「 魔性の子」
十二国記シリーズに先だって書かれたシリーズの外伝的作品。
16~17歳に成長した泰麒が記憶をなくして異国(日本)に漂流している期間の話。
シリーズの続きから先に読むか、こちらを先に読むか悩んで結局こちらから読んでしまいました。
刊行順であれば一番に読んでいなくてはならない作品ですし。
# でも一番に読んでいたらラストは謎だけしか残らなかっただろう…(^-^;
シリーズ2冊目の「 風の海 迷宮の岸」を読んで現実離れした設定と書きましたが
現実離れしていて当たり前だという事が描かれた作品。
泰麒は麒麟であって人間ではないのだから。
人間は人間であるだけで汚く醜い生き物なのだから。
ホラー小説で多少のスプラッタもありですが、一番怖いのは死に様ではなく人間の精神です。
ここまで人間の醜さばかりを際だたせて描かなくてもいいのに…とすら思えます。
もっと若い時に読んでいれば、主人公に感情移入してしまって今読むよりも辛かったかもしれません。
今は既に切なさや哀れさよりももう少しだけ別の感情を抱いてしまう年齢になってしまってました(苦笑)