火村&有栖・国名シリーズ「モロッコ水晶の謎」中篇三編と掌編。
偶然の重なりを御都合主義と思うか、偶然の重なりこそがミステリと見るかは読み手の自由。
ちょっとしたツッコミ所に目を瞑ればどれも楽しめる作品。特に掌編がオチまで見事。
火村シリーズは途中ちょっと質が落ちた感が否めなかったがこの数日読んだ作品辺りから
持ち直してきたという世間の評価通り、シリーズ中盤の"無理矢理読んだ気分"なく読めて○
シリーズの核であるはずの火村の感情についての話もそろそろ読みたい。
いつか書かれるんだろうか?
印象に残ったのは『人は、親しくなった友人に打ち明け話をするのではない。
このように通りすがりの者に人生の重さを戯れに吐き出す』というくだり。
そういうもんだよね。
かなり親しい友人の過去や家庭環境はあんまり詳しくなかったり。
そして時々、通りすがりのはずの人が通りすがりでなくなったりw