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■Elicit from CLIE ~ PDA 色々■

SONY PEG-T600C/L 2001.12 購入

・Treo90 断念後
前回のラストで書いた Treo90 をキャンセルした経緯については、Terrier Kennel 3210 を見てもらえば分かっていただけると思う。当然であるが、その後 Treo90 を発注することはなかった。結局の所、私にとっては PDA より PC の方が重要だということなのだろう。しかし、私は小物好きで新し物好きなので、Palm にとらわれず他の PDA に惹かれたりはしている。

SL-A300

日本国内で発売された最初の「リナックス・ザウルス」。OS も大きく変わったが、いわゆる eZaurus と呼ばれたスライド式キーボード内蔵の筐体からも大きく変わり、T600C に匹敵するコンパクトさを誇る。視認性の高い液晶、読みやすいフォント、強化されたパソコンとの連携など、ビューワとしての機能が重視されている。今の私の使い方にはマッチしたマシンに思える。何より Linux なので色々いじれそうだ。しかし一方で、アプリケーション起動の遅さ、ハードボタンの反応の悪さなども耳にするので、ビューワとしての軽快さという点では Palm には及ばないようだ。

SL-C700

SL-A300 に続いて発売されたキーボード付きリナックス・ザウルス。CLIE NR/NX シリーズと同じく液晶画面反転による折りたたみギミックを備え、キーボード付きでありながらコンパクトな筐体でまとめられている。しかし同じ折りたたみでも、CLIE とはアプローチが異なる。SL-C700 は CLIE NR/NX シリーズを参考に開発されたと思うが、SL-C700 の方が後発だけあってよく考えられているように思う。そして SL-C700 の最大の特徴は VGA サイズのシステム液晶を搭載している点だろう。これはビューワとしてとらえた場合も大きな魅力だ。発売以来大人気で売り切れ続出で、"最強の PDA"の呼び声も高い SL-C700 だが「SL-A300 と比べるとメモリもバッテリの持ちも後退した下位機種」という声もある。そもそも SL-C700 は PDA というよりも超小型ノートパソコン、もしくは Linux ターミナルという捉え方をされているようだ。魅力的な SL-C700 だが PDA とした場合、もしくは私の求めるビューワとしてみた場合、やや疑問符は残る。

SL-B500

SL-C700 と同時に発売されたキーボード内蔵リナックス・ザウルス。前述の eZaurus と同じタイプの筐体でスライド式キーボードを搭載している。SL-A300 と SL-C700 に挟まれてイマイチ注目されていないが、両機種ではオプションのボイスレコーダを標準で備えるなど、PDA としては三機種の中では一番バランスの良いマシンではないかと思う。ただバッテリ稼働時間を重視したためかバッテリ部分が大きく張り出していて、全体的に筐体が大きく重くなっているのが残念だ。

MI-E21

先ほどから何度か登場しているが、いわゆる eZaurus と呼ばれるマシン。国産 PDA として独自 OS を搭載した Zaurus の最終(?)進化系。今尚、PDA としてはリナックス・ザウルスよりも完成度が高いとの評価を受けている。最近仕事上で何度か会っているベンダーの方が使っているのを見て結構便利そうに見えた。PIM、通信、ビューワとすべての機能を不足無くこなすバランスの良いマシンだ。唯一気になるが現在では少々古くなっているる点であろうか。

Tungsten T

ソニーの CLIE NX に遅れること数ヶ月、本家パームコンピューティング社から満を持して発売された PalmOS 5 搭載マシン。320x320 のハイレゾ表示に対応し、Graffiti エリア部分がスライド式で現れるギミック、5ウェイナビゲーションと呼ばれる新しいハードボタン、Bluetooth 内蔵、ボイスメモ搭載など盛りだくさんだが、パームコンピューティング社のマシンらしく基本的な部分はしっかり押さえられている。CLIE とは対極の位置にある Palm デバイスらいし Palm と言えるだろう。これを書いている時点で残念ながら日本語版は発売されていないが、正式に Tungsten T に対応した J-OS を使えば日本語表示が可能だ。日本で入手するには個人輸入するか、ショップで輸入された商品を購入することになるが、ショップで購入した場合かなり割高になってしまうのが難点だ。

GENIO e550GX

ついに PocketPC まで登場してしまった。基本的に PocketPC は嫌いだが、Microsoft アプリとの連携、各種機能など芸達者という観点から見れば Palm よりも Zaurus よりも PocketPC の方が勝っているだろう。中でも GENIOe はコンパクトな筐体に大きな画面で PocketPC では唯一「使えそう」なマシンだ。実際 PocketPC では GENIO の「独り勝ち」状態で、最新機種の e550GX ではなんと内蔵メモリ 128MB と Palm では考えられない要領である。しかし高機能な分ややお値段は張る。

・本末転倒?

さて、ここまでくればお気づきの方も居ると思うが、当初「私が PDA に求めるのはビューワとしての軽快さ」とか書いて起きながら、段々多機能な PDA を求めるようになっている。まあ基本的に妄想の世界だが、人間の欲は際限がないと言うことで。実際的にこの中から一つ選ぶとすれば SL-A300 か Tungsten T になるだろうか。

NX シリーズでもいいじゃん

前回興味がないといった CLIE の NX シリーズだが、ジョグダイアル装備、ワイドハイレゾ画面、(使いにくいらしいが)キーボード搭載、ボイスレコーダー機能と私の求める機能は大体カバーしている。さらに ARM ベースの CPU に PalmOS 5 搭載で性能的にも全く問題ない。あまり使わないと思うが CF スロットもあるので単体での通信も可能だ。やはり最大のネックはその大きさだろう。キーボードを使用する、いわゆるウィングスタイルにした場合の大きさにはやはり引いてしまう。ターンスタイルではハードボタンが使えないのも大きなマイナス要素だ。キーボード付き Palm を買うなら今でも Treo90 を選ぶだろう。

・結局 T600C

T600C は購入から一年経った。当初想定した使い方はまだ十分にはできていない。使いこなしレベルはそんなに高くないが、遅まきながら活用していこうと思う。現状で T600C に大きな不満はない。他の PDA に乗り換えるとしたらそれは新し物好きだから故、というのが最大の原因になるだろうか。今は 3210 のローンが来年の十二月まで、丁度一年残っているのであと一年は T600C を使い続けるだろう。リナックス・ザウルスも PalmOS 5 マシンもまだ第一世代が発売されただけなので、これから段々こなれていって良くなってくると思われる。一年後には PalmOS 6 マシンなんかも発表されているかもしれないが、今回挙げた現状でも魅力の PDA 達が一年後にどんな進化を遂げているかが楽しみである。