「文庫版 絡新婦の理」
百鬼夜行シリーズ5作目。
ワタシの文庫リストで未読マーク付きだったので未読かと思ったけど
どうやら未読マーク削除を忘れていただけだった模様。というわけで再読。
タイトルは「じょろうぐものことわり」蜘蛛、しかも女郎蜘蛛です。
女権拡張論、古の性文化風習、基督教、等々
性差別に関する色んな内容が絡んできて興味があれば面白い。
過去の運動家の方々のおかげか、現代では別に女性は冷遇されているとは思わず、
時々差別と区別をはき違えているのでは?と思う自称フェミニストにはうんざりですが、
こういうフィクションで得た知識で色々物事を解った気になってる自分にも実はうんざりです(笑)
作中会話でで女性崇拝者と女権拡張論者のどちらにもフェミニストとルビがあり
会話に齟齬があったのが面白かった。
言葉って難しい。
蜘蛛の糸のように見えない糸で繋がれた複数の事柄が
中心に近付いていくと徐々に繋がり初め、やがて一つになる。
こんな犯罪を考えついて実行する人がホントにいたら凄い。
ラストの一文が最初の一文に繋がる構成が面白い。
怖いくらいに綺麗な情景が目に浮かぶ文体の序章で終章。