伊坂幸太郎文庫読了。やっとかよ(笑)
というわけで去年末文庫化されたばかりの「ゴールデンスランバー」
日本のオズワルドの話。
首相暗殺の濡れ衣を着せられた主人公の逃亡劇。
怪しすぎる不自然な人物が出てきたり、
登場人物の行動がご都合主義だったり、
リアルじゃないといえば本当にリアルじゃない展開なんですが
エンタテイメントだしー。
細部がリアルじゃないのに警察の行動とか、マスコミの行動とか、
個人じゃなく、組織の行動になってしまうと妙にリアルな気がする辺りがコワイ。
ま、私は警察にもマスコミにも偏見持ってますが(笑)
個人は怖くないけど集団になると怖いのは当たり前のことだし。
集団の脳味噌はどこにあるんだろうね。
理性がかなり押しやられ、思考力も無理矢理奪われてるよね。
本人が気付かないけど。
自分も簡単に集団の一員になってしまうことは珍しくないという事実が一番怖い話。
つか個人でいられるのが希かもな。
主人公の無実が最初から解っていて、
集団に呑み込まれないように頑張る人がいて、
沢山の優しい気持ちが溢れていて、
読んでてしんどい展開にはあまりならないんだけど、
やはりこの作者は殺人をわりと気軽に書いちゃうので、
それがイヤな人はイヤかも。