「バイバイ、ブラックバード」
太宰治の「グッド・バイ」へのオマージュ作品。
連作短編集。五股主人公が借金トラブルのために連れ去られてしまう前に彼女達に別れを告げる話。
太宰作品と違い、別れ話に同伴する女が美人とは程遠い、人外に近いと言っても過言ではない
口も性格も悪い巨体の女であるというところ。
この人外の女に徐々に愛着が湧いてくる辺りが読み所、かもしれない。
五股かける男のどこがいいのかよくわかりませんが、五股男星野君は五股をかける以外は
かなり善良なタイプの人。なぜこの人に五股が可能なのか…というくらい。
ま、あれですな『皆に優しいというのは誰に対しても優しくないというのと同義』という。
私は私にだけ優しい男が好きなので、博愛主義的な男は全然好みではありませんが、
こういう男が好きな人も世の中には大勢いそうです。
相手の女性達も皆、魅力的でいい人達です。
些細なエピソードの一つ一つを楽しむ話なんだと思います。
借金トラブルの末にどうなるのか、謎を残したままなのは個人的にはモヤモヤしますが、
きっとそれは蛇足なのでしょう。伊坂らしいといえば、らしい作品。