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■Elicit from CLIE ~ ハードウェア比較■

SONY PEG-T600C/L 2001.12 購入

・やっぱり薄いぞ T400

先日、電器店へ行った際 T600C と T400 が展示されていたので、N600C も含めてハードウェアの比較をしてみた。T400 の実物を見るのは初めてだったが、その薄さは凄い。T600C が厚さ 12.5mm なのに対し、T400 は厚さ 9.9mm と数字上では 3mm 足らずの差だが、実際に手に持つと数字以上の差を実感できる。レビュー等では「T400 は薄すぎで逆に持ち辛い」との評価もあったが、私にはそれほど持ち辛いと感じられなかった。T シリーズでは薄型ボディを実現するために「深絞り加工」という技術が採用されている。深絞りとは、アルミの平板を金属の展性を利用して筒型にプレスしていく手法で、アルミ缶やポータブルステレオのガム電池の加工などに用いられているらしい。「本体に継ぎ目がなく、一般的な射出成形には見られない美しい曲面が特徴の本機のデザインはこの深絞り技術によって可能になった」とのことだが、実は T600C は前後張り合わせで、真の一体成形 は T400 のみなのだ。筐体だけなら T400 の方がコストがかかってるのでは?との説もある。それくらい T400 の筐体は素晴らしかった。

・液晶は…

さて、素晴らしい筐体を誇る T400 の液晶はどうであろうか? 一般に、モノクロモデルはカラーモデルより視認性が高い、とされている。恐らくこの定説を作り上げたのは初代 CLIE であろう。初代 CLIE のカラーモデルは液晶が暗く、視認性が悪いと酷評された。反面モノクロモデルはバックライト点灯時の表示方法が他の Palm デバイスと異なり視認性の高さでかなりの評価を受けていた。しかし、T400 のモノクロ液晶は、私の目にはイマイチに映った。もともとカラーモデルの m505 から Palm に入った私としては、すでにモノクロモデルでは物足りなくなってるからかもしれない。でもそれを差し引いても、T400 の液晶は少し暗く感じた。液晶の比較ということで、T600C と N600C も比較してみた。もともと T シリーズは N シリーズと比べて液晶が暗く、確かにバックライトを点けないと少し厳しい。ということで私は基本的にバックライト常時 ON にしている。しかし N600C もバックライトを点けていない状態であれば T600C とさほど変わらないように思えた。私の結論は『T600C の液晶でも全く問題はない』だ。

・ボタン関係など

T シリーズはスリムな筐体とスタイリッシュなデザインが大きな特徴であり、Palm 特有のハードウェアボタンもデザイン重視となっている。これは発表時から物議を醸したが使い勝手はそんなに悪くない。しかし、上下ボタンは使い物にならないといっても言い過ぎではない。CLIE の場合ジョグがあるので使用頻度が低いとはいえあの操作感はちょっとどうかと思う。CLIE のもう一つの特徴にジョグがある。私が CLIE に移った理由の八割はジョグの存在があったからだ。T シリーズのレビューでは「N シリーズと比較すると、ジョグは使いやすく、バックボタンは使いにくい」との評価があったが、最初に実機触れたときの私の感想は逆であった。ジョグが何となく回しにくいのだ。電器店で N600C のジョグと比べてみたが、T シリーズが少し引っかかりを感じるのに対して、N シリーズは滑らかに回る。引っかかりがある方が回してる感じがよく分かって良いという人もいるかもしれないが、ジョグに関しては N シリーズの方が使いやすいと私は思う。

・色

T シリーズは両モデルとも二色ある。一番人気は T400 のリミテッドブラックだろう。「限定」ということも含めて私も惹かれたが、黒は CLIE では初めてだが、IBM の WorkPad で見られるように Palm ではそんなに珍しい色ではない。シルバーは傷も目立ちにくそうで無難な色だが、やはり平凡な感じは否めない。ということで私はロイヤルブルーを選んだ。実機を見ても良い色だと思う。

・m505 との比較

私にとって最初の Palm デバイスである m505 と比較してみよう。まずは液晶。スペック的には両方とも 65,536 色表示可能のカラー液晶であるが、ハイレゾのせいか表現力は圧倒的に T600C の方が上である。デザイン的には m505 は「名機」 Palm Vx の流れを踏襲した人気のあるデザインだが、T600C のシンプルなデザインも負けてはいない。やや縦長でホールドしやすい筐体、ストラップ穴の標準装備など、国産 Palm ならではの工夫もみられる。何よりジョグの搭載。これは大きい。総合的にはやはり T600C に軍配が上がるところである。

全体的に T600C 贔屓の比較となったことは素直に認めよう。それだけ T600C を気に入っているとご理解いただきたい。