「ひとがた流し」
「月の砂漠をさばさばと」の主人公さきちゃんとお母さんのその後。
「月の~」はほのぼの系の12篇の掌編集。おーなり由子さんの挿絵と共に絵本でも読む感覚で楽しむ本。
「ひとがた流し」の方は「月の~」で9歳だったさきちゃんが高校生になって登場人物の一人として登場。
全6章で章毎に登場人物が別の人物にバトンを渡していく形式で視点が変わる。
1章目はさきちゃん母の幼なじみ。6章目がさきちゃん母、牧子さん。
私には凄く心に沁みる物語だったんですが、読後Amazonでレビューを見るとイマイチでした。
クサイとかリアルじゃないとか書かれてて、書いた人は若い人なのかな~と思ってしまった。
さきちゃん母の牧子さんとその友人達の話なので40女が描かれているワケですが
私自身がズバリな年なのでそんなに違和感抱かなかったです。
40になっても世間知らずだったり、子供みたいな反応したり、
あっさり恋に落ちたり、おばさんらしくお節介だったり。
不惑って何?美味しいの?ってくらい莫迦で惑いまくりの日々を送ってるわけです。
それでもやっぱり40年生きてるのでそれなりに年の功も持ち合わせているんです。
良いタイミングで良い本に出逢えたんだな~と思います。
40女達の相方さん達ももうそれはそれは素敵に描かれていて、
女の私としてはこれこそ「リアルじゃない」とか思っちゃうわけですが(笑)
大学生になる娘に語る言葉の数々。
それは母から娘だったり、父から娘だったり、友人の娘へだったり。
言える大人とそれを受け入れられる子供の関係。
友人同士の会話と行動の踏み込み具合。
それらがそれまでの時間をどれ程大切に過ごしてきたかを現していて
じっくりゆっくり育ててきた人と人の絆を思わせる。
『人が生きていく時、力になるのは自分が生きていることを切実に願う誰かが、いるかどうか』
きっと切実に願ってくれているであろう人に出逢えた幸運を忘れずに生きていかなくてはね。