建築探偵桜井京介シリーズ9冊目「月蝕の窓」
シリーズモノとしては、京介視点で書かれているということもあって
何やら色々と京介のルーツに関する描写があちこちに。
私の記憶力でこの伏線をきちんと必要なときまで覚えていられるかどうかがモンダイ。
でも人間の記憶なんて本当にあやふやだよね、というのが今回の話。
犯罪の目撃証言がいかにあてにならないか、とかいう
先入観とか思い込みも怖いけど
やっぱ防衛本能が凄いんだよね。
都合の悪い事は忘れるし改竄するし、しかも無意識。
改竄された記憶が当人にとっての真実なんだから或る意味コワイ。
深く考えたら他人の事も自分の事も信じられない ^^;
あと今回は霊能力者系の人が出てきてます。
京介が「科学的に証明されていないことは信じない」という見解で
更に「それが自分にとっての真実で、他人の真実を否定するつもりはない」と。
私も概ね同意なんで、シャレやギャグでなく、真剣にオカルト書くのは
そういう分野の文中だけにしてもらいたいです。
SFや幻想小説はそういう前提の元、ちゃんと愉しめます。
そして本格ミステリにオカルトは刺身のつまだとしても不要だと思います。
謎自体は論理的に解かれているんだから良いじゃん、という話ではないわけです。
京介の過去に関する部分やオカルトっぽい部分を省けばあとはわりと単純。
言動に矛盾が多くてアヤシイのは一目瞭然。
*備忘*
「過度に干渉も支配もせず、保護だけするというのは誰にでも出来る事ではない」