SHINO's SketchBook
SHINOのときどき絵日記
 

2009年06月08日

  ■そして名探偵は生まれた(歌野晶午)

そして名探偵は生まれた
表題作他3篇の中短篇集。
内2作は00年と02年の初出時既読のはずだがあまり記憶になし(苦笑)
途中微かにトリックを憶えていたのに結末を忘れているというおバカぶり。
何度も楽しめてお得ということで。

表題作はメインキャラが性格に難ありで読後感の悪い作品。
ブラックジョークが好きな人なら好きな話かも。
私はイマイチでした。
トリックや動機は悪くないと思うんだけど、バタバタした雰囲気が苦手。
こういうのが苦手な辺り自分でもノリが悪いなぁ…と思う。

既読のはずの2作も読後感がいいとは言えないが
どちらもミステリとしては良い感じ。
「生存者、一名」は孤島物。
孤島で生存者1名という先の見えそうな話を予想外の方向に持って行き
更にラストでどちらとも解釈出来る一文を書いている辺り秀逸。
「館という名の楽園で」はそのまんま館物。
マニアが高じて館を建ててしまい更に同志集めての推理劇展開。
トリックは館物にありがちで特に目新しくはないけれど推理劇というお遊びなので
実際の事件として描かれるよりもリアルな感じ。

文庫で追加されたという「夏の雪、冬のサンバ」
キャラが立っていて読みやすい。
メインじゃないけどトリックの一部が同作家の別の作品のメイントリックと同じなのがイマイチ。
メイントリック自体もミステリではありがち。
リアリティはないw


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