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CASIO CASSIOPEIA FIVA MPC-206VL 2001.8 入手
WindowsXP は言わずと知れた MS-Windows の最新バージョンで、系列としては Win2000 の流れをくむものであり、NT テクノロジーがベースになっている。これにより Win9x 系の不安定な挙動は克服され、さらに Luna という新しいユーザインターフェイスを備えている。堅牢さと使い安さを両立した OS ということになるだろうか。私は Win2000 に満足していたし、βテストユーザからメモリを大喰らいすると聞いていたので XP に手を出すつもりはなかった。ところが例のベンダーの方から 180 日間使用期間限定の WindowsXP プレビュープログラムをいただいたのだ。せっかくいただいたのだから早速試してみたかったが、FIVA には問題があった。
実は FIVA 206VL の前の機種、FIVA 206/205 に XP のβ版をインストールすると BIOS が吹っ飛ぶという恐ろしい報告されているのだ。これは CASIO からも正式にアナウンスされていて、こうなった場合有償によるメイン基盤の交換となってしまう。206VL で同じ現象が発生するかどうかは、不明だが、少なくともこの時点で成功したという報告もなかったので、206VL へのインストールは見合わせていた。
2001 年 9 月 20 日頃、FIVA-ML で 206VL に XP のβ版のインストールに成功した、という発言が流れたので満を持して私も挑戦することにした。手順は Win2000 の時と同じく i386 のフォルダを任意の場所にコピーして WINNT32.EXE を実行するだけ。インストールは順調に始まったが、途中の再起動でモードスイッチが A なのにも関わらず、B 側の Linux が起動、しかもカーネルパニックが出て起動に失敗。不審に思いながらもモードスイッチを B にして再起動すると Windows が起動し XP のインストールが再開された。そんなこんなで XP のインストールは何とか正常に終了。Win2000 では調達が必要だったドライバ関係も XP には最初から含まれていてトラックポイントのドライバを更新したくらいであとは最初から正常に動作した。ネットワークへの接続と IE と OE の動作テストをして XP を一旦終了。再起動して NT ローダで Win2000 を選択するとなんと起動しないのだ。
メインで使用している Win2000 が起動不可に陥って私の顔面は蒼白になっていたと思う。現在使っている環境のほとんど全てが Win2000 に入っている。今回の XP インストールに備えて最低限のバックアップはとっておいたとはいえ、これは痛すぎる。一瞬再インストールも頭をよぎったが、何とか Win2000 の復帰を試みた。モードスイッチを A にしてみる。するとやはり Linux が起動して、起動途中でこけてしまう。どうもこの辺りが怪しい。モードスイッチを B にして NT ローダで XP を選択するとこちらは起動する。起動した XP から C ドライブの Boot.ini を見てみると XP のパーティションが (5)、Win2000 のパーティションが (1) となっていた。実際には Win2000 = C ドライブ、XP = E ドライブに入っていたので、XP が (5) なら Win2000 は (3) ではないだろうか?と思い修正してみた。そして NT ローダから Win2000 を選択すると……今度は無事に起動した。良かった。何とか再インストールの危機は免れた。
今までに何回か書いているが FIVA 20x 系にはモードスイッチがあって、この切り替えによって起動する OS を選択できるようになっている。私は詳しく分からないのだが、A にすると第 1 パーティションの OS が、B にすると 第 3 パーティションの OS が起動するようになっているらしい。通常の場合第 1 パーティションが Windows で 第 3 パーティションが Linux だ。しかし実は実際のデータの並びとしては Linux が先頭で Windows がその後となる。つまり論理的に順番だけを変えているのだ。それが XP をインストールすることにより、パーティションの順番が実際のデータの並び順に書き換えられてしまうらしい。これは現在の製品版 XP でも同じ現象が起こるそうだ。このようにパーティションの順番を書き換えられてしまうことにより、モード B の Linux や Win2000 が起動しなくなったというわけだ。まったく勝手に書き換えしないでほしいものである。
XP をインストールしてしばらく経ったある日、起動しなくなった Linux 領域を DOS フォーマットにしようと考えた。非 MS-DOS 領域として 200MB と 8MB の 2 パーティションが存在していたので統合して、モード A で MS-DOS でも起動できるようにしようかなぁとか漠然と思っていた。そして FDISK を実行。終了後 Win2000 を起動しようとすると上がらない、今度は XP も上がらない。そうなのだ、二つあったパーティションが一つになったのだから、またしても Boot.ini に記載されているパーティション順と実際のパーティション順が狂ったのだ。なんたる迂闊、なんたる学習能力の無さ。とりあえず、CF カードから起動して Boot.ini を直接編集しようと試みたが、ダメだった。Boot.ini が存在する C ドライブは NTFS フォーマットなのだ。NTFS には DOS からではアクセス出来ない。今回統合したパーティションをもう一度分割してみたが FDISK では不可能。今度こそ再インストールするしかないか、と思ったとき MBM というツールの存在を思い出した。これなら複数の DOS 基本領域作成することも可能だ。早速ゼフィー君で MBM をダウンロードし、何とか再度 Win2000 が起動する状態まで復帰することが出来た。
MBM で新たに確保した DOS 領域は第 1 パーティションを 8MB 第 2 パーティションを 200MB とした。8MB の領域には起動システムと NT ローダ、さらに XP がデフォルトで起動するように編集した Boot.ini を転送。C ドライブの Boot.ini は Win2000 がデフォルトで起動するように編集。これでモードスイッチ A で XP、B で Win2000 が起動するようになった。メリットは NT ローダで OS を選択する手間が省けるくらいで実際のところあまり意味がない。200 MB の領域は後日書くが、Basilisk 上で稼働する MacOS でマウントするためのエリアとした。
短い期間だが私の XP を使った感想を少し書いておく。やはりグラフィックの弱い 206VL では Luna は重い。かといってクラシックスタイルにすると Win2000 とほとんど同じで面白くない。また Luna というインターフェイスはそれなりに考えられていて初心者にもに使いやすくなっていると思うが、すでに Windows に慣れたユーザにとってはちょっと混乱してしまう。冒頭でも触れたとおり XP 自体は NT テクノロジーがベースになっている最新の OS なので、Crusoe の LongRun 制御も標準でサポートされている。メモリを出来るだけ増設し Luna を使わず軽めのインターフェイスを選択すれば Win2000 と同等以上に使えるのではないだろうか。結局私は Web ブラウズとピンボールくらいにしか使わなかったのだが。
最新機種の FIVA 216XL ではプリインストール OS が XP となった。20x 系へのインストール情報も昨年末 CASIO から公開された。さて、パーティション並び替え以外の XP インストールの弊害として、私のところでは NortonAntiVirus のリアルタイム保護が出来なくなるという現象が起きた。これは NAV の試用版でもコーポレイトエディションでも同様の現象が起きた。私のはプレビュー版なので製品版で起こるかどうかは不明。206VL にインストールされた XP は 2001 年 12 月 24 日の OS 再インストールの際に、180 日を待たず消去されてしまった。これだけでは何なので、MacOS X 風になっているが、唯一残ったスクリーンショットを掲載しておく(クリックすると大きな画像を表示)。