「犬はどこだ」
米澤氏初の社会人が主人公の小説。しかも探偵。
当人は迷子犬探し専門の調査事務所を開設したつもりなのに最初の依頼が人捜し、
更に押しかけ助手と二件目の依頼も舞い込んでなし崩しにハードボイルドしてゆく展開。
押しかけ助手の半ぺーがイイキャラです。
登場時は軽めでお莫迦っぽかったのに莫迦じゃなくて不思議とどんどん格好良くなっていくキャラ。
軽めな話だと思ってたらいつの間にかかなりハードな内容になってて
ラストは大どんでん返しとまではいかないけど「こうくるかっ!?」という感じ。
主人公の行動をどう思うかは人それぞれだろうけど、私は特に嫌悪感を抱く事もなく。
非難されるかもしれんけど私は自己保身は重要だと思ってるので
自分を守る為に他人のことを構ってられないのは当たり前。
場合によっては悪意なく他人に不利益を与えてしまうかもしれんが
自分を守る為に必要ならば仕方ない。
利己的な考え方だとは思うけどね。自分が壊れたらおしまいだもん。
自分に余裕があって初めて他人を思い遣れる狭量な人間なのですよ、私は。