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SONY PEG-T600C/L 2001.12 購入
この PDA のコーナーでは何回か書いているが、私は基本的に文字のペン入力が嫌いだ。より正確に言うと苦手だ。これは第一印象としての Newton が良くなかったのかも知れない。私自身の字が汚さが災いしているのかも知れないが、ペンで文字を入力した場合、認識されない、認識するのに時間がかかる、というイメージを持ってしまった。私の中ではキーボード付き PDA への憧れが強くなる。キーボード付きの Newton デバイス eMate の購入を本気で考えた。結局 Newton 用のキーボードを購入する事で回避しようとしたが、アタッチメント的な使い方が私には合わなかった。そして、私は PSION に巡り会い、今後ペン入力の PDA を買う事は無いと思っていた。しかし、私は現在ペン入力の PDA、Palm を使っている。これはビューワとしての手軽さを重視した結果で、母艦機として 206VL を使えるようになったのも大きい。長文はパソコン側で入力し、後から参照したいデータを Palm に落とし込むという使い方をすれば、Palm 側での文字入力は極力減らせるはずだ。しかし Palm で全く文字を入力しないわけにはいかない。Palm の文字入力方法といえば Graffiti だが、こちらの使い勝手はどうなのだろうか?
Graffiti は一般的には非常に評価の高い入力方法とされている。アルファベットを一筆書きの簡易字体として入力し易いように工夫されている。Palm のヒットに Graffiti が一役買っているという側面もあるだろう。私は G の入力が苦手で、あと O と U が誤変換される事が多いが、ペン嫌いの先入観を払拭するに十分な使い勝手の良さだと思う。しかし、それでも私は出来るだけペンでの文字入力を避けたいと思っていた。
m505 の購入を決めたとき、私は日本語入力に POBox を選択した。標準の日本語変換はイマイチという評判だったし、ATOK を買うのも少しためらわれた。そんな中 POBox はフリーウェアあり、さらに予測変換機能を備え、入力を出来るだけ減らしたいと思っていた私にはうってつけの日本語入力ソフトだった。私は m505 購入と同時に POBox をインストールし、富豪辞書と呼ばれる最大容量の変換辞書を選択した。しかし、これが良くなかったのかも知れない。富豪辞書は確かに容量が多いだけあって多くの変換候補が現れる。逆にこれが使い勝手を悪くした印象だ。そもそも仕事上で入力する社名やテクニカルタームなどは辞書に最初から含まれているはずもなく、無理矢理変換するよりも登録する方が効率が良い。それをなまじ変換候補が多いので無理に探しにいって結局入力が遅くなる。そんなこんなで私の POBox に対する第一印象は決して良いものではなかった。その証拠に T600C 購入時にはインストール候補にも挙がらなかった。
T600C には ATOK がバンドルされていた。ATOK は パソコンでもずっと使っている。基本的にパソコンでの日本語変換は ATOK でないと嫌だ。Palm 版の ATOK も流石の変換効率でストレスを感じさせないものだった。更にこのバージョンには推測変換機能がついていた。ただし、ATOK の推測変換機能は POBox と違って単語レベルでしかない。POBox の場合は"○○氏来社"と入力したい場合、まず"○○"で確定する。すると次の候補にはいわゆる"てにをは"等の助詞が自動的に現れるがそれを無視して"氏"、"来社"を入力して確定する。すると次回から"○○"と入力すると次の候補に"氏"、その次の候補に"来社"が現れる。極端な話、最初の単語の一文字目だけを入力すればあとはタップだけですべて入力できてしまう場合もあるのだ。ATOK の推測変換は過去に入力した単語が候補として現れるだけで文脈までは推測してくれない。それでもから入力の手間を軽減してくれた。
ATOK に大きな不満は無かったが、ここに来て再び POBox を使おうと思ったのは上でも書いた通り、Palm 上で入力する単語がかなり限られているので、POBox の方が効率良く入力できると考えたからだ。今回は前回と違ってできるだけ軽めの辞書を入れて、辞書を鍛えていくことにした。実は、私は"辞書を鍛える"という単語に何となく惹かれるのだ。パソコンでは購入当初から使っていた ATOK7 の登録単語、学習単語を現在の Win 版 ATOK15 まで引き継いで使っている。途中でプラットフォームが変わったり MS-IME が入ったりしながらもずっと引き継がれている。対して今まで使っていた PDA はどれも日本語に入力が一筋縄ではいかないものばかりだったので、よく"辞書を鍛える"という表現を目にした。一番印象深いのは UniFEP が登場する前の PSION だろう。当時の日本語変換ソフトは学習機能を備えていないため、変換候補の絞り込みはもちろん、登場順までカスタマイズして辞書自体を再編成している強者があちこちに存在してた。私はそれらに憧れながらも、そこまでは手が出せず UniFEP が出た後もよく使う単語登録するにとどまっていた。今回も基本的には変換できない単語が現れる都度単語登録するという方法で辞書を鍛えている。以前の機種では POBox と ATOK が併用できない場合もあったらしいが、T600C では併用可能なので POBox では変換できなかった単語はひらがなで確定。それを ATOK で後変換してからクリップボードにコピーして POBox の辞書に単語登録、というサイクルだ。今のところはまだ ATOK に頼ることも多いがそのうち POBox だけですべてまかなえる日が来るだろう。
POBox つながりで先日機種変した携帯電話、NTT DoCoMo のソニーエリクソン製端末 SO211i を紹介する。この機種に乗り換えた最大の理由は"エリクソン"という名前に惹かれたからだ。実際のところこの機種の開発は合併前に終わっているそうなので実質上は"ソニー製"なのだが、"DoCoMo 初のソニーエリクソン製端末"というのが私の心をくすぐった。キャリアを問わずソニー製携帯電話の特徴としてジョグダイアルと POBox があげられる。ジョグダイアルはすぐ暴走したり故障するという噂も聞くが今のところ問題なく使えている。POBox については Palm 版よりも使い勝手が良いくらいだ。ジョグダイアルと POBox の組み合わせは携帯電話の日本語入力にかなりマッチしていると思う。この機種を購入するにはあたっては、関東で発売されていた SO504i と迷ったが関西での発売時期が未定だったこと、504 シリーズの機種変価格がかなり高くなるだろうということで結局 SO211i にした。しかし、機種変後約二週間経って関西でも発売された SO504i の機種変価格はキャンペーンということもあって SO211i とあまり変わらない価格となった。もう少し待っておけば良かったかとほんの少しだけ後悔しているが、コンパクトな SO211i に十分満足している。
SO211i 本体。 DoCoMo の端末には何故かメーカーロゴが入ってないので透明シールに印刷したものを貼り付けた。ソニーエリクソンではなくストラップに合わせてエリクソンのロゴを選択。 |
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SO211i の POBox。 携帯電話での日本語入力手段としてはベストに近いと思う。ジョグダイアルにより変換候補の選択も軽快に行える。
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