「魔王」
魔王はゲーテの魔王。
死に際に見た幻覚。
自分にしか見えない恐ろしいモノ。
言葉を尽くしても理解して貰えない怖さ。
必至で訴えられたのに理解出来なかった怖さ。
兄と弟それぞれが主役の中編二篇。
兄篇には死神の精度の死神が出てきてた。
こっち先に読んでたら意味不明だし(苦笑)
意味不明なだけで大筋には関係ないけど。
テーマはよく解りません。
何が魔王なのかもよく解りません。
現代日本でのファシズムの始まりの物語っぽいです。
大きな流れに個人は逆らえるのか、とか。
流れに身を任せて主体性のない行動をとっていてもいいのか、とか
個人の身勝手さ、群集の狂気等々、
人間の弱さが色々描かれてる気がしました。
『おまえ達のやっていることは検索で、思索ではない』
いたたたた、という感じ。