SHINO's SketchBook
SHINOのときどき絵日記
 

2005年04月19日

  ■風の万里 黎明の空・十二国記(小野不由美)

風の万里 黎明の空〈上〉
風の万里 黎明の空〈下〉
一作目の続きにあたる内容です。
一作目の主人公と他に二人、三人の少女達の行動が平行して描かれてます。
人の幸不幸は全て己の心次第だという話。

今現在、自分の事を不幸だと思うならソレは何が原因ですか?
自分がいかに不幸かという事ばかりを考えて、理由を他人に見出して
他人を怨んで妬んで生きていてもきっと状況は何も変わらない。
自分をもっと見つめましょう。
自分がいかに行動したか、いかに行動しなかったか。

いつもの如く、人間の醜さが沢山描かれていますが
人間はただ醜いだけではない事、
そして常に成長することの出来る生き物である事、
そういう事が描かれています。
勿論堕落する生き物でもあるわけですが…。

ただの異世界ファンタジーじゃなくてシリーズ通して色々と深いテーマのある作品ですねー。
ヤングアダルト向けのベストセラーなので読んでいる10代~20代の人は多いのだと思います。
きっと周囲の大人達がしたり顔でお説教するよりも、素直に沢山の事を学べるんじゃないかと思いました。
30代の私も色々学ばせてもらいました(笑)

自分の非を具体的に教えてくれる相手に出逢えたのは幸せなのかもしれない。
普通、人はそんなに優しくはないから。
だから責められた時は「自分の何が悪かったのか」それを考えなくてはいけない。
相手にも非があるかもしれない、けれど相手の非と自分の非は別物だから。
自分の非も解らないまま頭を下げてもきっと何も成長しない。

謝っても許してもらえないのは、相手の心が狭いのではなくて
己の非を自覚していないからだという事を忘れてはいけない。


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