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Victor InterLink MP-XP3210 2002.9.1 購入
昨年の八月からメインのパソコンとして使っていた FIVA 206VL は私にとってほぼ理想に近いパソコンであった。それまで自宅で使っていたパソコンが PowerBook 2400 であったこともあるが、Windows が不足なく動き、A5 サイズで持ち運びも可能なパソコンの登場は私のパソコンライフを激変させたと言っても過言ではない。何より、持ち運びできることで、自宅でも会社でも同じパソコンを使えることが大きかった。メールや各種文書、画像やクリップアートなどのデータを全て一台のパソコンで管理できるからだ。しかし、約一年弱の間活躍した 206VL にも不安が見られるようになった。一点はハードウェア的な問題。206VL の CPU は省電力を誇る Crusoe が採用されている。しかし、その分他の CPU と比べると処理能力が少々見劣りする。また、206VL は VRAM が 2MB しか搭載されていないので、グラフィック処理がかなり貧弱なのだ。普通にフォルダを開く処理ですらもたつくことがある。このハードウェアに関する不安は主に仕事の面で影響を及ぼし始めた。もう一点は 206VL が私の所有物ではない点。これは私の精神に影響を及ぼした。解決する方法は、自前で新しいノートパソコンを購入して、それを仕事でも使えるように交渉することだけだったが、まず自前でノートパソコンを購入する事がほぼ不可能に近かった。
パソコンに関する淡い不安を抱えていた頃、私は Handspring 社の キーボード付き Palm デバイス Treo90 の購入を画策し、実際に資金も集め、発注まで完了させていた。Treo90 にはバックライトに関する不良があったので、納品は遅れていたが、商品の到着を待つばかりとなっていた。そんなとき、InterLink XP-7210 を購入した方とメールをしているうちに、購入の際に SONY の VAIO SRX7 と迷ったという話題になった。当時の私は InterLink XP には興味があったものの、画面解像度が 4:3 でないので購入対象には入っていなかった。一方の VAIO ノートも初代 505 や 初代 C1 には猛烈に惹かれたことがあったが、その後あまりにもメジャーになりすぎていたので逆に醒めていた部分があった。何の気に無しに SonyStyle のサイトを訪れてみると確かに SRX7 はバランスの良いマシンに思えた。何より SonyStyle だと余計なオプションを省いて割安で買えるのに好感が持てた。しかし割安と言っても私には手の届かない額だ。Treo 用に資金繰りしていたが、ノート PC なんか買える額には達していなかった。そんなとき、私の目に飛び込んできたのは「分割手数料半額キャンペーン」の文字だった…
今まで、私はパソコンをローンで買った事は無かった。最後に買ったのは PB2400 だが五十万円近くをキャッシュで払っている。パソコンでローンを組むなど考えた事も無かった。しかし「分割手数料半額キャンペーン」の文字は私にローンという手段を思い出させ、また手数料半額という魅力的な条件も提示したのだ。私はとりあえず Treo90 をキャンセルする事にした。もし、ノート PC を買わなかったとしても、バックライト問題が完全に解決した後で再度オーダすれば良いと思ったからだ。とにかくノート PC 購入の可能性を模索する事にした。そのためにはまず確認しておかなければならない事がある。
前述の通り、私は仕事で使うパソコンもプライベートで使うパソコンも一台で済ませたいと思っていた。今までは会社のパソコンをプライベートで使わせてもらっていたが、今度は逆にプライベートなパソコンを仕事で使う事になる。その旨を上司に確認したところ、答えはノーだった。プライベートなパソコンを会社のネットに接続するのはまずい、ということだ。それなら会社で新しいノートパソコンを買ってそれをプライベートで使えばよい、という有り難い申し出も受けたが、これでは現状と変わらないのでできれば避けたかった。一方で、206VL でこれから資料作成が増えるであろう状況を乗り越えられるとも思えなかったので、会社で使うのに新しいパソコンは必要だということ変わりはなかった。
ここで少し考え直してみる事にした。会社で資料作成等の事務処理を行うにはデスクトップ PC の方が便利である。出先でプレゼンテーションをするにはサブノート PC が必須である。となれば自ずと使用するパソコンは分かれてしまう。最初に書いた通り、データの一元管理という意味で一台のパソコンにこだわってきたが、そのこだわりを見直すときがやってきたのだ。当初パソコンを一台にまとめたかった最大の理由はメールの統合管理である。しかし、この件については Web メールを使う事により、ほぼ解消されていた。わざわざ会社のメールアドレスにプライベートのメールを転送しなくても、Web メール宛に転送しておけばブラウザから確認できる。会社のメールも Web メール宛に転送しておけば自宅での確認も可能だ。こうしてメールの問題は解決した。あとはクリップアート等のデータに関してだが、これはもう両方のパソコンに同じデータを持たせるしかない。ここに至って私は、会社用のパソコンに少しメモリを増設したデスクトップパソコンを発注する決意をした。
会社用パソコンをデスクトップにするという事は、もはや 206VL を自宅に持って帰って使う事はできなくなる、という事を意味していた。すなわち、自宅用にノート PC を買わなければならないということだ。この時点での購入予定機種は VAIO SRX7。前述の分割手数料半額やその他キャンペーンもあったので SonyStyle での購入を決めていた。しかし、いざ発注してみると品切れと表示される。当然サイト上ではそんな表示は無い。EC サイトにはありがちなのかもしれないが「キャンペーン期間中に在庫切れを起こすとは何事だ」という苦情メールを SonyStyle に送りつつ、この先絶対に SonyStyle でパソコンを買うものか、と決意して次機種の選定を開始した。
次機種の選定はあっさり終わった。分割手数料半額等の付加条件が無く、フラットな視点で見た場合、当時の機種の中では InterLink XP しか選択肢が無かったのだ。画面が 4:3 ではないのは気になるが、206VL からの乗り換えでサイズ的にも性能的にも要求を満たすのはこの機種しかなかった。残るは Pentium3 搭載の 7210 にするか、Celeron 搭載の 3210 にするかだった。これは実際に購入にする際、店頭でも一時間以上迷った。心情的には最高スペックの機種が欲しかった。しかし 3210 に搭載されている Celeron のパフォーマンスがそんなに悪くない事、そして価格面で 3210 を選択した。店員が持ってきた 3210 は嘘か誠か、在庫の最後の一個だったそうだ。
購入に際しては、もちろん一括では払えないのでローンを利用した。来年の十二月まで支払いを続けなければならない。最低それまでは 3210 を使い続けなければならないということだ。性能についは十分使用に耐えると思うが、何かと問題の多い機種なのでハード的に無事でいられるかはいささか不安だ。ローンについては、現在の家庭の状況、自分の収入等を考えると少し無理をしたかもしれない。SHINO にもかなり怒られた。これが無理にならないよう、なんとか家族に迷惑をかけずに無事に完了させたい。
紆余曲折を経て購入した 3210 であるが、今のところ何の不足もなく使えている。それにもまして、会社のパソコンはデスクトップにして本当に良かったと思っている。九月、十月の資料作成の嵐はノートパソコンではとても乗り切れなかっただろう。