S2G HOME≫masatsu file ≫PDA≫Elicit from CLIE ~ 購入まで
SONY PEG-T600C/L 2001.12 購入
私にとって最初の Palm デバイスであった Palm m505 は使用期間丸六ヶ月にも満たないうちに売り払われてしまうことになった。m505 に大きな不満があったわけではない。むしろビューワとしての軽快さは PSION 系デバイスを凌いでいた。FIVA MPC-206VL を使えるようになったこともあり、PDA に求める機能が少なくなってきた。現状で Palm は PSION より私に適した PDA と言えた。もっと Palm の事を勉強して使いこなそうと思っていた。しかし、Palm を本格的にメイン PDA として使うにはどうしても欲しい機能があった。それはスピーカーからプッシュトーンを発声し、それを電話機の受話器に当てることにより電話をかける機能だ。歴代 PDA は全てこの機能を持っていたので PDA には普通についている機能だと思っていた。しかしあの最大シェアを誇る Palm にはついていなかったのだ。ところが、Palm デバイスでもこの機能を使える機種があったのだ、それは HandEra300 だ。
HandEra300 は m505 と同じ頃に発売された Palm デバイスで最大の特徴は、グラフィティエリアをソフト的に液晶に表示するバーチャルグラフィティエリアだ。これにより不要なときにはグラフィティエリアを隠すことができ、画面を広く使うことができる。さらに従来機種から続いて、Palm デバイスで唯一 CF スロットを備え、加えて SD スロットまで装備された。そう、HandEra300 は Palm デバイスで随一のマニアックなギミックを備えたマシンなのだ。CLIE のジョグに似た入力装置もついていて、m505 とどちらを購入するか迷ったが、正式な日本語版が無いこと、OS のバージョンが低いこと、筐体サイズがやや大きいこと等が理由で選に漏れた。この HandEra300 が従来機種から引き続いて備えているもう一つの特徴にスピーカーの搭載がある。これにより HandEra300 ではプッシュトーンによるダイアルの発呼が可能なのだ。この事実を知ったとき、にわかに HandEra300 を欲しくなったが、Palm デバイスを新たに買い足す資金など無かった。そこで Yahoo! オークションで検索をかけてみた所、一点 HandEra300 の出品があったので、その出品者に m505 との交換を持ちかけたがあっさり断られた。これで HandEra300 に対する物欲は沈静化したが"オークションでの交換"という手段が私にインプットされた。
"HandEra 騒動"からしばらくして、今度は CLIE PEG-N600C というかハイレゾクリエが欲しくなった。最初に発売されたハイレゾクリエは PEG-N700C である。これは m505 よりも前に発売されていたが、ヘッドホン標準装備と音楽再生機能が前に立っていたせいかあまり気にならなかった。ハイレゾリューションによりフォントは美しいが、動作が鈍いとの不評もあった。ハイレゾクリエはその後 PEG-N600C、PEG-N750C と発売されたが、やはり気にならなかった。しかし、ハイレゾフォントを実際に目にしたときに驚いた。マジで液晶に字が描いてあるんだと思った。さらにその後どこかのサイトでジョグの便利さを説いた発言を見てクリエが欲しくなった。ということで、今度はこちらか"交換希望で"オークションに出品することにした。狙いはハイレゾクリエで音楽機能が無く、実勢価格が 39,800 円と一番安い PEG-N600C だ。しかし、いくら m505 の方が実勢価格が高いとはいえ、この条件で交換に応じる人は居ないだろう、と思っていた。m505 が CLIE より勝っているのは筐体の薄さと軽さくらいだ。もし私が CLIE 側ならまず交換に応じない。実際に一度目の出品では交換に応じてくれる人は現れなかった。
二回目の出品で交換に応じてくれる人が現れた。しかも二名。しかし、二名とも N600C ではなく、N700C との交換だった。N700C だと OS 3.5 で表示色も 256 色と N600C と比べると少々スペック的に劣る。しかし、タイミング良く N700C の OS 4.1 へのアップグレードサービスが開始間近だった。このアップグレードで N750C 相当になる。m505 と N700C を交換してアップグレードに出すのも悪くないかなと思い始めていた。音楽機能は不要だがあればあったで色々楽しめるかも、とか考えていたとき、ソニーから新型クリエ T シリーズの発売がアナウンスされた。その製品の内容とタイミングに私は驚きを隠せなかった。T シリーズはモノクロ、カラーの二機種は発表されたが、従来の CLIE はもちろん、他社の Palm デバイスと比べても最も薄い筐体が特徴だった。モノクロモデルだと何と 1cm を切る薄さだ。交換に応じた両名とも CLIE と 比べた場合の m505 の薄さに魅力を感じたわけで、この T シリーズ発表は交換を再考させるに十分だった。私自身も N シリーズよりも T シリーズに魅力を感じ始め、結局交換の話は白紙となった。しかし CLIE 購入の私の決意は変わらず、m505 はオークションで売却することにした。希望価格には及ばなかったが、T シリーズ発表後ということを考えるとまずまずの値段で売却できた。しかも、私が売却した数日後に m505 の実勢価格が 10,000 円引き下げられた事を考えると、かなりラッキーな値段だったと言えるだろう。
CLIE 購入資金を確保したところで、一体どのモデルにするか?という問題が浮上した。まず T シリーズの特徴を書いておこう。カラーモデルの PEG-T600C はカラーデバイスでは最薄の筐体と 16MB の内蔵メモリが特徴。筐体カラーはサテンシルバーとロイヤルブルーの二色。実勢価格は 39,800 円。モノクロモデルの PEG-T400 は全 Palm デバイス中最薄の 9.9mm の筐体を誇る。筐体カラーはサテンシルバーとリミテッドブラックの二色。実勢価格は 29,800 円。これに T シリーズ発売で値下げが予想される N600C を加えた三つが購入の候補だ。まず、私は Palm の手軽さに惹かれたので筐体は小さいに越したことがない。ということで N600C は脱落。筐体の小ささで言えば T400 に確定だ。もともと私は PDA にカラーは必要ないと思っていたし値段も安い T400 は魅力的だ。限定発売のリミテッドブラックもマニア心をくすぐる。しかし、一部レビューで T400 は薄すぎで逆に持ちにくい、OS 4.0 以降はカラーに最適化されているのでモノクロの T400 は動きがもたつくという記述を目にし、結局 T600C を選択した。カラーもさることながら内蔵メモリの 16MB も大きな理由だ。色はロイヤルブルーの方にした。シルバーの方が傷が目立たないかな?とか思ったが、シルバーと比較すればやはりロイヤルブルーを選んでしまう。注文したのは秋葉原の秋葉館。この店を選んだのは予約特典が 32MB のメモリスティックだったからだ。メモリスティックをまったく持たない私にはこの特典はありがたかった。しかし、この特典のせいか秋葉館では入荷数量を上回る予約が殺到したようで、私は発売日に入手することが出来なかった。二回目の入荷でも私まで回らない可能性があると言われたが、本日 12 月 16 日、発売日から一週間遅れで入手することが出来た。
T600C の第一印象は良好だ。筐体の薄さは N シリーズと比べると薄いかもしれないが、m505 とはさほど変わらないので、私の印象としてはそんなに薄いと思わない。でも横幅が狭くなっているのでホールドはし易い。不安視されていた液晶は N シリーズと比べると暗いのかもしれないが、m505 と比べるとむしろ明るいくらいで、私には全く問題は無い。ハイレゾ画面はやはり美しい。今回 T600C 購入にあわせて、赤外線ポートを持たない 206VL の為に、リンクエボリューションの IrSTICK も購入した。早速 206VL と赤外線で HotSync のテスト行い、問題なく動作することを確認した。今日は m505 のデータを T600C に移して充電しただけであまりいじっていないが、今度こそは Palm デバイスを有効に使っていきたいと思う。
T600C については何かある度に出来るだけリアルタイムで書いていきたいと思う。本当は m505 を購入したときにこの形式でやりたかったのだが、諸事情により出来なかったため今回は頑張りたい。