SHINO's SketchBook
SHINOのときどき絵日記
 

2005年02月16日

  ■青の時代(栗本薫)

伊集院大介シリーズです。
本の著作リストと私の蔵書リストを比較してみたら、私は
天狼星の途中でイヤになったらしく「新・天狼星ヴァンパイア(上)」「新・天狼星ヴァンパイア(下)
真・天狼星 ゾディアック1~6」を買わないまま「伊集院大介の冒険」を買っています。
そして途中「タナトス・ゲーム」を買いそびれて、今回読んだ「青の時代」と「早春の少年」(未読)を買っています…。
こんな不規則な買い方キライなのに…orz

「青の時代」では伊集院大介50歳ですよ。
メインの話は回想なので24歳の時の事件ですが…そうか伊集院大介もう50越してるのか…w

46歳の女性の回想で綴られる話でした。
若いときの事を思いだして書いてるから「当時はわからなかった」だの「若かったんだ」だのという記述が多いです。
若い頃は「年を取る」という事が実感として解らない、目の前にいる年配者にも若い頃があったんだという事を理解出来ない。
確かに私はそうだったと思います。
今はちょっとだけ解るって感じでしょうか?(笑)
この手の小説を読んだときに感じるんですよ。
10代20代で読むのと30代で読むのと、40代で読むのと
メイン部分に対する印象は変わらなくても、それ以外の感慨が全然違うだろう、と。
語り部と同じ46歳で読んだ場合と、回想中の21歳という年齢で読んだ場合、
きっと全然違う印象を持つんだろうなーと思います。
年を重ねる事が偉い事だとは全然思わない、当たり前の事なんですが、
やっぱり「若い頃には理解出来ない」事が世の中沢山あるよなー…と。

最近の若者はどうなんでしょ?
ネットという世界がここまで一般的になって、自分の親世代の書く素の文章、
本音に近い感情、バカげた行動、そういう物に触れる機会もかなり増えていると思うんです。
私達世代が年配者に抱いていた物とはまた違った印象・感情を抱いてるんじゃないかなーと思います。

これって怖い面の方が大きい気がするんですけどね。
私は若い頃決して大人を尊敬していなかった。
今の若い子達はもっともっと大人を尊敬出来ないんだろうなーと思います。

人間年喰ってるだけで尊敬は出来ない。
精神面での成長は年と共に緩慢になるし、
下手したらストップしてしまっているのに近い人間も多い。
でも生きてきた時間分確実に何かを得ているのは間違いなくて
それは残念ながら若いときには若いという理由だけで得られないモノだったりする。

そんな事が朧気ながら解ってきた事が嬉しかったり寂しかったり(笑)
そして解らないのに解った気になってしまう世代を危うく思ったり。
上の世代が下の世代を危うく思うのはずっと繰り返されている事だろうに、
年々危うさが増している気になるのはやっぱり「年を取った」という事なんでしょうね。


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