまウェブ上にアップしたら、
携帯で検索出来るんですよ~。すげー。
これだけでも凄いのに更にmasatsu氏は現在「ウェブ上で管理出来るようにしろ」
とか注文だしてるらしいです。いや、私はそんな贅沢言わないよ。
携帯で検索して自分の蔵書が確認出来るだけで充分だよ!
エクセル更新の都度アップするのなんか些細な事だよ!
ああ、これでもう同じ本を2冊も買ってしまうなどという愚かな事をしなくてすむのね。
ありがとう♪>Yくん

で、手持ちの本かどうか本屋で悩むなどというバカな脳味噌の持ち主は私だけですか?(苦笑)

2004年02月02日

  ■イヴの眠り・他(マンガネタ

携帯購入のついでに久しぶりに本屋に行って漫画ばかり購入。
携帯のメモリ登録を終えて夜になってやっと読む(笑)
イヴの眠り」1巻(小学館・吉田秋生)前知識なしに作者だけ見て購入。
YASHA」の続編でした~。うひゃ、また重い話になるのか?
いや、この人の作品全部それなりに重いけど(笑)
ゴッドチャイルド」8巻(白泉社・由貴香織里)
伯爵カインシリーズ全13冊、完結してしまいましたよ~。
私的にはハッピーエンドでした。最期カインがシアワセそうでヨカッタv
ES」5巻(講談社・惣領冬実)児童虐待の連鎖に関しての話が出てきた。
難しい問題なのでどう展開していくのか期待。
SUNちゃん」1巻(小学館・岡崎二郎)奥付見たら去年の6月に出てる本だった。
私は岡崎氏そんなに好きでもないが、masatsu氏が好きなのと、
やはりオオサンショウウオに惹かれて購入(笑)
強引な展開が岡崎氏らしい^^;
オオサンショウウオの意味はあまりなかった気がしないでもない(苦笑)

2003年12月12日

  ■都筑道夫氏死去

推理作家の都筑道夫氏が先月末亡くなられていた事を推理作家協会が明らかにした。
都筑氏は特に好きだったわけではないし、作品も数作しか読んだ事はないが
やはり偉大な推理作家という印象があって、亡くなられた事は何だかさみしい…。
ここ数年、学生時代に読んだ本の著者の訃報を何度か聞いて寂しい思いをする事が増えてきた。
こういうのも「年を取る」って事なのね…。

2003年08月10日

  ■沙羅は和子の名を呼ぶ(加納朋子)

沙羅は和子の名を呼ぶ』初版(文庫)が去年の9月だよ^^;
もう1年も未読積み重ねたままの状態だということね…。
夕方から読み始めたのでまだ短篇10作のうち3作しか読んでませんが…
#表題作読んでないし^^;
この人の作品は読後いつももの悲しくなる気がする。
言葉の使い方がキレイで、詩的な文章をさらりと書いてある。
そして内容がもの悲しい。全体的に黄昏のイメージ(私的には)
何がそう思わせるのかは自分でも解らないけど読んだらちょっと泣いてしまう。
今回も泣いてしまった。何故かなぁ?
読んだ3編のうちで気に入ったフレーズは
『長い年月はたくさんのことを忘れさせる。
忘却とは無体な暴力ではなく、穏やかな慈悲だ』
なんかこれだけでもの悲しい…

2003年07月31日

  ■リセット(北村薫)

暑中見舞いも書いたし、やっと本を読んだ♪
北村薫氏の"時と人"の三部作三作目『リセット
巻末の対談で(当然と言えば当然だが)宮部みゆきさん大絶賛。
でも私はなんだかなぁ~でした。前二作の方がヨカッタかも。
確かに前二作の方は時間の過酷さが書かれていて、今回は違ったのかもとは思うけど
登場人物に感情移入出来なかったので残念でした。
もっと若い頃にこの話を読んだら、もっと違った感想を持てたかもしれない。
逆にもっと年を取ってから読んだら、今とは違う感想を抱けるかもしれない。
本と自分のタイミングを合わせるのは結構、難しい。
自分が若すぎるならまだしも、自分が年食い過ぎてタイミングが合わなかったとしたら悔しすぎる。
若すぎたなら、年を取ってからもう一度読めばいいのだから。
やはり若いうちに出来るだけ沢山の本を読んでおくべきだな。

さて、自分の本の未読は今のところ残り28冊。
少しずつでも減るといいけどねぇ(^^;
これ以上年食い過ぎないうちに(笑)

2003年02月05日

  ■"It"と呼ばれた子

笑み Naoki氏が友人から借りてきたと言って貸してくれたので読んでみた。『"It"と呼ばれた子
(未読の方ゴメンナサイ。ネタバレ?アリです)
米国の元被虐待児が書いた『児童虐待の実話』
昨秋既に文庫化済み、1時間程度で読める本なので興味ある方はどうぞ。
(ディヴ・ペルザー著 田栗美奈子訳 『"It"と呼ばれた子(幼児期)=A Child Called"It"=』 ヴィレッジブックス)
 裏表紙には「米国カリフォルニア州史上最悪といわれた虐待を生き抜いた著者が、幼児期のトラウマを乗り越えて自らつづった、貴重な真実の記録」とある。
事実、まず「よく生き延びられたなぁ」と思える内容だった。

 虐待は著者が4~5歳の頃から初めはひっそりと徐々に露骨に行われたらしい。著者は3人兄弟(後に5人兄弟になる)の真ん中、兄弟の中で唯一虐待を受けていた。
 ガスコンロで焼かれる。
 塩酸で掃除をさせられる。
 乳児の汚物を食べさせられる。
帯に書かれていた虐待内容が以上。当然これ以上の虐待もされている。

 Naoki氏の感想は「可哀相」としか聞いていないが、彼と彼にコレを貸した友人は何を思いながら読んだんだろう…。

 虐待が始まるまでは完璧すぎるほど完璧だった母親が、豹変したのは何故だろう。
何故、兄弟の中で彼だけが虐待を受けたのだろう。著者曰く「声が大きく、要領が悪かったから」らしいが。
父親は最初こそ彼の味方をしていたが徐々に見捨てたのは何故だろう。そもそも何故、妻の非人道的な行いに表だって抗議できなかったのか。
妻の行いが明らかに異常であることを認知していながら、我が子が死線を彷徨うような虐待を受けているのが解っていながら、その後二人も子供を作ったのは何故だろう。
加害者の母親は確かに異常だが、それを黙認してしまった父親に納得できない。
虐待の事実を知りながらなお子供を二人も作ったことに嫌悪感を抱く。

 彼の母親に訊いてみたい。「何故彼だけが『あのこ』ではなく『それ』になってしまったのか」
 彼の父親に訊いてみたい。「何故彼を救えなかったのか」
 彼の兄弟に訊いてみたい。「何故彼に憐憫の気持ちさえ持てず嘲笑できたのか」

 現代の日本では「虐待を受けている子供を見たら通報する義務」があるので、この本の内容のような露骨な虐待はないかもしれないが、やはりひっそりと虐待は行われているし、命をなくす子も後を絶たない。
勿論、虐待がなくなるのが一番良いのだけれど、せめて虐待を受けても生き延びた子は「虐待の輪廻」を断ち切って、健全に生き続けていけるようにココロのケアが充実した世の中になりますように…。

 彼は強い。
 母親に殺されそうな目に遭っているのに『その同じ母親に愛されている赤ん坊の末弟』を見て「カワイイ」と思い「ココロが癒される」と語る。
この強さがあるから、彼は生き延びて、自分の息子を愛する立場になれたのだろう。
素直に尊敬した。

2002年06月26日

  ■チグリスとユーフラテス(新井素子)

最後の子供 『チグリスとユーフラテス』新井素子のSF小説です。1999年2月刊行の本ですが私は文庫派なので最近やっと読みました。
新井素子は私が推理小説家以外で唯一著作を全部読んでいる作家です。
彼女の文体は読みやすくて、人間関係の描写が秀逸だと思います。

 この作品は解説(大沢在昌)によると『神』について書かれた話だそうです。
私にとっては人生の意義について考えさせられる作品でした。
 『種』としての意義。『個』としての意義。
『種』としては"種の保存"というのが命題だと思っていました。
『個』として子を成せない個体も社会を構成する一員として種の保存の為に貢献していると思うし。
(読後の今もやはり私はこう思っていて、だからこの物語は私にとっては『神』の話にはなり得ないのかもしれない)
 しかし、この物語の中の人類は絶滅寸前、ほぼ絶滅していると言って良い状態にあります。
『最後の子供』が存在する世界。『最後の子供』だけしか存在しない世界。
彼女(女性です)の母は何故彼女を産んだのか、彼女は何のために生きているのか。
その答えを求める話です。
 『種』としては"種の保存"が命題だと思う私には、持てる想像力の全てを駆使しても思いつかない話だなぁと思うし、
『個』としては"人生楽しんだ者勝ち"と思っている私は妙に納得させられたりするし…。


 自分の中で消化されきってないので中途半端な感想文になりましたが(^^;
色々考えさせられる楽しい話でした。
 作者自身に子供がいないというのも微妙ですね。
出来れば母になる前に読んで、母になってから読み直したかったです。

 一度母になってしまうと"母としての思考"しか出来なくなってしまう。
それは喜ばしい事であり、ある意味切ない事でもある。
母はいつも切ない。
私にはこの物語の中の女性のような強い生き方は出来ない。

2002年03月19日

  ■嗤う伊右衛門(京極夏彦)

一ま~い、二ま~い… わりと最近『嗤う伊右衛門』(by京極夏彦)を読んだ。
# 四谷怪談ですね(^^)
私は時代小説は好きじゃないし、怪談も好きじゃないが、京極氏は好きなので…(京極堂シリーズの榎木津ラヴ
v
)
で、今回怪談について多少見知ったワケですが。

 お菊さんのハナシ。アレ、私ずーっと『播州皿屋敷』だと思ってたんですよね~。私、播州っ子だし(笑)
 中学校が姫路城の真南にあって、毎年 お城の掃除やらされてて、ちゃんと"お菊井戸"とかあったし、
校区内には"お菊神社"の異名を持つ お菊さんを祀ってある神社もあったし…。
 でも、実は色々異説があるんですね?『番町皿屋敷』だと江戸だもんなー(^-^;
そっちの方が有名というか、定説なんですかね?
う~ん、ま、確かに"お菊井戸"も"お菊神社"もしょぼいけどさ(笑)

 四谷怪談も有名なハナシだけど、色々書かれてるのは知らなかったし(-と云うか、本筋よく知らなかった…(^^;
しかも『嗤う伊右衛門』は定説とは違う描かれ方してるらしいので、やっぱりよく知らない事になる(^^;)

怪談て奥が深いモノなのねー。

2002年02月27日

  ■涙流れるままに(島田荘司)

今日は一日中本を読んでいた。PC放置(笑)
今日読んだのは島田莊司の『涙流れるままに』上下2冊。
# え~、ミステリに興味のない人には全く意味不明の内容だと思いますが(^^;
島田氏の作品は御手洗モノの方がスキな私ですが、今回のは吉敷モノです。
吉敷刑事の妻の通子の過去と冤罪事件がメイン。
島田氏は冤罪事件に関心が高いらしく冤罪事件を扱った作品は他にもありますが、
冤罪事件て日本の歴史とか警察の体質とか根深い物があるな~と思う。
私は警官は嫌いです(笑)その辺の交番にいる警官ですら態度デカイしむかつくコトが多い。
きっと刑事の取り調べとかだともっと態度デカイんだろうな~、って想像出来てしまうからコワイですね。
自白強要のシーンとか「まさか警察の人間が…」と思えずに
「ああ、警察の人間ならこんなカンジかもね」と思ってしまう辺り(^^;
ま、今日読んだのは主役が刑事だし、最後に警察のフォローはしてありましたが…。

ああ、これだけ書くのにPCの前に座ってるのがしんど~い。
未読本がまだあるし、明日もPC放置で読書かな?(^^;

2002年01月18日

  ■いぬいとみこさん逝去

ペンギン 2002年1月16日、いぬいとみこさんが亡くなられた。
去年、私の誕生日前日にトーベ・ヤンソン氏が御逝去された時と同じくらいの衝撃を受けた…。

 「ながいながいペンギンの話」は私の本好きの原点だと思う。
幼稚園の頃、先生が毎日少しずつ読み聞かせてくれた話だ。
うちの両親は本が好きではない、実家には本棚が存在しないし、家の中に本があった記憶もない。
当然、読み聞かせて貰った記憶なんてあろうはずもない。幼児期は親の行動範囲外に子供の行動範囲は存在しない。
本屋に行った事すらなく、本の存在を認識していたかどうかもアヤシイ(^^;
そんな生活をしていた私が初めて出会ったのが、この幼稚園で読み聞かせて貰った「ながいながいペンギンの話」だったのだ。
毎日続きを聞くのを楽しみにしていた。
学芸会で演じたのもこの話だった。
当時無口どころか毎日無言で過ごしていた今では想像できないくらい内気な子供だった私が貰った役は
ただ舞台の上を駆け回るだけの雪だか風だかの役だったが(^^; 幼稚園であんなに駆けたのは最初で最後だったかもしれない…。

 小学校に入って、図書室の常連になった。図書室で再会した「ながいながいペンギンの話」を貪るように読んだ。

 思い出したらまた読みたくなった。追悼フェアとかで入手しやすくなるだろうし、本屋に行ってみようかな。

2001年04月08日

  ■蔵書整理

蔵書整理 本棚の本を管理しようとして、本のリストを作った。リストといっても「タイトル」「作者名」「出版社」「保管場所」を記入しただけの簡単なもの。
ポイントは「保管場所」これを確認して記録できたのはホントに良かった。本の山を傍らに築きながらせっせと入力作業をした甲斐もあるというものだ(^^)
 棚1段に上下2冊奥行き3冊・1列約50冊(つまり棚1段に300冊)保管の我が家の本は、一度保管すれば暫くは日の目をみれない位置に行ってしまう本が必ず発生する事になる。
そういう位置には、なるべく「暫く読まないであろう本」に行って頂くのだが、それは”暫く”であって”永久に”ではないのだ。(”永久に”ならばそれらの本達にはもっと別の場所に行って頂きますからねぇ。例えば古本屋さんだとか)んで、困るのが”暫く”の後。
過去何度、目的の本を手にするまでに、無関係な本の山を築いた事か…(^^;
今後は目的の本が、どの棚の奥から何番目にあるか一目瞭然のこのリストが必ずや役に立ってくれるでしょう(^^)
 ちなみに今回のリスト作成の大きな目的は二つ「他人に貸すときにリストを渡して選んでもらえるようにする」と「我が家の蔵書が何冊あるか確認する」だった。
最初の目的はいつか果たされるでしょう。過去何度か”リストを見せて欲しい”と言った、あるいは”リストを見せたい”と思った相手がいるし、今後も似た様な事はあると思う。
現にリストをあげた相手が一人いるし(^^; そして、二つ目の目的。結果を書けば「漫画1897冊」「小説650冊」(画集、HOW TO本等は除く)案外小説が少なかったので驚いた。
しかし、一番驚いたのは、”小説の未読本”がなんと31冊にもなっていた事、だろうか(^^;
 リスト完成から4日、現在の未読は29冊。頑張って減らしていきたいもんだ。ええ。ホントに。
#ああ、1日50時間欲しい。あるいは睡眠時間1日30分くらいで健康が保てる体(笑)

2001年01月15日

  ■ハリーポッターシリーズを読んだ。

Harry Potter ああ、使い回しの絵だ(^^; 
ま、いいか。見たことある人の方が少ないだろう  …と云うわけで(笑)、読書感想文です。
かなり話題になった本なので 御存知の方も多いと思いますが。
全7巻のシリーズで現在2冊が翻訳されています。
「ハリーポッターと賢者の石」「ハリーポッターと秘密の部屋」の2冊です。
魔法使いの少年(ハリー)の魔法学校での生活。
分類としてはファンタジーなんで しょうけど、
謎解きの要素はミステリファンを納得させる素晴らしい出来映えです(^^)
ファンタジーの謎解き というので誤解されるかもしれませんが、
決してほのぼの系 ミステリ ではありません。
#masatsu氏が「魔法学校で給食費が盗まれたりするハナシ?」なんていうんだもん(-_-)
 ずっと読みたいとは思ってたんですけどね。ハードカバーでお値段がねぇ(^^;
とか思って 手が出せずにいたら、Naoki氏が買ったので(笑)借りて読みました(^^ゞ
 ベストセラーになるだけの事はありますね。
一気に読ませてくれました。 次巻が待ち遠しい作品ですv#感想文になってない(笑)