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■はじめてのパソコン■

NEC PC-9801EX2 1990.9 購入

・パソコンサンデー
私が最初にパソコンを欲しいと思ったのは中学三年の頃だった。当時日曜日の朝に「パソコンサンデー」という番組が放映されていて、その番組を見ながら購入を夢見ていた。その頃パソコンといえば NEC PC-8801、富士通 FM-7、シャープ X1 等があった。当時 NEC のパソコンは既に大きなシェアを獲得していたので、その流れを嫌った私はシャープの X1 を購入の本命としていた、自分の心の中では。しかし現実問題中学生の身分ではパソコンなど自分で買えるはずもなく、親に頼むには高額な商品であった。結局中学生の私にとってパソコンは高嶺の花であった。

・X68000 登場
高校に入ってシャープから X68000 が発売された。マンハッタンシェイプの黒いボディ、従来のパソコンとは明らかに一線を画すデザインに私は魅せられた。カタログに描かれたツタンカーメンの黄金のマスクも私の心をときめかせた。しかし高校生の私にとってパソコンはやはり高嶺の花であり続けた。

・PC-9801?
大学に入ってようやくパソコン購入が現実のものとなった。アルバイトして後から返すという条件で代金は親に立て替えてもらった。そして購入したパソコンは X68000 ではなくNEC の PC-9801EX2 だった。PC-9801 は PC-8801 の上位機種で発売当初はビジネス専用マシンのイメージが強かったが、この時点では NEC のフラグモデルとして「PC 国民機」の地位を不動のものにしていた。結局私も互換性等を考慮して PC-9801 を選んでしまったのだ。当時まだ少なかった 3.5 インチフロッピィモデルを購入したのはせめても抵抗だろうか。あと EX2 には FM 音源が内蔵されていたのも選択のポイントとなった。

・何に使うの?
購入の主目的はゲームとプログラミング。このマシンでは結局最後まで通信は行わなかった。プログラムも QuickBASIC で少し組んだ程度だったので実質ゲーム用といっても過言ではなかった。しかしプログラムはあれだけでも後々の役に立ったと今は思える。もちろんワープロや表計算の用途でも使用していた。FM 音源内蔵の機種を選んでいる辺りからもやはりゲームメインだったことが伺える。

・お値段は
ハード的には CPU が 16bit の 80286(12MHz)と V30(8MHz)、メインメモリは 640KB、増設メモリ無し、ハードディスク無し、3.5 インチフロッピィディスク二台装備(当時は当たり前だが)、FM 音源内蔵、これにアナログディスプレイや MS-DOS、QuickBASIC 等のソフトを含めて 32 万円。スペックと比較して現在のパソコン価格帯と比べるのは愚の骨頂というものだが、やはり高い買い物であった。

・増設の記録
最初に増設した機器は 5 インチフロッピィディスクドライブだった。やはり周りには 5 インチユーザが多く、5 インチユーザの一人である友人と共同で購入。5 インチの方がメディアも安いので、データ交換以外にバックアップにも役立った。続いては 40MB のハードディスク。SCSI ボード等を買うのが面倒だったので、バススロットルに内蔵するタイプを購入した。ハードディスク圧縮ソフトを使って 80MB として使用していた。増設メモリは 2MB のものを友人に安くで譲ってもらった。これはハッキリ言って具体的な効果が分からなかった。CPU も一応 486 相当のアクセラレータを搭載した。これは少しは体感速度が向上した。最後に MIDI シーケンサを増設。友人の影響で増設したが、活用したとは言い難い状況だった。元々が貧弱だったせいもあるが、歴代のマシンでもハード的に一番手を加えたマシンだった。

・CONFIG.SYS との格闘の歴史
このマシンの OS は 3.3 ~ 5.0 と最初から最後まで MS-DOS だった。それは CONFIG.SYS との格闘の歴史ともいえる。ゲームをするためには相応のコンベンショナルメモリ空き容量が必要だ。FEP 等を入れるともはやプレイできないゲームが大半だった。5.0 になって UMB 領域が使えるようになったが、ゲームに必要なメモリも増えて結局闘争は終わらなかった。

PC-9801EX2 は 1994.12 まで約 5 年間現役で使用され、その後両親が少し使っていたが、最終的に父の友人宅に引き取られていった。私にとってはじめてのパソコンであったこのマシンは私に色々な事を教えてくれた。今の私の礎を築いてくれたマシンだと言えるだろう。