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昨年末に、約一年使用していたデジタルカメラ DSC-SX550 が故障した。「今日の猫」を毎日撮影している私としてはデジカメの故障は死活問題だ。故障は電源系統のトラブルなので撮影自体はできるのだが、電池が全然持たなくなってしまい、実用には耐えられない状況になってしまった。以前から光学ズーム、200 万画素のデジカメが欲しかったので、これを機に買い換えることにした。選んだのは同じく SANYO の DSC-MZ3 だ。しかし、これを購入するに至るまでには紆余曲折があった。今回は私のデジカメ遍歴と共に、今回のデジカメ買い換えの顛末を書いていきたい。 ・デジカメ購入以前私がデジカメの購入を意識したのは 35 万画素のデジカメが全盛だった頃だ。ソニーの初代 Cyber-shot DSC-F1 や ミノルタの Dimage V、そして Apple の QuickTake200 等は真剣に買おうと思ったこともある。特に MacFan Expo in Kansai'97 の会場で安売りされていた QuickTake200 はもう少しで買うところだった。しかし、当時既にマンションの購入が決まっていたためデジカメ購入は踏みとどまった。元々カメラについては需要も、興味もそれほどなかったので、この時期に買わなかったのは正解と言えるだろう。 ・RICOH RDC-7その後、私の興味は PDA に大きく傾き、デジカメに予算が割かれることはなかった。「嵐山」のページで書いた通り RDC-7 を買うことになったもの突然の出来事だった。当時、予算や画素、光学ズームの有無などもあまり気にせず買った RDC-7 だが本当に多機能かつ高性能の良いデジカメだったと思う。これを一年足らずで失ってしまったのは不幸だが、これが最初のデジカメだったということもある意味不幸なのかもしれない。 ・CANON PowerShot A10RDC-7 の故障は重傷で、猫の撮影は完全にできない状態だった。早急に新しいカメラを用意する必要があった私は光学ズーム付きでできるだけ安いカメラを物色した。それがこの PowerShot A10 だった。当時キヤノンは既に IXY DIGITAL を発売していて、Powershot A シリーズは中身は IXY DIGITAL と同じの廉価版のようなポジションだった。私は光学ズームの有無と価格のみを重視していたので、Poweshot A10 の性能自体は気にしていなかった。むしろ、キヤノンというカメラメーカーのデジカメという点を期待していた。しかし、実際に手にした Powershot A10 は何となく気に入らなかった。沈胴レンズでカメラっぽいデザインが RDC-7 を使っていた私には馴染めなかった。何より単三乾電池を四本使うのは困りものだった。かくて私にとっての二代目デジカメ PowerShot A10 実稼働二、三日で売り払われてしまった。 ・SANYO DSC-SX550二代目デジカメが予想外の短命に終わってしまい。私はさらなる代替え機を求めることになった。今度は RDC-7 購入以前から欲しかった DSC-SX550 か SX560 を買うことにした。光学ズームはついていないが「爆速」と呼ばれるこのカメラは猫の撮影に向いていると思ったからだ。しかし、当時は既に SX560 でも型落ちで、市場にはほとんどなく SX シリーズの後継として光学ズームを搭載した DSC-MZ1 が発売されていた。とある大型量販店の開店激安セールで SX560 が 19,800 円で売られているという情報もあったが、私の近辺ではそのような話はまったく聞かず、結局、オークションで SX550 を購入することになった。PowerShot A10 の売却額に数千円足すことになったが、まあ安く買えた方だろう。SX550 は噂に違わぬ「爆速」デジカメで、レンズバリアと連動した電源、単三乾電池二本で稼働するなど使い勝手も良好だった。特に電池はニッケル水素蓄電池が使え、本体には電池の放電機能までついていた。私は四本の蓄電池を二本ずつローテーションで使っていたので、電源に困ることはほとんどなかった。光学ズームがついていないのは正直痛かったが、それを差し引いても私にとって最高に近いカメラであったと思う。今思えば、SX550 が故障したときに、新品ではなく SX560 の中古をオークションで探すべきだったかもしれない。この SX550 を使うようになってから猫を撮るときの構図が変わったように思う。RDC-7 の頃はズームを活かして、フレーム一杯に猫を写していたが、SX550 ではそうもいかないので背景が広く入るようになった。個人的には被写体をフレーム一杯に撮りたい方だが、写真としては背景も写っている方が面白い、と最近は思うようになってきた。 ・機種選定SX550 は非常に気に入っていたが、光学ズームが無い点だけが気になっていた。ミノルタから Dimage X が発売されたとき次に買うならこれかなぁ、とか漠然と思っていた。カシオから EXILIM が発売されたとき、小物好きの私は「光学ズームはないけどこれの 200 万画素版が出れば買うかも」とか思っていた。しかし、予算の都合と SX550 がバリバリの現役だったのとで、それらが現実になることはなかった。ところが、2002 年 12 月末、SX550 が故障してしまった。そのときは全く使えないと思いこんでいたので、とりあえず、できるだけ安くて 200 万画素で光学ズームを搭載しているカメラの選定を開始した。そのときに引っかかったのが COOLPIX2500 だった。価格的には同じニコンの COOLPIX2000 の方が安かったが、こちらは電池が単三四本なので却下された。しかし、SX550 が何とか使える状態まで回復したのでこの案は一旦白紙となった。どうせ買うならもう少し慎重に選ぼうと思ったのだ。まずは Dimage X について調査した。この頃は後継機で 300 万画素の Dimage Xi が発売されていたので型落ちの Dimage X は安く買えるのではないかと思ったのだ。しかし、どうやら時間が空き過ぎていたようで店頭で Dimage X を見かけることはなかった。そんな中、全くノーマークだったサンヨーの DSC-MZ3 の評判が良いとの情報を得た。MZ3 は先述の MZ1 の三代目となるモデルである。先に「SX シリーズの後継として光学ズームを搭載した DSC-MZ1 が発売されていた」と書いたが、実際の所、MZ1 は光学ズームが搭載されたものの、サンヨーのお家芸である「爆速」が影を潜め、電池の持ちも悪くなった MZ1 は SX シリーズのユーザからは不評で、純粋な後継機というより新しいシリーズといった方が近いモデルだった。最初の買い換えがこの時期と重なった私は MZ シリーズに関する不評も聞いていたのであまり良い印象が無く、正直 MZ2 や MZ3 が何時発売されたか全く知らないほどのノーマークだった。MZ3 はこうした不評を克服して進化した完成度の高いモデルとして好評を博していたようだ。サンヨーのデジカメには速さの他に動画に強いという特徴もある。MZ3 もその例外ではない。また、このクラスにしては大きめの CCD が搭載されていて静止画もそこそこ綺麗らしい。私はサンヨーに愛着もあったので 買い換え候補の本命を DSC-MZ3、対抗を COOLPIX2500 とした。 ・本命逆転この時点で、店頭にて実機に触ってみることにした。最初に両機種を触って試し撮りしたときの感触は COOLPIX2500 の方が良かった。インナースイバルデザインと呼ばれるユニークな筐体は回転レンズを採用し、自分撮りも可能。200 万画素、光学三倍ズームでマクロは 4cm まで寄れるニッコールレンズを搭載したこのカメラは、決して悪くない。音声付き動画は撮影できないが、MZ3 との実勢価格の差、約一万五千円程性能に差があるとも思えない。なにより、私は MZ3 の沈胴レンズに不安があった。COOLPIX2500 の回転レンズはズーム機構を内蔵している。レンズを回転させないと撮影できない上に、回転と電源オンが連動していないのは確かに面倒だが、普段は凹凸が少なく気軽に扱える気がする。過去に二度デジカメを壊している私としてはこの辺りも重要ポイントだ。実際に購入に行った際も店頭で悩みに悩んだ。結果として、静止画だけなら、デジタルも含めたズームの倍率やマクロ性能でオールマイティに使えそうな点、そしてローンを抱える身としては出費をできるだけ少なくした方が良いということで、その場では COOLPIX2500 を買って帰った。 ・NIKON COOLPIX2500実際に使ってみた COOLPIX2500 は、懸念されていた起動時間の遅さや回転レンズの煩わしさはそんなに気にならず、なかなか良好であった。しかし、これは単焦点の SX550 と比較するのが誤りなのかもしれないが、オートフォーカスの遅さが少し気になった。これは私の中でだんだん大きくなり始め、ついに私はある賭に出ることにした。COOLPIX2500 を購入価格よりやや高い値段でオークションに出すのだ。それでもし落札されれば MZ3 に買い換え、期限までに落札されなければ COOLPIX2500 を使い続けるというものだ。開始価格と希望落札価格が全く同じの一発勝負でしかも、その価格がオークションの相場よりやや高かったので、アクセス数は上がらず、オークション期間も最低にしていたので、このまま期限切れになってしまうかと思っていたが、締め切り約三十分前に落札されたのだ。かくて、四代目デジカメ COOLPIX2500 も実稼働二、三日で手放してしまうことになった。どうも偶数代のデジカメは、カメラメーカ製で、短命に終わるというジンクスができつつあるようだ。 ・SANYO DSC-MZ3MZ3 購入に関しては通販で安い店から買ったので、店頭価格ほどの値段差にはならなかった。さて、遠回りして手に入れた MZ3 に 100% 満足しているか、といえばそうでもない。オートフォーカスはやや遅く感じる。他の機種と比較した場合は速いかもしれないが、やはり単焦点のカメラにはかなわない。これはやむを得ないだろう。あとは沈胴レンズも少し気になる。電源を点けてせり出すときは良いのだが、電源を切って収納されるときがもたつく感じがする。これでは撮影が終わった後すぐにしまえないのだ。この辺りは馴れるしかないのだろうが。それよりもオチビという被写体もあるので、せっかくの動画機能を有効に使っていきたい。一つ無念なのが 2 月 12 日に、サンヨーから新しいデジカメの発表があることだ。この後に買っておけばもう少し安く買えたかもしれない。ともあれ、色々遊べる機能のついたカメラを手に入れたのだから、今度はできるだけ末永く使ってやりと思う。 撮影日:2003.2.8 |
初代デジカメ RDC-7 の勇姿。 オペラグラスデザインは光学ズームの機構もうまく収納し、容積は多いもののコンパクトな印象を与える。実際につかっていてもスリムで使いやすい。 (撮影:DSC-MZ3) |
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RDC-7 のファインダー側。 ボタン類もシンプルにまとまっている。 (撮影:DSC-MZ3) |
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破損してしまった液晶が痛々しい。 (撮影:DSC-MZ3) |
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二代目デジカメの DSC-SX550。 レンズバリアーの開閉が電源と連動しているので使いやすい。 (撮影:DSC-MZ3) |
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SX550 のファインダー側。 背面液晶は MZ3 よりも大きな物が使われている。 (撮影:DSC-MZ3) |
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SX550 の機能切り替えダイアル。 写真では分かりにくいが、電源トラブルの対応中、ショートしてしまいダイアルが黒く変色している。更に設定モード(スパナマーク)にあわせてても設定モードに切り替わらなくなってしまった。通常の撮影、連射、動画は何とか機能する。 (撮影:DSC-MZ3) |
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今は亡き COOLPIX2500。 デザインの好みはあるだろうが、この状態だと凹凸が無く、すっきりしている。持ち運びにも気軽にできそう。 (撮影:DSC-SX550) |
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レンズを回転したところ。 回転動作が電源と連動していれば、かなり便利だと思う。 (撮影:DSC-SX550) |
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歴代デジカメ勢揃い(奇数代のみ)。 こうしてみると RDC-7 がデカく見えるが、見た目ほどかさばる印象はない。 (撮影:EX-M1) |
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厚さ比べ。 意外にも?一番薄いのは RDC-7 である。液晶部分が湾曲しているのが故障を物語る。 (撮影;EX-M1) |
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Naoki 所有の EXILIM EX-M1 と並べたところ。 MZ3 と EX-M1 の表面積はそんなに変わらない。 (撮影:DSC-SX550) |
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EXILIM との厚さ比較。 やはり EXILIM の薄さが際だっている。 なお、この写真は RDC-7 でオートフォーカスで撮影。だからちゃんとピントが合ってない。 (撮影:RDC-7) |