SHINO's SketchBook
SHINOのときどき絵日記
 

2010年04月01日

  ■玻璃の天(北村薫)

玻璃の天
ベッキーさんシリーズ2冊目。前作同様3篇収録。
やはり昭和初期の風俗が丁寧に描かれた作品。

舞台は昭和9年。
昭和9年に10代半ばというのは今後まさに激動の10年とその後を迎えるわけで
華族の優雅な日常が描かれていても、当たり前のようにその時代の陰が濃く現れて
華やかさもしっかりした現実であったはずなのに、薄く脆いモノに見えてしまう。

与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」に関するエピソードは言われてみれば当たり前だけど
あんまり考えた事がなかったので目から鱗。
確かに、家族は迷惑だわな。
世相というのは平和な世に考えるよりずっとずっと恐ろしいモノなんであろうと思う。
いや、平和な世の世相というのもある意味恐ろしいのかもしれないが。
自分の中にある思想や主義主張の根っこのどの辺りから自分が見据えて
培ってきたのか、その根っこは誰かに意図的に植え付けられたモノではないのか
自分で植えて自分で育てたのだと一体誰が明言できるのであろうか、と。
全ての真実を見る目を持った人間などいないと思うから。


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