SHINO's SketchBook
SHINOのときどき絵日記
 

2014年06月30日

  ■春から夏、やがて冬(歌野晶午)

春から夏、やがて冬
なんか自炊の取り込み本チェック読みばかりで疲れたのでちょっとサボり。
久しぶりに活字だけの本を本のまま読みました。
電子書籍も全然嫌じゃないけど、紙のページを捲るのもやっぱいいね(笑)

「葉桜」ばかりが取り沙汰されて、この作品も同じような煽りが帯がついてましたが
「葉桜」とは全然違った作品。出来の善し悪しというより私の好みでは大差ないですが。

ああいう形での真相は不要だった気がしますね。
主要登場人物の行動には悪意はなく、寧ろ善意で行動しているし、
一見、それで救われた人物がいるかのように見えるけれど、
それは決して救いではないし、別の角度から見れば残酷なだけの結末としか言えない。
それとも、そう思うのは私が第三者の視点でしか見えていないからで
あの結末に救いは存在したのか。私には判りません。
知らなければそれは現実ではないし、
騙されていても、思い込みでも、それが真実と思うなら
その当人にとってはそれが唯一の真実なのだから。
一生吐き続けられる嘘ならばその嘘は嘘ではなくなるのかもしれませんし。
所詮すべての真実が見えている人間など存在しないというのが現実なのだから。

末永ますみは頭がいいのか悪いのか。
私には表面的に見えていた彼女とその後の決断と行動のギャップが大きすぎて
そこが嘘くさかったです。


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