「人形幻戯」チョーモンインシリーズ6冊目で3冊目の短篇集。
前作の文庫化以降結局続編は書かれていない。
最終話を読むのは当分先になりそう。
保科さんの担当編集者の阿呆さんが今回はちょこっとしか出てませんが
あの人がかなり謎な人だなぁ…やっぱりシリーズの結末が気になる。
6話の短篇が入ってる話でしたが、そのうちの1話にあったエピソードに
『傘と百円ライターと自転車は天下の回り物』というのがあった。
店から出るときに自分の傘がなくなっていたら躊躇なく他の傘を使うという話。
傘と百円ライターと自転車は公共物だと思っている人間は少なくない、って。
作者自身の考えは判らない。
登場人物の設定をそういう考えの人間にしただけだとは思う。
傘は使い捨て、必要な時に手元にある物を使う。
自転車は乗り捨て、駅から駅への公共の移動手段。
そう考えてる人が少なくないってことはないよねぇ?
どの話も人間の闇の部分が描かれてて結構暗い話なんじゃないかと思う。
レギュラーキャラの性格と文体で全然暗い感じはしないんだけど
あっけらかんと闇の部分が描かれているから余計コワイというか…。