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Victor InterLink MP-XP3210 2002.9.1 購入
今回は世間で騒がれていたり、私が感じたりした InterLink の不具合らしき点を紹介しよう。
熱の問題は発売当初から話題になっている。何せ A5 サイズのミニノートパソコンに、ペンティアム3(3210 ではセレロン)とデスクトップ並みの統合チップセットを搭載しているのだから熱くならない方がおかしい。実際に熱で接着剤が溶けてゴム足が外れてしまったという報告が多発していた。2ちゃんねるの InterLink スレなどでも「異常に熱を持つ」と大いに叩かれたが、中には「熱く感じるのは内部の熱が上手く放熱できている証拠。触って熱くないノートパソコンの方が内部に熱がこもって逆に危ない」などという説得力があるのか無いのかよく分からない発言もあった。実際に使ってみて私は「熱いことは熱いが異常という程ではない」と感じた。確かに 206VL よりは熱く感じられるが使用に支障を来すほどではない。やはり最初に書いたとおり、この性能ならこれくらい熱いのはある種仕方がないと言えるだろう。
騒音問題も熱問題と並んで発売当初からやり玉に挙がっていた問題だ。温度が高くなる筐体を冷却するためのファンの音がうるさいというのだ。これもあちこちで叩かれ「図書館で使うには気が引けるマシン」とも言われた。私にとって騒音は熱よりも大きく感じられた。何せ 206VL はファンレス構造だったのでかなり静かだった。そこからするとかなりの音だ。SHINO のゼフィー君が起動しているときは気にならないが、深夜に使っているとちょっと気になる。ファンの音については BIOS のアップデートに伴い改善はされているようだ。確かに 0110 の BIOS を入れたときは少し静かになった気がした。しかし 0112 を入れてからまたうるさくなった気がした。これは飽く迄体感なので実際のところは分からないが。
手を触れていないのに勝手にカーソルが動くドリフト現象は、トラック・ポイント搭載機種の宿命と言えるだろう。InterLink でもご多分に漏れずにドリフト現象は発生する。ただし同じキーボードモジュールを使っている 206VL と比べると回復が早いように思う。これは少しうれしい点だ。
第一世代の InterLink 7210/3210 には電源の投入、もしくは休止状態からの復帰で液晶の輝度がリセットされるという困った仕様になっていた。通常、モバイルユースでノートパソコンを使う場合、少しでバッテリ稼働時間を伸ばそうと液晶の輝度は視認に差し支えのない範囲で暗くすると思う。しかし、InterLink では液晶の輝度を調節していても、電源を投入する、休止状態から復帰する、AC アダプタを抜き差しする、のいずれかの動作をすると輝度が規定の値に戻ってしまうのだ。AC アダプタ有りの状態では最高輝度、無い状態で半分の輝度、これが規定の値であり事あるごとにこの値に戻ってしまうのだ。これでは不便で仕方がない。多くのユーザは JVC に抗議したが JVC は飽く迄"仕様"だと押し通した。しかし、ほぼ同じ筐体を使った次世代機種 7220/5220 ではこの問題が解消されていたのだ。「新機種は対応して旧機種は放ったらかしなのか」と旧機種のユーザは更に憤慨した。このユーザの声に応え JVC は輝度問題に対応した BIOS を発表。現在は便利に(というより"普通"に)使えている。
3210 を購入してしばらく経ったとき、どうも筐体がぐらついているの気づいた。本体右手前ゴム足だけ短いような感じなのだ。そこで私は、206VL 用に買っておいたゴム足を取り付けることにした。これで解決、と思っていたらゴム足を取り付けたにもかかわらず、全く同じようにぐらつくのだ。これは筐体自体が歪んでいるようだ。後で知ったのだが、InterLink には筐体の歪んだ製品がわずかに混じっていて、初期不良として交換を受け付けてもらえた例もあるのだそうだ。そんなこととは露知らず、当時の私はとにかくこの状態を何とかしようと、右手前のゴム足を上げ底することにした。クリアファイルにパンチで穴をあけ、その切り取られた方を数枚重ねて、瞬間接着剤でゴム足に付けたのだ。これで何とか水準は保たれた。ところで、このゴム足、少々背が高すぎたように思う。底面と接地面にある程度の隙間ができるのは放熱上良いかしれないが、ゴム足が突起となって、持ち運びの際や、インナーケースの出し入れの際に少し邪魔になってしまう。初期不良の件をもっと早くに知っていれば交換してもらえたかと思うと少し悔やまれる。
その他に SD スロット周りの不具合、USB 周りの不具合が報告されているが、私の 3210 では今のところ実害はない。私の 3210 にも何かと不具合はあるが、今のところは何とかごまかして、まあまあ快適に使えている。
これがテリアの"長靴"。 ゴム足の取り付け位置はこうなっている。基本的に元のゴム足の位置に準じている。 ゴム足自体がかなり出っ張っているのがお分かりになるだろうか。 |
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普通に置いた正面から。 底面にかなりの隙間ができるので、放熱効果がある、ということにしておこう。 |
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普段使っているインナーケースに入れたところ。 実際のところ新しいゴム足は出っ張りすぎて、このケースに出し入れする際にはよく引っかかる。 このインナーケースは三菱の AMiTY CN に付属のケースで 206VL もこれに入れていた。 |
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ゴム足のアップ。 元のゴム足との高さの差をお分かりいただけると思う。 |
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上げ底をしたゴム足のアップ。 てっぺんの部分の質感が違うのがお分かりいただけるだろうか。 |
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これが上げ底の材料に使ったクリアケースの成れの果て。 穴がやけに多いことには突っ込んではいけない。 |